看護師のパートナーの転勤における注意点!子育てとキャリア両立のコツ5つ

パートナーの転勤が決まり「今の仕事をどうすれば良いの?」「新しい土地で看護師としてやっていけるの?」など、さまざまな不安を抱えている方もいるでしょう。
看護師が自分の事情により転勤するケースは少ないですが、パートナーの転勤に伴って転職するケースは多い傾向です。
この記事では、パートナーの転勤によって転職する看護師が、現職の対応や転職先の探し方、子育てとキャリアを両立するコツを解説します。この記事を参考に、転勤という転機を乗り越え、自分らしい働き方を見つけてください。
看護師のパートナーの転勤における注意点【現職対応】
パートナーの転勤が決まったら、看護師は今の職場で退職の手続きを進める必要があります。
- 退職の意思表示を早めに伝える
- 責任ある引き継ぎで円満退職を目指す
- 必要な書類や手続きを人事担当者に確認する
スムーズに転職活動を始められるように、3つのポイントを押さえて準備を進めましょう。
退職の意思表示を早めに伝える
パートナーの転勤が決まり退職することを決めた時点で、今の職場にその意思を早めに伝えましょう。後任者の手配や引き継ぎに十分な時間を確保する必要があります。
民法第六百二十七条によると、期間を定めない雇用契約の場合、退職したい旨を伝えた日から2週間で辞めることが可能です。
ただし、2週間前に伝えると、後任の看護師が業務内容を十分に理解できないまま、引き継ぐことになるかもしれません。また、就業規則に1~3ヶ月前の申告が必要と記載されている場合が多いため、早めに伝えるのが安心です。
責任ある引き継ぎで円満退職を目指す
責任ある引き継ぎをすることで、円満退職を目指せます。
たとえば、夜勤リーダーを務めている場合、夜間の急変対応の手順やチームの指揮について、後任者に詳しく伝えましょう。また、業務マニュアルや、患者さまごとの注意点をまとめたリストを渡すだけでなく、実際の夜勤で教えると、後任者は自信を持って業務に取り組めます。
責任ある引き継ぎをおこなうことで職場に感謝され、次の職場へ気持ち良く移れます。
関連記事:看護師の退職ガイド!円満退職までの流れを8ステップで解説
必要な書類や手続きを人事担当者に確認する
退職にあたって必要な書類や手続きを人事担当者に確認しましょう。なぜなら、必要な手続きを漏れなくおこなうことで、退職後のトラブルを防げるためです。
一例として、退職後に失業手当を受け取るには、離職票が必要です。もし手続きを忘れ発行が遅れてしまうと、次の職場での雇用保険の加入が遅れたり、失業手当の受け取りが遅れたりするかもしれません。
退職前に人事担当者に確認し、どのような書類が必要で、いつ頃受け取れるのかを把握しておくと退職後の生活もスムーズになります。
看護師のパートナーの転勤における注意点【転職先探し】
パートナーの転勤先で新しい職場を探す際には、いくつか注意すべきポイントがあります。
- 教育体制やサポート体制をチェックする
- 給与・待遇や福利厚生の条件を確認する
- 勤務地や通勤時間を現実的に考慮する
- 求人サイトを活用する
これらの点を確認しながら転職活動を進めることで、ゆとりある働き方を実現できるでしょう。
教育体制やサポート体制をチェックする
パートナーの転勤先で働く病院の教育体制やサポート体制をチェックすることが、新しい職場で業務に慣れるためには大切です。
たとえば、消化器外科に勤務していた場合、転職先が心臓血管外科となると、業務内容や使用する医療機器などが大きく異なり、戸惑うことも多いかもしれません。
しかし、先輩看護師がマンツーマンで指導してくれるプリセプター制度や、定期的な研修制度があれば、ストレスなく業務に集中できるでしょう。病院の教育体制を事前に確認することで、未経験の分野でも安心して働けます。
給与・待遇や福利厚生の条件を確認する
前職と大きく条件が異なると、転職後に後悔する可能性があるため、給与や待遇、福利厚生などを確認してください。
とくに、転勤先の病院で住宅手当や通勤手当などの手当がない場合は、給与が下がり、生活に支障が出るかもしれません。
給与や待遇は、求人情報にすべて記載されているわけではないため、不明な点があれば面接時に採用担当者に質問し、納得したうえで転職先を決めましょう。
勤務地や通勤時間を現実的に考慮する
転職する際には、勤務地や通勤時間も考慮することが重要です。
転勤先が地方で電車やバスの本数が少ない場合、通勤に往復2時間以上かかるかもしれません。また、子どもがいる家庭は、保育園までの送迎時間も考えて、勤務時間やシフトを調整する必要があります。
転勤先の交通事情を調べて、無理のない通勤時間で通える職場を選ぶことで、心身ともにゆとりを持って働けるでしょう。
求人サイトを活用する
転勤先での転職活動には、求人サイトを活用するのもおすすめです。
