看護師が土日休みで働ける職場12選!理想を叶える求人を探すコツ

「土日休みがなくて、家族や友人と予定が合わない」「看護師でも土日休みの求人はあるのかな?」
看護師は、患者さまの命を守るため、24時間体制の勤務が求められます。看護師が土日休みで働ける職場もありますが、地域や職種によっては数が限られることもあります。
この記事では、看護師が土日休みで働ける職場の選択肢や、転職活動を成功させるコツを紹介します。理想のワークライフバランスを手に入れて、あなたのキャリアをさらに豊かにするヒントとして、ぜひ参考にしてください。
看護師は土日休みの働き方ができる
日本医療労働組合連合会「2022年看護職員の労働実態調査」によると、55.8%の看護師が一般病棟に勤務しており、日勤・準夜勤・深夜勤などのシフトで働く看護師が半数近くにのぼります。
近年、次のような背景から、看護師の働き方の選択肢が広がっています。
- ワークライフバランスを重視する流れが広まっている
- 医療ニーズが多様化して働く場所が増えている
- 産業保健や地域医療が拡大している
このような変化によって土日休み・日勤のみ・夜勤のみなど、柔軟な働き方が実現できるようになりました。病院以外でも看護師の専門性を活かせる環境は、さまざまな場所にあります。
看護師が土日休みの働き方ができる職場12選
看護師の土日休みが実現しやすい代表的な職場を紹介します。
- 病院の外来
- 病院の手術室
- 病院の地域連携や退院調整
- 訪問看護ステーション
- 訪問診療クリニック
- 健診センター
- 一般企業
- 治験コーディネーター
- 高齢者介護施設
- 保育園
- 学校の保健室
- 看護学校
それぞれの特徴と仕事内容を詳しく見ていきましょう。
病院の外来
総合病院や大学病院の外来部門は、土日休みの働き方が実現しやすい職場です。診療時間が決まっており、夜勤がなく、決まった時間で働けるからです。
おもな業務は、医師の診察の補助、採血や注射、点滴、患者さまの問診や誘導などがあります。病棟に比べて、患者さまの急変や緊急性の高い対応は少なめです。
外来での勤務は、規則正しい生活を送りながら、看護師の経験を活かしたい方におすすめです。
病院の手術室
手術室は、手術が平日に集中するため、土日休みが取りやすい傾向にあります。
手術の準備や器械出し、患者さまの全身管理などが中心であり、これらの業務では高度な知識やスキルが身につけられるため、専門性を高めたい方におすすめです。
ただし、土日の勤務は当番制の場合もあるため、職場を探すときに確認しておきましょう。
病院の地域連携や退院調整
病院の地域連携や退院調整の仕事は、土日休みが基本です。
患者さまの退院後の生活支援や地域の医療・介護機関との調整がおもな業務であり、平日におこなわれることが多い傾向です。臨床経験を活かしつつ、事務や調整業務を中心に働くことができます。
土日や祝日は休みである傾向ですが、病院の方針により異なる場合もあるため確認しましょう。
関連記事: 地域連携室の看護師の仕事内容6つ!向いている人の特徴やおすすめの資格
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションによっては、土日休みを実現できるところもありますが、オンコール体制の有無を確認しましょう。基本的には、日勤の勤務ですが、夜間や緊急時のオンコールに対応しなければならない場合があります。
実際に、厚生労働省「訪問看護」によると、緊急時訪問加算の算定事業所の割合は86%であることが明らかになりました。
つまり、多くの訪問看護ステーションで緊急時の対応が求められます。そのため、オンコールの1ヶ月あたりの回数や、電話対応のみであるのか、もしくは利用者さまの自宅に訪問しなければならないのか、などについて確認することが重要です。
関連記事:訪問看護師は土日休み?土日休みのメリットや休みがないと言われる3つの理由
訪問診療クリニック
訪問診療クリニックは、一般的に平日に訪問するため、土日休みが取りやすい傾向にあります。
医師とともに利用者さまの自宅へ訪問し、診療をサポートしたり、点滴や注射を実施したりします。また、医師と同行するため、1人での訪問に不安がある方には安心感があるのがポイントです。
健診センター
健診センターは、土日休みで働きたい方に理想的な職場です。
健康診断や人間ドックを専門におこなう施設である健診センターでは、採血や心電図、身体測定、問診の補助などをおこないます。緊急性のある対応は少なく、仕事内容や勤務時間が安定しているのが特徴です。
一般企業
一般企業に勤務する保健師や看護師は、企業の就業カレンダーに沿って働くため、土日や祝日は休みになるところが多いようです。社員の健康診断の企画と実施、健康相談、職場環境の確認など、社員の健康管理が主な業務です。
