看護師が1番稼げる科はどこ?給与3が高い職場を選ぶ3つのポイント

「同じ看護師でも、働く科や職場によって年収が50万円以上違う」──そう聞くと驚きませんか?
看護師の平均年収は約520万円ですが、選ぶ職場次第でこれを大きく上回ることも可能です。
この記事では最新の統計データをもとに、「看護師が稼げる科と職場」を徹底解説。
さらに高収入を叶える3つの選び方もご紹介します。

看護師が1番稼げる科【病院】
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は519万7,000円です。しかし、実際は病院の診療科によって、給与も異なります。この調査の平均年収を参考に、高収入を目指せる可能性のある科と、その理由を詳しく見ていきましょう。
- ICU(集中治療室)
- 救命救急センター
- 手術室
- 精神科
- 循環器内科
これらの診療科は、高度なスキルと緊急対応が求められるため、看護師の給与が高くなる傾向にあります。ここからは各科の具体的な業務内容と給与の特徴を解説します。
ICU
ICUには重症患者さまばかりが入室しており、高度な知識やスキルが求められるため、看護師の給与が高い傾向にあります。
人工呼吸器の管理や緊急時の対応などの処置をおこなう機会が多く、それに見合った手当が支給される場合があります。専門性の高さが高給与につながります。
救命救急センター
救命救急センターも給与が高い科といえます。
理由として、24時間体制で重篤な患者さまに対応するため、夜勤や残業が増える傾向があり、それに伴う手当が手厚いためです。
たとえば、多発外傷の患者さまの対応や、心肺停止状態の患者さまへの蘇生処置など、緊急性の高い状況での判断力や迅速な対応力が求められます。厳しい現場だからこそ、収入アップにつながります。
手術室
手術の種類に合わせた知識や器械の扱い方を習得する必要があるため、手術室の看護師も給与が高くなりやすいです。
具体的には、執刀医や麻酔科医をサポートし、手術が円滑に進むように準備や介助をおこないます。特殊な環境での専門性の高さが給与に反映される傾向です。
また、ほかの診療科にはないスキルが求められ「特殊勤務手当」が支給されることもあるため、この手当分、給与が高くなることもあるでしょう。
精神科
精神科も高給与を期待できる科の1つです。精神科の患者さまは長期的なケアが必要な場合が多く、一人ひとりに寄り添ったケアが求められます。
コミュニケーションを通じて心の状態を理解し、症状の安定や社会復帰に向けて支援します。このような精神科に特化した業務や、患者さまの人生にかかわる責任の重さが、給与に反映されているといえるでしょう。
循環器内科
心臓病の患者さまは急変のリスクが高く、専門的な知識と観察力が必要とされるため、循環器内科も給与が高いようです。
心電図の判読や心臓カテーテル検査の介助などが必要です。スキルの高さと緊急対応の必要性から、手当が充実している場合が多く、給与が高くなるでしょう。
看護師が1番稼げる科【クリニック】
クリニックは病院と比較して規模が小さいですが、特定の分野のクリニックでは高収入を目指せる場合があります。
- 美容クリニック
- 透析クリニック
- 眼科クリニック
- 皮膚科クリニック
- 産婦人科クリニック
- 健診クリニック
クリニック勤務は日勤中心の働き方が多く、ワークライフバランスを保ちつつ高収入を目指せる点も魅力です。
美容クリニック
美容クリニックは看護師の給与水準が高めです。
通常の医療行為に加えて、美容特有の業務内容や経営形態が給与水準に影響を与えます。給与が高くなる理由は次の点です。
- 営業活動が収入に影響
- インセンティブ制度の存在
- 自由診療が主要な収益源
全国規模で展開する大手クリニックでは、とくに高水準の給与が設定されている場合も多く、これにより高収入を得られます。
関連記事:美容看護師とは?仕事 内容やメリット・デメリット、向いている人の特徴を解説
透析クリニック
透析クリニックも比較的給与が高いといえます。
透析治療にかかわる知識や技術が必要であり、長期的な患者さまとのかかわりが求められるためです。具体的には、透析装置の管理や患者さまの全身状態の観察などが中心となります。
専門性の高さと慢性疾患の患者さまへの継続的なケアが、収入に反映される傾向です。
眼科クリニック
