看護師の一人暮らしはいくらかかる?家賃の相場や生活費をおさえる4つのコツ

公開日:2025/08/04 更新日:2025/08/04
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新生活を控え「一人暮らしをするかどうか」について、悩んだ経験がある看護師もいるのではないでしょうか。

看護師の一人暮らしは、新卒での就職をきっかけに始まることがほとんどです。

しかし、初めての一人暮らしで、しかも夜勤のある看護師の場合「どのような部屋が良いの?」「費用はどのくらいかかるの?」と多くの悩みに直面しがちです。

この記事では、看護師の一人暮らしにかかる費用や始めるタイミング、看護師向けの物件選びのポイントなどを解説します。看護師の一人暮らしの不安が減り、安心して新生活を迎えられるでしょう。

看護師の一人暮らしにかかる家賃と生活費の内訳

総務省統計局「2024年家計調査報告」によると、単身世帯の1ヶ月間の支出は平均16万9,547円です。看護師の一人暮らしにかかる費用も、この額と同程度と考えられます。

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、20~24歳の給与は1ヶ月あたり31万5,200円で、手取りは約25万円となります。この手取り額と生活費を比較すると、余裕があるように感じられるかもしれませんが、実際には住む場所や生活スタイルによって支出額は大きく変動するため、あくまで目安として考えることが重要です。

また、引っ越し費用や住宅の初期費用なども考えなければなりません。こうした要因をふまえて、自分に合った生活設計を立てることが大切です。

看護師が一人暮らしの生活費をおさえる4つのコツ

一人暮らしの生活費をできるだけ安く済ませるには、次の4つのポイントを押さえる必要があります。

  • 家賃補助や寮制度を活用する
  • 礼金ゼロの物件を選ぶ
  • 家具家電つきの物件で初期投資を節約する
  • 光熱費や通信費を見直す

これらのコツを実践することで、毎月の支出を減らし、貯蓄に回したり、趣味や自己投資に充てたりなど、より豊かな一人暮らしを送ることが可能になります。ライフスタイルに合わせて、できることから実践してみましょう。

1.家賃補助や寮制度を活用する

看護師の勤務先には、家賃補助や病院寮といった住宅支援制度が用意されていることがあります。毎月2〜3万円の家賃補助が出ると、年間30万円以上を生活費にあてられます。

また、寮は周辺の住宅よりも家賃が安く、家具家電つきで初期費用も少なくなりやすいのが特徴です。寮によっては、光熱費やWi-Fi利用料が家賃に含まれている場合もあり、毎月の固定費がおさえられるメリットがあります。

こうした制度の有無は、ホームページや病院説明会で確認できるため、住宅手当や寮の内容もチェックし、比較検討するのがおすすめです。

2.礼金ゼロの物件を選ぶ

一人暮らしの初期費用は、敷金・礼金・仲介手数料などで高額になりがちです。なかでも礼金は、貸主への「お礼」として支払うもので返金されることはありません。

礼金ゼロ物件を選べば、結果的にトータルの支出を減らせる可能性が高いため、節約重視の看護師には現実的な選択肢となるでしょう。

3.家具家電つきの物件で初期投資を節約する

冷蔵庫や洗濯機、ベッドなどの家具家電をすべてそろえるには、10万円以上の出費になることも珍しくありません。そのため、初期投資をおさえたい場合は、家具家電つきの賃貸物件を選ぶのが賢い方法です。

遠方からの引っ越しでは、運搬費用もかさむため、家電つきの物件なら引っ越し費用も減らせます。また、退去時に処分する手間もかからないため、新卒看護師や引っ越しの経験が少ない方にとっては、手軽に新生活をスタートできるメリットがあります。

4.光熱費や通信費を見直す

一人暮らしを始めてみて「思ったより光熱費がかかる」と感じる看護師は少なくありません。とくに、夜勤明け、家で過ごす時間が長くなりやすい場合、エアコンや照明の使用時間が長くなりがちです。