求人サイトには、さまざまな条件で絞り込める検索機能があります。「日勤のみ」「残業少なめ」といった希望条件で求人を探したい場合でも、効率的に仕事を見つけられます。
看護師のパートナーの転勤における注意点【採用面接】
採用面接では、看護師としてのスキルや経験だけでなく、人柄や意欲もアピールすることが重要です。
- パートナーの転勤による転職であることを主張しすぎない
- 転勤先での働き方の希望や条件を具体的に伝える
- ブランク期間がある場合は学習・研修経験をアピールする
これらのポイントを押さえることで、採用担当者に「新しい環境でも前向きに働いてくれそう」という良い印象を与えられるでしょう。
パートナーの転勤による転職であることを主張しすぎない
面接では、パートナーの転勤による転職であることを主張しすぎないように注意しましょう。というのも、採用担当者は「転勤がなければうちの病院に興味がなかった」「採用しても意欲的に働かないのでは」と、ネガティブに捉えてしまう可能性があるためです。
パートナーの転勤を転職のきっかけとして捉え「転勤を機に地域医療に貢献したいと考え、貴院を志望しました」と、前向きな理由としてアピールすることで、入職への意欲を伝えられます。
転勤先での働き方の希望や条件を具体的に伝える
面接では、入職後のミスマッチを防ぐため、希望の働き方や条件を具体的に伝えましょう。ただし、希望ばかりを一方的に伝えるのは、採用担当者に良い印象を与えません。
あくまで、入職後のミスマッチを防ぐための確認であることを念頭に置いてください。たとえば、仕事と子育てを両立したい場合「夜勤は月に4回までを希望します」「保育園の送迎ができるように終了時間を16:00にして頂けるとありがたいです」と伝えるのがおすすめです。
具体的な数字を伝えることで、病院側もあなたの働き方を理解できるため、長く安心して働けます。
ブランク期間がある場合は学習・研修経験をアピールする
転勤によるブランクがある場合は、その期間に取り組んだ学習や研修のアピールが不可欠です。
パートナーの転勤によって6ヶ月間のブランクができた場合、その期間に呼吸療法の研修に参加したり、感染管理の新しいガイドラインを学習したりした経験を伝えると良いでしょう。
ブランク期間中の学習経験をアピールすることで、働く意欲や看護師の知識を維持するための努力をアピールできます。
看護師のパートナーの転勤において子育てとキャリアを両立するコツ5つ
パートナーの転勤による転職は、子育てとキャリアの両立を考える良い機会になります。ここでは、両立を成功させるためのコツをお伝えします。
- ブランクを最小限にするキャリアプランを立てる
- パートナーと生活や育児の役割分担を決める
- 転職先の子育て支援制度を確認する
- 日勤中心・残業少なめの条件を優先的に確認する
- 面接で希望条件とキャリア意欲を具体的に伝える
これらのコツは、新しい環境での生活や仕事への不安を減らし、自分らしい働き方を見つけるために欠かせません。
ブランクを最小限にするキャリアプランを立てる
パートナーの転勤によるブランクを最小限にするためには、計画的なキャリアプランが不可欠です。ブランクが長くなると、復職に不安を感じてしまう看護師も少なくありません。
引越し前に求人サイトに登録し、転勤先の求人情報を集めたり、スキルを活かせる病院やクリニックを調べたりすることで、すぐに新しい職場で働き始められる可能性があります。
パートナーと生活や育児の役割分担を決める
パートナーと生活や育児の役割分担を決めることで、新しい生活でのストレスを減らせます。
たとえば、転勤後、パートナーが朝早く出勤する場合は、子どものお世話や保育園への送迎を担当するかもしれません。一方で、パートナーの帰宅が早い場合は、夕食の準備や入浴をパートナーが担当するなど、ある程度の分担を決めておきましょう。
また、新しい土地での生活に合わせて、柔軟に役割を変えながら対応していくことも大切です。協力体制を築くことで、どちらかに負担が集中するのを防げます。
転職先の子育て支援制度を確認する
転職先の子育て支援制度を確認しましょう。なぜなら、子育て中の看護師にとって、働きやすい環境は仕事のモチベーションを保つうえで重要だからです。
院内託児所や時間勤務制度などが充実していれば、子どもの急な発熱などにも対応しやすく、安心して仕事に取り組めます。また、育児休業の取得実績があるかどうかも、転職先の働きやすさを知るうえで重要なポイントです。
これらの制度は、求人票だけでは詳細がわからないことも多いため、面接時に質問したり、事前に病院のホームページで確認したりすることをおすすめします。
日勤中心・残業少なめの条件を優先的に確認する
新しい生活に慣れるまで、心身ともに余裕を持てるため、日勤中心で残業が少ない条件を優先的に確認するのも1つの方法です。
