看護師が面接で退職理由を聞かれるのはなぜ?印象がアップする7つの伝え方

公開日:2025/07/20 更新日:2025/07/20
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「看護師の面接で退職理由は、なぜ聞かれるの?」「人間関係が理由で辞めたっていうと、マイナスな印象になるのかな?」

このように悩んでいる看護師はいらっしゃいませんか。看護師として新たな職場を探す際、面接で必ず聞かれるのが退職理由です。

退職理由は、採用担当者が入職後の活躍をイメージするために重要な質問です。仕事に対する価値観や人間性、問題解決能力などを理解しようとします。

この記事では、看護師が面接で退職理由を問われるワケを解説し、採用担当者に好印象を与える伝え方や例文を紹介します。面接でうまくアピールでき転職活動が成功するよう、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

看護師が面接で退職理由を聞かれるのはミスマッチを防ぎたいから

看護師が面接で退職理由を聞かれるのは、おもに採用後のミスマッチを防ぎたいからです。ほかにも、次のような理由で確認します。

  • 応募者の人となりや仕事への価値観を知りたいから
  • 問題解決能力や主体性を見たいから
  • ネガティブな発言をするか、建設的に話せるかを見たいから
  • ストレス耐性や困難への向き合い方を知りたいから
  • キャリアプランや長期的な視点を確認したいから
  • 組織への適応力や協調性を見たいから

採用担当者は、退職理由から応募者の仕事への価値観や職場への適応能力を確認して、自院で長く活躍できる人材かどうかを見極めようとします。

応募者の人となりや仕事への価値観を知りたいから

採用担当者が退職理由を尋ねるのは、応募者がどんな場面でやりがいを感じ、どんなことに不満を持つのかを知ることで、その人の人となりや仕事観を把握するためです。

病院の理念や働き方と応募者の希望が合っているかを確認し、入職後のミスマッチを防ぐためでもあります。

「前職では患者さんとのかかわりが少なかったため、寄り添える看護をしたいと考えた」と伝えられると、自分が大切にしていることや理想とする働き方を自然にアピールできます。

問題解決能力や主体性を見たいから

採用担当者は、応募者が問題に直面したときに、自分で解決しようとする主体性や行動力があるかを見るため、退職理由を質問します。退職に至った背景を聞くことで、困難な状況にどう対応し、改善のために何を試みたのかがわかります。

人間関係が原因だった場合でも「関係改善のためにミーティングを提案しましたが、状況が好転せず、チームワークを重視できる職場を求めました」と説明すると、問題解決に向けた姿勢が伝わるでしょう。

不満を述べるのではなく、自ら行動しようとしたかどうかが、採用担当者の判断材料となるのです。

ネガティブな発言をするか、建設的に話せるかを見たいから

採用担当者が退職理由を聞くのは、応募者がネガティブな発言をするか、前向きに話せるかを見極めるためです。前職の不満ばかりを語る人は、入職後も不平やグチをいいがちで、チームの士気や職場の雰囲気を悪くする恐れがあります。

どのような状況でも、次にどう活かせるかを前向きに話せる人は、協調性や成長意欲があると判断されるでしょう。

ストレス耐性や困難への向き合い方を知りたいから

面接で採用担当者が退職理由を聞くのは、ストレス耐性や、困難な状況にどう向き合うかを確認するためです。

看護の現場では予期せぬトラブルや多忙な状況が起こるため、つらいときにどう対応するかはチームで協力するうえでは重要です。

単に「忙しかった」「人間関係が合わなかった」などの理由だけでなく、乗り越えようとした姿勢を具体的に語ることで、前向きな姿勢や問題解決力を伝えられます。

キャリアプランや長期的な視点を確認したいから

採用担当者が退職理由を尋ねるのは、応募者がどのようなキャリアプランを持ち、どのように成長していきたいのかを知るためです。

「自院で長く活躍してくれるか」「目標達成のために環境を活かせるか」を把握したいという意図があります。

組織への適応力や協調性を見たいから

採用担当者が退職理由を尋ねるのは、応募者が新しい職場にうまくなじめるか、チームの一員として協力できるかをチェックしたいからです。

とくに、前職の退職理由が人間関係や職場環境であった場合、自院でも同じような問題が起きないかを慎重に判断しています。

看護師が面接で印象がアップする退職理由の7つの伝え方

看護師が面接で退職理由を伝える際は、ポジティブな姿勢で、次につながる理由を話すことが大切です。

  • ポジティブな言葉を選ぶ
  • 簡潔に説明する
  • 具体的なエピソードを添える
  • 現職への感謝と学びを伝える
  • 感情的にならないようにする
  • 事前にしっかりと準備する
  • 前職への不満やクレームはNG

