お局看護師とは?特徴6つとお局看護師への対処法、エピソードを紹介

「お局さんとうまく関係を築けない」「うちの職場にも、扱いにくいベテランの看護師さんがいる」
一部の職場では、長年勤務するベテラン看護師が『お局看護師』と揶揄されることがありますが、本稿ではあくまでそのように捉えられがちな特徴について客観的に紹介しています。
この記事では、お局看護師とはどのような人なのか特徴を解説します。さらに、そんなお局看護師に悩まされている場合の対処法や、お局看護師が少ない職場の特徴もご紹介します。記事を読むことで、あなたがより良い働き方ができるきっかけとなれば幸いです。
お局看護師とは?6つの特徴
お局看護師には、いくつかの共通した特徴があります。
- 職場での勤続年数が長い
- 業務量が少ない
- 気に入らない人に冷たい態度をとる傾向がある
- パワハラのような言動がみられることもある
- 感情表現が乏しく口数が少ない
- 看護師・医師・患者さまの悪口をいう
これらの特徴を理解することで、職場のベテラン看護師の背景を推測できるかもしれません。ベテラン看護師の特徴に当てはまるかどうか、チェックしてみてください。
職場での勤続年数が長い
お局看護師の特徴のひとつは、同じ職場で長年勤めていることです。
長く同じ職場に勤めている方、すべてがお局看護師になるわけではありません。
しかし、長年いるからこそ、職場のルールや人間関係を熟知しているため、新しいやり方や意見を受け入れにくい現状があります。
長年の経験から、自分のやり方が一番正しいと考えている場合もあります。
業務量が少ない
お局看護師は、ほかの看護師に比べて業務量が少ない傾向があります。これは、長年の経験による効率の良さからくる場合と、そうでない場合があります。
というのも、これまでの実績や貢献度を理由に、負担の少ない業務を任される一方で、仕事を頼みにくい雰囲気があり、周囲が遠慮して業務量が少なくなっている可能性があるからです。
業務量が極端に少ない場合、ほかの看護師にしわ寄せがいき、不満につながる恐れがあります。とくに、若手や中堅の看護師はしわ寄せの影響を受けやすく、その不公平さに疑問を感じるでしょう。
気に入らない人に冷たい態度をとる傾向がある
お局看護師は、自分が気に入らないと感じた人に対して、冷たい態度をとったり、無視したりすることがあります。これは、職場の雰囲気を悪くする大きな要因となります。
お局看護師のターゲットになりやすいのは新人看護師や異動してきた看護師、控えめなタイプの看護師であり、職場で孤立感を覚えつらい思いをして、退職することもあるようです。
なぜお局看護師がそのような行動をとるのか理由はさまざまですが、過去の経験や個人的な感情が影響していると考えられます。もしかしたら、過去に人間関係で嫌な思いをした経験から、人を信用しにくくなっているのかもしれません。
パワハラのような言動がみられることもある
お局看護師のなかには、パワハラのような言動をする人もいます。
これは、相手の尊厳を傷つけ、精神的な苦痛を与える行為であり、決して許されるものではありません。
経験の浅い看護師や立場が弱い人に対して、高圧的な態度をとったり「採血をまだ覚えてないの?」「そんなこともできないの?」ときつい言葉で注意したりする場合があります。
「私はこうやってきたのだから」というような、過去の経験を絶対的なものとして押しつける傾向もあります。
感情表現が乏しく口数が少ない
あまり感情を表に出さず、口数が少ないお局看護師もいます。
何を考えているのかわかりにくいため、周囲の人はどのように接して良いか戸惑うことがあります。何か質問をしても、返答がないため、コミュニケーションが取りにくいと感じる人もいるでしょう。
看護師・医師・患者さまの悪口をいう
お局看護師は、職場の同僚である看護師だけでなく、医師や患者さまの悪口をいうことがあります。これは、プロフェッショナルとしての意識に欠ける行為といえるでしょう。
陰でこそこそと噂話をするため、職場の雰囲気が悪くなる原因になりがちです。また、そうした噂話は、当事者の耳に入ることもあり、人間関係の亀裂を生む恐れがあります。
お局看護師への対処法
もし職場にお局看護師がいて困っているなら、ひとりで悩まずに、できることから試してみてください。
- 可能な限りかかわらないようにする
- あいさつをして良い印象を与える
- 成長意欲があることをアピールする
- 看護主任や看護師長に相談する
- 異動や転職を検討する
それぞれの対処法を見ていきましょう。
可能な限りかかわらないようにする
お局看護師とのかかわりを極力避けることは、有効な対処法のひとつです。無理にかかわろうとすると、ストレスが増すリスクがあります。
仕事するうえで必要な連絡事項は簡潔に済ませ、個人的な会話は避けると、距離を置くことができ、精神的な負担を軽減できます。自分の心を守るためには、割り切った対応も必要です。
あいさつをして良い印象を与える
お局看護師にあいさつすることは、波風を立てずに過ごすための手段となります。
「おはようございます」や「お疲れ様です」といった基本的なあいさつをすることで、敵意を持たれにくくなります。
それに加えて「〇〇さん、今日もよろしくお願いします」といった一言を添えるのも良いかもしれません。
成長意欲があることをアピールする
お局看護師と距離を置く対処法がある一方で、距離を詰めていく方法もあります。
具体的には、看護師として成長したいという意欲を示すことで、仕事に真面目で「若いのに頑張っている」と思ってもらえるかもしれません。
積極的に質問したり、研修に参加したりする姿勢を見せるのも効果的な場合があります。
看護主任や看護師長に相談する
