准看護師の時給は平均どのくらい?時給アップする4つの方法も紹介

この記事では、厚生労働省のデータをもとに、准看護師(おもに短時間労働者)の平均時給を詳しく解説します。准看護師の時給が上がりにくい理由についても触れ、時給アップをかなえるための具体的な方法を提案します。
この記事を読むことで、准看護師の時給に関する疑問が解消され、より良い条件で働くためのヒントが見つかるでしょう。ぜひ、最後まで読んでみてください。

准看護師の平均時給は1,688円
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、准看護師(短時間労働者・企業規模10人以上)の平均時給は1,688円です。ここでは、次の5つにわけて、准看護師の時給を詳しく紹介します。
- 男女別
- 規模別
- 経験年数別
- 看護職との比較
- 一般の会社員との比較
それぞれを詳しく見ていきましょう。
男女別の准看護師の平均時給
男女別の准看護師の平均時給は、次の表のとおりです。
性別 | 平均時給 |
男性 | 1,341円 |
女性 | 1,694円 |
女性の准看護師の方が平均時給は高い傾向にあります。医療現場で働く准看護師の多くが女性であることが要因のひとつとして考えられます。
規模別の准看護師の平均時給
規模別の准看護師の平均時給を表にまとめました。
従業員数 | 平均時給 |
10~99人 | 1,797円 |
100~999人 | 1,589円 |
1,000人以上 | 1,619円 |
従業員数が10~99人の施設が、平均時給が最も高くなっています。これは、中小規模の施設が人材確保のために、高い時給を設定している可能性があるためです。
経験年数別の准看護師の平均時給
経験年数別の准看護師の平均時給は、次のとおりです。
経験年数 | 平均時給 |
0年 | 1,275円 |
1~4年 | 1,487円 |
5~9年 | 1,837円 |
10~14年 | 1,724円 |
15年以上 | 1,699円 |
一般的に、経験年数が長くなるにつれて、時給も上がる傾向にあります。ただし、准看護師の場合は、5~9年目でピークを迎え、その後は下がっていくようです。
看護職との比較
准看護師の時給を、ほかの看護職と比較しました。
職種 | 平均時給 |
准看護師 | 1,688円 |
看護師 | 1,946円 |
保健師 | 1,992円 |
助産師 | 2,187円 |
看護助手 | 1,258円 |
准看護師の時給は、看護師や保健師、助産師よりも低い水準であることがわかります。これは、業務の範囲の広さや責任の重さなどが背景にあるといえます。下記の記事では准看護師と看護師の給料の違いについて詳しく解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。
関連記事:准看護師と看護師の給料の違いとは?資格や仕事内容の違いも詳しく解説
一般の会社員との比較
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、全国の短時間労働者の平均時給は1,476 円であることが明らかになりました。
准看護師の平均時給は、この平均時給と比較すると高水準です。
准看護師は、准看護師試験に合格したうえで都道府県知事の免許を受けています。専門性が必要な仕事であるため、ほかの仕事よりも時給が高くなる傾向があります。
准看護師の時給が上がりにくい理由
「なかなか時給が上がらない」と感じる准看護師もいるかもしれません。それには、いくつかの理由が考えられます。
- 看護師と比べて業務が限られる
- 管理職のハードルが高い
- キャリアプランするまでの道のりが長い
これらの理由を理解しておくことは、今後のキャリアプランを考えるうえで大切です。時給が上がりにくい背景がわかると、どのようにすれば待遇の改善につながるのか、具体的な対策を立てやすくなるでしょう。
看護師と比べて業務が限られる
准看護師は、医師や看護師の指示にもとづいてケアをおこなうため、看護師と比較すると、単独でできる業務の範囲が限られています。
この業務範囲の違いが、時給にも影響していると考えられるのです。
たとえば、手術の介助や医療機器の操作などは、看護師のみがおこなう場合があります。
准看護師は医療チームの一員であり、患者さまにとって重要な存在であるものの、業務範囲が限られるため、時給に差が出る可能性があります。
関連記事:准看護師とは?准看護師と看護師の違いやできない4つのことを解説!
管理職のハードルが高い
多くの医療機関では、管理職のポストは准看護師ではなく、看護師が担っていることが現状です。
というのも、准看護師は自己判断で看護業務をおこなえず、看護師の指示を受け、補助する役割となっているためです。管理職は、次のような仕事を実施するため、看護師が担いやすいと考えられています。
