急変対応が苦手な看護師にとって負担の少ない科や職場5つ!メリットやゆるく働くための条件

公開日:2025/05/14 更新日:2025/05/14
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「少しでも負担を減らして働きたい」「ワークライフバランスを大切にしたい」

このように感じている看護師の方もいるのではないでしょうか。

看護師の仕事は人の命にかかわる大変な仕事ですが、なかには比較的落ち着いて働ける科や職場もあります。

この記事では、急変対応が苦手な看護師にとって、負担が少なく感じられる科や職場を紹介します。それぞれの特徴や働くメリットもお伝えします。この記事を読んで、自分に合った働き方を見つけましょう。

急変対応が苦手な看護師にとって負担の少ない科や職場

看護師の仕事は、患者さまの健康を支えるやりがいがある一方、体力的な負担や精神的なプレッシャーも大きいものです。「少しでも負担を減らしたい」と考えるのは自然なことです。ここでは、ゆったりと働ける可能性のある科や職場を紹介します。

  • 眼科:命にかかわる処置が少なくプレッシャーを感じにくい
  • 皮膚科:急変対応する機会が少なく落ち着いた環境で働ける
  • 耳鼻咽喉科:ルーティンワークが多く定時で帰宅できる
  • 訪問看護ステーション:1人で行動するため人間関係に悩みにくい
  • 健診センター:健康な方が対象者である

それぞれの特徴を知ることが、あなたの希望に合った働き方を見つけるヒントになるでしょう。

眼科:命にかかわる処置が少なくプレッシャーを感じにくい

眼科は、視力検査やコンタクトレンズの処方、白内障の日帰り手術など生命にかかわる処置が少ないため、精神的なプレッシャーを感じにくいといえます。看護師のおもな業務は次のとおりです。

  • 患者さまへの説明
  • 検査の準備
  • 点眼指導

患者さまは自分で移動できる方が多いため、身体的な介助の負担がほとんどありません。

眼科特有の専門知識や医療機器の操作を覚えなければなりませんが、自分のペースで業務に取り組みたい看護師にとって、働きやすい選択肢のひとつとなるでしょう。

皮膚科:急変対応する機会が少なく落ち着いた環境で働ける

皮膚科は、アトピー性皮膚炎やニキビ、ヘルペスなど慢性的な皮膚疾患の患者さまが多く、急変に対応する機会が限られているため、落ち着いた環境で働けます。業務には、次のようなものが挙げられます。

  • 軟膏や内服薬の塗布
  • 医師の処置の介助
  • 生活指導

これらの業務は、緊急性を要するものが少ないため、患者さま一人ひとりとじっくり向き合ってケアができます。

バタバタと忙しく動き回るよりも、患者さまとのコミュニケーションを大切にしたい看護師にとって、皮膚科は働きやすい職場といえます。

耳鼻咽喉科:ルーティンワークが多く定時で帰宅できる

耳鼻咽喉科は、中耳炎やアレルギー性鼻炎などの患者さまが多いため、診療内容がある程度決まっており定時で帰りやすい傾向があります。看護師は次の業務をおこないます。

  • 診察の準備や介助
  • 聴力検査や平衡機能検査などの検査介助
  • ネブライザーの準備や説明、機材の消毒

手術をおこなうケースもありますが、多くは日帰り手術であり、緊急手術はほとんどありません。

プライベートな時間を大切にしたい、仕事とプライベートを両立させたい看護師にとって、耳鼻咽喉科は働きやすい職場となるでしょう。

訪問看護ステーション:1人で行動するため人間関係に悩みにくい

訪問看護ステーションでは、看護師が利用者さまの自宅へ訪問し、それぞれのニーズに合わせたケアを基本的に1人でおこないます。

  • 健康状態の観察
  • 医療処置
  • 日常生活の支援

利用者さまの転倒や急変時、ケアの方向性に悩む場合には、ほかのスタッフとの連携や報告が必要となりますが、日々の業務は自分の裁量に任されることが多いです。常に同僚と顔を合わせるわけではないため、人間関係に悩みにくいというメリットがあります。

