【看護師の面接対策】「何科で働きたいか」聞かれる理由3つ!伝え方と例文

公開日:2025/08/12 更新日:2025/08/12
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面接で「何科で働きたいですか?」と聞かれた瞬間、答えに詰まった経験はありませんか?
診療科ごとに仕事内容も求められるスキルも異なるため、迷うのは当然です。

この記事では、面接官がその質問をする3つの理由、好印象を残す答え方のコツ、診療科別の例文集までをまとめました。
新人看護師から転職を考える中堅層まで、誰でも使える面接対策として役立ちます。
今日から「迷い」を「自信」に変えて、理想のキャリアを手に入れましょう。

看護師が「何科で働きたいか」聞かれる3つの理由

看護師の採用面接や配属希望の調査において「何科で働きたいか」という質問はよくあるものです。この質問は、単に希望を聞くだけではなく、おもに次の理由があります。

  • ミスマッチを防ぎたい
  • 熱意や意欲を知りたい
  • キャリアプランを把握したい

希望する診療科を聞かれる背景を知っておくと、面接での受け答えに自信が持てます。事前に押さえておきましょう。

ミスマッチを防ぎたい

病院側が面接で「何科で働きたいか」を尋ねるのは、看護師の希望と配属先のミスマッチを未然に防ぐためです。もし、働く診療科が看護師の適性や興味と合わない場合、仕事へのやりがいや達成感を感じにくくなり、退職のリスクが高まってしまいます。

日本看護協会の調査によると、新人・既卒、両方の看護師の離職率は改善されつつありますが、1年以内に離職するケースが完全になくなったわけではありません。病院側としては、採用した看護師がすぐに離職してしまうのは避けたいものです。

そのため、採用の段階で看護師の希望や適性をしっかり把握し、長く安心して働き続けられる環境を整えたいと考えています。

熱意や意欲を知りたい

「何科で働きたいか」という質問の意図には「どのような思いで看護に向き合っているのか」「どの分野に興味があるのか」など、看護師の仕事に対する姿勢を知りたいという病院側の思いがあります。

看護師が「〇〇科で、これまでの経験を活かし、患者さまの回復をサポートしたい」というように、具体的な診療科名を挙げ、その理由をはっきりと説明します。そうすると、看護師のキャリアを真剣に考え、主体的に行動できる人物であると評価されるでしょう。

キャリアプランを把握したい

看護師のなかには、専門看護師や認定看護師を目指す人もいれば、管理職を目指す人など、その目標はさまざまです。面接の際に希望する診療科を聞き、病院側は看護師がどのようなキャリアプランを描いているのかを知りたいと考えています。

たとえば「将来的に集中ケア認定看護師を目指したい」と考えている看護師であれば、ICUやCCUでの経験は欠かせません。このような看護師のキャリアプランを、病院側が理解しておくと、適切な部署への配属を検討でき、必要な教育や研修の機会を提供できます。

看護師が「何科で働きたいか」の理由をうまく伝えるコツ

希望する診療科について聞かれた際に「〇〇科です」と答えるだけでは、病院側の印象に残りにくいです。「なぜその診療科を選んだのか」「どんなケアをしたいのか」を具体的に伝えるために、次のポイントを意識してみてください。

  • 自己分析をして強みを明確にする
  • 経験や興味と関連づける
  • 診療科の特徴を理解していることを示す
  • 患者にどう貢献したいかを入れる
  • ネガティブな理由はポジティブに変換する

自分なりの言葉で理由を語れるように準備しておくと、病院側にあなたの想いや適性が伝わりやすくなります。

自己分析をして強みを明確にする

「何科で働きたいか」の理由を伝えるには、自分の強みや得意なこと、どのようなケアを提供したいのかなどを深く自己分析し、明らかにしておくことが大切です。

  • どのようなときにやりがいを感じるのか
  • 自分の性格がどのような環境に向いているのか
  • これまでの実習で、印象に残っている経験は何か

これらの問いかけに向き合うと、自分の価値観や理想の看護がはっきりとします。そして、希望の診療科で、どのように自分の強みを活かせるのか、具体的に説明できるようになるでしょう。

経験や興味と関連づける

自己分析で明確になった強みを具体的な経験や興味と関連させて説明すると、説得力が増します。

  • 学生時代の実習で、小児科の患者さまとかかわるなかで、家族を含めたケアに魅力を感じた
  • がん看護について関心があり、将来的には専門性を深め、活躍したいと考えている
  • 家族がリハビリテーション病棟に入院したとき、親身に寄り添ってくれた看護師の姿が印象に残っており、自分も寄り添った看護を大切にしたい

