【看護師の面接対策】「なぜ認定看護師になりたいのか?」への答え方3つと例文

公開日:2025/07/21 更新日:2025/07/21
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認定看護師の入学試験を前に、面接対策にお困りではありませんか。

「なぜ認定看護師になりたいのか」の質問は、どの特定分野の面接でも必ず聞かれるでしょう。この質問は、認定看護師になれるかどうかに影響するため「どう答えたら採用担当者に響くのだろう」「ありきたりな答えになってしまわないか」と悩む看護師も多いはずです。

しかし、採用担当者が質問する意図や答え方のコツを知っておけば、自信を持って面接に臨めます。

この記事では、認定看護師になりたい理由の回答例や、好印象を与えられる答え方を解説します。熱意とビジョンをしっかりと伝えて面接試験に合格しましょう。

「なぜ認定看護師になりたいのか」と聞く採用担当者の意図

採用担当者が「なぜ認定看護師になりたいのか」と質問する背景には、明らかな意図がいくつかあります。

  • 認定看護師への熱意を確認するため
  • 看護現場での課題意識を持っているか知るため
  • どのように活躍したいかのビジョンを見るため

これらの意図を理解できると採用担当者が求めている方向性が見え、好印象を与える回答の準備をするヒントを得られます。

認定看護師への熱意と目的意識を明確にするため

採用担当者は、認定看護師を目指す理由に「強い意志」があるかどうかを見極めています。

認定看護師の資格を取得するためには、6ヶ月以上仕事を休んで勉強する必要があり、お金や気持ちの負担も大きいからです。だからこそ、途中で挫折しないだけの覚悟と、明確な目的があるかが大切になります。

看護現場での課題意識を持っているか知るため

採用担当者は「今の現場に何が足りないのか」を自分なりに考え、問題意識を持っているかを見ています。

認定看護師は、専門分野において「実践」「指導」「相談」を担い、職場全体の質を高める役割があります。

だからこそ「終末期のケアが医師任せになっている」「感染対策がうまくいっていない」など、実際の仕事中での気づきを話せる人が、認定看護師にふさわしいと評価されるのです。

将来どのように活躍したいかのビジョンを見るため

採用担当者は、認定看護師になったあと「どのような形で専門性を活かしたいのか」というビジョンを重視しています。

資格を取得した後、認定看護師として患者さまのケアやほかの看護師の指導をどのようにおこなっていくのかが重要だからです。

現場や地域にどう貢献していきたいのか、活動のイメージが具体的であるほど、意欲や計画性があると判断されます。

「なぜ認定看護師になりたいのか」好印象を与える答え方のコツ3つ

ここでは「なぜ認定看護師になりたいのか」という質問に対して、採用方法に好印象を与えるための答え方を3つ紹介します。

  • 認定看護師を目指すきっかけをエピソード形式で語る
  • 現場で感じた「もっとこうできたら」を語る
  • 認定後にやりたいことをはっきり言葉にする

回答を考える際の参考にしてください。

1.認定看護師を目指すきっかけをエピソード形式で語る

志望動機を伝える際は、これまでの経験から得た気づきをエピソードとして語ると、説得力が増します。

たとえば「終末期の患者さまとの別れの場面で『もっと何かできたのでは』と無力感を抱いた経験から、緩和ケアの重要性に気づき専門性を深めたいと思った」といった流れだと採用担当者に伝わりやすいでしょう。

心に刻まれた出来事を具体的に語ることで、看護師としての使命感をアピールできます。

2.現場で感じた「もっとこうできたら」を語る

日々の現場で感じている課題に触れながら、解決したい思いを語ると、問題解決の意識の高さが伝わります。

たとえば「褥瘡ケアの標準化が不十分であるため、ケアのプロトコルを作って、病棟の看護師が質の高いケアを提供できるようになりたい」と語れると好印象です。

現場の課題に触れ、その解決策として認定看護師の専門知識が必要であるという流れで説明すると、実践的な視点と問題解決能力の両方をアピールできます。

3.認定後にやりたいことをはっきり言葉にする

認定取得後のビジョンがあいまいでは、熱意が伝わりづらくなります。

そのため「特定分野の専門外来を立ち上げ、退院後も患者さまをサポートしたい」とはっきりとした将来像を語れると、説得力のある回答につながります。

「患者さまのために」といった漠然とした回答ではなく「誰に、何を、どのように提供したいか」を語る練習をしましょう。

なぜ認定看護師になりたいのかに対する回答例

ここでは「なぜその認定看護師を目指すのか」という問いに対する具体的な回答例を紹介します。

  1. 在宅ケア認定看護師を目指す場合
  2. 感染管理認定看護師を目指す場合
  3. 脳卒中看護認定看護師を目指す場合
  4. 皮膚・排泄ケア認定看護師を目指す場合
  5. 認知症看護認定看護師を目指す場合

採用担当者に響く答えを準備するためには、エピソードと将来のビジョンの両方が欠かせません。自身の経験と志望分野に照らしながらアレンジして活用してください。

1.在宅ケア認定看護師を目指す場合

<回答例> 多くの患者さまが退院後の生活に不安を抱えている現実を目の当たりにしてきました。胃ろうを造設した患者さまが退院する際、ご家族の不安に対して、知識不足から十分に答えきれず、悔しい思いをしました。この経験から、在宅医療の専門的な知識と実践力を高める必要があると感じ、認定看護師を目指すことを決めました。利用者さまが自宅で安心して療養を続けられるよう、地域包括ケアシステムの充実に貢献したいです。

