健診センターの看護師の仕事内容7選!やりがいや求人を探すコツを紹介

「病院での忙しさに疲れたから、看護師の資格を活かして別の職場で働きたい」「夜勤のない職場で、プライベートを充実させたい」
健診センター(健康診断に関する検査)の看護師は、夜勤なしで体力的負担も少なく、子育て中の方に人気の働き方です。健康状態を調べる健診とは異なり、検診には病気の早期発見と健康維持を支える重要な役割があります。
この記事では、健診センターの看護師が実際にどんな仕事をしているのか、1日の流れやメリット・デメリット、求人探しのポイントまで詳しく解説します。夜勤のない働き方や転職活動のコツもわかるので、転職を検討中の看護師におすすめです。
健診センターの看護師の仕事内容7選
健診センターで働く看護師の仕事内容は多岐にわたります。受診者が安心して健康診断を受けられるように、さまざまな場面でサポートします。
- 受診者の誘導や案内
- バイタルサインの測定や身体計測
- 問診や受診内容の確認
- 採血・心電図・視力検査などの実施
- 内視鏡検査や婦人科検診の介助
- 受診者の体調不良の初期対応
- 保健指導と結果の説明
それぞれの仕事内容を知って、健診センターの仕事が自分に合った働き方か確認してみましょう。
受診者の誘導や案内
効率的な健診を実施するために、受診者が迷うことなく各検査室へ移動できるよう、わかりやすく案内することが求められます。必要に応じて同行することもあります。
スムーズな誘導は、受診者のストレス軽減にもつながる大切な役割です。
バイタルサインの測定や身体計測
血圧や脈拍などを正確に測定し、身長や体重、腹囲などの計測もおこない、受診者の状況の把握に役立てます。受診者との短い会話を交えながら、リラックスした状態で検査を進められるよう配慮が必要です。
毎日おこなう業務だからこそ、正確性と安定した対応力が求められます。
問診や受診内容の確認
問診票を確認しながら、現在の体調やこれまでにかかった病気、飲んでいる薬について詳しく聞き取ります。記載ミスや聞き漏れがないようチェックし、必要があれば、医師や検査技師と連携して対応します。
検査が安全に実施できるようにするために欠かせない業務の1つです。
採血・心電図・視力検査などの実施
健診センターの看護師は、採血や心電図、視力・聴力の検査などをおこないます。どの検査も、正しくスムーズにできることが大切です。
大規模な健診センターによっては、1日に100人採血することもあるようです。
また、採血では、緊張している受診者も多いため、「少しチクッとしますが、すぐに終わりますよ」と声をかけて、できるだけ痛みや不安が少なくなるように気を配ります。
内視鏡検査や婦人科検診の介助
内視鏡検査や婦人科検診の介助では、検査に必要な器具や消耗品の準備をおこないます。
たとえば、内視鏡検査の際には、検査用チューブの滅菌確認や潤滑剤の用意をします。婦人科検診では、プライバシーに配慮してカーテンや仕切りを整え、受診者が安心できるよう声かけをおこないます。
受診者は緊張や不安を感じやすいため「気になることはありませんか?」と声をかけて、流れをわかりやすく説明し、デリケートな気持ちに寄り添いながら対応することが大切です。
受診者の体調不良の初期対応
健診中に気分が悪くなった人がいたときは、看護師が初期対応をおこないます。
たとえば、採血でふらついたり、バリウム検査のときにアレルギー反応を起こしたりすることがあります。また、健診への緊張や不安から気分が悪くなる人もいるでしょう。
このような症状に対してケアをして、医師に知らせることもあります。
保健指導と結果の説明
食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直せるように保健指導や結果の説明をおこないます。
難しい言葉を使わず「自分にもできそう」「やってみたい」と思ってもらえるように話すことが大切です。生活を少し見直すきっかけになるよう、受診者に合ったアドバイスを心がけます。
健診センターの働き方!施設と巡回の仕事内容の違い
健診センターでは「施設健診」と「巡回健診」の2つの働き方があります。それぞれの働き方で仕事内容に違いがあり、ライフスタイルや得意なことに合わせて選ぶことが重要です。
施設健診の仕事内容
施設健診は、健診センター内での業務が中心です。
受付から案内、検査の補助や採血、結果説明まで決まった場所でおこないます。雨の日や交通のトラブルに左右されにくく、落ち着いた環境で仕事に集中しやすい点が魅力です。
受診者は予約制で来ることが多いため、同じ作業をコツコツこなすことが得意な人に向いています。
巡回健診の仕事内容
巡回健診は、健診バスや特設会場に出向いて、企業や学校などで健診をおこなう仕事です。
さまざまな場所に移動しながら働くため、準備や片付けも含めてチームで協力しながら進めます。限られた時間のなかで多くの受診者に対応するため、スピードと正確さが必要です。