このように、具体的な経験も含めながら理由を述べると好印象です。

診療科の特徴を理解していることを示す

希望する診療科について、事前に情報収集し、その科の特性や求められる役割への理解を示すのも重要です。

病院のホームページやパンフレット、看護についての書籍などで情報収集し、希望の科で働くことを具体的にイメージしておきましょう。

患者にどう貢献したいかを入れる

希望する診療科で「どのように患者さまに貢献したいか」という視点を入れると、看護観や倫理観をアピールできます。

  • 「患者さまのQOLの向上に貢献したい」
  • 「迅速かつ的確な看護を提供し、早期回復をサポートしたい」
  • 「安心して治療を受けられるよう、精神的なケアを含めてサポートしたい」

具体的な貢献の仕方を盛り込むと、看護師としての使命感やプロ意識を伝えられるでしょう。

関連記事:【看護師の面接対策】貢献できることの答え方7選!好印象になる例文つき

ネガティブな理由はポジティブに変換する

もし、診療科を希望する理由のなかに、ネガティブな側面がある場合でも、そのまま伝えるのは避けた方が良いでしょう。

たとえば「夜勤が少ないから」「忙しくなさそうだから」といった理由は、あまり印象が良くありません。そのような理由がある場合でも「落ち着いた環境で患者さまとじっくりかかわりたいから」といった前向きな表現に言い換えて伝えると好印象です。

看護師が「何科で働きたいか」理由を聞かれたら?診療科ごとの例文集

厚生労働省が提供している「診療区分」の資料によると、診療科は60種類以上にものぼります。ここからは、代表的な診療科ごとに、面接で「何科で働きたいか」と聞かれた際の回答の例を紹介します。

内科|患者とじっくり向き合いたい

<例文>
私は患者さまとじっくり向き合い、信頼関係を築きながら継続的にサポートすることにやりがいを感じます。内科では、慢性疾患を抱える患者さまが多く、生活習慣の改善や精神的なサポートが重要になると考えています。患者さまのQOLの向上に貢献できるよう、きめ細やかなケアを提供したいです。

慢性疾患の特徴や、継続的なかかわりの必要性を盛り込むのがポイントです。看護師として「どうかかわりたいか」を具体的に伝えると説得力が増します。

外科|手術や急性期にかかわりたい

<例文>
私は急性期の患者さまに対し、迅速かつ的確な看護を提供することに強い関心があります。学生時代の実習で外科の看護を経験し、看護師がチーム医療の一員として患者さまの回復を間近でサポートできることに魅力を感じました。患者さまの早期回復と社会復帰に向けて、貢献したいと考えています。

外科の特徴である急性期やチーム医療への理解を示しています。また実習での経験をもとにした志望動機は、具体性が増して評価されやすいでしょう。

小児科|子どもが好きで柔軟に対応できる

<例文>
私は、子どもの成長を支えることに大きな喜びを感じます。小児科では、子どもたちが安心して治療を受けられるよう、病気だけでなく精神的なケア、そしてご家族へのケアも重要になると認識しております。子どもたちが笑顔で過ごせるよう、遊びを取り入れたり、ご家族とも密に連携を取ったりしながら、温かい看護を実践していきたいです。

子ども本人とその家族のケアに触れ、小児科に必要な柔軟性やコミュニケーション能力を伝えましょう。安心感を与える看護の姿勢をアピールしてください。

関連記事:小児科看護師の仕事内容8選!1日の流れや向いている人の特徴を紹介

産婦人科|命の誕生にかかわりたい

<例文>
私は、新しい命の誕生に立ち会い、その感動を共有できる産婦人科での看護に憧れがあります。産婦人科では、妊娠・出産という女性にとって大きなライフイベントに寄り添い、身体的・精神的なサポートを提供することが大切だと考えています。妊婦さんやご家族が安心して出産を迎え、そして産後も育児を楽しめるよう、きめ細やかなケアと温かい言葉でサポートしていきたいです。

産婦人科での看護の意義ややりがいを盛り込み、そのうえで自分がどのようなケアを提供していきたいかを伝えます。妊娠・出産だけでなく、その後の育児やご家族へのサポートに触れると、より熱心な思いが伝わるでしょう。

ICU|緊急対応や高度医療に興味がある

<例文>
私は、生命の危機にある患者さまに対し、高度な医療と看護を提供することに関心があります。学生時代にICUを見学する機会があり、緊迫した状況でもチームで連携し、患者さまの命を救う看護師の姿に感銘を受けました。最先端の医療に触れながら、患者さまの回復に貢献できるよう、知識と経験を積んでいきたいです。

高度医療への関心を具体的に伝えるとともに、学ぶ意欲をアピールしましょう。理想の看護師像をエピソードに盛り込むと、面接官の印象にも残りやすいです。

精神科|コミュニケーション能力を活かしたい

<例文>
私は患者さまの心に寄り添い、精神面をサポートすることに関心があります。精神科では、患者さまとのコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、心身の回復を長期的に支えることが重要であると考えています。患者さま一人ひとりの個性と向き合い、その方らしい生活を取り戻せるよう、温かい看護を提供していきたいです。

