夜勤専従看護師は子育ても両立できる!5つの理由と両立するコツを解説

「子どもとの時間を大切にしたいけど、収入も諦めたくない」「仕事と育児を両立できるか不安」
このような悩みを抱える看護師にとって、夜勤専従は仕事と子育ての両立ができる働き方です。夜勤専従は夕方から早朝の時間帯に勤務する働き方で、少ない勤務回数で収入が安定したり、日中の時間を家事や育児に使えたりするため生活にゆとりが生まれます。
この記事では、夜勤専従が子育てと両立しやすい理由や家庭と仕事を両立させる具体的なコツなどを詳しく解説します。ご自身とご家族にとって最適な働き方を見つけるため、ぜひ最後まで読んでみてください。
夜勤専従看護師は子育てと両立しやすい!5つの理由とポイント
夜勤は体力的に大変なイメージを持たれがちですが「夜勤専従」は子育て中の看護師にとってメリットの多い働き方です。
- 日中に子どもとの時間を確保できる
- 1人の時間も確保できる
- スキルやキャリアを維持できる
- 勤務回数が少なくても安定収入が見込める
- 平日の用事をスムーズに済ませられる
ここでは、夜勤専従が子育てとの両立に適している理由と両立のためのポイントを紹介します。
1.日中に子どもとの時間を確保できる
看護師が夜勤専従で働く魅力は、日中にまとまった時間を確保できる点です。
夜勤専従の勤務形態は2交代制や3交代制が一般的で、2024年の日本看護協会調査研究報告によると1回16時間以上の2交代制が76.9%と最も多く、次いで変則を含む3交代制が28.3%、1回16時間未満の2交代制が18.1%と示されています。
夜勤専従は、日勤と比べて1回の勤務時間は長くなりますが、月の勤務回数は8〜10回程度(週に約2回)です。また、出勤日数が少ないため、休日をまとめて取ることができて日中に自由な時間を確保しやすいです。
そのため、学校行事の参加や習い事の送迎もおこないやすく、子どもや家族と過ごす時間を確保できるでしょう。
2.1人の時間も確保できる
子育て中は、常に家事や育児に追われがちです。しかし、夜勤専従であれば、子どもが保育園や学校に行っている平日の日中を「自分だけの自由な時間」に使える場合もあります。
「1人の時間」は、心身のリフレッシュに不可欠で、母親や看護師という役割から一時的に離れてリラックスすることで、心の余裕を取り戻せます。
3.スキルやキャリアを維持できる
子育て中でもキャリアを維持したいと考える看護師は多い傾向です。夜勤専従は、委員会や日中の研修の参加は難しいものの、臨床現場で働き続けることで、知識や技術を維持できます。
とくに、夜間は少ないスタッフで患者さまの急変や、緊急入院に対応をするため、アセスメント能力や迅速な判断力が磨かれます。
夜勤専従という働き方を選ぶことで、子育て中でも臨床から離れることなく経験を積めるため、将来的に日勤に戻る際にもスムーズに移行できるでしょう。
4.勤務回数が少なくても安定収入が見込める
夜勤専従は、少ない勤務回数でも効率的に高収入を得られることも利点です。
労働基準法(第三十七条)では、22時から翌朝5時までの勤務に25%以上の「深夜割増手当」が義務付けられています。これに加えて、病院独自の「夜勤手当」が支給されるため、日勤のみの勤務より給与水準は高くなります。
2交代勤務で夜勤専従として働く場合、フルタイムの日勤常勤よりも収入を得られるケースもあり、限られた時間でしっかり稼ぎたい方におすすめの働き方です。
5.平日の用事をスムーズに済ませられる
夜勤専従は平日の日中に時間を作れるため、役所での手続きや銀行の窓口業務、子どもの予防接種といった用事をスムーズに済ませられます。
土日は混雑しがちな用事も、平日におこなえることで自分のペースで滞りなく進められます。
子育て中の看護師が夜勤専従で働く大変さや注意点
メリットが多い夜勤専従ですが、無理なく続けるためには大変さや注意点の理解が不可欠です。
- 夜間や勤務前後の子どもの預け先の確保
- 子どもの急な体調不良への対応
- 不規則な生活リズムによる体調管理
それぞれについて説明するため、確認してみましょう。
夜間や勤務前後の子どもの預け先の確保
夜勤専従を始めるうえでの課題は「夜間に子どもを誰が見るか」です。
パートナーや両親など家族の協力が得られると問題ないかもしれませんが、難しい場合は外部のサポートの利用検討が必要です。おもな選択肢は以下になります。
- 24時間対応の院内託児所
- 夜間保育
- ショートステイ
