看護師の夜勤で大切なこと5選!安全管理の意識と順応できる心構え

公開日:2025/06/23 更新日:2025/06/23
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「夜勤に早く慣れてミスなく仕事をしたい」「夜勤で効率良く仕事をする方法は?」

夜勤は日勤と異なり、対応できる人数が限られています。予測できない状況も多く発生するため、不安や負担を感じるのは自然なことです。患者さまの安全を守り、自分の健康を維持しながら、質の高い看護を提供するためには、知っておくべき大切なことがあります。

この記事では、夜勤で意識すべき5つのポイントと、夜勤に早く慣れるための具体的な心構えを解説します。これを読めば、夜勤がスムーズになり、自信を持って業務に取り組めるようになるでしょう。安心して効率的に働けるようになるヒントが満載です。

看護師の夜勤で大切なこと5選

夜勤業務は、限られたスタッフで多くの患者さまに対応するため、日勤以上に一つひとつの業務を正確かつ効率的におこなわなければなりません。ここでは、夜勤を安全に乗り切るために、看護師が意識すべきことを紹介します。

  • 業務内容や物品の配置を確認する
  • 優先順位を考えながら業務を進める
  • 報告しながら業務を進める
  • 安全管理の徹底のために緊急時の対応を把握する
  • 生活リズムを整え体調管理・メンタルケアをおこなう

これらのポイントを心に留めることで、質の高いケア提供につながるでしょう。

業務内容や物品の配置を確認する

夜勤は、少人数で多様な業務をこなさなければなりません。たとえば、次のような業務があります。

  • 定時巡回
  • 記録業務
  • 患者さまのケア
  • 患者さまの容態変化への対応

また、看護師が少なくすぐに先輩に確認できないため、必要なものがすぐ取り出せるように確認しておくことも大切です。患者さまの急変時に、酸素ボンベや吸引器、緊急カートなどの置き場所がわかっていれば、迅速に対応できます。

適切なケアのためにも、業務内容と物品の把握は必須です。

優先順位を考えながら業務を進める

優先順位をつけて夜勤の業務を進めることで、対応の遅れを防ぎ、患者さまの安全を守ることができます。

具体例を挙げると、呼吸状態が不安定な患者さまや不整脈が出ている患者さまのケアは、優先度が高いといえます。ほかにも、時間厳守の薬剤投与や点滴パックの交換など、緊急性や重要度の高い業務から優先して対応しましょう。

報告しながら業務を進める

情報を共有することは患者さまの安全を守るために不可欠です。そのため、患者さまの異変は1人で抱え込まず、プリセプターや先輩看護師に報告しながら業務をおこないましょう。

複数の看護師の視点から状況を判断できれば、患者さまの状態悪化を防げる可能性があります。たとえば、患者さまのバイタルサインに変化があったり、いつもと様子が違ったりする場合は、すぐにリーダーやほかの看護師に伝えてください。

チーム全体で患者さまの状態を把握し、連携して質の高いケアを提供できます。

安全管理の徹底のために緊急時の対応を把握する

夜勤中は医師やスタッフが少ないなかで緊急事態が発生する可能性があります。

適切に対応することで、患者さまの生命のリスクを最小限に抑えられるため、緊急時の対応を事前に把握することが重要です。

具体的には、心肺蘇生の手順や緊急カートの場所と中身、緊急連絡先のリストをあらかじめ確認しておきましょう。また、火災や地震など災害時の避難経路も把握しておくことが大切です。

これらの情報を頭に入れておくことで、いざという状況でも落ち着いて行動でき、患者さまの安全を守ることにつながります。

生活リズムを整え体調管理・メンタルケアをおこなう

夜勤は生活リズムが乱れやすく、体調を崩しがちです。実際に、多くの看護師は次のような自覚症状を抱えています。

自覚症状割合
倦怠感52.5%
腰痛48.2%
目の疲れ47.3%
頭痛43.8%
眠気41.3%
参考:2022年看護職員の労働実態調査「報告書」|日本医療労働組合連合会(複数回答。上位5位までを抜粋)