電力会社を変えたり、スマートフォンを格安SIMに変えたりすることも、支出を抑えられる方法の1つです。

看護師が一人暮らしをするメリット

夜勤やシフト勤務の多い看護師にとっては、実家や寮よりも暮らしやすく感じる場面も多い傾向です。ここでは、看護師ならではの一人暮らしのメリットを解説します。

  • 生活リズムを自分のペースで整えられる
  • 生活力が身につき、精神的にも自立できる
  • 職場とプライベートをしっかりわけられる

一人暮らしは、看護師が仕事とプライベートのバランスを上手に取りながら、自分らしく生活するための有効な選択肢といえます。これらのメリットを最大限に活かし、充実した毎日を送るヒントにしてみてください。

生活リズムを自分のペースで整えられる

一人暮らしでは、自分のペースで食事や睡眠、入浴などの時間を調整できることがメリットです。

たとえば、夜勤明けで疲れている日は好きな時間に寝られたり、残業で遅くなった日でも家族に気を遣うことなく食事したりできます。

実家暮らしでは、家族との生活リズムの違いに気を遣う場面も多くなりがちですが、一人暮らしだと、そのストレスが少なくなります。

生活力が身につき、精神的にも自立できる

掃除や洗濯、料理、買い物などをすべて自分でこなす生活では、自己管理能力が自然に鍛えられます。

生活のなかで優先順位をつけて動く力が養われるため、仕事でも冷静に判断したり、臨機応変に対応したりできるようになります。

一人暮らしを始めたばかりの頃は大変でも「自分一人でもきちんと生活できる」と次第に自信がつき、精神的な自立にもつながるでしょう。

職場とプライベートをしっかりわけられる

一人暮らしをすることで、家に帰ったら仕事のことを忘れてリフレッシュできる「自分だけの空間」を作れます。看護師の仕事は緊張感やストレスが大きいため、誰にも気を遣わずに過ごせる場所があると、心身の疲れをしっかり癒せます。

また、職場の人間関係や業務から距離をとることで、気持ちの切り替えが上手になり、前向きな気持ちで次の勤務に臨めるでしょう。

看護師が一人暮らしをするデメリット

看護師の一人暮らしには、メリットがある一方で、注意すべきデメリットもあります。

  • 孤独を感じやすくなる
  • 生活リズムが乱れやすくなる
  • 寮や実家暮らしよりも貯金が難しくなる

生活面での孤独やお金の問題など、あらかじめ知っておくことで対策が立てやすくなります。それぞれを見ていきましょう。

孤独を感じやすくなる

一人暮らしは自由な反面、勤務で疲れて帰宅した際に、話し相手がいないため、孤独感を抱きやすくなることがあります。

とくに、休日も一人で過ごす時間が多いと、気持ちが沈んでしまうこともあります。なかには、ホームシックにかかってしまう方もいるようです。

生活リズムが乱れやすくなる

一人暮らしでは、夜勤や不規則な勤務によって生活リズムが乱れやすくなります。実家や寮であれば、家族や同僚の生活音が多少なりともあり、自然とリズムが保たれることもありますが、一人暮らしではそうした影響がありません。

そのため、夜勤明けに長時間寝てしまったり、休日に夜更かししたりと、自分の意志で生活習慣をコントロールしないと、昼夜逆転の生活となってしまう可能性があります。

これが続くと、体調を崩しやすくなり、仕事にも影響が出たりすることもあります。自己管理がより一層求められる点が、一人暮らしの難しさといえるでしょう。

夜勤明けのおすすめの過ごし方を下記の記事でも解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:看護師の夜勤明けの過ごし方8つ!疲労回復の方法やあるあるを紹介

寮や実家暮らしよりも貯金が難しくなる

一人暮らしでは、毎月の家賃や光熱費、食費などの生活費をすべて自分でまかなわなければなりません。

とくに、都市部では家賃だけではなく、ほかの生活費が高くなる傾向があるため、固定費がかさみ、貯金が難しいという声もあります。寮や実家暮らしに比べて、出費は増えるため、計画的な家計管理が重要になります。

