看護師に必要な責任感とは?責任感が強い看護師の特徴4つとNG行動例

公開日:2025/08/06 更新日:2025/08/06
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「患者さまの命を預かる仕事なのに、責任感が足りないかもしれない」「周りの看護師と比べて、ミスが多くて落ち込む」

このように悩んでいる看護師はいらっしゃいませんか。看護師は、患者さまの命を預かる、責任感が求められる仕事です。

この記事では、看護師にとってなぜ責任感が必要なのかを解説し、責任感が強い看護師の具体的な特徴や、逆に責任感がないと思われてしまうNG行動などを紹介します。責任感のある看護師として成長し、自信を持って働けるようになるでしょう。

看護師になぜ責任感が必要なのか?

看護師の仕事は、患者さまの命と健康、尊厳を守ることに直結しているため、一つひとつの業務に高い責任感が求められます。

もし看護師に責任感が欠けていれば、わずかなミスが患者さまの命を危険にさらすかもしれません。点滴の滴下速度の確認不足や、与薬前のダブルチェックを怠ることで、重大な医療事故につながる可能性があります。

また、日本看護協会の「看護者の倫理綱領」では、看護師は自律した専門職として、責任ある判断と行動が求められるとされています。このように、看護師の責任感は制度的にも倫理的にも重視されているのです。

関連記事:看護師に必要な能力9つ!これからの看護師に求められるもの

責任感がある看護師の4つの特徴

責任感が強い看護師には、共通していくつかの特徴が見られます。

  • 責任を持って仕事を完遂する力
  • 報告・連絡・相談を自主的に実践する姿勢
  • 主体的に動く判断力と行動力
  • 失敗を成長に変える学習意欲

これら4つを意識することで、責任感のある看護師へと近づけます。

責任を持って仕事を完遂する力

責任感のある看護師は、与えられた業務を最後までやり遂げます。

退院指導の場面では時間がかかっても、食事の注意点や薬の飲み方、通院のスケジュールなど、必要事項を丁寧に伝え、患者さまが安心して退院できるように対応します。

このような姿勢こそが、患者さまの安全と信頼には欠かせません。

報告・連絡・相談を自主的に実践する姿勢

責任感のある看護師は、患者さまの異変や変化に気づいた際に、自己判断で終わらせず、すぐに周囲のスタッフに共有します。というのも、医療現場では、わずかな情報の共有不足が取り返しのつかない事態になる可能性があるからです。

患者さまのバイタルサインに異常があれば「念のために報告しよう」という意識で、先輩看護師や医師に報告します。この行動が、早期治療やトラブル防止につながります。

主体的に動く判断力と行動力

指示を待たずに、必要な場面で、状況を判断し行動できることも責任感のあらわれです。

たとえば、患者さまの食事量が減っていると感じたら、原因を考えて栄養士や医師に相談するなど、自分から問題解決のために動きます。判断力と行動力こそが、患者さまの安全を守り、質の高い医療を提供するために不可欠な資質です。

失敗を成長に変える学習意欲

失敗を隠さずに受け止め、次に活かそうとする学習意欲も責任感のある看護師に欠かせません。

与薬ミスをした場合、なぜミスが起きたのかを自己分析し、再発防止のためにチェックを徹底したり、薬の勉強会に参加したりなどの行動に移せます。

このような学習意欲や行動が信頼される看護師への第一歩です。

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先輩看護師や上司に責任感がないと思われる看護師のNG行動例

次のような行動は、責任感がないと見なされてしまう原因となります。

  • 忘れ物や記録ミスが多い
  • トラブル時に言い訳が多い
  • 指示を待ち続けて動かない
  • 周囲からの信頼が得られていない

日々の業務への意識やチームメンバーとしての姿勢が問われるものばかりです。これから紹介するエピソードに心当たりがある方でも、どのように見られているかを確認し見直すことで、もっと頼られる看護師に成長できるでしょう。

忘れ物や記録ミスが多い

<NG行動例>
血糖測定に必要なチップを病室に忘れて何度も取りに戻ったり、点滴の開始・終了時刻の記録を忘れてしまったりする。

「確認すれば防げたミス」という印象を与え、業務への意識が低いと判断されます。業務を正確に、確実におこなう意識が信頼につながります。

トラブル時に言い訳が多い

<NG行動例>
患者さまの転倒時に「注意しても聞いてくれなかった」と発言したり、薬剤投与のミス発覚時に「指示がわかりにくかった」と挙げたりなど、確認不足を認めない。

問題発生時に言い訳を重ねると、解決が遅れるだけでなく「責任をなすりつけている」と思われてしまいます。自分の非を認めず他責にする姿勢は、周囲からの信頼を損なう原因になります。どうすれば改善できるかを考える姿勢が大切です。