これらの伝え方を意識すると、採用担当者に良い印象を与え、内定に近づけるでしょう。

ポジティブな言葉を選ぶ

退職理由を伝える際は、必ずポジティブな言葉を選びましょう。たとえば、次のような言葉を選び、具体的な目標と結びつけると好印象です。

  • 新しい環境でチャレンジしたい
  • チーム医療への関心が高まっている
  • 地域医療に貢献したい

前職での不満やグチを述べるのではなく、新しい職場で何を学びたいか、どのように貢献したいかという前向きな姿勢が大切です。

簡潔に説明する

退職理由を長々と話すと、要点が伝わりにくくなったり、言い訳のように聞こえたりするリスクがあるため、簡潔に説明することが重要です。

たとえば「退職理由はスキルアップのためです。重症心不全の専門性を、貴院で深めたいと考えています」と端的に伝えましょう。

結論から述べ、その理由と具体例を短くまとめられると、応募者の思考の整理能力も評価されます。

具体的なエピソードを添える

退職理由に具体的なエピソードを添えると、話に説得力が増し、採用担当者が応募者の状況を理解できるため、印象が良くなるでしょう。

「親の介護のために退職しましたが、現在は介護サービスの利用により生活が安定し、夜勤にも対応できます。働き方の選択肢が広い貴院に魅力を感じています」と伝えると、過去の事情や現在の状況と、志望理由を自然に結びつけられます。

現職への感謝と学びを伝える

現職への感謝と学びを伝える姿勢は、採用担当者に好印象を与えます。

たとえば「前職では、患者さまへの個別ケアの重要性を学びました。この経験を活かし、貴院の『個別性を重視した看護』の理念に貢献したいです」と、前向きな言葉で締めくくりましょう。

感情的にならないようにする

退職理由を話す際は、感情的にならないように注意が必要です。

たとえば「前職の給与には不満がありましたが、前向きなキャリア形成のためと捉え、冷静に転職を考えました」と、感情を抑えて話すようにしましょう。

冷静に客観的に話すことで、応募者の人間性をアピールできます。たとえ前職で不満があっても、感情的にぶつけるのではなく、冷静に事実と向き合い、次につながる建設的な理由として伝えてください。

事前にしっかりと準備する

面接で退職理由をスムーズに伝えるには、事前にしっかりと準備することが不可欠です。

準備を怠ると、面接で言葉に詰まったり、まとまりのない話し方になったりする可能性があります。

自分がなぜ退職したのか、その理由をポジティブな言葉で表現するかを考え、何度も声に出して練習しましょう。

前職への不満やクレームはNG

前職への不満やクレームは、面接で絶対に話してはいけません。

採用担当者は、入職後も同様の不満を抱く可能性があると判断し、採用を見送るかもしれないためです。

「前職の人間関係に不満がありましたが、面接ではチームで協力する大切さを再認識した」と、不満を前向きな学びとして表現しましょう。

関連記事:看護師が転職を成功させるための10のポイントとは?年代別でも解説

看護師が面接で退職理由を伝える例文

ここでは、看護師が面接で退職理由を伝える際の例文をいくつかご紹介します。

  • 例文1:家庭の事情
  • 例文2:人間関係の問題
  • 例文3:体調不良
  • 例文4:メンタルの不調
  • 例文5:職場の雰囲気や業務内容の不一致
  • 例文6:働き方や待遇に不満
  • 例文7:スキルアップ

ただし、これらの回答例をそのまま活用するのではなく、自分の状況に合わせて伝えてください。

例文1:家庭の事情

<例文1> 前職を退職した理由は、家庭の事情によるものです。家族の介護が必要となり、現在の勤務時間では両立が難しくなりました。貴院は、日勤と夜勤が選べるシフト体制があると伺い、家庭と仕事の両立ができる環境だと考え、志望いたしました。限られた時間のなかで、これまで培ってきた経験とスキルを活かし、貴院に貢献したいと考えています。