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健診センター:健康な方が対象者である

健診センターは、健康な方の病気の早期発見、生活習慣病の予防を目的としているため、重症の患者さまの対応はほとんどなく、負担を感じにくい傾向です。看護師のおもな業務は、次のとおりです。

  • 問診
  • 身体測定
  • 採血
  • 保健指導

これらの業務は、緊急性を伴わないため、スケジュール通りに進めやすいのが特徴です。また、夜勤がない場合も多く、日勤のみで働きたい看護師にも適しています。

急変対応が苦手な看護師にとって負担に感じやすい科

急変対応や重症度の高い患者さまが比較的多い科は、看護師のスキルアップに繋がりやすく、人命救助に直結するためやりがいがあります。

しかし、急変対応が苦手だと感じる看護師にとって、負担に感じてあまり行きたくないと考える方がいることも事実です。

  • 集中治療室:常に重症患者に対応しなければならない
  • 救命救急センター:緊急度の高い患者さまが多くスケジュールの予測もできない
  • 循環器内科:急変する患者さまが多く専門的なスキルが欠かせない
  • 脳神経外科:介護度が重く身体的な負担が大きくなりがち

ここでは、これらの科を負担に感じる方がなぜいるのか、理由を具体的に見ていきましょう。

集中治療室:常に重症患者に対応しなければならない

集中治療室は、重症患者さまのケアが中心であり、緊張感のある環境です。急変対応や高度な医療技術が求められるため、知識や技術が追いつくまでは精神的・体力的な負担が大きく感じられるでしょう。

救命救急センター:緊急度の高い患者さまが多くスケジュールの予測もできない

救命救急センターは、交通事故や重症の外傷など緊急度の高い患者さまが多く、1日の勤務のスケジュールは予測できません。突発的な対応が求められたり、ときには患者さまの死に立ち会ったりすることもあるため、精神的なストレスや疲労をうまく発散できない方にとってはバーンアウトしやすい環境です。

循環器内科:急変する患者さまが多く専門的なスキルが欠かせない

循環器内科は、心筋梗塞や狭心症、不整脈など心臓や血管にかかわる病気の患者さまが多く、急変のリスクが高い傾向です。そのため、専門的な知識やスキルが求められ、慣れない方にとっては緊張感に疲弊するようです。

脳神経外科:介護度が重く身体的な負担が大きくなりがち

脳神経外科には、脳卒中や頭部外傷、脳腫瘍など脳や神経系の病気があり、手術後で安静にしなければならない患者さまや、介護度が高く日常生活で介助が必要な患者さまがいます。

身体的なケアが中心となるため、体力的な負担があると感じる機会も増えるでしょう。

急変対応が苦手な看護師がゆるく働く科を選ぶための条件

急変対応が苦手な看護師が「ゆるく働く」と感じられるかどうかは個人差も大きく反映されますが、業務内容だけでなく、次のポイントから考えることも重要です。

  • 人間関係や雰囲気が良いかリサーチする
  • 残業の少なさに注目する
  • 休みが取りやすいかチェックする
  • 入院患者さまの背景を理解する
  • 救急患者の受け入れ件数が少ない職場を選ぶ

これらの条件を満たす職場を選ぶことで、ストレスの少ない働き方が可能になります。

人間関係や雰囲気が良いかリサーチする

職場の人間関係や雰囲気は、仕事の満足度やストレスに影響します。ギスギスした雰囲気の職場では、業務的な負担は少なくても精神的な負担を大きく感じる恐れがあります。

たとえば、人間関係にトラブルがある職場では、ケアの方法に悩んだ際に先輩看護師に相談できなかったり、業務が重なったときに協力しなかったりするため、業務がスムーズに進められないこともあります。

病院見学に参加したり、実際に働いている看護師の話を聞いたりして、職場の雰囲気をリサーチすることが大切です。

残業の少なさに注目する

残業がほとんどない職場は、プライベートの時間を確保しやすく、心身のリフレッシュにもつながります。求人情報を見たり面接官に尋ねたりして、次の情報を確認してください。

