泌尿器科看護師の仕事内容7選!やりがいとおすすめの資格、求人を探すコツ

公開日:2025/08/13 更新日:2025/08/13
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「泌尿器科看護師の仕事内容って具体的に何?」「泌尿器科で働くやりがいや大変なことは?」

このように考えている看護師はいらっしゃいませんか。泌尿器科の看護師の仕事は、日常生活の援助から高度な医療処置まで多岐にわたり、患者さまの生活の質を大きく左右します。

一方で、羞恥心への配慮や感染予防など、繊細な対応が求められるのも事実。
この記事では、泌尿器科看護師の具体的な仕事・やりがい・必要な資格、さらに求人を探すコツまで、現場目線でわかりやすく解説します。

あなたのキャリアの選択肢として泌尿器科を考えるきっかけになるはずです。

泌尿器科看護師の仕事内容7選!

泌尿器科看護師の仕事内容は、患者さまの排泄機能の維持や回復をサポートすることが中心です。次におもな仕事内容を紹介します

  • バイタルサイン・状態観察
  • 導尿・バルーンカテーテル管理
  • 日常生活の援助と清潔ケア
  • オペ前後の管理とケア
  • 排尿日誌や排尿訓練の支援
  • 患者のメンタルサポート
  • 外来での診察・処置介助

それぞれの仕事内容を知って、泌尿器科看護師としてどのように活躍できるのか具体的にイメージしてみましょう。患者さまの繊細な悩みに寄り添い、生活の質を確実に向上させることこそ、泌尿器科看護師のやりがいです。

バイタルサイン・状態観察

泌尿器科では、発熱や血圧の変動、尿量の変化など排泄機能に関連するバイタルサインの異常に注意することが重要です。

たとえば、発熱は尿路感染症のサイン、血圧の急激な変動は腎機能の低下を示している可能性もあります。患者さまの表情や言葉からも苦痛や不快感を察知して、体調変化を早期に発見することで適切なケアや治療につなげられます。

導尿・バルーンカテーテル管理

導尿やバルーンカテーテル管理は、泌尿器科看護師にとって大切な業務です。排尿がうまくできない患者さまの排泄を助けるために必要なケアで、清潔操作に注意しながら、正確な手順でおこなうことが求められます。

導尿は、自力で排尿できない患者さまに一時的に尿を排出させるためにおこないます。一方、バルーンカテーテルは膀胱内に留置する処置であり、長期間の管理が必要になる場合もあります。カテーテルが正しい位置に入っているか、感染兆候はないかなどを確認することが不可欠です。

また、在宅での管理が必要な患者さまには、ご本人やご家族で管理できるように指導します。

日常生活の援助と清潔ケア

排泄のケアは羞恥心をともないます。患者さまの気持ちに配慮した援助が必要です。具体的には、次のような援助やケアが挙げられます。

  • トイレへの移動介助
  • おむつ交換
  • 陰部洗浄

身体の清潔を保つことは、感染予防だけでなく、患者さまの精神的な快適さにもつながるため重要です。細やかな気配りは、患者さまが安心して入院ができるようにするポイントです。

手術前後の管理とケア

泌尿器科では、尿路・外性器の主要性疾患や下部尿路機能障害、腎臓移植など多岐にわたる症例を扱っています。これらの手術を受ける患者さまに対して、術前から術後にかけての管理とケアが必要です。

術前は、手術内容や麻酔、術後の様子などをわかりやすく説明し、精神的なサポートをおこないます。術後は、疼痛管理やドレーンの管理、早期のリハビリテーションなどをおこない、合併症の予防に努めます。

患者さまによっては、尿路ストーマが導入されることもあるため、ストーマの管理やパウチ交換の指導をすることも看護師の業務です。

排尿日誌や排尿訓練の支援

排尿日誌は、患者さまの排尿パターンや水分摂取量を把握するために活用するものです。記録の内容を分析することで、排尿障害の原因特定や治療方針の決定に役立ちます。

排尿訓練には、膀胱訓練や骨盤底筋訓練などがあり、患者さまが自力で排尿機能を回復できるようにサポートします。

泌尿器科の患者さまは、長期的に病気と向き合うケースも多いため、記録や訓練の意欲を引き出し、退院後も継続できるようにすることが大切です。

患者さまのメンタルサポート

排泄の悩みは、患者さまにとって精神的な負担も大きいため、メンタルサポートは欠かせません。

尿失禁や頻尿、排尿困難といった症状は、普段の生活に影響し、自信の喪失や社会生活からの孤立につながることもあります。

患者さまの話に耳を傾け、共感することで、安心して悩みを打ち明けられるような信頼関係を築くことが重要です。症状により外出をためらったり、家族関係にも影響したりするときは、専門のカウンセリングや臨床心理士のサポートと連携する場合もあります。