傾聴や信頼関係、長期的な支援など、精神科の看護に求められる視点を盛り込むと、理解度をアピールできます。患者さまに寄り添い、個別性を大切にする姿勢を伝えましょう。

関連記事:精神科看護師に向いている人の特徴5選!精神科でのやりがいや求められるスキルも紹介

看護師が自分に向いている診療科を見つけるための方法

「何科で働きたいか」と聞かれたとき「まだわからない」「どの診療科が自分に合っているかわからない」という看護師もいるでしょう。自分に向いている診療科を見つけるために、次の方法を試してみてください。

  • 自己分析をする
  • 診療科の業務内容を調べる
  • 病院見学やインターンシップに参加する

それぞれ詳しく解説します。

自己分析をする

自分の興味や得意なこと、苦手なこと、理想の看護師像などを掘り下げてみましょう。

  • 関心のある疾患や治療の分野はあるか
  • 子どもや高齢者、精神疾患を抱える人など、どのような患者さまとかかわりたいか
  • ワークライフバランスを、どのくらい重視したいか

これらのポイントを考えてみると、希望する診療科イメージが、より明らかになります。

診療科の業務内容を調べる

気になる診療科があれば、その業務内容や患者層、1日の流れなどを調べてみましょう。

たとえば、外科ならオペ前後の管理やドレーンの処置、内科なら慢性疾患を抱える患者さまの状態観察や服薬指導などが中心です。

実際の仕事内容を理解しておくと「思っていたのと違う」というギャップを防げます。病棟の先輩や、その科での経験がある看護師に話を聞いてみるのも良いでしょう。

病院見学やインターンシップに参加する

気になる診療科や病院があれば、見学やインターンシップに参加してみるのもおすすめです。パンフレットや説明会だけではわからない、現場の空気感やスタッフ同士の雰囲気、患者さまとのかかわり方などを肌で感じられます。

たとえば、忙しい病棟でもスタッフ同士が声をかけあって協力していたり、先輩看護師が丁寧に指導している様子が見られたりすれば、働くイメージが具体的になるでしょう。

看護師が希望の診療科に配属されるためのコツ

希望の診療科に配属されるためには、その理由を面接で論理的かつ前向きに伝えることが大切です。「興味があるから」だけではなく「患者さまとの長期的なかかわりを通して、寄り添った看護を実践できるようになりたい」というような理由を伝えましょう。

また、学生時代の実習の経験やアルバイト、ボランティアなどから得た経験のなかで、希望の診療科で活かせる強みがあれば、積極的にアピールしてください。

たとえば、内科志望であれば「観察力」や「コミュニケーション力」、ICU志望なら「判断力」や「冷静さ」などが挙げられます。病院側が「この人と一緒に働きたい」と思えるよう、意欲や適性を丁寧に伝えてみましょう。

看護師の面接で「何科で働きたいか」についてのよくある質問

面接の時点で、希望する診療科が明確でない看護師もいるでしょう。ここでは、面接で聞かれる希望の科に関する疑問と答え方のポイントをご紹介します。

Q1:「何科でも大丈夫」と答えて良いですか?

希望の診療科を聞かれて「何科でも大丈夫」と伝えるのは、柔軟な姿勢に見えますが、志望理由が不明確だと受け取られる可能性があります。配属の希望がとくにない場合でも「患者さまとじっくりかかわる看護がしたい」「急性期で経験を積みたい」など、看護のスタイルや関心のある分野を軸に伝えるのがおすすめです。

Q2:志望の科が決まっていないと面接は落ちますか?

志望の診療科がはっきり決まっていなくても、それだけで評価が下がることは考えにくいですが、関心を持って準備している姿勢は伝えたいところです。

明確な希望がなくても、自分の看護観や関心のある分野をもとに、興味のある診療科とその理由を説明できるように準備しておくと、前向きな姿勢を伝えられます。

関連記事:【看護師の面接対策】配属希望がないときの答え方5選!例文つきで解説

診療科選びはキャリア選択の第一歩

看護師が「何科で働きたいか」を考えるのは、看護師のキャリアを形成する第一歩です。

診療科によって求められる知識やスキル、働き方は異なります。そのため、自分に合った分野の選択が、仕事のやりがいや成長につながるでしょう。

自分に合った診療科を選択するために、自己分析を通して強みや関心を明確にしたり、病院の見学やインターンシップに参加してみたりしてください。自分が働く診療科の選択を通して、自分らしい看護観やキャリアビジョンを築くことが大切です。

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<参考サイト・文献>

2024年病院看護実態調査|公益社団法人 日本看護協会

看護師のまなびサポートブック|公益社団法人 日本看護協会

診療区分|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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