指示を待ち続けて動かない

<NG行動例>
廊下で患者さまが困っているのに声をかけない、自分の業務が落ち着き、手が空いていてもスタッフをサポートしない。

指示がなければ動けないままでは、状況が変化しやすい医療現場では迅速に対応できません。積極的に行動し、チームの一員として貢献する意識が重要です。

周囲からの信頼が得られていない

<NG行動例>
先輩看護師から重要な申し送り事項を任されなくなったり、緊急性の高い患者さまの担当から外されたりする。ほかの看護師から相談されることが減り、ミスしても注意されない。

このような状況が続いていると、周囲からの信頼を失い、チームで孤立してしまうかもしれません。信頼関係の構築は、円滑なチーム医療に不可欠です。

看護師が責任感を高めるための行動リスト

「責任感が足りない」と悩んでいる場合でも、日々の行動を少しずつ変えることで、責任感を高められます。ここでは、今日から実践できる具体的な行動を紹介します。

  • わからない指示は曖昧にせずに確認する
  • 申し送りや記録は「今すぐ」におこなう
  • ミスを隠さず報告・相談・再発防止まで考える
  • 「これでいいか?」と立ち止まり振り返る習慣を持つ

これらの行動は、患者さまの安全を守り、質の高いケアを提供するために不可欠です。一つずつ取り組んでみましょう。

わからない指示は曖昧にせずに確認する

わからない指示は、その場ですぐに確認するのが責任感を高める第一歩です。曖昧なままで業務を進めると、間違った処置につながる恐れがあります。

具体的には、薬の量や投与方法に疑問があれば、先輩看護師や薬剤師に「この投与方法で合っていますか?」「なぜこの量なのですか?」と根拠まで確認しましょう。この習慣は、ミスを防ぎ、知識を深めるために必要です。

申し送りや記録は「今すぐ」におこなう

申し送りや記録は「今すぐ」おこなうことを徹底しましょう。というのも、時間が経つと、記憶が薄れてしまい情報が不正確になるからです。

患者さまの状態に変化があったら、すぐに担当医やリーダー看護師に申し送り、記録も追記することが欠かせません。

自分の担当患者さまの情報はもちろん、チームが知っておくべき情報を漏れなく伝える意識が、正確な情報共有と責任感を示す行動につながります。

ミスを隠さず、報告・相談・再発防止まで考える

もしミスをしてしまったら、決して隠さず、すぐに報告・相談し、再発防止策まで考えることが大切です。ミスを隠すと問題が大きくなり、患者さまに不利益になる可能性があります。

正直に報告し、原因を究明して再発を防ぐ努力は、成長とチーム全体の安全向上に貢献します。

関連記事:看護師がミスで落ち込むときのNG行動5つ!対処法を知って乗り越えよう

「これでいいか?」と立ち止まり振り返る習慣を持つ

業務の合間や終了時には「これで本当に良かったのか?」と振り返る習慣も責任感のある看護師には欠かせません。自分で評価し、改善を繰り返すことで、スキルアップにつながり業務の質が高まります。

患者さまのケア後に「もっと良い声かけができたのではないか」と考えたり、夜勤明けに「今日の業務で改善点はなかったか?」と反省したりすることが重要です。振り返りを意識することで、責任感を高め成長を促すでしょう。

責任感がないと思われてつらいときの対処法

もし周囲から「責任感がない」と思われていると感じてつらいときは1人で抱え込まず、次の対処法を試してみてください。

  • 注意されたときは成長のサインと受け取る
  • 信頼を取り戻せるように行動を積み重ねる
  • 他人と比較しすぎず自分のペースで成長する
  • チームで「頼れる存在」になるように行動する
  • つらいときは異動や転職を検討して環境を見直す

これらの対処法は、心の健康を守りながら、看護師としてさらに成長するための大切なステップです。自分に合った方法で進んでいきましょう。

注意されたときは成長のサインと受け取る

先輩や上司からの注意は、もっと良い看護師になることを期待されているサインだと前向きに捉えましょう。

たとえば「申し送りの情報が足りないよ」と指摘されたら、ただ落ち込むのではなく「どのような情報が足りませんでしたか?」と尋ねてみてください。注意を素直に受け止め、努力する姿勢を見せるのは、周りからの信頼を高められます。

信頼を取り戻せるように行動を積み重ねる

日々の小さな行動をコツコツ積み重ねることが、信頼を取り戻すには不可欠です。

「記録ミスがあったよ」と先輩看護師にいわれたら、次の記録からは患者さまの情報や点滴の流量、実施時間などを指差ししながら2回確認するように徹底してみてください。また、ベテラン看護師に「これで合っていますか?」と確認してもらうのも、間違いを防ぎ信頼回復につながる良い方法です。

