【看護師の面接対策】転職面接で「いつから働けるか」と聞かれたときの答え方

看護師の転職面接でよく聞かれるのが「いつから勤務できますか?」という質問です。
まだ退職日が決まっていなかったり、引き継ぎの関係ではっきりとした日程を伝えづらかったりなど悩む方も多いのではないでしょうか。
この質問は、病院側が募集した看護師を採用後すぐに戦力として迎えられるかを見極める重要なポイントです。あいまいな答えでは、マイナス評価になってしまう可能性もあります。
この記事では「いつから働けるか」について聞かれる理由や答え方を具体例つきでわかりやすく解説します。この記事を読むと、転職面接での受け答えに自信がつき、自己PRと志望動機の両面で採用担当者に好印象を与えられるため、希望の転職を実現できるでしょう。
看護師の転職面接で「いつから働けるか」と聞かれる理由
看護師の転職面接で「いつから働けるか」という質問は、単に採用側の都合だけでなく、応募者の適性や努力の傾向を見極めるために重要です。質問の背景には、次のような意図があります。
- 病院・施設側のスケジュール調整のため
- やる気や調整力を見られているため
- 人員不足や急募の可能性があるため
どのような意図が隠されているのかを詳しく見ていきましょう。
病院・施設側のスケジュール調整のため
病院や施設は「新たに採用する看護師がいつから勤務できるのか」を早めに把握したいと考えています。これは、入職後の研修の年間スケジュールを立てたり、現場のスタッフのシフトを調整したりするために必要だからです。
勤務開始の希望日をはっきりと伝えることは、スムーズな受け入れにおいて重要なポイントです。
前向きさや調整力を見られているため
この質問を通じて、採用側は入職への前向きな気持ちやスケジュールを管理できる力があるかをチェックしています。あいまいな答えや働く意欲がわかりにくい答えでは、採用担当者に不安を感じさせてしまう恐れがあります。
たとえば「現在、退職交渉中です」ではなく「3月1日に退職日が決まる予定です」と伝えることで、相手の状況に配慮し、スケジュール調整できる人として高く評価されやすいです。
できるだけ詳しく見通しを伝え、入職への前向きな姿勢を示すことが大切です。
人員不足や急募の可能性があるため
病院や施設では、急にスタッフが辞めたり、人手が足りなかったりして「できるだけ早く看護師に来てほしい」と思っていることがあります。
実際に、厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」によると、2022年度の看護師・准看護師の有効求人倍率は2.20倍であり、全職業の平均1.19倍を上回っている現状です。この結果から看護業界は、人手不足が深刻であることがわかります。
また、来月から新しい病棟がスタートするといった場合は、それに間に合うよう、すぐに働ける看護師を探しているケースもあります。そのため、転職面接で「いつから働けるか」を聞かれたら、早く働けるかどうかを確認したいという背景があると考えましょう。
看護師の転職面接で「いつから働けるか」に対する基本的な答え方
「いつから働けるか」と聞かれた場合、前向きにはっきりと答えることが重要です。入職への意欲を示すと同時に、現職への配慮や家族の状況も忘れないでください。
- 基本は「現職の退職日+1週間前後」がおすすめ
- 希望日が未定の場合は「◯月上旬~中旬」と幅を持たせる
- 答えられない場合でも前向きな姿勢を示す
具体的な退職日が決まっている場合と、未定の場合で伝え方は異なりますが、いずれの場合も誠実に答えることが大切です。
基本は「現職の退職日+1週間前後」がおすすめ
現職の退職日から1週間前後をめどに伝えるのがおすすめです。この期間は、転職先への準備期間として無理がなく、スムーズに入職できるからです。
- 現職の引き継ぎを終わらせるため
- 転職先での研修やオリエンテーションへの参加するため
- 引っ越しや手続きなど新生活の準備をするため
具体的な日程を提示することで、入職への配慮があることをアピールでき、病院・施設側も安心して応募者の入職を待てるでしょう。
希望日が未定の場合は「◯月上旬~中旬」と幅を持たせる
入職したい日がまだはっきりしていない場合は「○月上旬〜中旬の間で調整中です」といったように、少し幅を持たせるのが適切です。
