【看護師の面接対策】特養の志望動機のコツ5選!未経験OKの例文つき

公開日:2025/07/28 更新日:2025/07/28
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「特養で働きたいけれど、面接で何を話せば良いのかわからない」「病院との違いをアピールできる志望動機が書けない」

このように悩んでいる看護師もいるのではないでしょうか。

特別養護老人ホーム(特養)は、高齢者の生活の場所であり、看護師には医療処置だけでなく、利用者さまに寄り添うケアが求められます。そのため、面接では看護観や高齢者ケアへの熱意を伝えることが重要です。

この記事では、特養の面接で志望動機を答える際のポイントと、すぐに使える例文を紹介します。応募者の思いを効果的に話すことで、内定に近づけるでしょう。

看護師の面接で特養の志望動機を答えるコツ5選

採用担当者に好印象を与えるには、なぜ特養を選んだのかを明らかにし、高齢者ケアへの理解と意欲を示すことが大切です。次の5つのコツを意識すれば、応募者の熱意がより伝わりやすくなります。

  • なぜ病院ではなく特養なのかを明確に伝える
  • 高齢者ケアへの思いや経験を具体的に話す
  • チームケア・多職種連携への理解をアピールする
  • 医療処置だけでなく「寄り添い」の姿勢を示す
  • 施設の理念や方針と自分の考えを結びつけて語る

特養ならではの長期的な視点でのケアや、利用者さまの生活にかかわりたいことを示すことで、入職への意欲を十分に示せるでしょう。

なぜ病院ではなく特養なのかを明確に伝える

なぜ病院ではなく特養を選んだのか、その理由をはっきりと伝えてください。病院の役割はおもに患者さまの病気の治療です。一方で、特養の役割は利用者さまの生活に寄り添い、継続的な支援を提供することです。

特養では、次のように要介護度の高い利用者さまが多くを占めています。

要介護状態の区分割合
要介護10.9%
要介護22.8%
要介護326.5%
要介護441.2%
要介護528.7%
参考:令和5年度 介護給付費等実態統計の概況|厚生労働省

このデータから、特養の看護師には医療的知識に加え、生活支援や長期的なケアが求められるとわかります。病院とは異なる特養ならではの魅力に惹かれた点を話すと、採用担当者に熱意が伝わるでしょう。

高齢者ケアへの思いや経験を具体的にする

高齢者ケアへの情熱や、応募者が特養の看護師に向いていることを採用担当者に説明するには、これまでの経験を話すのが大切です。たとえば、次のようなエピソードが効果的です。

  • ボランティアで車椅子を利用する方をサポートし「ありがとう」と言葉をもらえた経験
  • 実習中に歩行が難しかった利用者さまが応募者の工夫で目標を達成できた喜び
  • 認知症の方のケアで言葉だけではなく表情や仕草から気持ちを読み取る大切さを学んだこと

エピソードが具体的であるほど、応募者の言葉に説得力が増すため、採用につながりやすくなるでしょう。

チームケア・多職種連携への理解をアピールする

特養では、介護士や理学療法士、管理栄養士と連携して利用者さまをサポートするため、チームケアや多職種連携への理解があることをアピールしましょう。

チームの一員として、具体的に何ができるのかを説明することが求められます。次のような経験が有効です。

  • カンファレンスでQOL向上につながるケアプランを作成した経験
  • 介護士と排泄ケアの改善に取り組み自立支援につなげたエピソード
  • 管理栄養士と協力して食事を工夫し食欲不振を改善した事例

これらのエピソードは、チームの一員としてどのように貢献できるかを示すものとなります。

関連記事:特別養護老人ホームの看護師の役割4つ!1日の流れやきつい理由も解説

医療処置だけでなく「寄り添い」の姿勢を示す

特養の看護師には、医療処置だけでなく、利用者さまに寄り添う姿勢が必要です。特養は利用者さまの終の棲家として、生活に寄り添い、長期的な視点でのケアが求められるからです。

たとえば、利用者さまのわずかな変化に気づき声に耳を傾けることや、不安な気持ちに寄り添い、安心感を与えることの大切さを伝えましょう。

「寄り添うケア」とはどのようなものか、具体例を交えながら説明することで、応募者の看護観を採用担当者にアピールできます。

施設の理念や方針と自分の考えを結びつけて語る

応募する施設の理念や方針を理解し、応募者の看護観や考えを結びつけて話しましょう。施設の理念に沿った志望動機になることで、入職への意欲と組織の一員として貢献したいという意思をアピールできるからです。

