【面接対策】看護師にとって大切なこととは?5つの理由と例文つき

公開日:2025/07/20 更新日:2025/07/20
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「初めての転職だから看護師にとって何が大切か、どう答えたら良いのか分からない」「あなたの看護観を教えてって聞かれたときに回答するコツを知りたい」

面接で「看護師にとって大切なこと」という質問に、どのように答えるべきか悩むかもしれません。この質問は、看護に対する価値観や人間性を知るための重要な手がかりです。

日本看護協会「2021年看護職員実態調査」によると「転職経験なし」が49.5%であるとされています。面接に慣れていない看護師が多く、こうした質問にうまく回答できない方も少なくないでしょう。

この記事では、看護師にとって大切なことを面接で聞かれる理由や回答例、大切なことを見つける方法を解説します。熱意と看護への想いを採用担当者に伝え、採用を勝ち取るための一歩を踏み出してください。

看護師にとって大切なことを面接で聞かれる理由

看護師の面接で「あなたにとって大切なことは何ですか」と聞かれるのは、医療現場で活躍できる人材かどうかを判断するためです。この質問で採用担当者は、具体的に次のことを確認しています。

  • 病院の理念や方針とマッチするかを判断するため
  • 看護観がはっきりしているか確認するため
  • チーム医療で信頼関係を築けるか判断するため
  • 安全や倫理への意識があるか確認するため
  • 成長意欲と学ぶ姿勢があるかチェックするため

採用担当者が質問する意図を理解すると、的確に回答できるため、採用率アップにつながるでしょう。

病院の理念や方針とマッチするかを判断するため

看護師の面接で「あなたにとって大切なことは何ですか?」と聞かれるのは、価値観が病院の理念や職場環境と合っているかを知るためです。

なぜなら、価値観が一致していないと、仕事のやりがいや人間関係にすれ違いが生じ、長く働くことが難しくなるからです。

たとえば「患者さんの気持ちに寄り添いたい」という想いを大切にしている場合、それを重視する病院であれば、理念との一致があり、働きやすく感じられます。

このように、自分の大切にしている価値観が応募先の方針と合うかを考え、それを言葉にして伝えることが大切です。

看護観がはっきりしているか確認するため

応募者の専門性や患者さまへの向き合い方がよくわかるため、どのような「看護観」があるのかを重視しています。

自分の看護観がしっかりしている人は、たとえ難しい場面でも一貫して質の高いケアができます。

面接では看護観を伝えることで、専門職としての軸があることをアピールできるでしょう。

チーム医療で信頼関係を築けるか判断するため

協調性やコミュニケーション能力の有無は、円滑なチーム医療を進めるうえで欠かせません。そのため、ほかのスタッフと信頼関係を築けるかを判断するために重要です。

たとえば、リハビリテーションの計画を立てる際には、次のさまざまな視点があると、リハビリテーションをより効果的にできるでしょう。

  • 医師の診断
  • 看護師の日々の観察とケア
  • 理学療法士の評価
  • 薬剤師による薬の影響の評価

この質問は「チームの一員としてどう貢献できるか」をアピールするチャンスです。

安全や倫理への意識があるか確認するため

採用担当者は、安全や倫理への高い意識があるかを確認するためにこの質問をします。医療現場では、患者さまの安全を最優先にし、倫理的な判断が求められるからです。

たとえば、点滴の準備をする際に、急いでいても氏名と薬剤の最終確認を怠らないことや、患者さまのプライバシーの情報は、たとえ同僚との会話でも不用意に話さないといった行動が必要です。

医療安全や患者さまを尊重するという考えを話すことで、仕事への責任感の強さやプロとしての自覚を示せます。

成長意欲と学ぶ姿勢があるかチェックするため

医療の現場は進歩しており、看護師には継続的な学習が求められるため、成長し続けようとする意欲があるかを採用担当者は見ています。たとえば、次のような行動は前向きな姿勢をアピールできます。

  • 新しい治療法や医療機器の勉強会に参加
  • 興味のある専門分野の資格取得
  • 専門記事や論文で自己学習

意欲的に学び続ける姿勢は、採用担当者に好印象を与えるでしょう。

看護師にとって大切なことを見つける方法

「看護師として何を大切にしているか」は、いきなり聞かれても言葉にするのは難しいものです。まずは、自分の経験を振り返り、掘り下げる作業が大切です。

  • 経験を棚卸しする
  • 「なぜ印象に残っているのか」を深掘りする
  • 患者さまの立場になって考える

漠然と考えるよりも、具体的な出来事や感情を思い出すことで、自分ならではの価値観が見えてきます。面接で説得力のある回答をするために、じっくりと向き合ってみましょう。

