看護師1年目のボーナスの平均はいくら?少ない理由4つと高い病院の特徴

公開日:2025/05/19 更新日:2025/05/19
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「ほかの病院の同期はどれくらいボーナスをもらっているんだろう?」「年収が思ったより少ないのはなぜ?」

このような疑問や不安を感じている看護師1年目の方はいらっしゃいませんか。働き始めたばかりの看護師にとって、初めてのボーナスは気になるものですよね。

この記事では、看護師1年目のボーナスの平均額や、なぜ少なくなるのかその理由を詳しく解説します。さらに、1年目でもボーナスが高い病院の特徴も紹介するため、今後のキャリアプランの参考になれば幸いです。

看護師1年目のボーナスの平均は10万4,600円

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、看護師1年目のボーナスの平均は10万4,600円です。

ちなみに、男性の看護師は12万1,800円、女性の看護師は10万3,200円となっています。

看護師のボーナスは夏と冬の年2回支給されるのが一般的です。ここでは、看護師1年目のボーナスの事情について、より詳しく見ていきましょう。

看護師1年目夏のボーナスの平均は寸志程度

看護師1年目夏のボーナスは、6月~8月頃に支給され、その額は寸志程度といわれています。勤務先によっては、実働時間を考慮して支給したり、支給されないケースもあったりするようです。

看護師1年目冬のボーナスは満額支給

看護師1年目冬のボーナスは、満額支給される可能性があります。

1年目の夏とは異なり、入職した後の働きぶりを評価してもらえるからです。病院によって、支給額は異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

看護師1年目のボーナスが少ない4つの理由

看護師1年目のボーナスが少ないと感じるのには、いくつかの理由があります。おもな理由を4つ解説します。

  • 入職して間もないため査定期間が足りない
  • 看護師1年目は基本給が低くされている
  • 個人の業績や貢献度による加算が期待できない
  • 勤続年数に応じて段階的に増やす仕組み

これらの理由をあらかじめ知っておくと、希望額と実際の額の差にガッカリしなくて済むでしょう。

入職して間もないため査定期間が足りない

ボーナスの支給額は、過去数ヶ月間の勤務実績にもとづいて決まるため、入職してからの期間が短い1年目はボーナスが少なくなります。

とくに、4月に入職した場合、夏のボーナスの査定期間はわずか2〜3ヶ月となるため、満額支給されないことが多いようです。

ほとんどの病院で、夏のボーナスの査定期間は前年の10月から3月まで、冬は4月から9月までとなっているため、入職して間もない1年目は不利な立場に置かれます。

看護師1年目は基本給が低くされている

経験年数が少ない1年目の看護師の方は、基本給がほかの経験豊富な看護師よりも低く設定されている傾向にあります。

ボーナスの支給額は、夜勤手当や住宅手当などは関係なく、基本給に倍率をかけて算出されるため、基本給が低いとボーナスも少なくなりがちです。

個人の業績や貢献度による加算が期待できない

1年目の看護師の方は、経験が浅いため、個人の業績や貢献度によるボーナスの加算は期待できません。

というのも、ボーナスの加算は、長年にわたる経験や病院への貢献度、ケアにおける具体的な成果などを評価して加算されるものだからです。

専門看護師や認定看護師など専門性が高いスキルがある看護師や、病院運営に貢献した看護師には、ボーナスに加算がつくことがあります。

しかし、入職間もない1年目の看護師には、そのような評価を得るための実績が少ないため、加算の対象となることは稀です。

勤続年数に応じて段階的に増やす仕組み

病院や施設では、勤続年数に応じてボーナスの支給額を増やす仕組みを採用しています。実際の経験年数別のボーナスを下記の表にまとめました。

経験年数ボーナスの平均支給額
0年10万4,600円
1~4年69万7,600円
5~9年79万3,200円
10~14年90万2,100円
15年以上99万8,300円
参考:令和6年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

長年にわたり病院に貢献してきた看護師に対して、支給額を増やすことで、働き続けるきっかけにすることも目的のひとつとしてあるようです。

また、ボーナスの支給額に不満がある看護師は訪問看護ステーションへの転職を検討してみませんか。近年、訪問看護の需要は高まっているため、納得のいくボーナスを受けられる可能性があります。「NsPaceCareer」は、訪問看護に特化した求人サイトであり、豊富な求人を取り揃えています。ぜひ、活用してみてください。