「地域連携を重視する方針に感銘を受け、私も貢献したい」「看取りケアを重視する貴施設で、利用者さまの最期に寄り添うケアを実践したい」といった具体例が挙げられます。

採用担当者は、応募者が施設で働くイメージを持てるため、採用の可能性が高まります。

看護師の面接における特養の志望動機の例文

特養の面接における志望動機は、応募者の状況に合わせて具体的に話すことが大切です。

  • 例文1.新卒看護師が実習経験をもとに語る志望動機
  • 例文2.未経験で特養を選んだ理由の志望動機
  • 例文3.中途看護師が病院から特養へ転職する理由の志望動機
  • 例文4.ブランク明け看護師が特養を選んだ理由の志望動機
  • 例文5.家庭との両立を理由に特養を選んだときの志望動機
  • 例文6.看取りケアに関心があるときの志望動機
  • 例文7.老健から特養を選んだときの志望動機
  • 例文8.有料老人ホームから特養を選んだときの志望動機

これまでの経験と今後の目標を交えて話すことで、応募者の意欲と貢献度をアピールできます。それぞれの例文を見ていきましょう。

例文1.新卒看護師が実習経験をもとに語る志望動機

<例文>
私が貴施設を志望したのは、高齢者さま一人ひとりの生活に深くかかわり、心に寄り添う看護を実践したいからです。病院実習で、多くの高齢者さまと接する機会がありました。そのなかで、病気の治療だけでなく、その人らしく生活できるために支えることの重要性を感じました。「利用者さま一人ひとりに寄り添い、質の高いケアを実践する」という方針に強く惹かれ、私もその一員として、利用者さまの穏やかな毎日を支えていきたいと考えています。

実習での具体的な体験と施設の理念を結びつけ、新卒看護師ならではの熱意と学びへの意欲をアピールしています。応募者の具体的な行動力と施設への深い理解が好印象につながるでしょう。

例文2.未経験で特養を選んだ理由の志望動機

<例文>
私はこれまで、急性期医療に携わるなかで、退院後の生活の質についても深く考えるようになりました。貴施設を志望したのは、看護師として利用者さまの日常生活に寄り添い、長期的な視点でサポートしたいという強い思いがあるからです。これまでの臨床経験で培った観察力やコミュニケーション能力を活かして、利用者さまをサポートしていきます。

未経験ながらも、これまでの経験から特養の看護への関心が芽生えた経緯をしっかりと伝えています。既存スキルを特養でどう活かそうとしているか、その意欲と順応性が高い評価になるコツです。

例文3.中途看護師が病院から特養へ転職する理由の志望動機

<例文>
私が病院から貴施設への転職を希望したのは、生活に密着したケアに携わりたいからです。病院では病気の治療が中心でしたが、特養では日常生活を支え、利用者さまらしい生活をサポートすることに魅力を感じています。臨床の経験で培った医療知識やスキルに加え、利用者さまやご家族さまとのコミュニケーションを大切にし、安心して過ごしていただけるようにしたいと考えています。

病院勤務との違いを具体的に挙げ、特養の看護への魅力を示しています。これまでの経験を活かしつつ、特養で貢献したいという強い意志と適応力が高評価のポイントです。

例文4.ブランク明け看護師が特養を選んだ理由の志望動機

<例文>
私は育児のため、約2年間現場を離れておりましたが、再び看護師として社会に貢献したいという思いが募り、貴施設を志望いたしました。ブランクはありますが、看護師として学び続ける姿勢を大切にしております。利用者さま一人ひとりにじっくりと向き合い、生活に寄り添ったケアができるところに魅力を感じたため、特養を選びました。臨床経験を活かし、利用者さまの穏やかな生活をサポートできるよう努めてまいります。

ブランクがあっても再就職への強い意欲と特養の特性を理解している点を伝えています。学び続ける姿勢と生活に寄り添う看護への熱意、ブランクからの復帰への覚悟を好意的に受け止めるでしょう。

例文5.家庭との両立を理由に特養を選んだときの志望動機

<例文>
私が貴施設を志望したのは、看護師として長く働き続け、家庭も大切にしたいからです。私の10年間の経験を活かし、利用者さまのケアに役立ちたいと強く思っています。貴施設の働きやすい環境と、利用者さまを第一に考える理念に共感しました。家庭との両立を叶えながらも、貴施設の一員として長く貢献したいです。

