【看護師の面接対策】貢献できることの答え方7選!好印象になる例文つき

看護師の面接で「あなたは当院にどのように貢献できますか?」と質問され、どのように答えたら良いか悩む方は多いでしょう。
採用担当者は、応募者の能力やこれまでの経験が、病院の求める人物像と合っているかを見極めたいと考えています。この問いかけに適切に答えることで優れた点を伝え、採用担当者に良い印象を与えられるはずです。
この記事では、面接で自分の貢献意欲を伝えるためのポイントと、状況別の例文を紹介します。「貢献できること」に対する不安が解消され、自信を持って自分をアピールできることで、新しいキャリアのスタートを切れるでしょう。
看護師の面接で貢献できることを聞かれる理由
採用担当者が看護師の面接で「貢献できること」を質問するのは、応募者が長く組織に貢献してくれるかを知りたいためです。日本看護協会「2024年病院看護実態調査」によると、既卒看護師の離職率は16.1%と高い傾向にあります。
採用担当者は入職後のミスマッチを防ぎ、長期的に活躍してくれる人材を求めているため、この質問の意図を理解した回答を準備しましょう。
職場のニーズと応募者が合っているか知りたい
応募者の能力や考え方が、職場のニーズと合っているかを知りたいと思っています。看護師の業務はチームでおこなうことが多いため、組織の一員として協調性を持って働けるかどうかが欠かせないからです。
地域密着型の病院であれば、地域住民とのかかわりや在宅医療への理解がある看護師を必要としている場合があります。病院の理念や求める人物像を理解し、それに沿った貢献の仕方を話しましょう。
戦力になるか確認したい
採用担当者は、応募者が職場で活躍できるかを確認したいと考えています。
急性期の病院の面接では、緊急時の対応や重症患者さまのケアができる看護師が評価されやすいでしょう。また、精神科の病院の面接では、患者さまの精神的な安定や社会復帰を支援するための共感力や根気強さを重視する傾向があります。
応募者の経験やスキルが新しい職場でどのように活かせるのか、病院が求めるスキルをこれからどう身につけるのかを詳しく伝えることが大切です。
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看護師の面接で貢献できることを答え方7選
看護師の面接で貢献できることをしっかりと伝えるためには、いくつかのポイントがあります。
- 経験やスキルを根拠にする
- 病院の理念や特徴と一致していることをアピールする
- どのように貢献できるのか具体的に伝える
- 患者さまやご家族への思いやりも強みにする
- チームの一員として協力する姿勢を伝える
- 学ぶ姿勢や向上心を貢献できることにつなげる
- 自分の目標やビジョンを結びつけて答える
これらを押さえることで、応募者の強みを最大限にアピールできます。それぞれをチェックしましょう。
経験やスキルを根拠にする
これまで培ってきた経験やスキルを挙げ、どのような形で病院に貢献できるのかを示しましょう。
「3年間、糖尿病内科に勤務し、慢性疾患を持つ患者さまの自己管理をサポートしてきたため、生活に合わせたケアで貢献できます」と述べると、採用担当者は、応募者の能力をイメージしやすくなります。
さらに、具体的な実績や成果を添えると、主張に厚みが出ます。新卒看護師の場合は、実習でのエピソードを交えることで、現場でもスキルを発揮できることが伝わりやすくなります。
病院の理念や特徴と一致していることをアピールする
志望先が掲げている理念や病院ならではの特徴を理解し、それが応募者の強みと一致していることをアピールしてください。
「患者さま本位の医療という理念に共感しており、私は傾聴力と共感力を活かし、安心して治療を受けられる環境づくりに貢献できます」と話すと効果的です。
さらに、経験やエピソードを交えて語ると、より説得力が増します。理念とのつながりを示すことで「ここで働きたい」という気持ちが伝わりやすくなります。
どのように貢献できるのか具体的に伝える
採用担当者が応募者の職場での活躍をはっきりと想像できるよう、漠然とした言い方ではなく、どのように貢献できるのかを明確に示すことが大切です。