- スタッフの指導や育成
- 病院運営に関わる業務
- 患者さまからのクレーム対応や危機管理
管理職は、ほかの看護師のマネジメントをする役割を担っているため、看護師に指示ができない准看護師ではマネジメントをおこなうことが難しいといえます。
准看護師が管理職を目指す場合、看護師の資格取得が必要になるためハードルが高く、それが時給アップにつながりにくい一因となっています。
キャリアプランするまでの道のりが長い
准看護師として経験を積み、さらにキャリアアップを目指そうと考えた場合、看護師の資格を取得するという選択肢が一般的です。
しかし、資格取得には看護師の養成所や通信制で教育を受けたうえで、看護師国家試験に合格しなければなりません。学習時間の確保や学費などの負担がかかるため、すぐに時給アップにつながるようなキャリアプランを描きにくいといえます。
准看護師が時給アップを狙う3つの方法
「時給を上げたい」と思う准看護師のために、具体的な方法を紹介します。
- 夜勤に積極的に入る
- 看護師資格の取得を目指す
- 給料や待遇の良い求人を探して転職する
これらの方法を実践することで、今の状況を変えられるかもしれません。諦めずに、できることから試してみましょう。
夜勤に積極的に入る
夜勤は、日勤に比べて時給が高く設定されていることが多い傾向であるため、夜勤に積極的に入ることで、時給や収入アップを目指せるでしょう。
ただし、夜勤に入りすぎることで、生活リズムが不規則になりやすいため、体調管理には十分注意が必要です。無理のない範囲で、夜勤を収入アップの選択肢のひとつとして考えてみてください。
看護師資格の取得を目指す
看護師の資格を取得することで、より専門的な業務に携われるようになり、給与水準も上がります。
看護師は、准看護師よりも広い範囲の医療行為をおこなえ、より責任のある立場での活躍が期待できるため、キャリアアップに看護師の資格取得は有効です。
給料や待遇の良い求人を探して転職する
働く施設によって、准看護師の給与や待遇は異なります。
現在の職場の給与に不満がある場合は、より良い条件の求人を探して転職することも、時給アップにむけたひとつの手段です。
在宅医療への関心が高くなっているため、訪問看護ステーションへの転職は、時給アップにつながる可能性があります。「NsPaceCareer」を活用すると、給与だけでなく、福利厚生や勤務時間、職場の雰囲気などについても効率的に情報収集ができます。
より良い条件の職場で働くことは、経済的な安定だけでなく、モチベーションの向上にも大切です。
准看護師の時給に関するQ&A
ここでは、准看護師の時給に関するよくある質問とその回答をまとめました。
Q1:准看護師の時給は配属される診療科によって変わりますか?
診療科によって准看護師の時給が大きく変わるということは一般的には少ないと考えられます。
しかし、専門性の高い診療科や夜勤が多い診療科などでは、手当がつく場合があり、結果的に時給が高くなることもあります。
たとえば、救急外来や集中治療室などは、緊急対応が多く、専門知識も求められるため、特殊な手当が支給されることがあります。もし、特定の診療科に興味があり、それが給与アップできるかどうか知りたい場合は、その診療科の求人情報を詳しく調べてみることをおすすめします。
Q2:准看護師の年収はどのくらいですか?
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」のデータをもとに、准看護師(短時間労働者)の年収を計算すると約271万円といえます。(*)
准看護師の年収は、勤務時間や勤務日数のほかに、夜勤の有無や手当などによって変動します。
正確な年収を知るためには、興味のある求人情報や病院のホームページで給与条件を確認することが重要です。さらに、准看護師の年収について知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
*次のデータをもとに算出:実労働日数14.7日、1日あたり所定内実労働時間数5.9時間、1時間あたり所定内給与額1688円、年間賞与95万7,000円
関連記事:准看護師の平均年収は?低いといわれる3つの理由や年収アップの方法
まとめ:准看護師で時給アップを狙うのは難しい!高待遇のところへの転職を目指そう
准看護師の資格のみでは、大幅な時給アップは難しいといえます。
しかし、夜勤に積極的に入ったり、看護師の資格取得を目指したり、より給与や待遇の良い職場へ転職したりすることで、時給アップできる可能性はあります。
積極的に行動することで、より良い労働条件を手に入れられるでしょう。
<参考サイト・文献>

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