社員一人ひとりの健康が会社の生産性の向上につながるため、会社への貢献度の高さを感じられる魅力があります。
治験コーディネーター
治験コーディネーターは、土日休みの働き方を実現しやすい専門職です。
新しい薬の臨床試験がスムーズに進むよう、医療機関と被験者、製薬会社の間に入って調整します。被験者への治験内容の説明やスケジュール管理、副作用の確認、医師や製薬会社との調整などを担当します。
新しい知識を学ぶ意欲がある方やコミュニケーション能力が高い方に向いているでしょう。
高齢者介護施設
高齢者介護施設は、土日休みが可能ですが、職場によってはシフト制の場合もあります。
利用者さまの健康管理や医療ケア、服薬管理、看取りのケアをおこないます。日勤がメインですが、オンコール当番や夜勤がある施設もあるため、確認が必要です。
高齢者看護に興味がある方や、人と深くかかわることにやりがいを感じる方におすすめの職場です。
保育園
保育園の看護師は、保育園の開園時間に合わせて働くため、土日や祝日が休みである傾向があります。
園児の健康チェックをはじめ、ケガや体調不良時の応急処置、手洗いや歯磨き指導などの健康教育、健康診断の補助などをおこないます。
子どもとかかわることが好きな看護師にとって、魅力的な職場といえるでしょう。
学校の保健室
学校の保健室は、土日や祝日が休みの職場です。学校の状況や時期にもよりますが、春休みや夏休みのタイミングであれば長期休みも取りやすいでしょう。
小学校・中学校・高等学校などの保健室で、児童や生徒の健康管理や応急処置、健康相談、保健だよりの作成などをおこないます。
看護学校
看護学校の教員は、土日休みで働ける場合が多くなります。
看護師を目指す学生に、講義や演習指導、実習指導、学生の相談対応などを中心におこないます。看護経験を活かし、人に教えることや教育に興味がある方に向いている仕事です。
看護師の土日休みの働き方と病棟勤務の違い
土日休みの働き方と病棟勤務では、さまざまな面で違いがあります。次の表を参考にしてみてください。
項目 | 土日休みの職場 | 病棟勤務 |
勤務形態 | 日勤のみ・職場によりオンコール当番あり | シフト制・夜勤あり |
仕事内容 | 健診・外来・健康管理など | 急性期~慢性期の幅広い看護 |
給与水準 | やや低め(夜勤手当なし) | 高め(夜勤手当あり) |
やりがい | ・患者さまとじっくりかかわれる ・自身の生活リズムを維持しながら働ける | ・急変対応に自信がつく ・看護技術を維持できる |
キャリアアップ | ・資格やスキル取得の時間が確保できる ・専門性の幅を広げられる | ・高度な臨床スキルを磨ける ・管理職への道が開ける |
自分が看護師の仕事に何を求めるのか、土日休みの働き方と病棟勤務、どちらの働き方が合っているか考えてみましょう。
看護師が土日休みの働き方に変える前に知っておきたいメリット・デメリット
看護師の土日休みの働き方には、メリットとデメリットがあります。働き方を変える前に知っておきましょう。それぞれを詳しく解説します。
土日休みのメリット
看護師が土日休みの働き方を選ぶと、プライベートが充実し、子育てに取り組みやすくなる可能性があります。なぜなら、規則的な生活リズムを保ち、自分の時間を持つことで余裕が生まれるからです。たとえば、次のようなメリットがあります。
- 家族や友人との時間が増える
- 生活リズムが規則的になるため体調が整いやすい
- 資格取得やスキルアップのための勉強時間を確保しやすい
プライベートの時間を確保しやすくなると、心身ともに健康になり、仕事へのモチベーションも高まるでしょう。
土日休みのデメリット
土日休みの働き方にはメリットがある一方、収入やスキルの面で課題もあります。転職後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、次の3つの点を知っておきましょう。
- 夜勤手当がなくなると年収が下がる可能性がある
- 急変対応や技術など臨床のスキルが鈍る不安が生じる
- 求人数が病棟に比べて少ない傾向がある
これらのデメリットを把握し、対策を考えたうえで転職活動を進めることが大切です。
看護師の土日休みの働き方を実現できる求人を探すコツ
看護師が「土日休み」という条件で求人を探すときには、次のようなコツがあります。
- 求人情報の休日・休暇欄をしっかり確認する
- 検索キーワードを工夫する
- 看護師の転職サービスを活用する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
求人情報の休日・休暇欄をしっかり確認する
求人情報の休日や休暇の欄では「完全週休2日制」や「シフト制」などの記載を確認しましょう。
「完全週休2日制」は、毎週2日間休みがとれることを意味しますが、土日休みが固定とは限らないため、休日の曜日が固定されているかどうかもチェックしましょう。一方で、シフト制の場合は、勤務時間が変則的で、毎週休みが2日あるとは限りません。
