看護師の面接で短所を聞かれる理由!10個の例文と伝える際の注意点

公開日:2025/06/29 更新日:2025/06/29
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「短所は優柔不断ですって答えても大丈夫?」「面接で短所を教えてくださいって、なんて答えるのが正解?」

看護師の面接で、なぜ短所を聞かれるのか疑問に思っていませんか。

採用担当者が短所を聞くのは、自分のことをよく理解しているか、成長したい気持ちがあるか、チームでうまく働けそうかなどを知りたいからです。

この記事では、採用担当者が短所を聞く理由を深掘りし、効果的に伝えるための具体的なコツや10個の例文を紹介します。この記事を読むことで、面接で短所について自信を持って伝え、採用担当者に誠実さと成長への意欲をアピールできるでしょう。

看護師の面接で短所を聞かれる理由

採用担当者が看護師の面接で短所を聞くのには、おもに次の5つの理由があります。

  • 自己理解があるか確認したいから
  • 短所を改善できるように努力しているか見たいから
  • 短所がチーム医療にどのように影響するか見極めたいから
  • リスク管理能力を評価したいから
  • ネガティブな質問への対応力を見たいから

これらの理由を理解することで、採用担当者が何を知りたいのかを把握し、より適切な回答を準備できるでしょう。

自己理解があるか確認したいから

自分の短所を理解しているかは、客観的に自己分析ができているかの重要な指標となります。

自分のことをよく理解している人は、自分の課題を知り、改善するために主体的に行動できるといえるからです。

たとえば、時間にルーズという自覚がある人が、克服するためにタスク管理ツールを活用する、といった例が挙げられます。

看護師として働くためには、弱みと強みを理解したうえで状況に合わせて判断し行動することが大切です。

短所を改善できるように努力しているか見たいから

短所を自覚し、直そうと努力していることは、成長したいという気持ちの表れです。

コミュニケーション能力に課題を感じていた人が、研修に参加したり、先輩にアドバイスを求めたりする行動は、改善への努力を示す具体例です。

医療現場は新しい知識やスキルが求められるため、変化に対応し、高めようとする意欲が欠かせません。

採用担当者は、過去の経験から何を学び、どのように成長しようとしているのか、そのプロセスを通じてどのような変化があったのかを知りたいのです。

短所がチーム医療にどのように影響するか見極めたいから

看護師は、医師やほかの医療従事者と協力し、チームとして患者さまのケアをおこなうため、短所がチーム医療にどのような影響を与えるのかを理解しておかなければなりません。

もし「報告・連絡・相談」が苦手な場合、必要な情報がチーム内で共有されず、患者さまのケアの遅れやミスにつながるかもしれません。

採用担当者は、そうした弱点を認識し、周囲に積極的に確認したり、早めに相談したりするなど、チームの一員として協力して業務を進める意識を持っているかを見極めようとしています。

リスク管理能力を評価したいから

医療現場では、ほんの小さなミスが患者さまの安全を脅かす重大な事故につながるリスクがあります。

そのため、採用担当者は、弱点をきちんと理解し、それがどんな問題につながる可能性があるかを把握して、対策を考えられるかを見ているのです。

注意散漫になりやすいという短所を持つ看護師が、作業前にチェックリストを作成したり、ダブルチェックを徹底したりするなどの対策は、リスク管理能力を示す良い例です。

面接では、自己の弱点をどのように認識し、リスクを避けるためにどのように行動しているのかを説明できるように準備しておきましょう。

ネガティブな質問への対応力を見たいから

面接の場では、必ずしもポジティブな質問ばかりがされるとは限りません。

短所についての質問のように答えにくい、あるいはネガティブに捉えられがちな質問を通して、どのように考え、どのように対応するのかなど対応力を見極めようとしています。

冷静さを保ち、前向きな姿勢で回答することが重要です。

看護師が面接で短所を伝えるコツ

厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」によると、看護職(看護師と准看護師)の職業別有効求人倍率は2.20倍です。これは、ほかの職業の1.19倍よりも高いため、看護師は就職しやすいといえます。

ただし、面接で短所を伝える際に、採用担当者に良い印象を与えなければ採用されない恐れがあります。そのため、次のポイントを意識して、効果的な伝え方を心がけましょう。

  • 結論から順に答える
  • 簡潔な内容とする
  • 実体験を踏まえた具体的なエピソードとする

短所は自己理解を示すチャンスであり、伝え方次第で成長意欲や客観性をアピールできます。下記の記事では、短所をうまく伝えるコツをさらに詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。