また、この調査では、看護職の7割以上が、鎮痛剤や胃腸薬などを常用していることがわかりました。

これらの自覚症状がある状況で夜勤をおこなうと、配薬のミスや採血の取り間違えといったヒヤリハットやインシデントにつながる恐れがあります。

夜勤の前後で質の良い睡眠を確保し、バランスの取れた食事を心がけてください。体調管理とメンタルケアをおこなうことで、集中力を維持でき、医療事故の防止につながります。

看護師が夜勤に入る前に準備するもの

夜勤業務をスムーズにこなすためには、事前の準備が重要です。必要なものを揃えておくことで業務に集中できます。

  • 夜勤中の夜食や朝食と飲み物
  • 病棟ラウンド用のライト
  • 仮眠グッズ
  • 病棟マニュアル
  • 自己学習用の参考書

看護師がこれらを準備することで、不安なく業務を進められるでしょう。

夜勤中の夜食や朝食と飲み物

夜勤は長時間におよび、深夜の時間帯は病院内の売店が閉まっている場合もあるため、夜食や朝食、飲み物を持参すると安心です。

適切な栄養補給は集中力の低下を防ぎ、水分補給は脱水症状を予防します。具体的には、手軽に食べられるおにぎりやサンドイッチ、ゼリー飲料などがおすすめです。

飲み物は、カフェインの入っていないお茶や水、スポーツドリンクなどを用意してください。実際の夜勤のスケジュールについては、下記の記事で詳しく解説しています。

関連記事:看護師の夜勤時間はどれくらい?夜勤のスケジュールやメリット・デメリット

病棟ラウンド用のライト

夜間の病棟ラウンドでは、消灯後の病室内で患者さまの安眠を妨げないように配慮が必要です。手元を照らせるライトがあると、点滴の確認や体位のチェックを静かにおこなえます。

患者さまの睡眠を妨げないためにも、ペンライトや小型ライトなど、持ち運びしやすく光が強すぎないものがおすすめです。

仮眠グッズ

夜勤中の仮眠は、集中力や体調に影響します。

アイマスクや耳栓、ネックピローなどの仮眠グッズを使って、質の良い休息が取れると、心身の疲労回復につながります。ホットアイマスクやアロマグッズも、リラックス効果を高め、寝つきを良くするために有効です。

仮眠グッズをうまく活用すると、限られた時間のなかでも効率的に休息を取ることができ、夜勤のパフォーマンスを維持できます。

病棟マニュアル

夜勤中は指導者が少ないため、緊急時や判断に迷ったときに備え、病棟マニュアルをいつでも確認できるように準備しましょう。

マニュアルで緊急時の手順や普段おこなわない処置の方法を把握できると、自信を持って業務を進められます。ミスを防ぐためにも、マニュアルは重要です。

自己学習用の参考書

救急患者の対応やナースコールなどで忙しい時間帯がある一方で、業務が落ち着き時間を持て余すときがあります。

疾患別の看護ケアや薬剤知識といった自己学習用の参考書で知識を深めることは、とくに新卒看護師にとってスキルアップにつながる大切な時間です。

自己学習を続けることで、看護師としての専門性を高め、自信を持って多様な状況に対応できるようになるでしょう。

看護師が夜勤に早く慣れるための心構え

夜勤に早く慣れることは、看護師としてのキャリアアップを目指すにあたり重要です。心構えがあれば、夜勤の不安を軽減し、スムーズに業務に順応できます。ここでは、夜勤に早く慣れるための心構えと、日々の業務で実践できるポイントを解説します。

  • 日勤からの申し送りをしっかり聞く
  • わからないことはプリセプターや先輩看護師に質問する
  • 仮眠でしっかり休めるように準備する
  • 夜勤明けの過ごし方に注意する