経験を棚卸しする

看護師としての経験を棚卸しすると、大切にしていることを見つけやすくなるため、次のことを書き出してみてください。

  • 過去の業務内容
  • 患者さまや同僚との関係
  • 成功体験や失敗体験

経験を振り返ると、どのような状況でやりがいを感じたか、何に喜びを感じたかなどが見えてくるため、看護師としての軸がはっきりするでしょう。

「なぜ印象に残っているのか」を深掘りする

印象に残っている出来事を深掘りすると、大切にしていることが見えてきます。

嬉しかったことやつらかったこと、感動したことなど心に残るエピソードをいくつか選び、そのときの感情や行動、学んだことを詳しく分析してみてください。

「なぜそう感じたのか」「なぜそれが大切に思えたのか」といった理由まで考えることで、信念や看護観がよりはっきりしてきます。

患者さまの立場になって考える

患者さまの立場になってみることがとても大切です。

もし自分が患者さまだったら「どのようなケアを受けたいのか」「どのような看護師にそばにいてほしいのか」など想像することで、不安や求めている気持ちに気づけます。

このように患者さま目線で考えることで、表面的なテクニックだけではない、本当に大切な看護のあり方が見えてくるはずです。

看護師にとって大切なことを面接で聞かれた際の回答例

「看護師にとって大切なことは何ですか」と聞かれたとき、どのように答えるかは重要です。経験や目指す看護師像に合わせて、具体的なエピソードを交えながら話すことが求められます。

  • 例文1:看護学校の入試の面接での回答例
  • 例文2:新人看護師の就職の面接での回答例
  • 例文3:急性期病院に転職する面接での回答例
  • 例文4:訪問看護ステーションに転職する面接での回答例
  • 例文5:介護老人保健施設に転職する面接での回答例

これらは面接だけではなく、履歴書の志望動機で回答する際にも役立ちます。これらの例文を参考に、自分の言葉で伝えられるように準備しておきましょう。

例文1:看護学校の入試の面接での回答例

看護学校の入試面接で「看護師にとって大切なことは何ですか」と聞かれたら、学ぼうとする意欲と患者さまへの真摯な姿勢をアピールしましょう。

<回答例> 私が看護師にとって大切だと考えるのは、患者さま一人ひとりに寄り添い、声に耳を傾ける姿勢です。患者さまの不安を和らげ、安心して治療に専念してもらうには、傾聴が不可欠だからです。高校生の時に祖母が入院した際に、看護師が祖母の話を熱心に聞いてくれ、不安を和らげてくれた経験があり、患者さまの気持ちに寄り添うことが大切だと実感しました。将来は、患者さまの心に寄り添い、安心を提供できる看護師になりたいです。

例文2:新人看護師の就職の面接での回答例

新人看護師として就職面接に臨む際は、学生時代の学びや実習経験を交えながら、今後の成長意欲を伝えてください。

<回答例> 私が看護師として大切にしたいのは、学び続け、患者さまにとって最善のケアを追求する向上心です。最新の知識やスキルを習得し続けることが、患者さまの命と健康を守るうえで重要だからです。実習で、患者さまの背景や生活状況を理解することの重要性を学びました。貴院で働きながら、最新の医療知識を習得し、質の高いケアを提供できるよう努力していきます。

例文3:急性期病院に転職する面接での回答例

急性期病院への転職面接では、これまでの経験から得た学びと、迅速かつ的確な判断力をアピールすることが重要です。

<回答例> 私が急性期病院の看護師として大切だと考えるのは、緊急時における冷静な判断力と、多職種との迅速な連携能力です。急性期医療では、一刻を争う状況が多く、迅速な判断が患者さまの命を左右するからです。前職では、急変した患者さまを担当した際、先輩看護師と協力して迅速に対応した結果、患者さまは退院できました。この経験から、冷静に対応し、チームで協力することの重要性を痛感したため、貴院の高度急性期医療を提供する現場で、患者さまの命を守るために貢献したいです。

例文4:訪問看護ステーションに転職する面接での回答例

訪問看護ステーションへの転職面接では、利用者さまの生活に寄り添う姿勢と、自宅での看護ケアに対する理解を伝えましょう。

<回答例> 訪問看護師として私が大切にしたいのは、利用者さまの生活背景を深く理解し、その方らしい生活を支えるケアです。利用者さまが住み慣れた環境で安心して過ごすためには、生活スタイルや価値観を尊重したケアが不可欠だからです。以前、病院で退院調整をおこなった際、住み慣れた場所で安心して過ごせるよう、一人ひとりに合ったケアを提供することの重要性を実感しました。貴ステーションで、利用者さまの個別性を尊重した質の高いケアを提供したいです。

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例文5:介護老人保健施設に転職する面接での回答例

介護老人保健施設への転職面接では、生活の質向上への貢献意欲と長期的な視点でのケアをアピールしましょう。

<回答例> 介護老人保健施設の看護師として大切にしたいのは、利用者さまの尊厳を守り、自分らしく生きるための生活支援をおこなうことです。利用者さまが豊かな生活を送るためには、身体的なケアだけでなく、精神面や社会性にも配慮した支援が必要だからです。以前、病院で高齢の患者さまをケアするなかで、退院後の生活の質を高めるケアの重要性を感じました。利用者さまの日常に寄り添い、身体状況や希望に応じた支援を通じて、残された人生を豊かにするお手伝いをしたいと考えています。貴施設で、利用者さまが安心して過ごせるような温かいケアを提供していきたいです。