眼科クリニックでは、白内障や緑内障の手術の介助などについてのスキルが求められるため、ほかのクリニックと比較して給与が高い場合があります。
手術前の準備や術後のケア、視力検査など眼科特有の業務が多く、特殊性が評価されるため、給与水準が高くなる傾向にあります。
皮膚科クリニック
皮膚科クリニックも給与が高い可能性があります。
アトピー性皮膚炎や湿疹などの一般的な皮膚の病気に加えて、美容皮膚科を併設している場合が多く、レーザー脱毛の施術やピーリングのアシストなど、自由診療による収入があるからです。
レーザー脱毛の施術やピーリングのアシストなど、美容関連の業務もおこなうことがあり、この美容分野の収入が、全体の給与を押し上げる場合があります。
産婦人科クリニック
産婦人科クリニックは、給与が高くなる可能性があります。出産は24時間いつ起こるかわからず、夜勤やオンコール対応が発生し、その分の手当がつくからです。
また、助産師の資格を持っている場合は、産婦人科で働くことで収入アップが期待できます。看護師と助産師の給与は、次のような違いがあります。
職種 | 月収 | 賞与 |
看護師 | 36万3,500円 | 83万5,000円 |
助産師 | 39万9,600円 | 101万4,000円 |
助産師は、妊婦さまのケアや分娩介助、新生児のケアなど生命の誕生にかかわる重要な役割を担います。責任の重さや不規則な勤務が、収入に反映されます。
健診クリニック
健診クリニックは高給与を期待できます。一般的に、健診クリニックは日勤のみであり、残業も少ないことから、給与が低くなりがちです。
ただし、企業が運営する大規模な健診センターでは、福利厚生が充実しており、病院に劣らない給与水準を設定している場合があります。これにより、安定した収入を得ながら、無理なく働き続けることが可能です。
看護師が稼げる職場
病院やクリニック以外にも、看護師が活躍し、高収入を目指せる職場があります
- 訪問看護ステーション
- 有料老人ホーム
- 企業
これらの職場は将来性が高く、専門スキルを磨けばキャリアの幅も広がります。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションでは、看護師一人ひとりが自律的にアセスメントし、行動する能力が求められるため、高収入を目指せる職場です。
医療処置だけでなく、生活支援や精神的なケアもおこない、利用者さまの生活をサポートします。また、事業所によってはインセンティブ制度があり、訪問件数に応じて給与が上がるため、収入アップを期待できます。
訪問看護師に興味がある方は、訪問看護に特化した「NsPaceCareer」を活用してみてください。豊富な求人から希望や条件に合った職場が見つかり、理想の働き方を実現できるでしょう。
有料老人ホーム
有料老人ホームも看護師が稼げる職場の1つです。
施設によっては医療ケアの必要性が高い利用者さまが多く、専門性が求められるからです。夜勤がある施設も多く、夜勤手当によって収入アップが見込めます。
企業
企業で働く看護師は、医療の知識と経験に加えて、ビジネススキルも求められるから高い給与を得られる可能性があります。
会社が求める看護師への業務は異なります。たとえば、社員の健康管理や健康指導を担当する保健業務や、新薬開発のための臨床試験のサポートなど、さまざまに携わります。一般企業と同等の給与体系になるため、高収入を得られるでしょう。
看護師が1番稼げる科を選ぶときの3つのポイント
高収入を目指す看護師が、希望する科や職場を選ぶ際に役立つ3つのポイントを紹介します。
- 病院やクリニックの規模の大きさ
- 手当の充実度
- 自由診療がメイン
それぞれのポイントを押さえることで、効率的に収入アップにつながるでしょう。
病院やクリニックの規模の大きさ
病院やクリニックの規模の大きさは、給与に影響を与える重要な要素です。規模が大きい病院ほど、経営基盤が安定しており、給与水準が高いからです。
大学病院や総合病院のような大規模な医療機関は、福利厚生が充実しているだけでなく、夜勤手当や役職手当なども手厚い場合があります。規模の大きな施設は、一般的に高収入につながります。
手当の充実度
手当の充実度は、看護師の収入を大きく左右します。基本給だけでなく、さまざまな手当が加算されることで、収入が変わるでしょう。たとえば、次のような手当があります。
- 夜勤手当
- 危険手当
- 専門看護師手当
- 認定看護師手当