関連記事:看護師が長所や短所をうまく伝えるコツ3つ!聞かれる理由と例文を解説

看護師が面接で短所を答える際の注意点

面接で短所を答える際には、いくつかの注意すべき点があります。これらを理解しておくことで、マイナスな印象を与えることなく、誠実さや成長意欲を伝えられます。

  • 短所を改善しているというポイントを伝える
  • 看護業務に支障がない短所を選ぶ
  • 本音すぎる弱音やグチを避ける
  • ポジティブに変換できるようにする

それぞれの注意点を見ていきましょう。

短所を改善しているというポイントを伝える

短所を述べるだけでは、反省しているという印象しか与えません。

重要なのは、その短所を自覚しどのように改善に取り組んでいるのか、行動を示すことです。改善への努力を伝えることで、成長意欲があり課題解決に向けて積極的に行動できる人物であることをアピールできます。

詳しい取り組みと、それによる変化を説明できるように準備しましょう。

看護業務に支障がない短所を選ぶ

短所を選ぶ際には、看護師としての業務に悪影響を与えるリスクがあるものは避けるべきです。たとえば、次のような短所です。

  • 協調性の欠如:わがままで人の意見を聞かない
  • 時間にルーズ:遅刻ばかりして時間を守れない
  • 注意力のなさ:大雑把でうっかりミスが多い

こういった短所を伝えると、チーム医療が重要な看護の現場では周りのスタッフに迷惑をかけ、患者さまの健康を害する恐れがあるため、マイナス評価につながるかもしれません。

業務に支障がなく、かつ改善の余地がある短所を選ぶことが賢明です。その短所が業務に与える影響を最小限にするための工夫も伝えられると良いでしょう。

本音すぎる弱音やグチを避ける

面接は、あなたの能力や適性を評価する場です。

「体力がない」「夜勤が苦手」「覚えるのが遅い」といった、単なる弱音やグチと捉えられかねない表現は避けましょう。

これらの発言は、プロフェッショナルとしての意識に欠ける印象を与えてしまう可能性があります。短所として伝える場合でも、それをどのように克服しようとしているのか、前向きな姿勢を示すことが重要です。

ポジティブに変換できるようにする

短所として挙げた点を、見方を変えれば長所にもなり得る、という視点を持つことや改善したいという希望を伝えることが大切です。

心配性という短所であれば「物事を慎重に進められるため、患者さまに細心の注意を払ってケアができる」と言い換えられます。

短所を伝える際には、ポジティブな側面や、どのように業務に活かせるかを加えることで、良い印象を与えられます。

看護師が面接で短所を伝える際の例文

ここでは、面接で短所を伝える際の例文を10個紹介します。

  • 例文1:考えすぎる
  • 例文2:自己主張が弱い
  • 例文3:心配性である
  • 例文4:優柔不断である
  • 例文5:緊張しやすい
  • 例文6:人見知りである
  • 例文7:せっかちである
  • 例文8:マイペースである
  • 例文9:転職回数が多い
  • 例文10:子育てや介護でブランクがある

これらの例文をそのまま伝えるのではなく、自分の経験や立場に置き換えて伝えてください。

例文1:考えすぎる

私の短所は、患者さまの状況について深く考えすぎてしまう点です。以前、患者さまのわずかな表情の変化に気づき、さまざまな可能性をアセスメントした結果、先輩看護師への報告が遅れてしまったことがあります。慎重に考えることは大切ですが、ときには迅速な判断が求められることも理解しました。現在は、情報を整理し、優先順位をつけて行動することを意識しています。また、判断に迷う場合は、早めに先輩に相談するように心がけています。

例文2:自己主張が弱い

自己主張が弱いところが私の短所だと感じています。チームで患者さまのケアについて話し合う際、自分の意見に自信が持てず、発言をためらってしまうことがありました。しかし、多様な意見を取り入れることが、より良い看護につながると考えるようになりました。そのため、日頃から自分の考えを整理し、根拠を持って発言する練習をしています。また、ほかのメンバーの意見にも耳を傾け、積極的に議論に参加するように努めています。

例文3:心配性である

私の短所は、患者さまのことが心配になりすぎてしまう点です。患者さまのケアをおこなった後、本当にこれでよかったのかと何度も確認してしまうことがありました。慎重であることは大切ですが、過度な心配は不安を増幅させ、業務効率を低下させる可能性もあると考えています。現在は、標準的な手順を再確認し、根拠にもとづいたケアを実践することで、自信を持って業務に取り組むようにしています。

例文4:優柔不断である

優柔不断な性格が私の短所です。複数のケアプランが考えられる場面で、どの方法が患者さまにとって最善かを判断するのに時間がかかってしまうことがありました。しかし、医療現場では迅速な判断が求められる場面も多いと認識したため、さまざまな疾患やケアについての知識を深め、判断の軸を持てるように努めています。また、緊急時には医師や看護師長に指示を仰ぎ、迅速に対応することを心がけています。