外来での診察・処置介助

泌尿器科の外来では、医師の診察介助やさまざまな処置の介助をおこないます。

  • 尿検査の採取指導
  • 血液検査
  • 膀胱鏡検査の介助
  • 膀胱洗浄の介助

診察や処置への不安を和らげる声かけや配慮も重要です。待ち時間の過ごし方や次回の予約についても情報提供をして、患者さまが安心して通院できるようにサポートします。

泌尿器科看護師の1日のスケジュール

ここでは、泌尿器科病棟で働く日勤の看護師のスケジュール例をご紹介します。

時間帯業務内容
8:00出勤・情報収集
8:30夜勤看護師からの申し送り・朝礼
9:00バイタルサイン測定・状態観察・排泄ケア(おむつ交換、導尿介助など)
10:00医師の診察介助・処置(膀胱洗浄、採血など)・検査室への移送
11:00術前術後の患者さまのケア・記録
12:00食事介助・口腔ケア・与薬
12:30休憩
13:30カンファレンス・入院患者さまのオリエンテーション
14:00術前術後の患者さまのケア
15:00記録・退院指導
16:30夜勤看護師への申し送り
17:00退勤

このスケジュールはあくまで一例であり、病棟の状況や受け持ち患者さまによって変わります。緊急入院や急変対応など、突発的な業務が発生することもあります。

泌尿器科看護師のやりがいとメリット

泌尿器科看護師として働くことは、専門性の向上と患者さまへの貢献というやりがいを感じられます。

  • 排泄ケアの専門性を高められる
  • 術後ケアから在宅ケアまで幅広いスキルが身につく
  • 患者さまのQOL向上に貢献できる

これらのやりがいは、スキルアップだけでなく、人としての成長にもつながるでしょう。患者さまの悩みに寄り添い、生活をより良くしていく喜びは、何物にも代えがたいものです。

排泄ケアの専門性を高められる

排泄障害の原因やメカニズム、適切なケア方法について学ぶことで、専門的なスキルを身につけられます。

たとえば、自己導尿の指導やストーマケア、排泄日誌の分析などで得た知識や技術は、キャリアアップにもつながります。

術後ケアから在宅ケアまで幅広いスキルが身につく

泌尿器科では、急性期から慢性期、そして在宅まで一貫したケアを経験できます。

具体的には、手術前後の管理や術後の合併症の予防といった外科領域のケアから、長期的な生活支援、在宅での自己管理の指導まで、幅広いケアのスキルを身につけられます。

これにより、患者さまの病態の変化に応じたケアを実践する能力や、多職種と連携して生活をサポートする力が養われるのです。

患者さまのQOL向上に貢献できる

排泄の悩みが解決することで、患者さまの生活の質を改善できます。排泄障害は、患者さまの社会生活や精神面に影響を与えるからです。

尿失禁が原因で外出を控えるようになったり、頻尿のために睡眠の質が低下したりすることもあります。泌尿器科看護師は、患者さま一人ひとりに寄り添い、適切なケアや指導をおこなうことで、患者さまが安心して日常生活を送れるようサポートします。

患者さまの「ありがとう」という言葉や、元気になって退院していく姿を見ることが、泌尿器科看護師のやりがいとなるでしょう。

泌尿器科看護師の大変さと注意点

泌尿器科看護師の仕事はやりがいが大きい一方で、いくつかの大変な点や注意すべき点もあります。

  • 異性の患者さまから陰部に関するケアを拒否されることがある
  • 「看護師に見られる」という羞恥心への配慮が必要である
  • カテーテル管理中の感染予防に神経を使う

これらの大変な点に直面することもあるかもしれませんが、適切な知識と患者さまへの配慮があれば乗り越えられます。患者さまの気持ちに寄り添い、信頼関係を築くことで、質の高いケアを提供できるでしょう。

異性の患者さまから陰部に関するケアを拒否されることがある

泌尿器科看護師は、異性の患者さまを担当する場合、羞恥心からケアを拒否されることがあります。このような場合は、男性の患者さまには男性の看護師に協力を依頼したり、患者さまが安心してケアを受けられるよう、丁寧に説明したりする関りが必要です。

患者さまの尊厳を守りつつ、必要なケアを提供するためのコミュニケーションスキルが求められます。

「看護師に見られる」という羞恥心への配慮が必要である

泌尿器科看護師は、患者さまの羞恥心を軽減するための工夫をしなければなりません。

排泄ケアや陰部洗浄をおこなう際、患者さまは「看護師に見られて恥ずかしい」と羞恥心を感じるからです。

「今から清潔のために洗いますね」「カテーテルを入れますよ」などと声をかけ、ベッドサイドのカーテンを閉めて、プライバシーを確保します。ケア中にも、シーツやバスタオルで露出を最小限にするといった細やかな気配りが求められます。手際よくケアができるようにすることで、患者さまの羞恥心を緩和できるでしょう。

患者さまが安心してケアを受けられる環境を整えることが、信頼関係を築くためには不可欠です。

カテーテル管理中の感染予防に神経を使う

泌尿器科で使用するカテーテルは、管理を誤ると尿路感染症を引き起こすため、清潔操作は必須です。そのため、看護師はカテーテルの挿入時や管理中には清潔操作を徹底し、感染のサインをいち早く見つけられるように努める必要があります。