外出が多いため気分もリフレッシュしやすく、活動的に働きたい人に適しています。
健診センターで働く看護師の1日のスケジュール
健診センターで働く看護師は日勤のみです。勤務時間は朝8時ごろから夕方4時〜5時までが一般的です。
時間 | 業務内容 |
8:00 | 出勤・全体朝礼・担当業務の確認と準備 |
8:30 | 受診者の受付開始・問診・バイタルサインの測定 |
9:00 | 採血・心電図・身体計測などの検査業務 |
12:00 | 午前の検診終了・休憩 |
13:00 | 午後の検診開始・午前と同様の業務 |
16:30 | 検診終了・使用物品の片づけ・翌日の準備 |
17:00 | 終業・退勤 |
定時で帰りやすく、子育てや介護といった家庭との両立もしやすい点が魅力です。
健診センターの看護師は楽しい?メリットとやりがい
健診センターで働くことには、多くのメリットとやりがいがあります。
- 体力的な負担が少ない
- 夜勤がなくワークライフバランスを整えやすい
- 急変対応のプレッシャーがない
- 病気の早期発見に貢献できる
これらの利点は、看護師の働きがいや満足度に大きく影響します。それぞれを詳しく見ていきましょう。
体力的な負担が少ない
病院勤務では、身体的な負担からさまざまな痛みを抱えている看護師も少なくありません。
日本医療労働連合組合によると、急性期一般病院における看護師の多くが悩んでいる痛みは「腰痛」であり、68.1%の看護師の方が痛みを感じています。
健診センターでは、受診者への身体介助はほとんどなく、体力的な負担が少ないのが特徴です。腰や肩の痛みが軽減され、健康的に業務に取り組めるでしょう。
夜勤がなくワークライフバランスを整えやすい
健診センターの仕事は夜勤がなく、毎日決まった時間に働けるため、生活リズムが安定しているのが魅力です。
たとえば、子どもの学校の行事に参加したり、新しい習い事を始めたりする時間も作りやすく、プライベートも充実させやすいでしょう。
急変対応のプレッシャーがない
健診センターでは、急変対応の機会がほとんどないため、精神的なプレッシャーが少ないです。落ち着いた環境で、自分のペースで仕事を進めたい方には適しています。
病院勤務で常に緊張感を持って働いていた方も、健診センターでは落ち着いて業務に取り組める可能性があります。
病気の早期発見に貢献できる
健診センターでの看護師は、病気を早い段階で見つけることに役立つ仕事です。
病気を早く見つけて治療につなげることで、受診者が元気に長く暮らせるようサポートできます。たとえば、重い病気を早く見つけて、すぐに治療が始まったと知ったときは、やりがいを感じられるでしょう。
健診センターの看護師はきつい?デメリットと大変な点
健診センターの看護師にはメリットが多い一方で、大変な点もいくつかあります。
- ルーチンワークで物足りない
- スキルアップに限界を感じる
- 夜勤手当がなく年収が下がる
これらのデメリットを理解することは、転職を検討するうえで重要です。それぞれを確認してみましょう。
ルーチンワークで物足りない
健診センターの仕事は、ルーチンワークが多く、病院勤務に比べてさまざまな症例に出会う機会が少ない傾向です。
そのため、刺激や新しい経験を求める看護師にとっては、物足りなく感じることがあります。新しいことに挑戦したい人は、この点を理解したうえで働く必要があります。
スキルアップに限界を感じる
健診センターでは、急性期看護や高度な医療処置の経験が少ないため、スキルアップに限界を感じる看護師もいるかもしれません。
具体的には、点滴やカテーテル挿入など、病院でよくおこなうスキルが上がりにくいと感じる場合があります。幅広い看護スキル習得を目指す看護師は、この点を知っておくと良いでしょう。
夜勤手当がなく年収が下がる
健診センターで働くと夜勤手当がないため、病院勤務時と比較して年収が下がる可能性があります。給与を重視する看護師は、この点を考慮する必要があります。実際に、日本看護協会の調査によると、夜勤手当額は次のような金額です。
勤務形態 | 夜勤手当額 |
二交代制 夜勤 | 1万1,368円 |
三交代制 準夜勤 | 4,234円 |
三交代制 深夜勤 | 5,199円 |
二交代制の場合、月に平均4.9回の夜勤があるため、1か月あたり5万円ほどの夜勤手当がもらえなくなる計算になります。
健診センターの看護師に向いている人・向いていない人
健診センターの看護師には、向き不向きがあります。自身の性格やキャリアプランと照らし合わせ、適性を判断することが大切です。
向いている人|接遇が得意で手技をコツコツこなせる人
健診センターの看護師には、次のような特徴がある人が向いているといえます。
- 受診者と丁寧にコミュニケーションできる
- 仕事を正確かつスピーディーにこなせる