パートナーの転勤で馴染みのない土地へ引っ越した場合、住居の近隣情報や公共交通機関、スーパーの場所などの情報がわからず、新しい生活に慣れるまでに苦労しがちです。また、子どもの転園や転校があれば、子どものケアも必要です。
この状況で、夜勤や残業が多い病院に転職すると、心身ともにストレスが溜まるかもしれません。日勤中心で残業が少ない求人を探すことで、仕事とプライベートのバランスを保てるでしょう。
面接で希望条件とキャリア意欲を具体的に伝える
面接で希望条件とキャリア意欲を具体的に伝えましょう。
子育てと両立しながら働きたいと考えている場合は「日勤のみで働きたい」と伝えたり「子育てが落ち着いた後は、管理職を目指したい」と、長期的なキャリアプランを話したりすると、働く意欲をアピールできます。
希望条件とキャリア意欲をしっかりと伝えることで、入職後のミスマッチを防ぎ、長く安心して働けます。
看護師のパートナーの転勤による実例
ここでは、パートナーの転勤で転職した看護師の実例を2つ紹介します。
実例1:夫婦で話し合い転勤をきっかけに働き方を変えた例
夫の転勤で、都内の大学病院から地方都市への転職を決意したAさん。これまで整形外科病棟でキャリアを積んできましたが、転勤を機に「もっと患者さまに専門的なケアを提供したい」と考えるようになりました。そこで、夫婦で話し合い、地方では希少な小児専門クリニックへの転職を目指すことに。新しい分野への挑戦でしたが、夫の理解とサポートを得ながら、専門知識を習得し、仕事とプライベートのバランスが取れる新しい働き方を実現しました。 |
転勤は、これまでのキャリアを見つめ直し、新しい働き方に挑戦する良い機会となります。夫婦でしっかり話し合い、お互いの価値観や目標を共有することで、新しい土地でも充実した生活を送れます。
実例2:スケジュールをしっかり組んでブランクを最小限にした例
夫の転勤を機に、転職を決意したBさん。できるだけブランク期間を作りたくなかったため、転勤の3ヶ月前から転職活動を始めました。求人サイトに登録して、情報収集に努めました。その結果、引越し後すぐに働き始めることができ、ブランク期間を最小限に抑えられました。 |
転勤によるブランク期間の不安を減らすためには、計画的に転職活動を進めることが大切です。求人サイトをうまく活用して、効率的に転職活動を進めることがコツです。
看護師の転勤の注意点についてのよくある質問
看護師の転勤についてのよくある質問をまとめました。
Q1:パートナー転勤での転職、キャリアが途切れない方法はありますか?
パートナーの転勤でキャリアが途切れないようにするには、現在の職場での経験やスキルを活かせる求人を探すことが重要です。これまでの経験を活かすことで、新しい職場でも即戦力として活躍できます。
具体例として、糖尿病療養指導士の資格を取得し、糖尿病専門の病棟で勤務していた場合、転勤先でも糖尿病専門のクリニックを探す方法が挙げられます。専門分野に特化した職場を選ぶことで、キャリアを積めるでしょう。
Q2:転勤先での子育て支援はどのように確認すれば良いですか?
転職先の子育て支援は、求人情報や病院のホームページで確認できます。
実際に「院内託児所完備」や「育児休業取得実績あり」といった記載があれば、子育て支援制度が充実している可能性があります。さらに詳しく知りたい場合は、面接時に採用担当者に「院内託児所の利用条件や、病児保育の有無について教えていただけますか」と質問してみてください。
転職活動中に子育て支援制度を確認することで、安心して働けるでしょう。
Q3:パートナーが転勤族で働く期間が短い場合の職場選びのポイントはありますか?
パートナーが転勤族で働く期間が短い場合は、契約社員やパート・アルバイトといった非常勤の働き方を検討するのも有効です。これらの働き方は、正社員と比べて勤務時間や日数を調整しやすく、転勤に柔軟に対応できる可能性があります。
パートナーが2〜3年で転勤する場合、正社員として働くよりも、パートとして週3回勤務する方が、引越しや退職の手続きがスムーズになります。また、クリニックや介護施設など、短期間でも比較的働きやすい職場を選ぶこともおすすめです。
非常勤や柔軟な働き方を選ぶことで、転勤によるライフスタイルの変化に対応しやすくなります。
関連記事:看護師は転勤するの?パートナーの転勤でも後悔しない転職のコツ5選
パートナー転勤でも後悔しない看護師の注意点を踏まえて子育てもキャリアも両立させよう!
パートナーの転勤が決まっても、適切な準備と計画を立てることで、看護師としてのキャリアを諦める必要はありません。キャリアを見つめ直し、新しい働き方に挑戦する良い機会にもなります。
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<参考サイト・文献>

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