例文5:緊張しやすい

私は緊張しやすい性格です。新しい環境や、多くの医療従事者の前で報告をするときなどに、とくに緊張しがちです。緊張すると、本来持っている知識やスキルを十分に発揮できないことがあるため、改善したいと考えています。現在は、事前にしっかりと準備したり、場数を踏んだりすることで自信を持つようにしています。また、深呼吸をする、リラックスできる音楽を聴くなど、自分なりのリラックス方法を実践しています。

例文6:人見知りである

人見知りであるところが私の短所です。新しい職場やチームに馴染むのに、ほかの人よりも少し時間がかかってしまうことがあります。しかし、患者さまとの信頼関係を築くためには、積極的にコミュニケーションをとることが不可欠だと理解しました。そのため、新しい環境では、まず笑顔で挨拶をすることを心がけ、共通の話題を見つけて話しかけるように努めています。

例文7:せっかちである

せっかちな性格が私の短所です。効率的に業務を進めたいという気持ちが強く、ときに確認を急いでしまうことがありました。しかし、医療現場においては、一つひとつの処置や確認が患者さまの安全に直結するため、正確さが何よりも重要です。現在は、業務に取り組む前にチェックリストを活用して、落ち着いて丁寧な対応を心がけています。

例文8:マイペースである

マイペースなところが短所だと感じています。自分のペースで業務を進めたいという気持ちが強く、周囲の状況が見えにくくなることがありました。しかし、チーム医療においては、それぞれの状況を把握し、協力し合うことが欠かせません。そのため、周囲の状況を常に把握するように意識し、必要に応じて積極的に声をかけ、連携を取りながら業務を進めるように努めています。

例文9:転職回数が多い

これまで数回転職していることが、短所といえるかもしれません。ただし、さまざまな医療機関で経験を積むことで、幅広い知識やスキルを習得することができたと考えています。新しい環境にも比較的早く適応でき、それぞれの職場で積極的に業務に取り組んできました。これまでの経験を活かし、貴院に長期的に貢献したいと考えております。

例文10:子育てや介護でブランクがある

子育てと介護のため、しばらく看護師の仕事から離れていた期間があります。ブランクがあることは、最新の医療知識や技術の面で、ほかの看護師の方に比べて遅れをとっているかもしれません。しかし、子育てや介護を通して、患者さまやご家族の気持ちに寄り添うことの大切さを改めて学びました。復職にあたっては、積極的に研修に参加し、自己学習にも励み、一日も早く現場に貢献できるよう努めます。

看護師の面接の短所に関するよくある質問

ここでは、看護師の面接の短所についてのよくある質問に回答します。それぞれを確認して、悩みや不安を解消しましょう。

Q1:看護師の面接でNGな短所は?

看護師の採用面接では、次のような点は短所として伝えない方が良いでしょう。

  • 他者と協力するのが苦手
  • 約束や時間を守れない
  • 仕事への責任感が薄い

なぜなら、看護の現場はチームでの連携が基本であり、時間厳守や責任ある行動が患者さまの安全に直結するからです。

これらの短所は、チームワークを阻害したり、医療ミスにつながったりする可能性があり、採用において不利になることが多い傾向です。

また、ただ短所を述べるだけでなく、改善しようという意欲が見られない、単なる自己弁護や不満のように聞こえる短所も避けましょう。採用担当者は、短所を通して、応募者が自身の課題をどう捉え、成長しようとしているかを見ています。

Q2:看護師の面接で「メンタルが弱い」は使える?

「メンタルが弱い」という表現は、看護師として働くうえで必要な精神的な強さに欠ける印象を与えてしまう恐れがあるため、直接的に使うのは避けた方が良いでしょう。

もしストレスを感じやすいという自覚があるのであれば「ストレスを感じやすい面がありますが、テニスでリフレッシュしたり、先輩に相談したりすることで、気持ちを切り替えるようにしています」のように、具体的な対処法とセットで伝える方が建設的です。

まとめ:看護師の面接で短所をポジティブに言い換えて好印象を与えよう

看護師の面接で短所について聞かれた際は、自身の弱点を正直に認めつつ、それをどのように認識し、改善に向けてどのような努力をしているのかを具体的に伝えることが重要です。

短所を単なるマイナスポイントとして捉えるのではなく、自己成長の機会と捉え、前向きな姿勢を示すことが、採用担当者に好印象を与える鍵となります。

この記事で紹介した内容が、面接での自己PRの一助となれば幸いです。

<参考サイト・文献>

看護師等(看護職員)の確保を巡る状況|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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