50代看護師の夜勤がきつい理由5つ!続けるべきかの判断基準とおすすめの職場

50代になり「夜勤がきつい…でも、辞めるタイミングがわからない」「体力的に不安だけど、収入を減らしたくない」と悩んでいませんか。
この記事は、このように感じている50代看護師に向けて、夜勤を続ける理由や、きついと感じたときの対処法、そして無理なく働ける職場を解説します。夜勤を続けることに自信が持てるようになったり、新しい働き方を見つけるためのヒントが得られたりするでしょう。
50代看護師が夜勤をきつくても続ける理由5つ
50代看護師が夜勤を続けるのには、さまざまな理由があります。
- 夜勤手当があり収入が安定するから
- ベテランとしての役割があるから
- 日中の時間を有効活用できるから
- 夜勤の方が人間関係のストレスが少ないから
- 異動や転職に不安があるから
経済面やキャリア、人間関係などそれぞれの理由について見ていきましょう。

夜勤手当があり収入が安定するから
50代看護師が夜勤を続ける理由の1つは、夜勤手当による収入の安定です。
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、50代看護師の年収は577万850円です。勤務先や勤続年数により異なるものの、夜勤をやめると、その分の夜勤手当がなくなり、給与が下がる可能性があります。
勤務形態 | 平均夜勤手当 |
2交代制 | 1万1,815円 |
3交代制(準夜帯) | 4,567円 |
3交代制(深夜帯) | 5,715円 |
2交代制の夜勤を月に4回おこなうことで、毎月4万円以上の夜勤手当が加算される場合があります。
50代は、子どもの大学進学費や住宅ローンの返済など、大きな出費が重なる時期であるため、夜勤は経済的な不安を減らし、安定した生活を送るための重要な選択肢なのです。
ベテランとしての役割があるから
50代看護師が夜勤を続けるのは、長年の経験による重要な役割があるからです。夜勤は少ない人数でおこなうため、一人ひとりの判断が重要になります。
たとえば、夜勤中に患者さまが急変したとき、若手看護師は焦ってしまうかもしれません。一方で、ベテラン看護師は、過去の経験から患者さまの変化をいち早く察知し、初期対応を指示できます。
50代看護師は、夜勤業務を安全に進めるうえで欠かせない存在です。
日中の時間を有効活用できるから
夜勤勤務は、日中の時間を自由に使えるため、50代看護師にとって魅力的な働き方です。
一例として、夜勤明けに役所や銀行の手続きを済ませたり、習い事を楽しんだりできます。夜勤の合間の時間を有効に使い気分転換することは、ワークライフバランスを保つために大切です。
夜勤の方が人間関係のストレスが少ないから
日勤と比べて、スタッフの数が少なく人間関係のストレスを感じにくいという理由で夜勤を続けている方もいます。
日勤はさまざまな部署のスタッフとの連携が多く、意見の食い違いでストレスを感じることがある一方で、夜勤は限られたメンバーと連携するため、人間関係がシンプルです。
人間関係に悩まず仕事に集中したいと考える50代看護師にとって、夜勤は良い働き方です。
異動や転職に不安があるから
異動や転職への不安があるため、50代看護師は夜勤を続けています。
というのも、長年同じ職場で夜勤業務に携わっているため、新しい環境に飛び込むことに不安な看護師も多いからです。
たとえば、転職して新しい職場の雰囲気に馴染めるか、スキルや経験が活かせるかなどの心配事がつきまといます。夜勤を辞めたいと考えても、行動に移せないという声も少なくありません。
50代看護師は夜勤を続ける?辞める?判断のためのポイント
夜勤を続けるべきか、それとも辞めるべきか、その判断は健康状態やライフスタイル、将来のキャリアプランに影響します。ここでは、判断に役立つポイントを紹介します。
夜勤を続けても大丈夫なサイン
次のサインが見られる場合は、夜勤を続けても問題ない可能性が高いです。
- 夜勤明けに十分な睡眠が取れる
- 体調が安定している
- 仕事にやりがいを感じている
- 夜勤手当が生活に不可欠である
これらは、夜勤が身体的・精神的に大きな負担となっていないことを示します。自分の健康状態や生活リズムを把握して、無理なく働き続けられるかを考えることが重要です。
夜勤を辞めるべきかもしれないサイン
次のサインが頻繁に見られる場合は、夜勤を続けることを見直すべきかもしれません。
- 夜勤明けに疲労が抜けず、体調不良が続く
- 更年期症状が重く、仕事に支障が出ている
- 仕事へのモチベーションが保てない
- 家族との時間が取れないことへの不満が溜まっている
これらのサインは、身体や心からの危険信号と捉えるべきです。健康を損なったり、生活の質が低下したりするリスクがあるため、働き方を見直しましょう。
50代看護師の夜勤についての体験談
ここでは、実際に夜勤を続けている50代看護師のリアルな体験談を紹介します。
体験談1:夜勤回数を減らした50代看護師