- 日勤のみで生活リズムを安定させたい
- 採血や手技に抵抗がない
- 予防医療に興味がある
これらのことが得意な看護師は、健診センターで能力を十分に発揮し、やりがいを感じながら働けるでしょう。
向いていない人|変化や刺激の多い環境で成長したい人
一方、次のような人は健診センターの仕事が向かないかもしれません。
- 新しい知識や多様な経験を積みたい
- 毎日違う刺激や変化を求めている
- ルーチンワークが苦手
- 高い給与を重視している
ただし、これらの特徴に当てはまる人も業務に慣れてくると、新しいやりがいを見つけられるでしょう。
どうしても健診センターに向いていないと考える方は、訪問看護の仕事を検討してみてはいかがでしょうか。「NsPaceCareer」は訪問看護に特化した求人サイトであり、あなたの希望や条件に合った求人を見つけられます。ぜひ、ご活用ください。
病院の看護師との違いは?健診センターの看護師の特徴
病院の看護師とは異なり、健診センターの看護師には次のような特徴があります。
- 基本は日勤のみ
- 急変対応が少なく医療処置が限られる
- 接遇やコミュニケーション能力が重視される
- 事務作業が多い
これらの違いを理解することは、自身のキャリアを考えるうえで重要です。とくに、体力的な負担の少なさや家庭との両立のしやすさから、子育て中の看護師にも人気の職場です。
健診センターの看護師の給料
健診センターの看護師の給料は、一般的に病院勤務の看護師よりは低い傾向にあります。これは、夜勤手当がないことや医療処置が少ないため、手当がつきにくいことが理由として挙げられます。
ただし、勤務する施設や地域、経験によって異なるため、病院の看護師よりも高い給料を期待できるところもあります。たとえば、巡回健診の現場責任者やリーダー職に就くと、役職手当が支給され年収アップにつながる場合もあります。
残業が少ないことも特徴であるため、ワークライフバランスを重視できる点を考慮すると、納得できる給与水準と感じる看護師も多いでしょう。
健診センターの看護師の求人を探すコツと注意点
健診センターの求人を探す際は、次のコツと注意点を参考にしてください。
- 求人サイトの活用:条件を絞り込んで効率的に検索できる
- 非公開求人:転職エージェントでは非公開求人を紹介してもらえる場合もある
- 勤務形態の確認:施設健診か巡回健診か、雇用形態を事前に確認する
- 給与や福利厚生:給与体系や賞与、福利厚生なども確認する
健診センターの求人は条件が異なるため、これらを意識して探すことが成功のカギです。採用試験の面接では疑問点を積極的に質問し、職場の雰囲気や人間関係もできるだけ把握することで、入職後のギャップを減らせるでしょう。
健診センターの看護師についてのよくある質問
健診センターの看護師について、よく寄せられる質問にお答えします。これらの疑問を解消することで、安心して転職活動を進められます。
Q1:健診センターの看護師の転職面接に受かる人の特徴はありますか?
健診センターの看護師の転職面接に受かる人には、高いコミュニケーション能力と丁寧な接遇、基本的な手技を正確にこなせる特徴があります。
受診者との信頼関係の構築が重要であり、安全に対応する技術が求められるためです。
面接では、病院で患者さまと良好な関係を築けたエピソードや、採血・心電図などの手技についての自信と正確性をアピールできると良いでしょう。
Q2:健診センターの看護師を辞めたくなる理由は何ですか?
健診センターの看護師を辞めたくなる理由としては、次のようなものが挙げられます。
- ルーチンワークによる単調さ
- スキルアップの機会の少なさ
- 夜勤手当がないことによる給与面の不満
自身のキャリアパスやライフプランと合わなくなったと感じた場合に、辞めたくなる看護師もいるようです。「もっと急性期で経験を積みたい」「将来的に認定看護師を目指したい」と考える人にとっては物足りなさを感じることがあります。
Q3:健診センターの看護師は正社員で働けますか?
健診センターの看護師は、正社員として働くことができます。
ただし、パートや派遣社員として求人を募集していることもあるため、自分のライフスタイルに合わせた働き方を選びましょう。
健診センターの看護師の仕事内容を把握して自分に合った働き方を見つけよう
健診センターの看護師は、病気の早期発見と予防医療に貢献できるやりがいのある仕事です。病院勤務とは異なり、日勤のみで体力的な負担が少なく、ワークライフバランスを重視したい方におすすめです。
ルーチンワークが多い、スキルアップに限界を感じる可能性があるなどのデメリットも理解してから、キャリアプランと照らし合わせ、自分に合った働き方を見つけましょう。
<参考サイト・文献>

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