家庭との両立を希望しつつも、看護師としての意欲が高いことをはっきりと伝えています。貴施設の理念への共感を高く評価し期待するでしょう。

例文6.看取りケアに関心があるときの志望動機

<例文>
私が貴施設を志望したのは、看取りケアに関心があるからです。これまで看護師として働くなかで、利用者さまが人生の最期を穏やかに過ごせるよう支援することの重要性を強く感じてまいりました。貴施設の看取りケアの取り組みに感銘を受け、利用者さまやご家族さまに寄り添い、最期まで気持ちを大切にしたケアを提供したいと考えております。

看取りケアへの強い関心と、それが看護師としての経験から培われたものであることを示しています。看取りケアへの深い理解と、その施設で実践したいという意欲を肯定的に捉えるでしょう。

例文7. 介護老人保健施設(老健)から特養を選んだときの志望動機

<例文>
私はこれまでの介護老人保健施設での経験から、利用者さまが住み慣れた地域で長く生活できることの重要性を強く感じております。貴施設を志望したのは、終の棲家として利用者さまに寄り添い、生活を支える特養の役割に魅力を感じたためです。老健で培ったリハビリテーションや高齢者ケアについての知識を活かし、貴施設で利用者さまの生活の質の向上に貢献します。

老健での経験を特養でどう活かすかを具体的に示し、キャリアアップへの前向きな姿勢を伝えています。これまでの経験と特養への適応性を高く評価するでしょう。

例文8.有料老人ホームから特養を選んだときの志望動機

<例文>
私は有料老人ホームでの勤務経験から、多様な利用者さまのニーズに応え、生活全体を支えるケアに深く携わりたいと考えるようになりました。貴施設を志望したのは、利用者さまの生活の場であり、終身にわたるケアを提供している特養の役割に共感したからです。これまでの経験で培った利用者さまへの個別ケアの知識を活かし、貴施設の利用者さまが安心して毎日を過ごせるよう貢献したいです。

有料老人ホームでの経験を具体的に挙げ、特養でさらに深く利用者さまにかかわりたいという意欲を伝えています。応募者の経験と特養の特性への理解などをプラスに捉えるでしょう。

看護師の面接で特養の志望動機を答える際の注意点

特養の面接で志望動機を話す際には、次のようにいくつかの注意点があります。

  • 1分程度でまとめる
  • 明るい表情で答える
  • ポジティブな発言をする

「病院が合わなかったから」「病棟で夜勤をしたくないから」といったネガティブな理由は控えましょう。特養で働きたいという意欲を伝えることが好印象につながります。

関連記事:看護師の面接でよくある質問と回答例10選!自己紹介のコツも紹介

特養の面接についてのよくある質問

特養の面接についてよくある質問とその回答をまとめました。これらを事前に確認し、安心して面接に臨めるようにしましょう。

Q1:特養の面接でよく質問されることは何ですか?

特養の面接では、志望動機のほかに、次のようにさまざまな質問がされます。

  • これまでの看護経験で得たスキルや学び
  • 高齢者ケアへの考え方、特に認知症の方への対応
  • チームでの協調性や多職種との連携経験
  • 夜勤やオンコール勤務の可否と心構え
  • 緊急時の対応や判断能力について
  • 利用者さまやご家族さまとのトラブルがあった場合の対応
  • ストレスを感じた時の対処法や解消法

事前にしっかり自己分析をして、それぞれの質問に対して具体的なエピソードを交えながら答えられるように準備しておきましょう。

Q2:特養の志望動機がないときはどうすれば良いですか?

特養の志望動機がないと感じる場合は、まず特養の役割や看護師の仕事内容について深く調べてみましょう。

「利用者さまの退院後の生活を支えたい」「もっと寄り添ったケアがしたい」など、応募者が大切にしている思いやこれまでの経験と結びつけて考えることが大切です。

特養で働くことで、自分が何を学び、どのように貢献したいのかを具体的にイメージできるようになるはずです。

看護師の面接で特養の志望動機をしっかり押さえて合格をつかもう!

特養の看護師として働くことは、利用者さまの生活に深くかかわり、その方の人生を支えるやりがいのある仕事です。

面接で志望動機をアピールする際は、なぜ特養を選んだのか、高齢者ケアへの思いや経験、そして施設の理念への共感を具体的にすることが重要です。

この記事で紹介したコツや例文を参考に、応募者の熱意と看護観を採用担当者にアピールして、内定を勝ち取りましょう。

「利用者さまに深く寄り添い、生活を支えたい」という応募者の思いは、訪問看護の分野でも大いに活かせます。「NsPaceCareer」では、特養だけでなく訪問看護の求人も多数ご紹介可能です。幅広い選択肢から、あなたの理想の働き方を見つけてみませんか。

<参考サイト・文献>

令和5年度 介護給付費等実態統計の概況|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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