新卒看護師はクリニックで働けるの?5つのメリットや求人を探すコツ

「クリニックの教育体制は整っているの?」「新卒でクリニックに就職してスキルアップできる?」
厚生労働省「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、クリニックに就職しているのは看護師の12.0%です。そのため、クリニックの詳しい事情がわからず、このように悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
この記事では、新卒看護師がクリニックで働くことについて、メリットやデメリット、クリニック選びのポイントまで詳しく解説します。新卒看護師としてクリニックで働くことへの理解が深まり、自分らしいキャリアをスタートできるでしょう。
新卒看護師はクリニックで働ける
新卒看護師はクリニックで働けます。
実際に、新卒看護師を積極的に採用しているクリニックは多くあります。新卒看護師だからといって、クリニックへの就職を諦める必要はないでしょう。
新卒看護師がクリニックに就職する5つのメリット
新卒看護師がクリニックに就職すると、さまざまなメリットがあります。ここでは、おもな5つのメリットを紹介します。
- 夜勤がなく生活リズムが整いやすい
- 少人数だからこその丁寧なフォローが期待できる
- 小規模でアットホームな職場が多い
- スキルアップや美容看護など特化しやすい
- プライベートとの両立がしやすい
これらのメリットは、新卒看護師が安心してキャリアをスタートさせ、着実に成長していくためのサポートとなるでしょう。ライフスタイルやキャリアプランに合わせて、クリニックへの就職を検討してみてください。
夜勤がなく生活リズムが整いやすい
クリニック勤務は夜勤がないため、毎日決まった時間に睡眠や食事をとれ、規則正しい生活を送れます。病院勤務では不規則なシフトで生活リズムが乱れがちですが、クリニックではその心配がないでしょう。
クリニックは規則正しい生活を送り、充実した毎日を送りながら働きたい新卒看護師におすすめの環境といえます。
少人数だからこその丁寧なフォローが期待できる
クリニックは少人数の職場であるため、一人ひとりに目が届きやすい環境です。
教育体制はクリニックによって異なりますが、中には新卒看護師の育成に積極的な施設もあります。
事前に教育制度の有無を確認することで、安心して成長できる環境を選べます。
小規模でアットホームな職場が多い
クリニックは病院に比べて規模が小さく、アットホームな雰囲気になりやすいため、人間関係で悩むことが少ない傾向にあります。
困ったことがあればすぐに声をかけやすかったり、休憩時間には和やかに世間話で盛り上がったりと仕事に集中できるでしょう。
居心地の良いアットホームな環境は、新卒看護師が安心して長く働き続けるためには重要です。
スキルアップや美容看護など特化しやすい
クリニックでは、特定の診療科に特化していることが多く、その分野のスキルを深く習得できます。一例として、それぞれの診療科で次のスキルを身につけられるでしょう。
- 眼科クリニック:白内障手術の介助や眼圧検査、コンタクトレンズ指導
- 美容皮膚科クリニック:レーザー治療やヒアルロン酸注入後のケア、美容カウンセリング
- 小児科クリニック:小児特有の疾患への対応や予防接種の実施、保護者への育児指導
- 整形外科クリニック:骨折や捻挫などの処置補助、リハビリテーションのサポート
自分の興味やキャリアプランに合わせて、その道のスペシャリストを目指せます。
プライベートとの両立がしやすい
クリニックは土日祝日が休みである場合が多く、プライベートと両立がしやすい傾向です。病院勤務のように不規則なシフトで、友人や家族と予定を合わせにくいといったストレスが軽減できます。
たとえば、週末には友人と旅行に出かけたり、習い事に通ったりと、趣味や自己研鑽の時間を充実させられます。また、週末に家族とゆっくり食事できるため、貴重な時間を過ごすことも可能です。
仕事とプライベートのバランスがとれることで、心身ともに充実した毎日を送りながら、看護師として長く活躍できるでしょう。