体力的な負担を感じていましたが、夜勤手当は家計を支えるためには欠かせませんでした。しかし、体調不良が続いていたため、看護師長に相談し、夜勤回数を減らしてもらいました。収入は減りましたが、体調を優先したことで、集中して働けるようになりました。無理のない範囲で夜勤を続けるという選択ができ、仕事の満足度も上がっています。 |
夜勤の体力的な負担を減らしつつ、収入も確保したいという悩みを解決した事例です。勤務形態の見直しという行動が、身体的・精神的な負担を軽減し、仕事への満足度を高める結果につながったことがわかります。
体験談2:訪問看護師に転職した50代看護師
不規則な生活で体調を崩すことが増え、将来への不安を感じていました。そこで、訪問看護への転職を決意。最初は新しい環境に戸惑いましたが、利用者さまに寄り添うケアにやりがいを感じています。生活リズムが整ったことで、健康状態も改善しました。夜勤手当がない分、収入は減りましたが、健康と仕事のやりがいを両立できる働き方を見つけられたと満足しています。 |
夜勤による体調不良と将来の不安から、夜勤のない職場への転職を決断した事例です。収入は減ったものの、生活リズムの改善と仕事のやりがいを手に入れたことで、心身ともに健康な働き方を見つけられたことがわかります。
50代看護師が夜勤を続けるメリットとデメリット
夜勤を続けるかどうかは、50代看護師にとって重要な決断です。ここでは、夜勤を続けることのプラス面とマイナス面を整理しました。自分の状況と照らし合わせながら、最適な選択をするための参考にしてください。
メリット
50代看護師が夜勤を続けるメリットは、次のとおりです。
- 夜勤手当で収入アップできる
- 少ない人数での勤務で裁量権が大きい
- 日中の時間が自由になる
- 人間関係がシンプル
夜勤は日勤と比べて、業務の進め方にある程度の裁量権が与えられていることが多い傾向です。経験やスキルを活かし、自分のペースで業務を進められるため、働きがいや達成感を得やすいでしょう。
デメリット
50代看護師が夜勤を続けるメリットもありますが、いくつかデメリットもあります。
- 体力的な負担が大きい
- 体内リズムが崩れる
- 家族との時間が合わない可能性がある
- 更年期症状が重くなることがある
夜勤は体力的な負担が大きく、年齢を重ねるにつれて睡眠リズムの乱れや疲労回復の遅れが明らかになりやすいです。健康面でのリスクを理解し、無理のない働き方を選ぶことが重要です。
50代看護師が夜勤を続けるコツ
夜勤のきつさを感じながらも、夜勤を続けたいと考える50代看護師は、働き方を工夫することで、無理なく働き続けられます。
- 質の良い睡眠を優先する
- 食事と水分で体調を整える
- 更年期の変化にうまくつき合えるようにセルフケアをおこなう
夜勤の負担を軽減するためには、日々の生活習慣を整えることが欠かせません。規則正しい生活を心がけ、趣味やリフレッシュの時間を設けることで、夜勤がきついと感じる頻度を減らせるでしょう。
質の良い睡眠を優先する
夜勤明けや夜勤前に質の良い睡眠をとることは、心身の疲労を回復するために重要です。これは、日本看護協会「夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」でも述べられています。次のように睡眠環境を整えることで、質の良い睡眠がとれ、次の夜勤に備えられます。
- カーテンを遮光性の高いものにする
- アイマスクや耳栓を活用する
- ソファではなくベッドや布団で寝る
質の良い睡眠を確保することは、夜勤を続けるための大切なセルフケアなのです。
食事と水分で体調を整える
夜勤中の体調を整えるために、1日3回規則正しくバランスのとれた食事と、定期的な水分補給に気をつけることが大切です。
たとえば、夜勤に入る前は消化の良いものを食べ、油っこいものや刺激の強いものは避けてください。勤務中は、ペットボトルのお茶を手元に置いておくと、こまめに水分補給ができるでしょう。
日々の食事と水分補給を見直すことで、夜勤による身体への負担を減らせます。
更年期の変化にうまくつき合えるようにセルフケアをおこなう
50代は、更年期による心身の変化を感じやすい時期です。自分の体調の変化を理解し、セルフケアをおこなうことは、夜勤を続けるために重要です。
具体的には、夜勤前の入浴時にアロマオイルでリラックスしたり、軽いストレッチで血行を促進したりするのも良いでしょう。また、症状がつらいと感じる場合は、1人で抱え込まず、婦人科医に相談することも有効です。
自分の身体と向き合ったセルフケアは、夜勤を長く続けるためのカギになります。
50代看護師で夜勤がきついと感じたときの対処法
夜勤がきついと感じ始めたとき、自分だけで悩まず行動に移すことが大切です。具体的な対処法を紹介します。
- 今の職場の看護師長に勤務形態を相談する
- 夜勤のない部署に異動を申し出る
- 夜勤のない職場に転職する
夜勤がきついと感じる原因を明らかにして、次の一歩を踏み出してみましょう。
今の職場の看護師長に勤務形態を相談する
夜勤がきついと感じた場合は、まず今の職場の看護師長に相談してみましょう。
夜勤の回数を減らしてもらったり、日勤のみの勤務に切り替えてもらったりなど、職場で解決できる可能性があります。また、勤務形態について相談することは、自分の状況を理解してもらうために不可欠です。