看護師にとって大切なことを面接で印象的に伝えるコツ

面接で「看護師にとって大切なこと」を語る際、ただ内容を伝えるだけでなく、どのように話すかによって採用担当者への印象が大きく変わります。

  • 話す順番は「結論・理由・具体例・今後の意志」にする
  • 独自のエピソードを話す
  • 明るい表情とトーンで話す
  • 模擬面接で繰り返し練習する

上記のポイントを踏まえて、説得力と熱意が伝わるように工夫しましょう。効果的な伝え方を知ることで、採用担当者の記憶に残り、採用の可能性を高められます。

話す順番は「結論・理由・具体例・今後の意志」にする

面接で大切なことを伝える際は「結論・理由・具体例・今後の意志」の順番で話すと、論理的でわかりやすく、面接官に伝わりやすくなるためおすすめです。

まず、自分が大切にしていること、つまり結論を伝えます。次に、なぜ大切に思うのかを説明し、実際の経験やエピソードを加えて説得力を高めましょう。最後に「今後はこういう看護をしていきたい」という意欲や目標を伝えると、しっかりとした印象を残せます。

この話し方を意識すれば、自分の考えがきちんと整理されて伝わるので、面接でも安心して伝えられるでしょう。

独自のエピソードを話す

実際に自分が経験した出来事には、人柄や考え方、看護師としての価値観が自然とあらわれるため「自分がどう感じたか」「どんな行動をとったか」など、リアルなエピソードを具体的に話しましょう。

採用担当者はその話を通して、看護師としての資質や人間としての魅力を感じ取ろうとしているため、体験談がアピールポイントになるのです。

明るい表情とトーンで話す

素晴らしい内容でも、表情が暗かったり声が小さかったりすると、採用担当者に魅力が伝わりにくくなります。

面接では、笑顔を意識し、はきはきとした声で話すことで、積極性やコミュニケーション能力をアピールできるでしょう。

模擬面接で繰り返し練習する

本番でスムーズに回答できるようにするためにも、模擬面接で繰り返し練習し、言葉遣いや話し方、時間配分などを確認することが不可欠です。

家族や友人、職場の先輩看護師に面接官役をお願いしたり、キャリアセンターを利用したりして、緊張せず話せるよう声を出して練習しましょう。事前に練習を重ねることで、強みを最大限にアピールできます。

関連記事:面接で看護師に必要なこと7つ!面接前に準備しておくことも紹介 

看護師にとって大切なことについてのよくある質問

ここでは、多くの看護師さんが抱く疑問に、具体的なアドバイスとともにお答えします。これらの質問と回答を参考に、面接準備に役立ててください。

Q1:面接で「寄り添う看護」とアピールするにはどうすれば良いですか?

面接で「寄り添う看護」をアピールするには、具体的なエピソードを交えながら、どのように患者さまの気持ちに寄り添ったのかを説明してください。

単に「寄り添います」と伝えるだけでなく「どのような状況で、どのように寄り添い、その結果どうなったか」まで伝えることが大切です。

たとえば、患者さまの不安を傾聴し、その方に合わせた声かけや配慮をおこなった経験などを話すことで、共感力やコミュニケーション能力を示せます。具体的な行動と、それによる結果をはっきりと伝えるよう意識してください。

Q2:看護師にとって一番大切なことは何ですか?

看護師にとって何が一番大切かは人によって異なりますが「患者さまの尊厳を守り、安全なケアを提供すること」は、多くの看護師に共通する基本姿勢です。

なぜなら、医療従事者として患者さまの安全と権利を最優先することは、看護の基本であるからです。そのほかにも、次の要素が重要視されます。

  • 倫理観
  • 学び続ける姿勢
  • チームワーク
  • コミュニケーション能力

自分の経験をもとに具体的なエピソードを交えて語ると、採用担当者に考えが伝わりやすくなるでしょう。

関連記事:看護師にとって大切なこと9つ!これから看護師に求められることも解説 

面接で看護師にとって大切なことをはっきり答えて採用を勝ち取ろう!

看護師の面接で「看護師にとって大切なこと」という質問は、看護観や人間性を深く知るための重要な問いです。この質問を通して、採用担当者は病院の理念と合致し、チームの一員として貢献できる人材かどうかを見極めます。

この記事で紹介した「聞かれる理由」を理解し、自分の経験を棚卸しして「大切なこと」を見つけましょう。

具体的な回答例を参考に、自分の言葉で表現できるように準備してください。面接では、論理的な構成で話すだけでなく、明るい表情とトーンでエピソードを交えて伝えることが重要です。

<参考サイト・文献>

2021年看護職員実態調査|日本看護協会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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