地道に努力を続けることで、周りの人はあなたの変化に気づき、評価してくれるようになります。

他人と比較しすぎず自分のペースで成長する

優秀な看護師と比べすぎず、自分のペースで成長していくことを意識しましょう。人それぞれ成長のスピードや得意なことは違います。

比較し過ぎると、自信をなくし本来の力を発揮できなくなるかもしれません。「同期は採血が完璧なのに…」と落ち込むのではなく「患者さまとのコミュニケーションがうまくできた」「申し送りをスムーズにできた」など、成長点を見つけましょう。

チームで「頼れる存在」になるように行動する

責任感を持つことは、自分だけで抱え込むことではありません。チームの一員として「この人に任せれば大丈夫」と思われる存在になることも含まれます。頼れる存在になることで、チーム全体の仕事もスムーズに進みます。

具体的には、自分の担当ではない患者さまのナースコールにも積極的に対応したり、忙しそうな同僚に「何か手伝うことはありますか?」と声をかけたりします。チームに貢献しようとする姿勢は、周りからの評価が高まるでしょう。

つらいときは異動や転職を検討して環境を見直す

いくら努力しても状況が改善されず、精神的なストレスを強く感じる場合は、異動や転職を検討することも、自分を守るために大切です。日本医療労働組合連合会「2022年看護職員の労働実態調査」によると、40.6%の看護職員が職場にメンタル障がいで休む・治療を受けている職員がいることが明らかになりました。

環境が合わないことや過度なプレッシャーが原因で、本来の能力を発揮できないこともあります。新しい環境で再スタートを切ることで、自分の能力を最大限に活かせる可能性があります。

もし今の職場で本当に苦しいと感じているなら、1人で悩まずに、新しい選択肢を探してみるのも有効です。新しい環境で、看護師としての可能性を広げたいと考えている方は訪問看護に特化した求人サイトである「NsPaceCareer」を活用してみてください。

無理なく働ける職場や、あなたの強みを活かせる場所が見つかるでしょう。

看護師の責任感についてのよくある質問

ここでは、看護師の責任感についてよくある質問に回答します。それぞれをチェックして疑問を解決しましょう。

Q1:責任感が強い人ほど看護師に向いていますか?

責任感の強さは看護師にとって強みになります。

その理由は、責任感が強い人は、日々の業務に向き合い、患者さまの安全を最優先に考えたケアを提供できるからです。忙しい中でも記録を正確につけたり、申し送りを完璧にこなしたりと、地道な作業にも手を抜きません。

このような姿勢は、患者さまからの信頼はもちろん、チームメンバーからの厚い信頼にもつながります。看護師として成長し、キャリアを築くうえで大切な土台となるでしょう。

Q2:新卒でも責任感があると思ってもらうにはどうすればいいですか?

新卒でも、次のポイントを意識することで、周囲に責任感があると感じてもらえるでしょう。

  • わからないことはすぐに質問する
  • メモをとって復習する
  • 報告・連絡・相談を徹底する
  • 素直にフィードバックを受け入れる

これらの行動を習慣化することで、周囲からの信頼を得て、責任感のある看護師として成長できます。

Q3:患者さまから「頼りない」といわれたときの対処法は?

患者さまから「頼りない」といわれたときは、まずは真摯に受け止めることが具体的な理由を確認してから、改善の姿勢を示す必要があります。

普段から患者さまの声に耳を傾け、丁寧な言葉遣いやわかりやすい説明を心がけることから始めましょう。

患者さまの言葉を真正面から受け止め、改善しようと行動することで、今よりもっと頼られる看護師に成長できます。

Q4:転職の面接や履歴書の自己PRで責任感についてどのように答えると良いですか?

転職の面接や履歴書で責任感をアピールする際は、ただ「責任感があります」と伝えるだけでは不十分です。

具体的なエピソードや経験を交えつつ、あなたの責任感がどのように仕事に活かされてきたかをしっかりと伝えてみてください。病院の理念や方針に沿った回答ができると、適性があると判断され、アピールにつながるでしょう。

看護師に責任感は必要!日々の行動を変えて信頼される看護師に

看護師にとって責任感は、患者さまの命と安全を守るうえで不可欠な資質です。

一方で、忘れ物や言い訳が多い、指示待ちなどのNG行動は「責任感がない」と思われがちです。もしあなたが悩んでいるなら、信頼を取り戻すために行動を積み重ねる努力や、状況が改善しない場合の転職も視野に入れましょう。

この記事が、あなたが自信を持って「責任感のある看護師」として活躍する一助となれば幸いです。

<参考サイト・文献>

看護職の倫理綱領|日本看護協会

2022年看護職員の労働実態調査|日本医療労働組合連合会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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