看護師の一人暮らしのタイミングと心構え

一人暮らしを始めるタイミングは「入職1年目」だけに限りません。

実際に、仕事や環境に慣れるまでの1〜2年は寮や実家暮らしを選び、生活が安定してから一人暮らしを始める看護師も多くいます。

たとえば、夜勤に慣れて体力的な余裕が出てきた頃や、職場の人間関係が落ち着いてきた時期などが、一人暮らしへの移行を検討しやすいタイミングです。

焦って一人暮らしを始めるのではなく「仕事への慣れ」「経済的な準備」「心身の安定」などを確認し、自分に合った時期を見極めることが、快適な一人暮らしを送るカギとなります。

看護師の一人暮らしについてのよくある質問

看護師の一人暮らしについてのよくある疑問に、Q&A形式でお答えします。実際の生活をイメージしながら確認しておくと、トラブルを回避でき、スムーズに準備を進められるでしょう。

Q1:一人暮らしの看護師におすすめの勤務形態はありますか?

一人暮らしの看護師にとって、健康面を考慮すると日勤のみの勤務形態がおすすめです。一人暮らしだと、生活リズムが乱れても周囲に気づかれにくく、体調を崩すリスクが高くなりがちだからです。

日勤のみの職場としては、病院の外来や訪問看護ステーション、クリニックなどがあります。なかでも訪問看護は、直行直帰や曜日固定の勤務が可能な職場もあり、自宅で過ごす時間を確保しやすい点が魅力です。

関連記事:看護師が日勤のみで働く給料は約25万円!手取りやきつい理由5つを解説

Q2:看護師の一人暮らしで住民票や保険証の住所変更は必要ですか?

引っ越ししたら、住所変更の手続きが必要です。

引っ越す日から14日以内に、新しい住所の自治体に行って、転入届(転居届)を出しましょう。また、勤務先に保険証の住所変更も報告しなければなりません。

これらの手続きを怠ると、税金の通知が届かなかったり、医療費の請求に支障が出たりするなどのトラブルにつながる恐れがあるため早めに対応しましょう。

Q3:看護師の一人暮らしで車は必要ですか?

看護師の一人暮らしで車が必要かどうかは、住む場所や職場によって大きく異なります。

たとえば、東京都や大阪府といった都市部では、電車やバスなどの公共交通機関で通勤できる職場が多いため、車は必須ではありません。

一方、地方の病院に勤務する場合や、訪問看護で働く場合など、移動が多い職場では車が必要になることもあります。地方に住んでいる看護師のなかには、車で1時間かけて通勤しているケースもあります。

勤務地や通勤手段、駐車場の有無を考えて住む場所を判断すると良いでしょう。

Q4:一人暮らしする前にやっておくべきことはありますか?

引っ越し前には次の準備を整えておくと、スムーズに新生活を始められます。

  • 引っ越し当日までのスケジュールを組む
  • 生活用品を準備する
  • 最低限必要な家具・家電をそろえる

大型の家電の配送日を決めたり、電気や水道などの手続きをしたりと準備は多くなりがちです。引っ越すときに焦らないように、できるだけ細かくスケジュールを管理しておきましょう。

Q5:看護師の一人暮らしに適した物件のポイントはありますか?

看護師の一人暮らしにおすすめの物件は、次のとおりです。

  • 駅近や生活圏の利便性
  • 夜勤明けで静かに過ごせる環境
  • しっかりとしたセキュリティ

夜勤で家にいない時間が長かったり、3交代の場合は夜中に帰宅したりする場合もあるため、オートロックや防犯カメラなどの設備が整っている物件を選びましょう。

看護師の一人暮らしは失敗しないための事前準備が重要

看護師の一人暮らしは、自由な反面、生活費の管理や体調の維持など、すべてを自分で管理する必要があります。とくに、看護師は夜勤や不規則なシフト勤務があるため、物件選びや生活スタイルが仕事の継続に大きく影響します。

また、自分のライフスタイルに合った働き方を選ぶことも重要です。夜勤のない日勤常勤や訪問看護は、一人暮らしと相性が良く、生活リズムを整えやすい働き方として注目されています。

「暮らしやすさ」と「働きやすさ」を両立させたい看護師には、住宅手当や社宅つきの求人も紹介している訪問看護専門の求人サイト「NsPaceCareer」の活用もおすすめです。ぜひ情報収集を始めてみましょう。

<参考サイト・文献>

2024年家計調査報告|総務省統計局

令和6年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

引越し手続について|マイナポータル

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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