これらのサービスを利用する際は、利用料金や対象年齢、予約方法といった利用条件を事前に確認しましょう。お住まいの地域の自治体の窓口などで利用できるサポート体制について、早めに情報収集を始めることで安心して夜勤を始められます。
子どもの急な体調不良への対応
子どもの急な体調不良は、働く親にとって避けられない問題です。夜勤は日勤に比べてスタッフ数が少なく急な欠勤は職場に影響するため、休みを取りにくいと感じる場面もあるでしょう。
そのため、入職前に子育てへの理解やサポート体制が整っているかを確認することが必要です。
面接時に、子育て中の看護師のサポート体制や急な欠勤時の対応について具体的に質問しましょう。また、入職後は日ごろから同僚や上司と良好な関係を築き、協力し合える環境を作れると、休みを取りやすくなり、子どもの体調不良にも安心して対応できます。
不規則な生活リズムによる体調管理
夜勤による昼夜逆転の生活は自律神経やホルモンバランスを乱し、子育てによる疲労と重なると心身の負担は大きくなりがちです。
これらの負担は、慢性的な疲労や集中力の低下につながり、高血圧や糖尿病などの健康リスクを高めることが指摘されています。
夜勤専従を長く続けるために、栄養バランスのとれた食事を1日3回食べることや、20分程度の有酸素運動など意識的におこないましょう。
子育て中の看護師が夜勤専従で働く1日のスケジュール
夜勤の日の過ごし方を紹介するので、自身の生活と照らし合わせてみてください。
【夜勤の日のスケジュール】
時間 | 内容 |
6:30 | 子どもと起床・子どもの支度の手伝い |
7:00 | 朝食準備・家事 |
7:30 | 子どもが登園・掃除 |
9:00 | 仮眠 |
12:00 | 昼食・休憩 |
14:00 | 買い物・夕食準備 |
15:00 | 出勤準備 |
16:00 | パートナー帰宅・パートナーが子どもの迎え・出勤 |
16:30 | 勤務開始 |
翌9:30 | 勤務終了 |
上記はあくまで一例です。夜勤明けの過ごし方や自宅での時間の使い方には、自身の体力や家庭の状況に合わせた工夫が必要です。
子育て中の看護師が夜勤専従でうまくいくコツ
夜勤専従と子育てをスムーズに両立させるためには、事前の準備と日々の工夫が欠かせません。無理なく仕事を続けるためのコツを3つの視点でご紹介します。
- 家族と事前に話し合い、協力体制を考える
- 子どもへの影響を考慮してかかわり方を工夫する
- 自分のための休息時間を意識してつくる
これらの工夫に加え、職場との密な連携も重要です。夜勤専従の働き方を支える制度やサポート体制を積極的に活用し、自身の状況に合わせた柔軟な働き方を相談することで、無理なく長くキャリアを続けられます。
家族と事前に話し合い、協力体制を考える
夜勤専従として働くためにパートナーや子どもと事前に話し合い、家事と育児の役割分担や子どもの急な体調不良時の対応などを決めておくことが重要です。
「手伝ってもらう」のではなく「家族で一緒に乗り越える」という意識を共有しましょう。
子どもへの影響を考慮してかかわり方を工夫する
夜勤の日は子どもと夜を過ごせないため、子どもが寂しさや不安を感じる可能性があります。
とくに、幼い子どもほど夜間に親と過ごせない日が続くと、ストレスや不安を強く感じやすくなります。
短時間でも出勤前に抱きしめたり帰宅後に朝ごはんを一緒に食べたりして、意識的に愛情を伝えることが大切です。また、会えない時間の出来事や気持ちを共有できるように、手紙のやりとりや次の休みに出かける約束をすることで心のつながりを保ちましょう。
自分のための休息時間を意識してつくる
夜勤専従を健康的に続けるには、自分のケアも大切です。
質の良い睡眠をとるために遮光カーテンを使ったり、消化の良い食事を心がけたり、休日にリラックスできる時間を作ったりと、セルフケアを意識しましょう。
心身の健康が保たれてこそ、質の高い看護を提供でき、家族とも笑顔で過ごせます。
子育てと両立しやすい夜勤専従の職場を選ぶポイント
夜勤専従の働きやすさは、職場環境に大きく左右されます。給与や勤務回数だけでなく、子育てと両立できる環境が整っているかを慎重に見極めましょう。
- 夜間の預け先
- 無理なく継続できる勤務条件
- 子育てへの理解度とサポート体制
これらのポイントを事前に確認することで、自分に合った職場を見つけやすくなります。説明会や見学などを活用し、職場の雰囲気や実態を把握する努力も怠らないようにしましょう。