これらのポイントを参考にすると、自信を持って夜勤に臨めるでしょう。

日勤からの申し送りをしっかり聞く

夜勤前の日勤からの申し送りには、患者さまの変化や注意点、処置などの重要な情報が含まれているため、患者さまの状態の把握に欠かせません。

申し送りの際はメモを取り、疑問点があればその場で質問してクリアにしてください。とくに、急変の恐れがある患者さまや、精神状態が不安定な患者さまについては、詳しく情報を聞くことが大切です。

わからないことはプリセプターや先輩看護師に質問する

わからないことはそのままにせず、プリセプターや先輩看護師に質問することが、夜勤を安全に進めるためのコツです。

不明な点を放っておくことで、医療ミスを起こしたり患者さまの状態悪化の発見が遅れたりするリスクがあります。

「患者さまの呼吸状態が気になるのですが、一緒に確認してもらえませんか?」「この処置は初めてなので、手順を確認させてください」など、何がわからないかを伝えるとスムーズです。

積極的に質問することで、安心して業務に取り組め、患者さまに安全で質の高いケアを提供できます。

仮眠でしっかり休めるように準備する

日本看護協会「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」では、夜勤中は2時間以上の仮眠を取ることが望ましいとされています。また、仮眠には、次のような効果があります。

  • 疲労回復と明け方の眠気の解消
  • 生体リズムの維持
  • 夜勤明けや休日の有効活用
  • 長時間の夜勤による健康影響を予防

夜勤中の仮眠は、集中力や体調に影響します。仮眠グッズを活用することで、短い時間でも質の良い休憩ができ、心身の疲労回復が期待できます。

夜勤明けの過ごし方に注意する

日勤と夜勤では、勤務時間帯や身体への負担が異なり、深夜の勤務はとくに自律神経が乱れやすくなります。体内時計が崩れることで、疲労感が強くなり次のシフトに悪影響が出るかもしれません。夜勤明けに、次のような行動は避けてください。

  • 友人との長時間の食事
  • 激しい運動
  • カフェインやアルコールの過剰摂取

職場でのパフォーマンスを維持するためにも、夜勤明けでは身体をしっかりと休めましょう。自律神経のバランスを整えることは、夜勤シフトに順応するための大切なポイントです。心身の健康を守ることで、看護師として長く活躍できます。

関連記事:看護師の夜勤の働き方とは?勤務体制やメリット・デメリットを解説

看護師が夜勤で大切なことについてのよくある質問

看護師の夜勤について、導入時期や具体的に何を意識すべきかなど、事前に知っておくことで不安を軽減できることも少なくありません。ここでは、看護師が夜勤についてよく抱く疑問点に答えます。

Q1:新人看護師はいつ頃から夜勤が導入されますか?

新人看護師の夜勤の導入時期は、病院や病棟の方針、個人のスキルの習得状況で異なります。

入職して2~3か月で日勤業務に慣れ、基本的な看護技術を習得した頃から夜勤が導入されるようです。最初は先輩と一緒に入るシャドウイングから始まり、少しずつ独り立ち立していく形が一般的です。

Q2:新人看護師はとくに何を意識したら良いですか?

新人看護師が夜勤で意識すべきことは「安全管理」「報告」「体調管理」の3点です。

安全管理では、緊急時の対応や医療物品の場所の確認などが大切です。また、患者さまの異変を感じ取った際にはすぐに報告して指示を受けましょう。

夜勤の前後でしっかり休息をとり、バランスの取れた食事を心がけてください。

看護師が夜勤に順応するためには心身の準備と業務の準備が大切!

夜勤は看護師にとって避けられない業務ですが、適切な心構えと準備でスムーズに業務に取り組めます。

患者さまの安全、自分の心身の健康を守るためにも、この記事で紹介した大切なことをぜひ日々の業務に活かしてください。

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<参考サイト・文献>

2022年看護職員の労働実態調査「報告書」|日本医療労働組合連合会

看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン|日本看護協会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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