看護師の転職で直接応募しても良い?メリット・デメリットと成功のポイントを解説

「転職を考えているけど、希望の職場に直接応募しても良いの?」「直接応募だと、採用されやすいって本当かな?」
このように考えている看護師はいませんか。看護師の転職には、希望の病院や施設に直接応募する方法と、転職サイトやエージェントを利用する方法があります。
この記事では、看護師が転職で直接応募するときの具体的な流れや、メリット・デメリット、成功させるためのコツを詳しく解説します。自分に合った転職方法を見つけ、転職を成功させましょう。
看護師は転職するときに直接応募できる
看護師の転職で、希望する病院や施設に直接応募することは可能です。直接応募の場合、一般的には次の流れで転職活動を進めます。
- 病院や施設の公式サイトで求人情報を確認する
- 採用担当者に電話またはメールで問い合わせる
- 履歴書・職務経歴書を送付する
- 書類選考を経て面接へ進む
- 内定通知を受け取り、労働条件を確認する
- 入職準備を進める
直接応募は、求人サイトやエージェントを介さず、採用担当者と直接やりとりすることになるため、十分な準備と主体性が求められます。その一方で、採用側からすると、求人サイトへ紹介料を支払う必要がないため、採用コストを抑えられるのがメリットです。
看護師の転職で直接応募を成功させる5つのポイント
直接応募して転職を成功させるためには、次の5ステップを丁寧に進めることが大切です。
- 情報収集と自己分析で方向性を固める
- 採用担当者の印象に残る応募書類を作成する
- 電話やメールの問い合わせと面接で好印象を与える
- 労働条件を確認し交渉する
- 円満退職と入職準備を整える
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.情報収集と自己分析で方向性を固める
転職活動を始める前に、まずは情報収集と自己分析で、自分が大切にしたい価値観や優先順位といった「働き方の軸」を固めましょう。漠然とした考えでは、納得のいく転職は難しいためです。
自分の興味のある診療科や分野の病院・施設の情報をできるだけたくさん集めてみてください。また、自己分析では、これまでのキャリアや得意なこと、苦手なこと、ワークライフバランスへの考えなどを深く掘り下げます。
仕事に求めているものをはっきりさせて、興味のある病院の「理念」や「求める人物像」をチェックします。そうすると、病院の雰囲気が自分に合っているか、自分が貢献できることは何かを具体的にイメージできるでしょう。
2.採用担当者の印象に残る応募書類を作成する
直接応募では提出する書類が応募者の第一印象を左右します。履歴書や職務経歴書を作成する際は、次のポイントを意識してみてください。
応募書類 | ポイント |
履歴書 | ・丁寧な字で、誤字脱字なく正確に記載する ・職歴や資格は、漏れなく記入する |
職務経歴書 | 経験した分野と得たスキル・知識を具体的に記載する ・NG例:手術室での器械出し・外回り業務 ・OK例:心臓血管外科の手術の介助をおこない専門的な知識を習得した |
とくに職務経歴書は、具体的な数字やエピソードを交えると、スキルや強みが伝わりやすくなります。転職先で、自分の経験がどのように活かせるかをはっきりと伝えましょう。
関連記事:【5分で完成】看護師転職の職務経歴書を短時間で書くコツを紹介!
3.電話やメールの問い合わせと面接で好印象を与える
直接応募の第一歩である電話やメールのやりとりで採用担当者の好印象を得るためには、基本的なマナーを押さえておくことが重要です。マナーを踏まえて、誠実さと意欲を伝えるために、次のような姿勢を意識しましょう。
- 電話では明るくハキハキと話し、丁寧な表現を使う
- 相手が忙しい時間帯の電話は避ける
- メールの件名は「看護師の求人について(氏名)」のように、内容が一目でわかるものにする
また、面接では「転職理由」や「志望動機」をはっきりと答えられるように準備しておきましょう。「何か質問はありますか?」と聞かれたら、入職への意欲をアピールするチャンスです。
給与や休日といった条件面だけでなく「入職までに学んでおくべきことはありますか?」「どのような研修制度がありますか?」といった前向きな質問をすると、熱意が伝わります。
4.労働条件を確認し交渉する
内定が出たら、入職を決める前に必ず労働条件通知書を確認しましょう。直接応募の場合、給与や休日などの交渉も自分でおこなわなければなりません。労働条件を確認するタイミングは、内定通知をもらった後、入職の意思を伝える前におこなうのがおすすめです。
労働条件通知書は、賃金や業務内容などを書面で明示することが労働基準法で義務づけられている重要な書類です。次の項目をチェックしてください。
- 基本給
- 手当(夜勤手当・残業手当・住宅手当など)
- 昇給・賞与
- 所定労働時間・残業時間
- 休日・休暇(有給休暇・年末年始休暇・お盆休暇など)
- 福利厚生
口頭での説明と違いがないか、自分の希望と合っているかを確認し、不明な点があれば必ず質問しましょう。
5.円満退職と入職準備を整える
新しい職場への入職を決めたら、現職を円満に退職するための準備を始めます。
【円満退職へのステップ】
退職のステップ | 内容 |
1.直属の上司に退職の意思を伝える | メールや電話ではなく、口頭で伝える |
2.退職の時期を相談する | 引き継ぎや後任者の手配などを考慮し、上司と相談して退職日を決める |
3.退職届を提出する | 指定された形式で退職届を記入し、提出する |
民法上、期間定めのない労働契約の場合、14日前の申し出で退職可能ですが、就業規則に従い1〜3ヶ月前くらいに申し出るのが良いでしょう。
また、入職日が決まったら、源泉徴収や雇用保険被保険者証といった書類を準備したり、すぐに働けるように新しい職場で必要となる病気や看護技術などの事前学習に努めたりしましょう。
関連記事:看護師の退職ガイド!円満退職までの流れを8ステップで解説
看護師が転職するときに直接応募するメリットとデメリット