どうしてもお局看護師の言動に困っている場合は、ひとりで抱え込まずに、看護主任や看護師長、頼りになる周りのスタッフに相談しましょう。
管理職は、職場環境を改善しなければならないため、困っている状況を具体的に伝えることで、何らかの対策を講じてくれる可能性があります。
客観的な立場からのアドバイスや、状況によっては注意してくれることが期待できます。
異動や転職を検討する
お局看護師との関係改善が難しかったり、ストレスを強く感じたりした場合は、我慢し続けずに、病棟の異動や転職を視野に入れることもひとつの選択肢です。
無理を続けることは、心身の健康を損なうリスクがあるからです。日本医療労働組合連合会「2022年看護職員の労働実態調査」によると、看護師の40.6%がメンタル不調者のいる職場で働いていることが明らかになりました。
ストレスの原因がお局看護師によるものだけとは限りませんが、看護師はストレスを抱えがちであるといえます。
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お局看護師に悩みにくい職場の特徴
お局看護師の存在に悩まされにくい職場には、いくつかの共通点があります。
- 設立して間もない職場
- 男性看護師が多い職場
- 流動性が高い看護師が多い職場
これらの特徴を知っておくことは、職場選びの際に役立つでしょう。
設立して間もない職場
設立して間もない職場は、まだ組織文化や人間関係が固定化されていないため、特定のベテランが強い影響力を持ちにくいという特徴があります。
新しいチームとして、フラットな関係性を築きやすいでしょう。新しいことに挑戦する意欲のある人が集まっているため、協力的な雰囲気になりやすいといえます。
男性看護師が多い職場
一般的に、男性看護師が多い職場は、サバサバした人間関係であり、フラットなコミュニケーションが期待できるため、感情的な対立が起こりにくく、仕事に集中しやすい環境といえます。
しかし、男性看護師が多いからといって、職場の雰囲気が一概に良いとは限らず、実際に男性看護師が多数を占める職場はまだ少数です。
厚生労働省「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、男性看護師は増えているものの、令和4年末時点での男性看護師の割合は看護師全体の8.6%にすぎません。
そのため、職場見学やインターンシップで、肌で感じる職場の空気感を大切にしてください。
管理職がリーダーシップを発揮している職場
管理職がしっかりとリーダーシップを発揮している職場では、お局看護師のような特定の人が強い影響力を持つことが少ない傾向です。
問題が起きた際にも、管理職が公平な視点で対応してくれることが期待できます。
上司や同僚とのコミュニケーションがスムーズであれば、お局看護師による問題も表面化しやすく、対応できると考えられます。
流動性が高い看護師が多い職場
看護師の入れ替わりが多い職場は、特定のベテラン看護師が長期間にわたって強い影響力を持ちにくいと考えられています。
というのも、新しい人が組織に加わることで、職場の雰囲気が変わるためです。
たとえば、派遣看護師が多い職場は、人間関係が変わりやすいため、お局看護師が生まれにくいといえます。
お局看護師のエピソード
実際のお局看護師は、どのような言動をするのでしょうか。具体的なエピソードを知ることで「私の職場にもいる!」と共感する看護師もいるかもしれません。
エピソード1:ナースコールは取らずずっと座っている
夜勤の勤務帯で看護師が複数の患者さまの対応に追われ、忙しく動き回っているにもかかわらず、お局看護師はナースコールが鳴ってもまったく動かず、雑談をしていました。「〇〇さん、〇〇号室のナースコールが鳴っています。私は別の部屋に呼ばれているんですが…」と声をかけても「あら、そう?私は今、手が離せないからお願い!」と、まるで他人事のような返事をするだけ。結局、別の看護師が対応することになり、その不公平な態度に強い不満と疲労感を覚えました。とくに、夜勤は看護師の人数が少ないのに、このようなことが繰り返されると、看護師のモチベーションは著しく低下してしまいます。 |
エピソード2:人の噂話が大好き
休憩室に入ると、お局看護師はいつもほかの看護師や医師、ときには患者さまについての噂話をしていました。「〇〇さんがまたミスをしたらしいわよ」「△△先生って、ちょっと変わっていると思わない?」といった具合です。最初は聞き流していましたが、だんだんと自分も陰で何か言われているのではないかと不安になりました。職場の人間関係に対する不信感が募っていきました。 |
エピソード3:2~3人の仲間を引き連れて行動しがち
お局看護師は、いつも仲の良い2~3人の看護師と一緒に行動していました。まるで小さな派閥のようで、ほかの看護師はその輪に入りにくく、不気味に感じていました。昼食の時間もいつも同じメンバーで固まっており、ほかの人が話しかけても、仲間内だけでひそひそ話をしていて、仲間以外は蚊帳の外という感じでした。そのため、職場のコミュニケーションは分断されがちで、雰囲気はあまり良くなかったです。 |
まとめ:お局看護師がいてつらいときは転職を検討しよう
お局看護師の存在は、働く意欲を奪い、職場の雰囲気を悪化させる要因になりかねません。
もし今、お局看護師との人間関係に悩み、精神的につらい毎日を送っているなら、決してひとりで抱え込まず、より良い環境を求めて行動することも大切です。
我慢し続けることは、心身の健康を損なう可能性があります。
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<参考サイト・文献>

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