実際に相談する際には「夜勤明けの疲れが抜けなくて、業務に支障が出ないか不安です」といったように、夜勤がきついと感じる理由を具体的に伝えると、話が進みやすくなります。
夜勤のない部署に異動を申し出る
院内で夜勤のない部署に異動を申し出ることも1つの選択肢です。院内での経験やスキルを活かしながら、夜勤の負担を減らせます。
たとえば、これまで病棟勤務だった方が、外来や手術室への異動を検討するケースです。希望する部署の業務内容や求められるスキルを事前に調べてから相談すると、異動がスムーズに進みやすいでしょう。
夜勤のない職場に転職する
今の職場での調整が難しい場合は、夜勤のない職場へ転職することも大切です。
求人サイトや転職エージェントに相談して、訪問看護ステーションやクリニックといった日勤のみの求人を探しましょう。夜勤の負担を減らすことで、生活リズムが整い、体調管理もしやすくなるはずです。
関連記事:看護師の50代からの働き方!無理せず働ける5つの転職先と転職のコツ
50代看護師で夜勤がきついときのおすすめの職場
ここでは、50代看護師が無理なく働ける、夜勤のない職場を紹介します。
- 病院の外来
- 訪問看護ステーション
- クリニック
- 健診センター
それぞれの特徴を確認して、自分に合った職場を見つけましょう。
病院の外来
病院の外来勤務は、夜勤がない働き方を希望する50代看護師におすすめの職場です。日勤のみで土日祝日が休みのところが多く、生活リズムを整えられます。
外来の看護師は、医師の診察補助や検査の説明、処置などをおこないます。夜勤がないため、自分の体調を管理しながら、経験を活かして働き続けることが可能です。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションでは、オンコール対応が求められるものの、夜勤がない勤務形態がほとんどです。利用者さまの生活に密着し、じっくりとケアできるため、やりがいを感じる方も多い傾向です。
訪問看護師に興味がある方は「NsPaceCareer」をぜひ活用してみてください。豊富な求人のほかに、転職成功ガイドを掲載しています。不安なく転職活動を進められ、理想の働き方を実現できるでしょう。
クリニック
クリニックは、日勤のみで、土曜日午後や日曜日、祝日が休みのところが多い傾向です。
クリニックでは、外来業務や検査の補助などをおこないます。専門的な知識を深められるため、スキルアップにもつながります。
健診センター
健診センターは、健康診断や人間ドックをおこなう施設で、日勤のみの勤務となるため、生活リズムを安定させ、体力的な負担を減らせます。
健診センターの看護師は、採血や身体測定、問診など緊急性の低い業務が多いため、落ち着いた環境で働きたい看護師に適しているでしょう。
関連記事:看護師が50代で転職するのは難しい?転職しやすい職場や注意点の解説
50代看護師の夜勤についてのよくある質問
50代看護師が抱える夜勤についてのよくある質問にお答えします。
Q1:50代看護師は働きづらいといわれますが本当ですか?
50代看護師は働きづらいということはありません。
長年の経験と豊富な知識は、若手看護師にはない強みです。夜勤でも日勤でも、50代看護師のベテランとしての冷静な判断力や指導力は、チームにとって大きな支えとなります。経験とスキルに自信を持って、看護師として活躍できるでしょう。
Q2:50代看護師が夜勤を減らしたいけど、看護師長にどう伝えたら良いですか?
夜勤を減らしたいという要望は、看護師長に正直に伝えることが大切です。
伝える際は、自分の体調や、夜勤を続けることでどのような不安があるか、詳しく伝えると、看護師長も状況を理解しやすくなります。
Q3:50代看護師が夜勤を辞める前にできる準備はありますか?
夜勤を辞める前に、自分のキャリアプランを考えておきましょう。夜勤のない職場に転職するのか、今の職場で日勤のみの勤務に切り替えるのか、働き方を決めておくことが不可欠です。
希望する働き方や、どのような職場で働きたいかを明らかにすることは、次のステップに進むための重要な準備です。
Q4:50代看護師が看護師を辞めて違う仕事はできますか?
50代看護師は、看護師以外の仕事に転職することも可能です。
看護師として培ってきたコミュニケーション能力や、冷静な判断力は、さまざまな職種で活かせます。医療事務や介護職、企業の健康管理室など、看護師の経験を活かせる仕事は多岐にわたります。興味がある分野を調べてみるのも良いでしょう。
50代看護師でも夜勤を続けられる!無理のない働き方を見つけよう
50代看護師が夜勤を続けることは、メリットもデメリットもあります。
自分の体調と向き合い、働き方を工夫することで、長く夜勤を続けられるでしょう。
もし夜勤がきついと感じたら、無理をせず、まずは看護師長に相談してください。それでも解決しない場合は、夜勤のない職場への転職も1つの選択肢です。体調を最優先に考え、ご自分に合った働き方を見つけてください。
<参考サイト・文献>

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