「患者さまの疑問を一つひとつ伺い、わかりやすい言葉で説明することで、治療の理解を深めていきます」のように、入職後どのように行動したいのかを明らかにしてください。
どのような行動で職場に役立てるかを説明することがポイントです。イメージしやすい話し方を心がけましょう。
患者さまやご家族への思いやりも強みにする
患者さまやご家族への深い思いやりも、応募者の魅力としてアピールできます。
「終末期の患者さまのご家族が心身ともに疲れ切っている姿を目の当たりにし、精神的な支えの大切さを痛感しました。貴院でも、心のケアにも積極的に貢献したいと考えております。」のように表現すると良いでしょう。温かい対応ができる人材であることを印象づけられます。
チームの一員として協力する姿勢を伝える
看護師の業務は、医師やほかの医療従事者とのチームワークが不可欠です。チームの一員として協力し、円滑な人間関係を築ける姿勢を強調しましょう。
「チームの一員として積極的に意見交換をして、患者さまにとって最善の医療を提供できるよう尽力します」と話すと面接を有利に進められます。
チームで働くことを重視する病院にとって、協調性のある人材は高評価です。
学ぶ姿勢や向上心を貢献できることにつなげる
たとえ経験が浅い方でも、積極的に学ぶ姿勢や成長したいという意欲があれば、それを貢献できる点としてアピールできます。新しい知識やスキルを自ら身につけようとする意欲は、病院全体の質の向上につながるため、高く評価されるでしょう。
「特定行為研修に興味があり、将来的には専門的な知識を深め、より高度な医療を提供できる看護師として貴院の発展に貢献したいです」と話してください。
このように具体的な研修やスキルアップへの意欲を示すことで、採用担当者は応募者の成長意欲と貢献意識を評価し、長期的な活躍を期待します。
自分の目標やビジョンを結びつけて答える
将来の目標や看護師としてのビジョンを語り、それがどのように病院への貢献につながるのかを結びつけて答えてください。はっきりとした目標がある看護師は、モチベーションが高く、長期的に病院に貢献してくれると期待されるためです。
「将来は緩和ケアの専門看護師となり、患者さまのQOL向上に貢献したいです」と述べると、真剣な思いが届くでしょう。このように、具体的な目標と、それが病院への貢献にどうつながるかをはっきりすることで、話に説得力が生まれます。
看護師の面接で貢献できることを伝える例文【状況別】
ここでは、状況に応じた「貢献できること」の例文をご紹介します。
- 中途看護師がこれまでの経験を活かして貢献を伝える例文
- ブランク明けの看護師が子育ての経験を活かして貢献する例文
- 転職する看護師が地域医療への貢献を伝える例文
- 新卒看護師が実習経験をもとに貢献を伝える例文
状況ごとの例文を参考に、応募者の強みや経験を表現しましょう。採用担当者に響く言葉で、自信を持ってアピールしてください。
中途看護師がこれまでの経験を活かして貢献を伝える例文
<例文> 集中治療室での10年の経験から、緊急時の対応や重症患者さまのケアには自信があります。以前、心肺停止状態の患者さまを担当した際、速やかに救命処置をおこない、医師に報告したことで患者さまの命を救うことができたためです。冷静な判断力とアセスメント能力を貴院でも発揮したいです。 |
ブランク明けの看護師が子育ての経験を活かして貢献する例文
<例文> 家事をしながら、子どもの急な発熱といった予期せぬ事態にも冷静に対応してきました。この限られた時間でタスクを並行してこなす子育て経験が、看護業務における優先順位づけや効率化に役立つと考えるため、スムーズに業務遂行に貢献できます。貴院でも、この経験を活かし、チームの一員として円滑な業務遂行に貢献できると信じています。 |
転職する看護師が地域医療への貢献を伝える例文
<例文> 地域包括ケアにおける多職種連携の経験を活かし、貴院の地域医療の充実に貢献できます。前職では、ケアマネジャーや訪問看護師と情報交換をおこない、退院後の患者さまが安心して生活できるような支援体制を構築してきました。貴院でも、地域住民のみなさまが住み慣れた場所で安心して暮らせるよう、質の高いケアを提供することを目指します。 |