2.感染管理認定看護師を目指す場合

<回答例> 私はこれまで7年間外科病棟で働き、感染拡大を防ぐことの重要性を強く感じました。とくに、術後感染が患者さまの回復を遅らせ、在院期間の長期化につながることを痛感いたしました。「効果的な対策があるはず」という課題意識を抱くようになり、この課題解決には感染管理の専門知識が不可欠であると確信したため、感染管理認定看護師を目指すことを決意いたしました。

3.脳卒中看護認定看護師を目指す場合

<回答例> これまで脳神経外科病棟で多くの脳卒中の患者さまとかかわってきました。なかでも、言語障害のある患者さまが自分の意思を伝えられず、フラストレーションを感じている様子が印象に残っています。この経験から、専門的なコミュニケーション支援や患者さまの残存機能を引き出すためのリハビリテーション看護の重要性を感じたため、認定看護師を目指したいです。

4.皮膚・排泄ケア認定看護師を目指す場合

<回答例> 私が皮膚・排泄ケア認定看護師を目指したいと感じたのは、高齢の患者さまの褥瘡管理の難しさを感じた経験がきっかけです。仙骨部の深い褥瘡に悩まされていた患者さまのケアを担当した際、従来の処置ではなかなか改善せず、痛みやADLの低下につながっている状況に対し、自分の知識や技術の限界を感じました。この経験から、患者さまの皮膚トラブルは全身状態や生活の質に深くかかわることを痛感し、より専門的な知識と技術をもってケアしたいと強く思うようになりました。

5.認知症看護認定看護師を目指す場合

<回答例> 私が認知症看護認定看護師を目指したいと思ったきっかけは、認知症患者さまの意思を尊重したケアの難しさと、ご家族の抱える深い悩みを目の当たりにしたことです。認知症患者さまは今後も増加することが予想されているため、認知症ケアの知識と技術を持つ看護師の必要性は高まると考えています。認知症看護認定看護師として、行動・心理症状への非薬物的アプローチや、患者さまの尊厳を守るケアを深めたいです。そして、病院内での多職種連携を推進し、家族支援や地域連携にもかかわることで、認知症患者さまが安心して過ごせる社会づくりに貢献していきたいと考えております。

「なぜ認定看護師になりたいのか」よくあるNG回答と理由

採用担当者に悪い印象を与えるNG回答の例は、次のとおりです。

  • 給料が上がるから
  • 周りが取っているから
  • 漠然とキャリアアップしたいから
  • 今の仕事がつまらないから
  • 勉強が好きだから
  • とりあえず何か資格が欲しいから
  • 周りにすごいと言われたいから
  • 病院から取れと言われたから

これらの回答は、認定看護師への明確な目的意識や現場への貢献意欲が見られず、目的意識が弱く、志望動機として不十分と判断される可能性があります。

なぜ認定看護師になりたいのか以外に面接でよく聞かれる質問

「なぜ認定看護師になりたいのか」以外にも、次のような質問が面接でよく聞かれる傾向にあります。

  • その分野を選んだ理由は何ですか?
  • 養成課程中に不安なことはありますか?
  • 認定看護師でなければならない理由は何ですか?

これらの質問への回答を準備しておくと、突発的な質問にも戸惑わず対応できるでしょう。

認定看護師の面接に関するよくある質問

認定看護師の面接についてのよくある質問にお答えします。さまざまな視点から準備しておき、面接の成功率を高めましょう。

Q1:認定看護師の入学試験の倍率はどのくらいですか?

認定看護師の養成課程の倍率は、教育機関や専門分野によって大きく異なるともいわれますが、はっきりとした数字は公表されていません。

人気の高い分野や募集定員が少ない教育機関では、競争率が高くなる傾向にあります。

関連記事:認定看護師とは?認定看護師の種類と教育機関の一覧を詳しく解説

Q2:認定看護師の入学試験に落ちた!面接が原因でしょうか?

認定看護師の入学試験に落ちる原因は、面接だけではありません。認定看護師の入学試験には、筆記試験や小論文、書類審査などがあり、これらが合否に影響します。

たとえば、筆記試験の点数が基準に満たなかったり、小論文で論理的な思考力が不足していると判断されたりするケースもあります。

不合格だった理由が面接にあると感じる場合は、今回の面接での反省点や改善点を洗い出し、次回の挑戦に活かすことが大切です。

「なぜ認定看護師になりたいのか」面接で自分の言葉で語れる準備をして合格を勝ち取りましょう!

「なぜ認定看護師になりたいのか」という質問は、応募者の熱意と将来のビジョンを採用担当者に伝える絶好の機会です。

自分の言葉で語るためには、認定看護師を目指すに至ったきっかけや、現場で感じている課題、認定看護師としてどのように活躍したいのかを明らかにすることが重要です。わかりやすく、情熱的に伝える練習を重ねましょう。

認定看護師は、病院だけでなく訪問看護の分野でも専門性を存分に発揮できます。在宅医療のニーズが高まる現代において、専門性の高い認定看護師の活躍の場はますます広がっています。

認定看護師として訪問看護の分野で活躍したいとお考えなら、ぜひ訪問看護特化型求人サイト「NsPaceCareer」をご活用ください。専門性を活かせる最適な職場を見つけられるはずです。

<参考サイト・文献>

認定看護師|公益社団法人日本看護協会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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