看護師が転職する際、直接応募することにはさまざまなメリットがありますが、注意が必要な点もあります。自分に合った転職方法を選ぶために、それぞれのポイントをしっかり理解しておきましょう。
直接応募のメリット
直接応募は、自分の力で転職を成功させたいと考える看護師にとって、次のようなメリットがあります。
- 採用担当者に熱意が伝わりやすい
- 採用コストがかからないため、条件交渉で有利になる可能性がある
- 自分のペースで転職活動を進められる
転職活動に主体的に行動する姿勢は、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。
直接応募のデメリット
直接応募にはメリットがある一方、すべての手続きを自分で進めるため、負担やリスクがあるのも事実です。次のようなデメリットがあります。
- 転職先の内部情報(残業や人間関係)がわかりにくい
- 書類の準備や面接対策をすべて自分でおこなう必要がある
- 待遇交渉や細かい条件確認が難しくなることがある
これらのデメリットを理解したうえで、すべてを自分で管理する自信がない場合は、求人サイトのサポートを受ける方が安心して活動できるでしょう。
看護師が転職で直接応募するときにやりがちな失敗例と対処法
直接応募は、うまく進めれば理想の転職を叶えられますが、思いがけない失敗に直面することもあります。ここからは、直接応募でよくある失敗例と、その対処法について解説します。
給与交渉を遠慮して、年収がダウンしてしまった
直接応募では、給与交渉をサポートしてくれる人がいません。「お金の話は伝えにくい」と遠慮してしまい、結果的に前職よりも年収が下がってしまうケースがあります。
内定をもらったら必ず給与条件を確認し、前職の給与を根拠に希望額を伝えましょう。たとえば「前職では月に〇〇円ほどの給与をいただいておりましたので、同じ水準を希望します」というように、具体的な金額を伝えることが大切です。
聞いていた労働条件と違った
「残業は少ないと聞いていたのに、実際は毎日1時間以上残っている」「夜勤回数が想定より多い」など、入職後に条件の食い違いに気づくケースもあります。
採用担当者からの口頭の説明だけで判断せず、書面で内容をしっかりとチェックして、説明を受けた分と違いがないか確認しましょう。
面接の日程調整が思ったより大変だった
直接応募では、採用担当者とのやりとりをすべて自分でおこなうため「面接の候補日をうまく提示できない」「やりとりがスムーズに進まない」といった調整の負担を感じる看護師もいます。
そのような場合は、自分の希望条件をあらかじめ伝えておくことが、スムーズな調整のポイントです。たとえば「平日の午後なら調整しやすいです」「〇日と〇日は終日可能です」というように、都合の良い日時をいくつか提示すると、相手も調整しやすくなります。
看護師の転職の直接応募についてのよくある質問
ここからは、看護師の転職で直接応募するときによくある質問をまとめました。
Q1:看護師の転職サイトを使わない方が良い理由は?
必ずしも転職サイトを使わない方が良い訳ではありません。転職サイトを利用するメリットは、非公開求人を紹介してもらえたり、条件の交渉を代行してもらえたりする点です。
一方で、直接応募の方が熱意を伝えやすいというメリットがあります。また、採用側は紹介料を支払う必要がないため、書類選考や面接の通過率が上がる可能性もあります。
大切なのは、それぞれのメリットとデメリットを比較し、自分に合った応募方法を選ぶことです。
Q2:直接応募をするときは、電話とメールどちらの問い合わせが良いですか?
求人情報や公式ホームページに「メールでお問い合わせください」と記載されている場合は、それに従いメールで連絡しましょう。
とくに指定がない場合は、まずは電話で連絡するのが丁寧で熱意も伝わりやすいです。電話であれば、採用担当者と直接話せるため、職場の雰囲気や担当者の人柄を少しでも感じられるというメリットもあります。
Q3:求人の問い合わせの電話は、いつかけたら良いですか?
相手の忙しい時間帯を避けるのがマナーです。一般的に、次の時間帯は忙しいことが多いため、避けた方が良いでしょう。
- 朝の始業直後(9~10時):朝礼や申し送り、業務の準備で忙しくなる
- お昼休み(12~13時):休憩時間のため電話対応できる人が少ない可能性がある
- 終業間際(17時以降):退勤の準備や引き継ぎで忙しくなる
おすすめの時間帯は、10〜12時または14時〜16時です。日中の業務が一段落し、比較的落ち着いている時間帯であるため、丁寧に対応してもらえる可能性が高まります。
Q4:直接応募に向いているのは、どんな人ですか?
直接応募は、自分の力で転職活動を進めたい人に向いています。具体的には、次のような看護師におすすめです。
- 転職したい病院がはっきり決まっている人
- 主体的に動くのが得意で、自分で調べて判断したい人
- 面接や交渉で自分の考えをはっきり伝えられる人
反対に、情報収集が苦手な人やキャリアの方向性に迷っている人、面接や待遇交渉に不安がある人は、求人サイトを活用する方が安心して活動できるでしょう。
看護師の転職のゴールは「納得できる転職」にすること!自分に合った方法を選ぼう
転職活動は、看護師としてのキャリアに影響する大切な選択です。希望の病院や施設への直接応募は、採用側に意欲を伝えたり、自分のペースで転職活動を進められたりするといったメリットがあります。一方で、情報収集から書類や面接の準備まで、すべてを自分で対応する必要があります。
転職活動の方法に正解はありません。大切なのは「自分が納得できる転職を実現すること」です。それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、自分の性格や希望に合った方法を選びましょう。
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<参考サイト>

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