例文2:人間関係の問題

<例文2> 前職の人間関係において、部署内の連携が取りづらい状況があり、看護業務に支障が出ることもありました。この経験から、チームワークを重視する環境で働きたいという思いが強くなりました。貴院のホームページで、多職種連携を重視したチーム医療に力を入れていることを拝見し、私も積極的に貢献したいと思ったことが志望理由です。

例文3:体調不良

<例文3> 前職では、不規則な勤務により体調を崩し、長期的な勤務が難しいと判断したため退職いたしました。現在は体調も回復し、健康管理には十分に配慮しています。貴院は、日勤常勤の求人があり、無理なく長く働ける環境だと考え、志望いたしました。これまでの経験を活かし、患者さまに寄り添った看護を提供していきたいです。

例文4:メンタルの不調

<例文4> 前職では、多忙な業務からメンタルヘルスに不調をきたしてしまい、休職を経て退職いたしました。この経験から、心身の健康を大切にしながら、長く看護師として働きたいという気持ちが強くなりました。貴院の精神科病棟は、患者さまとのかかわりを大切にするケアを実践されていると伺い、これまでの経験を活かし、貢献したいと考えております。

例文5:職場の雰囲気や業務内容の不一致

<例文5> 前職では、急性期の病院で慌ただしく仕事をしていたため、患者さまとの深くかかわれず、日々の業務に物足りなさを感じていました。貴院の緩和ケア病棟では、患者さま一人ひとりに寄り添った看護を実践されていると伺い、私の理想とする看護が実現できると感じました。これまでの経験を活かし、貴院に貢献したいです。

例文6:働き方や待遇に不満

<例文6> 前職では、残業が多く、プライベートとの両立が難しい状況でした。看護師として長く働くためには、ワークライフバランスも重要だと考えるようになりました。貴院は、残業時間が少なく、福利厚生も充実していると伺い、安心して長く働ける環境だと感じています。これまでの経験とスキルを活かし、貴院で貢献していきたいと考えています。

例文7:スキルアップ

<例文7> 前職では、内科病棟での経験を積むことができましたが、将来的には急性期医療でより専門性を高めたいという思いが強くなりました。貴院は、救急救命センターにおいて最先端の医療を提供されており、私もその中で知識や技術を習得し、貢献したいと考えています。これまでの経験を活かし、貴院でさらに成長していきたいです。

看護師の退職理由についてのQ&A

看護師の退職理由に関するよくある質問にお答えします。

Q1:看護師が退職したい理由は何ですか?

看護師が実際に退職を考える理由は、次の表のように多岐にわたります。

退職理由割合
結婚11.6%
子育て10.5%
転居9.1%
妊娠・出産8.8%
自分の健康(おもに身体的理由)7.4%
参考:看護師等(看護職員)の確保を巡る状況|厚生労働省(上位5位までを抜粋)

それぞれの看護師の価値観やライフステージによって、退職理由は異なります。さまざまな理由で看護師は退職しているため、採用担当者は面接で「なぜ辞めたのか?」について関心が高いといえます。

関連記事:看護師の退職の実態とは?離職率と5つの退職理由を解説

Q2:短期間で退職した際の退職理由は何と伝えれば良いですか?

短期間での退職の場合、採用担当者は「すぐに辞めてしまうのではないか」という懸念を抱く可能性があります。

そのため、退職理由を正直に伝えるだけでなく、その経験から何を学び、どう活かしていくかを具体的に伝えることが重要です。

たとえば「入職前のイメージと業務内容にギャップがあり早期退職しましたが、情報収集の重要性を学びました。十分に情報収集し、私の目指す看護と貴院の理念は一致していると確信しています」というように、反省点と今後の意欲を伝えてください。

看護師は面接で退職理由をうまく伝えて転職を成功させよう!

看護師の面接で退職理由を聞かれるのは、仕事への価値観や人間性を知るためです。

採用担当者は、応募者が新しい職場で長く活躍できる人材かどうかを見極めたいと考えています。退職理由を伝える際は、ネガティブな発言は避け、ポジティブな言葉で次につながる理由を話すように心がけましょう。

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<参考サイト・文献>

看護職員就業状況等実態調査結果|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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