  • 月平均の残業時間
  • 定時で退勤できる日数
  • 業務効率化への取り組み

これらは、残業時間に影響するポイントです。残業が多くない職場で働くことは、自分の時間を大切にし、充実した生活を送るために重要です。

休みが取りやすいかチェックする

有給休暇の取得率や希望休の通りやすさなど、休みが取りやすいかどうかも、長く働き続けるためには重要です。

年間休日数だけでなく「職場内で協力し合いながらどれくらい有給休暇を取得できるのか」「子どもの学校行事や家族の都合などで希望休を出しやすいか」などを確認しましょう。

職場の休みの取りやすさについて情報収集しておくことが大切です。

入院患者さまの背景を理解する

入院患者さまの疾患の種類や重症度、介護度などを把握することで、業務の負担を予測できます。

たとえば、慢性期の疾患の患者さまが多い療養型の病院や、回復期のリハビリテーション病院などでは、急性期の病院に比べて落ち着いてケアできるかもしれません。

自分のスキルや体力に合った職場を選ぶために情報を集めましょう。

救急患者の受け入れ件数が少ない職場を選ぶ

救急患者さまの受け入れが多い職場では、緊急対応が多く忙しい状況が続きます。

予測できない事態に備え、現場では緊張する状況が続くため、精神的な負担も大きくなりがちです。

次の職場は、救急患者さまに対応するケースが稀な職場であるため、落ち着いた環境でスムーズに業務を進められるでしょう

  • クリニック
  • 健診センター
  • 訪問看護ステーション

関連記事:看護師の診療科の選び方!5ステップと人気診療科別のおすすめの看護師

急変対応が苦手な看護師が負担の少ない科で働くメリット

急変対応が苦手な看護師が、業務負担の少ない科で働くことには、さまざまなメリットがあります。

  • ワークライフバランスが整う
  • 心身の不調が改善する
  • 業務に対してスムーズに取り組める

これらのメリットを活かすことで、より充実した看護師ライフが期待できます。

ワークライフバランスが整う

業務量が落ち着いている科で働くメリットは、ワークライフバランスが整いやすくなることです。

仕事が終わった後に趣味に時間を使ったり、家族や友人と過ごしたり、1人でゆっくりと休息したりなどできます。

仕事とプライベートのメリハリをつけることで、心身ともに健康で長く働き続けられるでしょう。

心身の不調が改善する

日本医療労働組合連合会『2022年看護職員の労働実態調査「報告集」』の調査によると、メンタル不調者のいる職場で働いている看護職員は40.6%です。

また『「急性期一般病院における看護職員の腰痛・頸肩腕痛の実態調査」結果』によると、腰痛の有訴率は68.1%であることが明らかになりました。

これらの調査結果から、心身の不調を訴える看護師が多い傾向であるといえます。

夜勤や急変対応の少ない科では、不規則な勤務による睡眠不足が解消し、気を張っている状態から解放され、リラックスできる時間が増えるかもしれません。

このように、精神的なプレッシャーや身体的な負担が軽減されることで、心身の不調が改善する可能性があります。

業務に対してスムーズに取り組める

業務内容がルーティン化されている科では、突発的な業務や新しい業務に戸惑うことなく、スムーズに取り組めます。

また、業務内容が明らかであることは「何をすれば良いの?」「もし慣れない業務を担当することになったらどう行動すれば良いのかわからない」などの疑問がなく、安心感にもつながります。

業務に慣れるまでの期間が短く、早い段階から自信を持って仕事に取り組めるようになるでしょう。

急変対応が苦手な看護師が負担の少ない科で働くデメリット

急変対応が苦手な看護師が、業務負担の少ない科で働くことには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。

  • キャリアアップできない可能性がある
  • 給与条件が悪くなるリスクがある
  • やりがいを感じにくくなる

ここでは、業務負担の少ない科で働くことによるデメリットを解説します。

キャリアアップできない可能性がある

スキルや知識をあまり必要としない科では、高度なスキルの習得や、専門看護師や認定看護師の資格取得などの、キャリアアップの機会が限られる恐れがあります。

将来的に、より専門的な分野で活躍したいと考えている看護師にとっては、物足りなく感じる可能性があります。

給与条件が悪くなるリスクがある

一般的に、夜勤や緊急対応があまりなく、担当業務が限られる科は、夜勤手当や危険手当などが支給されにくいです。そのため、ほかの忙しい科と比較して、給与水準が低い傾向にあります。