新卒看護師が実習経験をもとに貢献を伝える例文
<例文> 私は、コミュニケーション能力を活かし、安心できる看護を提供することに貢献できます。実習中に傾聴がいかに大切かを学びました。時間をかけて患者さまの話を聞くことで本当のニーズを理解し、適切なケアにつなげられた経験があります。貴院でも患者さまの話を傾聴して、わずかな変化にも気づけるよう努めます。 |
看護師の面接で貢献できることを伝える例文【診療科別】
診療科ごとの特性を踏まえた「貢献できること」の例文です。
- 急性期病棟で活かせる例文
- 小児科病棟で求められる例文
- 回復期リハビリテーション病棟で求められる例文
- 訪問看護で評価される例文
診療科の特徴を理解し、それに合ったスキルや経験を示すことで、採用担当者に貢献意欲が伝わりやすくなります。自信を持って面接に臨みましょう。
急性期病棟で活かせる例文
<例文> 心臓血管外科では、刻々と変化する患者さまの状態をアセスメントし、迅速な判断と行動が求められます。私は、急変した患者さまに対し、的確な初期対応と医師への報告をおこなったことで危機を回避できた経験があります。チームの一員として患者さまの命を守ることに貢献できます。 |
小児科病棟で求められる例文
<例文> 小児科では、お子さまの成長発達段階に応じたきめ細やかなケアと、ご家族への精神的サポートが重要です。私は、お子さまが安心して治療を受けられるように、5年間の臨床経験をもとに遊びを取り入れたケアや、ご家族との信頼関係構築に貢献できます。貴院でも、お子さまとご家族の笑顔のために尽力します。 |
回復期リハビリテーション病棟で求められる例文
<例文> 回復期リハビリテーション病棟では、患者さまが主体的にリハビリに取り組めるよう生活に寄り添ったサポートが必要です。私は患者さまの「できるようになりたい」という気持ちを尊重し、目標達成を共に歩むことに貢献できます。前職では、意欲が低下した患者さまと一緒に目標を考え、達成の喜びを共有して、モチベーション向上につなげた経験があります。貴院でも一人ひとりに寄り添い、自立支援に貢献したいです。 |
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訪問看護で評価される例文
<例文> 訪問看護では、利用者さまに合わせた看護が求められます。私は病棟経験で培ったアセスメント力を活かし、生活環境を把握し、その人らしい生活を支えます。以前、複雑な病状の利用者さまに栄養や精神面のサポートを提案し、安心した在宅生活を支援しました。貴院でも生活の質向上に貢献したいです。 |
看護師の面接で貢献できることが思い浮かばないときの対処法
「貢献できること」がなかなか思い浮かばない場合でも、心配する必要はありません。次の方法を試してみましょう。
- 実習や職場で感謝された経験を振り返る
- 「これまで頑張ったこと」からヒントを得る
- 志望先のホームページや求人票から求められる人物像を探す
- 「どのような看護師になりたいのか」から逆算して考える
それぞれを丁寧に振り返ることで、自分の強みや貢献できるポイントが見えてきます。焦らず、自信を持って準備しましょう。
実習や職場で感謝された経験を振り返る
これまでの実習や職場で、どのような場面で患者さまや同僚、先輩から感謝されたか思い出してみましょう。感謝された経験は、応募者の強みにつながるヒントになります。
たとえば「いつも笑顔で話しかけてくれてありがとう、おかげで元気が出たよ」という経験があれば、明るさやコミュニケーション能力が貢献できることにつながるといえます。
「これまで頑張ったこと」からヒントを得る
これまで頑張ったことは、面接で自分の魅力を伝えるヒントになります。頑張った経験は行動力や課題解決能力を示し、それにより身につけたスキルや強みが病院への貢献につながるからです。
「プリセプターとして後輩指導に力を入れた経験」があれば、教育力やリーダーシップがアピールポイントとなります。そのため、過去の努力を振り返って考えてみましょう。