夜間の預け先
パートナーや両親に夜間子どもを預けられない場合は、職場の子育て支援体制を事前に調べる必要があります。24時間対応の院内託児所が完備されている職場であれば安心です。
そういった施設がない職場の場合は、夜間の子どもが利用可能な施設の有無や利用条件(料金、対象年齢、病児保育の対応)を確認しましょう。
無理なく継続できる勤務条件
夜勤専従を継続するために、自分の体力や家庭の状況に合わせて柔軟な働き方ができるかの確認が大切です。
正社員だけでなく、家庭の都合に合わせてパートやアルバイトとしての採用も選択できます。
希望する回数での勤務が可能か、希望する休みが取りやすいかなど、シフトの柔軟性も面接で確認することで、入職後に無理なく働けるでしょう。
子育てへの理解度とサポート体制
働きやすさは制度が整っているかだけではなく、職場の雰囲気が重要です。
子育て中の看護師が何人いるか、急な欠勤時にチームで助け合う体制があるなどの実態を面接や見学をした際に確認しましょう。
子育て中の看護師が夜勤専従以外で働くおすすめの職場
夜勤専従以外にも子育てと両立しながら無理なく働ける職場は多くあります。日勤中心で働ける職場を5つご紹介します。
勤務先 | 勤務形態 | 仕事内容 | メリット |
病院外来 | 日勤(救急外来を除く) | ・診察の介助や準備 ・バイタルサインの測定 ・採血、注射、点滴 ・検査の説明、介助 ・診療記録の作成 | ・日勤中心で、子どもの生活リズムに合わせやすい ・急変対応が少なく、心身の負担が比較的軽い ・基本的な看護スキルを活かせ、ブランクからの復帰にも適している |
クリニック | 日勤のみ | ・診察の介助や準備 ・採血や各種検査の実施 ・予防接種の実施 ・健康診断の対応 | ・残業がほぼなく、土日祝休みでプライベートを確保しやすい ・パートや時短勤務など希望の働き方を選びやすい |
訪問看護 | 日勤(オンコール対応あり) | ・身体状態のアセスメント ・医療処置の実施 ・日常生活の支援 ・利用者さまやご家族への指導 | ・パートなら曜日や時間を調整しやすく、学校行事にも参加しやすい ・自分のペースで、1人の利用者とじっくり向き合える ・多職種連携の中で専門性を活かせる |
健診センター | 日勤のみ | ・バイタルサイン測定 ・検体検査の実施 ・生理機能検査の実施や介助 ・問診や診察の介助 | ・定時退社が基本で、終業後の予定が立てやすい ・業務が完全にルーティン化されており、心身の負担が少ない ・健康な方と接するため、精神的な負担が少ない |
介護施設 | 日勤のみ(オンコール対応あり) | ・入所者の健康管理とアセスメント ・服薬管理 ・医療処置の実施 ・日常生活の援助 | ・日勤のみや時短勤務など多様な働き方があり、家庭の状況に合わせられる ・利用者さまの生活に長く寄り添い、じっくりと関係性を築ける |
職場によって業務内容やメリットはさまざまです。自身のライフスタイルや大切にしたい条件を整理して最適な職場を見つけてみてください。
子育てと夜勤専従の両立を考える看護師のよくある質問
最後に、子育てと夜勤専従を考える看護師からよくある質問にお答えします。
夜勤免除を利用できる条件は?
育児・介護休業法により、小学校就学前の子どもを養育する看護師には、事業主に申請することで深夜業(22時〜翌5時)を免除される権利があります。
ただし、事業主は「事業の正常な運営を妨げる場合」はこの申し出を拒否できるため、夜勤を免除されない可能性があります。まずは職場の就業規則を確認し、看護師長や人事課に相談してみましょう。
夜勤専従に向いているのはどのような人?
夜勤専従に向いているのは、体力に自信がある人や体調の自己管理が得意な人、家族の協力が得られる人などです。夜勤専従を続けるためには、不規則な生活が心身に与える影響を理解し、体調管理できるかがポイントです。
夜勤専従は子育て中の看護師におすすめの働き方の1つ!理想の働き方を見つけるために相談してみよう
子育て中の看護師にとって夜勤専従は有効な選択肢です。
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<参考サイト・文献>
2024年 病院看護実態調査 報告書 | 公益社団法人 日本看護協会

「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。