看護師のボーナスの平均は1年目少なめで2年目からアップ

1年目は10万円程度であるのに対して、2年目には病院の規模や経営状況によって差はあるものの、平均額が50〜70万円程度にアップする場合もあります。

これは、働き続けることで、病院への貢献度が評価されるようになるからです。

看護師のボーナスは、経験年数に応じて支給額も増える傾向にあります。

看護職の1年目のボーナス事情

看護師だけではなく、看護職にも目を向けると、それぞれのボーナス事情は異なります。保健師や助産師、准看護師の特徴を見ていきましょう。

保健師・助産師・准看護師のボーナスの平均額と比較

ここでは、1年目の看護師と、保健師や助産師、准看護師のボーナスの平均支給額を比べます。次の表にまとめました。

職種1年目のボーナスの平均支給額
看護師10万4,600円
保健師22万9,200円
助産師13万2,700円
准看護師14万9,200円
参考:令和6年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

保健師は、支給額が20万円を超えており、看護職のなかでは最も高額となっています。これは、保健師は公務員扱いとなることが多いため高くなっていると推測できます。

ほかの医療職とのボーナスの平均額を比較

ここでは、ほかの医療職とのボーナスの平均額を比較します。下記の表をチェックしてみてください。

職種1年目のボーナスの平均支給額
看護師10万4,600円
医師8万2,700円
薬剤師15万7,400円
診療放射線技師11万9,300円
臨床検査技師2万8,500円
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士3万6,000円
歯科衛生士3万8,500円
歯科技工士0円
栄養士4万7,900円
参考:令和6年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

この表を見ると、1年目の看護師のボーナス平均支給額は薬剤師、診療放射線技師に次いで3番目に高いことがわかります。なかには、歯科技工士のように、1年目のボーナス支給額が0円という職種もあります。

この比較から、看護師1年目はほかの医療職と比べて、一定のボーナス支給が見込める職業といえるでしょう。

看護師1年目でもボーナスの平均額が高い病院の特徴

1年目からでも高水準のボーナスを期待できる病院もあります。

  • 施設の規模が大きい
  • 国立や独立行政法人が管轄している
  • 自由診療の病院

これらの特徴がある病院を選ぶことで、1年目から高いボーナスを得られる可能性が高まるでしょう。

施設の規模が大きい

大規模病院は経営が安定しているため、1年目から比較的高いボーナスが期待できます。

病床数1年目のボーナス平均支給額
10~99人5万9,800円
100~999人14万6,300円
1,000人以上9万1,100円
参考:令和6年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

一般的に、施設の規模が大きくなるとボーナスの支給額も増えるといわれています。

ですが、看護師1年目の場合は、100~999人の規模の病院が最も高くなっています。看護師は、それぞれの施設で事情が大きく異なる可能性があるため、転職する際には施設の規模だけではなく、実際の支給額もリサーチすると良いでしょう。

国立や独立行政法人が管轄している

国立病院機構や独立行政法人が運営する病院では、公務員に準じた給与制度が採用されており、業績に左右されにくいため、1年目からボーナスの支給額が高い傾向です。具体的には、次のような医療機関が該当します。

  • 国立大学法人付属病院
  • 独立行政法人国立病院機構
  • 地域医療機能推進機構(JCHO)

病院のホームページや求人票を参考にして、正確な情報を押さえておきましょう。

自由診療の病院

美容外科といった自由診療中心の病院では、保険診療に制限されない価格設定ができ、収益性が高いため、1年目でも高いボーナスを支給する傾向があります。

  • 美容クリニック
  • 人間ドック専門の病院
  • 予防医療に特化した医療機関

これらの施設では、病院の売上に応じたインセンティブ制度を導入していることも多く、繁忙期には追加のボーナスが支給されるケースもあります。

なお、労働条件や環境勤務は一般の病院とは異なる場合があるため、さまざまな要素から検討する必要があります。

看護師のボーナスの平均額は83万5,000万円

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、看護師のボーナスの平均支給額は83万5,000円です。

看護師1年目も経験を積み、病院に貢献していくことで、さらに高いボーナスを得られることも十分に可能です。さらに、看護師のボーナス事情を知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

関連記事:看護師のボーナスの平均は?手取り額やボーナスが高い病院を選ぶコツ3つ

まとめ:看護師1年目のボーナスの平均は10万4,600円!ボーナスが高い病院へ転職を検討するのも一手

看護師1年の目のボーナスは平均10万4,600円で、夏は寸志程度、冬は満額支給される傾向です。

1年目のボーナスが少ない理由には評価期間の短さや基本給の低さ、個人評価の難しさ、勤続年数による段階的な仕組みなどがあります。

高いボーナスを期待するなら、大規模病院や国立・独立行政法人病院、自由診療中心の医療機関を選ぶのが効果的です。

ただし、ボーナスだけでなく、勤務環境や教育体制、ワークライフバランスなど総合的に判断することで、自分に合った働き方を実現できるでしょう。

<参考サイト・文献>

令和6年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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