患者さまやご家族にも感染予防の重要性を伝え、日常生活での注意点を指導することも大切です。

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泌尿器科看護師におすすめの資格

泌尿器科看護師として専門性を高めるために、取得をおすすめする資格を紹介します。

  • 排泄機能検査士|排尿障害の理解を深める専門資格
  • 慢性腎臓病療養指導看護師|腎疾患や透析患者に強くなれる資格
  • 皮膚・排泄ケア認定看護師|排尿ケアのスペシャリストを目指せる資格

それぞれの資格を見ていきましょう。

排泄機能検査士|排尿障害の理解を深める専門資格

排泄機能検査士は、日本泌尿器学会による制度です。排尿障害の診断に必要な検査についての専門知識とスキルを認定する資格です。

この資格を持つことで、泌尿器科についての検査の補助や説明をより深く理解し、実践に活かせます。

  • 排尿日誌の解析
  • 尿流測定検査
  • 残尿測定

排尿障害の原因を把握できるため、患者さまに合ったケアプランに役立つでしょう。

慢性腎臓病療養指導看護師|腎疾患や透析患者に強くなれる資格

慢性腎臓病療養指導看護師(2017年までは透析療法指導看護師と呼ばれていた)は、おもに慢性腎臓病の患者さまに対する透析療法の専門知識とケア技術を持つことを証明する資格です。

泌尿器科では、腎臓疾患を抱える患者さまも多く、透析を導入している患者さまのケアに携わる機会があります。この資格を取得することで、透析のメカニズムや合併症の予防、シャント管理など透析患者さまへのより質の高いケアを提供できるようになります。

皮膚・排泄ケア認定看護師|排尿ケアのスペシャリストを目指せる資格

皮膚・排泄ケア認定看護師は、ストーマケアや失禁ケアの専門知識と実践能力を持つことを認定する資格です。

とくに、失禁ケアの分野は、泌尿器科看護師の専門性と合致しており、排尿ケアのスペシャリストとして活躍したいと考える方にはおすすめの資格です。この資格を取得することで、複雑な排尿障害のある患者さまに対して、高度なアセスメントとケアを提供できるようになります。

泌尿器科看護師の求人を探すコツ

泌尿器科看護師の求人を探す際は、次の点に注目することで、自分に合った職場を見つけやすくなります。

  • 専門性を活かせるか
  • 教育体制が整っているか
  • ワークライフバランスが整えられるか
  • 職場の雰囲気はどうか
  • 給与・福利厚生は充実しているか

泌尿器科では、カテーテル管理やストーマ管理など特有のスキルが求められるため、教育体制が充実しているところを選ぶと、入職後にスキルアップしやすいでしょう。

気になる病院やクリニックがある場合、病院見学やインターンシップに参加すると、職場の雰囲気や看護師の様子を肌で感じられるためおすすめです。

泌尿器科看護師についてのよくある質問

泌尿器科看護師についてよくある質問と、その回答を紹介します。転職する際の疑問解決に参考にしてください。

Q1:未経験でも泌尿器科看護師に転職できますか?

未経験でも泌尿器科看護師への転職は可能です。

多くの病院では、経験が浅い看護師に対しても教育体制を整えています。泌尿器科は専門性が高い領域ですが、基礎的なスキルと患者さまへの丁寧な対応ができることをアピールできれば、採用のチャンスはあります。

「未経験でもOK」「未経験者を募集中」といった求人であると、未経験者でも働きやすいでしょう。

Q2:泌尿器科看護師って給与は高いですか?

泌尿器科看護師の給与は、ほかの診療科の看護師と変わらないといえます。

ただし、病棟ではなく泌尿器科のクリニックで働く場合は、夜勤手当がない分、給与が下がる可能性があります。給与と合わせて、賞与や待遇なども確認して、職場を探しましょう。

Q3:泌尿器科で働くためにおすすめの勉強法はありますか?

泌尿器科で働くために、次の勉強法をおすすめします。

  • 泌尿器科の専門書を読む
  • 排泄ケアについてのセミナーに参加する
  • 先輩看護師に積極的に質問する
  • 関連する学会や研修会に参加する

これらの方法で勉強を進めることで、泌尿器科看護師として必要な知識とスキルを効果的に身につけていけるでしょう。

泌尿器科看護師の仕事内容を知って自分に合った働き方を見つけよう!

泌尿器科看護師の仕事は、排泄という人間の基本的な営みに関係し、患者さまの生活の質を向上させるというやりがいがあります。

専門的な知識やスキルが求められる一方で、患者さまのデリケートな悩みに寄り添う人間力も養われます。

デリケートなケアや感染予防など、神経を使う場面もありますが、その分、患者さまが元気になっていく姿を間近で見られるでしょう。

泌尿器科看護師の仕事に興味を持ったのであれば、ぜひこの機会に一歩踏み出してみてください。看護師としてのスキルと人間性をさらに高められるキャリアパスにつながるはずです。

<参考サイト・文献>

排泄機能検査士|日本泌尿器学会 

慢性腎臓病療養指導看護師(CKDLN)|日本腎不全看護学会 

皮膚・排泄ケア|日本看護協会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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