「4月上旬から中旬には勤務を開始できる見込みです」と答えると、前向きに準備している姿勢や誠実さが採用担当者にも伝わります。目安がわかれば、受け入れる側も予定を立てやすくなります。
答えられない場合でも前向きな姿勢を示す
勤務開始日を伝えられない場合でも、入職に対する前向きな気持ちをあらわすことが大切です。
「現在調整中ですが、できる限り早く貴院で働きたいと考えております」といった一言を添えるだけで、やる気や誠実さが相手に伝わります。
こうした前向きな気持ちは、意欲や人柄をプラスに評価してもらえる可能性が高くなります。
看護師の転職面接で「いつから働けるか」に対する状況別の答え方
「いつから働けるか」という質問に対する回答は、現職の状況や個人の事情によって変わります。ここでは、さまざまな状況に応じた回答例を解説します。
- 現職に在職中で退職日が決まっている場合
- 現職に在職中で退職日が決まっていない場合
- すでに退職済み・離職中の場合
- 家庭の都合があり調整が必要な場合
転職面接で効果的に伝えるためには、自分の状況に合った回答例を用意しておくことが不可欠です。自分の状況に当てはめて考えてみてください。
現職に在職中で退職日が決まっている場合
現在の勤務先で退職日がすでに決まっている場合は、働き始められる日を明確に伝えましょう。
たとえば、3月31日に退職する予定であれば「4月4日から勤務できます。いかがでしょうか」といった形で申し出るのが望ましいです。
日程をはっきり示すことで、計画性や責任感のある姿勢が伝わり、病院・施設側も採用に向けた準備を進めやすくなります。
現職に在職中で退職日が決まっていない場合
退職日がまだ決まっていない場合でも、現時点での見通しを共有することが大切です。
たとえば「現在、退職交渉中ではありますが、5月中旬までには退職できる見込みです」といったように、状況を正直に説明すると良いでしょう。確定していない段階でも誠意をもって対応する姿勢は、採用担当者の安心感につながります。
また「日程が確定次第、すぐにご連絡いたします」とつけ加えることで、信頼感のある印象を与えられます。
すでに退職済み・離職中の場合
すでに退職している場合は「先日、退職したため、来週からの勤務も可能です」と、すぐに勤務できることを知らせましょう。
人手不足の解消に貢献できる姿勢を印象づけられるため、採用への期待感が高まります。
家庭の都合があり調整が必要な場合
家庭の事情により入職日がまだ決まっていない場合でも、希望する時期と調整可能であることをあらかじめ伝えておくことが重要です。
「子どもの転園の関係で6月以降の勤務となりそうですが、ご相談させていただけませんか」と申し出ると丁寧な印象になります。採用担当者も状況を理解し、相談に応じてくれるでしょう。
だからこそ、柔軟な姿勢を示すことで、入職の可能性を検討しやすくなります。
看護師の転職面接で「いつから働けるか」に回答する際の注意点
「いつから働けるか」という質問に答える際には、いくつか注意すべき点があります。あらかじめ回答を準備しておくことで、採用担当者に良い印象を与えられます。
- 現職の就業規則を確認する
- 現職への退職交渉は済ませておく
- 採用担当者に意欲が伝わるようにする
- 入職希望日は「相談可能である」と柔軟性を伝える
- 転職先の待てる期限は1ヶ月~3ヶ月くらいであることを知っておく
こうした点を事前に整理しておくことで、スムーズなやり取りができ、安心感や信頼感を持ってもらいやすくなります。転職面接の前に自分の状況を整理し、落ち着いて答えられるようにしておきましょう。
現職の就業規則を確認する
今の職場を辞める時は、就業規則に書かれたルールを必ず確認しましょう。退職についての決まり事を事前に知っておくことが大切だからです。
- 「退職する1ヶ月前までに申し出る」という退職申し出の期限
- 「退職日までに有給休暇を消化する」という休暇取得のルール
- 「退職願は手渡しで提出」という書類提出の細かい手続き
こうした決まりを把握しておけば、退職手続きや仕事の引き継ぎもスムーズに進められます。結果として、職場とのトラブルを避け、気持ちよく次の職場に進めるでしょう。
現職への退職交渉は済ませておく