給与も仕事を選ぶうえで重要と考える看護師は、求人情報をしっかりと確認したり、面接時に給与条件を詳しく確認したりする必要があります。

やりがいを感じにくくなる

業務内容が単調であり、患者さまの病状の改善が見られにくい科では、看護師としてのやりがいを感じにくくなる恐れがあります。

たとえば、慢性期の患者さまが多い科や、健康な方を対象とする健診センターでは、急性期の病院のような患者さまの命を救うといった達成感を得にくいかもしれません。

看護師としてどのようなことにやりがいを感じるのか、自分の価値観を理解しておくことが大切です。

急変対応が苦手な看護師が負担の少ない科で働く方法

今の職場で心身の負担を感じ、自分の時間を大切にする働き方をしたいと考えるのであれば、負担の少ない科で働くという選択肢を検討してみるのも良いでしょう。ここでは、負担の少ない科で働くための具体的な方法を紹介します。

異動希望を出す

現在働いている病院に、負担の少ないだと感じる科がある場合、そちらへの異動を希望するという方法があります。

上司や人事課のスタッフに、異動を希望する理由や、希望する病棟でどのように貢献したいかを具体的に相談してみましょう。

異動が実現するかどうかは、病院の方針や看護師の配置基準の状況にもよりますが、行動してみることが大切です。

転職する

現在の病院に希望する科がない場合や、働きやすい環境を求めているのであれば、ほかの病院や訪問看護ステーションなど条件に合った職場に転職する方法も有効です。

求人サイトや転職エージェントなどを活用し、勤務時間や業務内容、職場の雰囲気などから自分の希望に合った職場を見つけましょう。

看護師にとって負担の少ない科に関するQ&A

ここでは、看護師が抱きやすい「負担の少ない科」に関する疑問について、Q&A形式でお答えします。あなたの疑問を解消し、より自分らしい働き方を見つけるヒントにしてください。

Q1:20代、30代、40代それぞれ負担の少ない科はどこですか?

年代によって、体力やライフスタイル、キャリアに対する考え方などが異なるため「負担の少ない科」の定義も一概にはいえません。

20代の看護師であれば、体力があるため、忙しくても専門性を深められる科に魅力を感じる傾向があります。

30代の看護師の場合は、子育てや家庭との両立を考える方も多く、日勤のみや残業があまりない科、保育施設が併設されている病院などを選びがちです。

また、40代の看護師は、これまでの経験を活かしつつ、無理なく働ける科や、夜勤のない職場を選ぶ方もいるでしょう。

このように、どの年代にとっても「負担の少ない科」というのは、それぞれの状況や価値観によって異なります。ライフスタイルや仕事に求めるものを考えて、科を選ぶことが重要です。

Q2:看護師として一番人気な科は?

一般的には、専門性を高められる科や美容系のクリニックなど、ライフワークバランスを取りやすいイメージのある科が人気を集める傾向があるようです。

ただし「看護師に一番人気な科」をはっきりと決められません。

循環器内科や救命救急センターなどは、キャリアアップを目指す看護師にとって人気がある一方で、美容外科や皮膚科などは、ワークライフバランスを重視する看護師に人気があるからです。

人気と働きやすさは必ずしも一致しないため、注意が必要です。

関連記事:看護師に人気の科5選!大変な科や人気の科に転職するための方法を解説

まとめ:看護師の負担の少ない科を知って自分の理想の働き方を見つけよう

看護師として無理なく働くには、自分に合った「負担の少ない科」を見極めることが大切です。

訪問看護や外来など身体的・精神的な負担が少ない職場を選ぶことで、ワークライフバランスのとれた働き方が可能になります。

もし、今の働き方に疑問や不満を感じているのであれば、紹介した情報を参考に、新しい働き方を検討してみてはいかがでしょうか。あなたの理想の働き方が見つかることを心から応援しています。

<参考サイト・文献>

2022年看護職員の労働実態調査「報告集」|日本医療労働組合連合会

「急性期一般病院における 看護職員の腰痛・頸肩腕痛の 実態調査」結果|日本医療労働組合連合会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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