新卒でクリニックに就職するデメリット
新卒でクリニックに就職することには、メリットがある一方でデメリットもあります。どのような点に注意すべきか確認しましょう。
- 教育体制が整っていないことがある
- スキルが偏りやすい
- 病院より給与が低めな傾向
これらのデメリットを理解したうえで、キャリアプランや求める働き方と照らし合わせ、慎重に検討することが重要です。
教育体制が整っていないことがある
教育専門の部署がないクリニックも多く、日々の診療で忙しく、個別に時間をかけた指導が難しい場合もあります。
ただし、現場の先輩看護師が都度フォローしてくれるケースもあるため、事前に職場の教育体制について具体的に確認しておくことが重要です。
スキルが偏りやすい
クリニックの業務は、特定の診療科に特化しているため、習得できるスキルが偏る可能性があります。業務がルーチン化しがちです。
病院では多種多様な疾患の患者さまに対応するため、幅広い知識や手技を身につけられます。
しかし、内科クリニックであれば採血や点滴、問診といった業務が中心となり、外科的な処置や救急対応の経験は積みにくいでしょう。幅広いスキルを身につけたい場合は、自身のキャリアプランと照らし合わせての検討が必要です。
病院より給与が低めな傾向
一般的に、クリニックは病院に比べて給与が低めな傾向があります。その理由は、クリニックでは、夜勤手当や時間外勤務手当などが見込めないためです。
給与面を重視する新卒看護師は、しっかり確認しておくことが大切です。
新卒看護師でクリニックが向いている人・向いていない人の特徴
新卒看護師でクリニックへの就職を検討する際、自分がクリニックに向いているのかどうか不安に感じている方も多いでしょう。ここでは、向いている人と向いていない人の特徴を解説します。
向いている人の特徴
自分がクリニックに向いているかを判断するには、単に条件面だけでなく、「どんな看護師として成長したいか」を軸に考えることが大切です。たとえば、「一人ひとりの患者さんと丁寧に向き合いたい」といった価値観を持っている方は、クリニックの少人数環境が合う傾向にあります。
新卒看護師でクリニックが向いている人の特徴は、次のとおりです。
- 自分のペースで成長したい人
- 落ち着いた環境で働きたい人
- 特定の分野のケアを極めたい人
- プライベートとの両立を重視したい人
- アットホームな職場で働きたい人
これらの特徴に当てはまる新卒看護師は、クリニックで充実した看護師生活を送れる可能性があります。自分の価値観やキャリアプランと照らし合わせて、最適な職場選びをすることが大切です。
向いていない人の特徴
次の特徴に当てはまる新卒看護師は、クリニックが向いていないかもしれません。
- 急性期の経験を積みたい人
- さまざまな手技を学びたい人
- 給与額を重視したい人
しかし、これらの特徴に当てはまる場合でも、クリニックで得られるメリットも考慮して検討する価値はあります。
特定分野に特化してスキルを深めやすい反面、幅広い看護技術に触れる機会は限られることもあります。将来のキャリアプランに合わせて、「まずは専門性を高めたいのか」「総合力を身につけたいのか」を整理して選択しましょう。
新卒看護師がクリニックの求人で後悔しないためのポイント
新卒看護師がクリニックの求人を探す際、後悔しないためにはいくつか確認すべきポイントがあります。
- 教育制度があるか確認する
- 診療科ごとの違いを知っておく
- 見学・面接で気になる情報をチェックする
これらのポイントをしっかりと確認することで、入職後のミスマッチを防ぎ、新卒看護師として第一歩を安心して踏み出せるでしょう。情報収集を徹底し、納得のいく職場選びを心がけてください。
教育制度があるか確認する
新卒看護師にとって、教育制度が整っているかは重要なポイントです。クリニックの規模や診療内容によって教育体制はさまざまであり、今後のキャリアを左右するからです。
たとえば、次のポイントで確認してみてください。
- プリセプター制度があるか
- 定期的な勉強会が開催されているか