日本看護協会「2024年病院看護実態調査」によると、看護師の平均年間休日は約117日です。つまり、この休日数が確保されている職場は、休日の多さで考えると恵まれた環境といえます。ワークライフバランスを大切にしたい看護師は、この条件が目安となるでしょう。
検索キーワードを工夫する
求人サイトを活用して「土日休み」の職場を検索するときには、以下のキーワードを組み合わせてみてください。
キーワードの種類 | キーワードの例 |
基本のキーワード | 看護師・土日休み・土日祝休み |
自分の興味・関心に合わせて選ぶキーワード | クリニック・訪問看護・健診・保健室など |
詳しい条件で絞り込むキーワード | 年間休日多め・休日出勤なし・オンコールなし・夜勤なしなど |
検索する段階で細かく条件を設定すると、自分の希望に沿った求人を効率よく見つけられるでしょう。
看護師の求人サイトを活用する
求人サイトは、条件の検索だけでなく、効率的に情報収集するための機能が充実しています。たとえば、希望条件を登録しておくと新着求人をメールで受け取れたり、会員登録をすると人気の高い土日休みの非公開求人を閲覧できたりするケースがあります。
さらに、職場の口コミや雰囲気など、リアルな情報を確認できるサイトもあり、求人情報だけでは見えにくい部分を知ることが可能です。
求人サイトを使うことにより、自分に合った職場を効率的に探せるでしょう。
看護師の土日休みの働き方についてのよくある質問
ここからは、看護師の土日休みの働き方についての疑問にお答えします。
Q1:看護師で土日休みの働き方の場合、夜勤なしを選べますか?
看護師の土日休みの働き方でも、夜勤なしを選ぶことは可能です。
病院の外来や健診センターなどの職場は、日中の業務が中心で、夜勤はない可能性が高いです。ただし、訪問看護ステーションや高齢者介護施設では、オンコール対応を求められるケースもあります。
オンコール対応の有無や頻度、オンコール対応の免除ができるかどうかは事前に確認しておきましょう。
Q2:病棟経験しかなくても、クリニックや訪問看護ステーションで働けますか?
病棟経験しかなくても、クリニックや訪問看護ステーションで働くことは可能です。
病棟の経験で得た基本的な看護技術や、患者さまとのコミュニケーション能力は、どの職場でも評価されます。
たとえば、訪問看護ステーションでは、入職後に研修や同行訪問を実施しており、病棟経験しかない看護師でも安心してスタートできる環境が整っているところもあります。

Q3:病院とクリニックでは、どのくらい給料が違いますか?
病棟勤務は夜勤手当があるため、クリニック勤務と比較すると年収が高めなのが一般的です。
日本看護協会「2024年病院看護実態調査」では、看護師(非管理職、31~32歳)の基本給の平均を病床規模別に比較すると「99床以下:24万992円」に対し「300~399床:26万1,936円」となっています。
クリニック勤務は給与が下がる場合もありますが、プライベートの充実や心身の健康といったメリットも考慮して、総合的に判断することが大切です。
Q4:看護師の休みはどれくらいとれますか?
日本看護協会「2024年病院看護実態調査」によると、看護師の就業規則で定められた休日は「4週8日」が49.8%「完全週休2日制」が23.6%でした。つまり、多くの看護師は月に8日程度の休日が確保されています。
また、プライベートを充実させるには、有給休暇の取得状況も重要です。2022年の日本医療労働組合連合会「2022年看護職員の労働実態調査」では、年次有給休暇を「10日以上」取得している看護師は50.8%となっています。転職先を選ぶ際は、求人情報に記載されている年間休日数だけでなく、有給休暇の取得率についても確認しておきましょう。
看護師で土日休みの働き方を選んで自分らしいキャリアを積み上げよう
病棟勤務で得た知識やスキルは、外来やクリニック、訪問看護ステーション、一般企業など、さまざまな職場で活かせます。自分の希望にあった職場を選択すると、土日休みの働き方でプライベートを大切にしつつ、看護師としてのやりがいも継続できるでしょう。
自分らしいキャリアを築くために、土日休みの働き方の実現に向けて、まずは一歩踏み出してみてください。
「NsPaceCareer」は、訪問看護に特化した求人情報サイトです。訪問看護ステーションに関する求人情報や、転職・キャリアについての情報も満載です。土日休みの求人も紹介しています。無料で登録できるため、ぜひ活用してください。
<参考サイト>
日本医労連・前大教・自治労連「2022年看護職員の労働実態調査」|日本医療労働組合連合会

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