転職活動を始める前に、今の職場と退職についてしっかり話し合っておくことが重要です。
たとえば、転職面接のときに「すでに退職届を提出しています」「上司と退職日を話し合い、引き継ぎを進めています」といった状況を説明できれば、採用担当者も安心します。
退職のタイミングがはっきりしていれば、次の職場で働き始める時期も伝えやすくなり、計画的に行動できる人だと評価されるでしょう。
採用担当者に意欲が伝わるようにする
「いつから働けますか?」という質問には、入職への意欲が伝わるように答えてください。働くことへの熱意を訴えることで、採用担当者は採用を前向きに検討しやすくなります。
「できる限り早く入職できるよう調整いたします」「家庭の事情で調整が必要ですが、1日も早く貴院に貢献したいと考えております」といった状況を話すと誠意が伝わるでしょう。
入職希望日は「相談可能である」と柔軟性を伝える
入職希望日は「相談可能である」という柔軟な姿勢を見せることが不可欠です。
なぜなら、病院や施設にはそれぞれ採用スケジュールがあり、自分の希望だけを押し通さず、相手の都合も考えることで円滑に入職できるからです。
「4月1日を希望していますが、そちらのご都合に合わせて調整します」「できるだけ早く働きたいと考えておりますが、入職日は相談して決めたいです」と伝えると良いでしょう。
このように柔軟な態度を示すことで、病院・施設側も調整しやすくなり、入職まで順調に進められます。
転職先の待てる期限は1ヶ月~3ヶ月くらいであることを知っておく
転職先が新しいスタッフを待てる期間は、だいたい1ヶ月から3ヶ月くらいです。4月に面接を受けた場合、遅くても7月までには働き始めるイメージになります。
それより遅くなると、採用が見送られるリスクもあるため、期限を意識して動くことが大切です。
下記の記事では、看護師が転職を成功させるためのポイントを10個にまとめて解説しています。ぜひチェックして、転職面接に役立ててください。
関連記事:看護師が転職を成功させるための10のポイントとは?年代別でも解説
看護師の転職面接で「いつから働けるか」についてのよくある質問
転職面接で「いつから働けますか?」と聞かれた際、多くの看護師さんが疑問に思うことがあります。ここでは、そのようなよくある質問に答える形で、面接での対応策を詳しく解説します。
Q1:「すぐに働けます!」と伝えないと不利になりますか?
必ずしも不利になるとは限りません。
採用担当者は、スキルや人柄、経験などを含めて評価しています。すぐに働けない場合でも「現職の引き継ぎがありますが、5月中には入職できる見込みです」と具体的な予定を伝えましょう。
Q2:「いつから働けますか?」と聞かれたら合格のサインですか?
「いつから働けますか?」と聞かれることは、採用の可能性が高いサインである場合があります。
たとえば、質問の後に詳しい業務内容や配属部署の希望の話が出たときは、期待できる兆候といえます。
採用担当者は、採用を真剣に検討しているからこそ、勤務開始日を知りたがるのです。しかし、この質問だけで合格が決まるわけではないため、気を引き締めて転職面接に臨みましょう。
Q3:転職面接後に退職日がズレたらどうしたら良いですか?
転職面接後に退職日が変更になった場合は、できるだけ早く採用担当者へ連絡しましょう。
退職日が1週間遅れ、入職日に影響する場合、すぐに電話で状況を説明し、謝罪とともに新しい日程を伝えることが大切です。早めに知らせることで、病院・施設側もスケジュール調整がしやすくなります。
看護師の転職面接で「いつから働けるか」聞かれたら前向き・柔軟に回答しよう!
看護師の転職面接で「いつから働けますか?」と聞かれたときは、正直に状況を伝えつつ、入職に対して前向きで柔軟な姿勢を示すことが成功のポイントです。
この記事で紹介した回答例や注意点を参考に、自信を持って面接に臨みましょう。新しい職場での看護師としてのキャリアが充実したものになるよう応援しています。
また、訪問看護への転職を考えている方には、訪問看護に特化した求人サイト「NsPaceCareer」の利用がおすすめです。プロのアドバイザーが無料で転職を相談できるため、気軽に登録してみてください。
<参考サイト・文献>

「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。