- 新人向けの研修プログラムがあるか
このように、入職前に教育体制を知ることで、安心して働き始められます。
診療科ごとの違いを知っておく
クリニックは診療科によって業務内容や忙しさが大きく異なります。
内科クリニックでは、慢性疾患の患者さまの問診や生活指導がおもな業務となり、落ち着いた環境で働けます。一方、整形外科クリニックでは、リハビリテーションの補助やギプス交換、手術後の処置などケアや処置が多い業務が中心です。
それぞれの診療科の特徴を理解し、自分の興味や目指す看護師像と照らし合わせることで、最適な職場を選べるでしょう。
見学・面接で気になる情報をチェックする
求人情報だけではわからない職場の雰囲気や実際の業務内容を、見学や面接で確認することが大切です。入職後のミスマッチを防ぐために、次の点を意識してチェックしましょう。
- 職場の雰囲気:スタッフ同士の会話や患者さまへの対応
- 教育体制:プリセプター制度やOJTなど具体的な教育方法
- 業務内容:新卒看護師の1日の流れや担当する業務
見学や面接を活用し、気になる情報をしっかり確認することで、後悔のないクリニック選びができるでしょう。
関連記事:看護師1年目でクリニックに転職できる?楽しい理由や転職の6つのコツ
新卒看護師がクリニックで働くことについてのよくある質問
新卒看護師がクリニックで働くことについて、よくある質問とその回答をまとめました。
Q1:新卒看護師がクリニックに就職して後悔することはあるの?
新卒看護師がクリニックに就職して後悔する可能性はあります。
たとえば、「美容皮膚科で学びたい」と志望したけれど、実際には電話対応や事務作業が多く、思い描いていた看護業務とギャップを感じたという声も聞かれます。
こうしたミスマッチを防ぐには、見学時に実際の1日の流れを確認することが大切です。
Q2:新卒でクリニック入っても転職できるの?
新卒看護師でクリニックに入っても転職できます。
クリニックでの経験も看護師としてのキャリアに変わりはありません。ただし、クリニックから病院への転職を考える場合は、クリニックで培った専門性やスキルをどのようにアピールするかが重要です。
たとえば、美容クリニックでの経験があれば、美容外科や美容皮膚科のある病院への転職に有利に働くことがあり、内科クリニックでの経験があれば、内科病棟のある病院で問診や患者指導のスキルをアピールできるでしょう。
このように、クリニックでの経験も将来のキャリアにつながるため、自信を持って転職活動に臨めます。
Q3:クリニックに教育制度がない場合はどうすれば良いの?
クリニックに教育制度が十分にない場合でも、自分で学ぶ機会を作ることは可能です。具体的には、次のような方法があります。
- 看護技術をオンラインで学ぶ
- 疾患ごとのガイドラインを読む
- 外部研修に参加する
- 先輩看護師に質問する
- 看護師向けのコミュニティを活用する
このように、教育制度がない場合でも、積極的に行動することで自身のスキルアップにつなげられるでしょう。
新卒看護師もクリニックに就職できる!自分に合った職場を選ぼう
新卒看護師もクリニックに就職できます。クリニックは、夜勤がなく生活リズムが整いやすかったり、手厚い教育が受けられる可能性があったりなど、多くのメリットがあります。
しかし、教育体制が不十分であったり、スキルが偏ったりする恐れもあるため、デメリットも理解しておくことが大切です。
クリニック以外にも視野を広げてみませんか。病院やクリニック以外にも、新卒からチャレンジできる働き方があります。
たとえば、近年注目されている訪問看護師は、一人ひとりの利用者さまとじっくり向き合い、在宅での生活を支えるやりがいある仕事です。「NsPaceCareer」では、新卒でも安心して働ける訪問看護ステーションの求人を多数掲載しています。あなたらしい働き方を見つけたい方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
<参考サイト・文献>

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