取得している資格や担当する業務内容によって手当の額は異なります。手当が高い職場では、収入アップが期待できます。
自由診療がメイン
自由診療がメインの職場は、稼ぎやすい職場です。というのも、保険診療と異なり、料金設定を自由に決められるため、収益を上げやすいからです。
一例として、美容クリニックではレーザー治療や美容注射など保険適用外のサービスが多く提供されます。これらのサービスはクリニックが独自に価格を設定でき、高額になる場合もあるでしょう。
この高額な料金設定により、クリニック全体の売上が伸び、それが看護師の給与水準にも反映されやすくなります。
関連記事:看護師の給料が高い病院の特徴とは?看護師が収入をアップさせるための方法と注意点について
看護師が1番稼げる科で働く方法
稼げる科や職場で働くために、具体的な行動に移しましょう。
- 新たな資格を取得する
- 稼げる科に異動する
- 稼げる職場に転職する
これらの行動はキャリアを広げる重要なステップです。無理のない計画を立てて、収入アップとスキル向上の両立を目指してみてください。
新たな資格を取得する
新たな資格を取得することは、より専門的な業務をおこなえたり、資格手当が支給されたりするため、収入アップに直結しやすいです。
具体例として、クリティカルケア認定看護師や慢性腎不全看護認定看護師などの資格は、給与アップに有利です。新たな資格の取得は、収入増加につながるでしょう。
稼げる科に異動する
現在の職場で稼げる科への異動を希望するのも1つの方法です。
新たな職場に転職するよりも、心理的な負担が少なく、これまでの経験を生かせます。まずは看護師長に相談し、異動希望を伝えることから始めましょう。
内部でのキャリアチェンジも収入アップにつながる場合があります。
稼げる職場に転職する
稼げる職場に転職することは、給与の高い求人を探し、自身の希望に合った条件の職場を選べるため、収入アップを目指せる有効な方法です。
看護師に特化した転職サイトを利用し、高収入の求人を積極的に探してみましょう。転職は、収入を大きく変える可能性があります。
関連記事:派遣看護師の給料はいくら?派遣の方が稼げる理由3つと向いている人を解説
看護師が1番稼げる科についてのよくある質問
看護師が1番稼げる科や職場についてよくある質問をまとめました。給与や働き方の疑問を解消し、収入アップの参考にしてください。
Q1:看護師で1番稼げる診療科はどこですか?
一概に「1番稼げる診療科」を特定するのは難しいです。
その理由は、病院の規模や地域、個人のスキルや経験、夜勤の有無など、さまざまな要素によって給与は変動するからです。ただし、一般的には、次の診療科は給与が高いといわれています。
- ICU(集中治療室)
- 救命救急センター
- 手術室
- 精神科
- 循環器内科
これらの診療科は専門性が高く、手当が手厚いため、高収入を目指しやすい科の可能性があります。自身の状況に合わせて検討しましょう。
Q2:夜勤なしでも稼げる職場はありますか?
夜勤なしでも稼げる職場は存在します。夜勤手当がなくても、基本給が高かったり、インセンティブ制度があったりする職場もあるからです。
具体的には、次のような職場が挙げられます。
- 美容クリニック
- 訪問看護ステーション
- 企業
これらの職場は、子育て中や介護中などライフスタイルに合わせた選択も可能です。
Q3:看護師で稼げるようになるにはどういった働き方が良いですか?
看護師が稼げるようになるには、スキルを高めることや、給与体系を意識した職場選びが重要です。
たとえば、認定看護師や専門看護師の資格取得、あるいは救命救急やICUなどの急性期病棟での経験を積むことが挙げられます。
また、規模の大きな病院や自由診療がメインのクリニックなど、給与水準の高い職場を選ぶことも大切です。戦略的なキャリア形成が収入アップのカギです。
看護師が1番稼げる科を選んで収入アップを目指そう
稼げる職場を選ぶには、病院やクリニックの規模、手当の充実度、そして自由診療がメインであるかどうかが重要なポイントです。収入アップを目指すのであれば、新たな資格の取得や、より給与水準の高い職場への転職も検討してみてください。
ご自身の希望やキャリアプランに合わせて、最適な選択をすることが、収入アップへの第一歩となります。
<参考サイト・文献>

「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。