志望先のホームページや求人票から求められる人物像を探す
志望先の病院が求める人物像を調べて、これに合った自分の強みを示すことが重要です。
たとえば「地域住民のみなさんの健康寿命を伸ばしたい」と目標が掲げられていれば、応募者の地域包括ケア病棟や訪問看護ステーションなど地域医療での経験が活かせます。
ホームページや求人票などの情報をよく読み込み、病院が大事にしていることと経験やスキルがどのようにつながるのかをアピールしましょう。
「どのような看護師になりたいのか」から逆算して考える
将来なりたい看護師のビジョンから逆算して、今できることや習得したいことを考えることが大切です。はっきりとした目標を持つことで、貢献できる方向性が明らかになるからです。
「チーム医療を推進できる看護師になりたい」という目標があれば、現在のコミュニケーション能力や協調性が貢献できる要素となるでしょう。
看護師の面接で貢献できることを答えるときの注意点
「貢献できること」を答える際には、いくつか注意すべき点があります。これらを守ることで、より良い印象を与えられます。
- ネガティブな表現は避ける
- 受け身な姿勢は控える
- 謙虚な姿勢を心がける
- 志望動機や自己PRとつなげる
それぞれの注意点を確認してみましょう。
ネガティブな表現は避ける
「私にはまだ経験が少ないので…」や「できることはあまりありませんが…」のような、ネガティブな表現は自信のなさや、意欲の低さが伝わってしまうため避けてください。
「経験はまだ浅いですが、学ぶ意欲は誰にも負けません。貴院の研修制度を最大限に活用し、一日も早く貢献できるよう努力いたします」とポジティブに伝えるようにしましょう。
前向きな姿勢や成長意欲を示すことで、採用担当者に好印象を与えられます。不安な点があっても、それを補う意欲や具体的な行動を伝えることが大切です。
受け身な姿勢は控える
「教えてもらえれば頑張ります」といった受け身な姿勢ではなく、自ら積極的に行動し、貢献しようとする姿勢を見せてください。主体性のある人材は、どの職場でも求められるためです。
「積極的に病棟の業務を覚え、先輩方に教えを請いながら早期に戦力となれるよう尽力いたします」と伝えると効果的です。
どのように行動するかを具体的に述べることが、好印象につながります。
謙虚な姿勢を心がける
自分の能力を過剰に強調するのではなく、謙虚な姿勢を保ちながら、貢献できるポイントを伝えることが大切です。ただし、謙虚すぎると自信がないように見えるため、バランスを考えなければなりません。
「これまでの経験を活かし、チームの一員として貢献できるよう精一杯努めます」のように話してください。
過度に控えめにならず、前向きな姿勢と成長意欲を合わせて伝えることが大切です。
志望動機や自己PRとつなげる
「貢献できること」の回答は、志望動機や自己PRとつながりを持たせるようにしましょう。
これらが結びついていることで、応募者の回答に説得力が生まれ、筋の通った人物像として好印象になります。
志望動機で「地域医療に貢献したい」としているのであれば「地域連携を強化し、在宅医療の質の向上に貢献したい」と展開すると、より納得感が高まります。
言動や考えにズレがないメッセージは、応募者の姿勢に信頼を持ってもらうためにも有効です。内容の整合性を意識して構成してください。
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看護師の面接で貢献できることを伝えて合格をつかもう!
看護師の面接で「貢献できること」を問われたときは、応募者の経験やスキルを具体的に伝え、それが志望先の病院でどのように役立つのかをはっきりさせることが重要です。患者さまへの思いやりや、チームワークを大切にする姿勢も魅力的なポイントとなります。
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<参考サイト・文献>

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