派遣看護師の注意点7つ!よくあるトラブルや派遣禁止の理由、働くデメリットを解説

「派遣看護師として働きたいけどわからないことばかり」「家庭を優先したいから派遣看護師になりたいけどトラブルってあるの?」
このような悩みがある看護師はいらっしゃいませんか。派遣看護師は、多様な働き方を実現する選択肢です。しかし、派遣という働き方には、常勤とは異なる注意点もあり、一歩を踏み出せない方は少なくありません。
ここでは、派遣看護師への転職を考えている方が押さえておくべき注意点やよくあるトラブル、働くメリット・デメリットなどを解説します。この記事が、理想の働き方を実現するためのきっかけとなれれば幸いです。
看護師が派遣で働く際の7つの注意点とデメリット
看護師が派遣で働くためには、まずは派遣会社への登録が必要です。その後、紹介された求人に応募して選考を通過すると、派遣看護師として働けます。しかし、常勤の看護師とは、あらゆる点で異なることを踏まえておくことが不可欠です。
- 法律によって禁止されている職場がある
- 契約終了・派遣切りのリスクがある
- 教育体制がない職場がある
- ずっと派遣ではキャリアアップが期待できない
- 常勤と比べると給料が低い
- 社会保険に加入できない可能性がある
- インシデントやアクシデントによっては自分で責任を負う恐れがある
これらの注意点をあらかじめ知っておくと、派遣看護師になった際に後悔せずに済むでしょう。
法律によって禁止されている職場がある
原則として、医療機関への派遣は法律によって禁止されています。
なぜなら、看護師の業務は、患者さまの生命や健康に関わり、高度な専門性と責任が求められるからです。厚生労働省によると、次の場所での就労は認められていません。
- 病院・診療所
- 助産所
- 介護医療院
- 介護老人保健施設
- 医療を受ける者の居宅
ただし、紹介予定派遣の場合や育児休業・介護休業などを取得した看護師の業務を補う形での派遣の場合では、病院や施設でも派遣看護師が認められています。
一方で、次の職場では派遣就労が可能です。
- 障害者支援施設
- 養護老人ホーム
- 生活保護法にもとづく救護施設・更生施設などに設置された診療所
あなたが働きたい職場が、法律の規制の対象施設ではないか、派遣会社に確認してみましょう。
契約終了・派遣切りのリスクがある
派遣看護師は契約期間が定められているため、契約終了や更新されないリスクがあります。
正社員と異なり雇用が保障されないため、契約満了のたびに次の派遣先を探す必要が生じる場合があります。とくに、派遣先の経営状況や人員計画の変化によって、契約更新されないケースもゼロではありません。
長期的な雇用の安定を重視する方にとっては、デメリットと言えます。
教育体制がない職場がある
派遣看護師は、即戦力として期待される場合が多く、派遣先によっては十分な教育が受けられない可能性があります。
とくに、経験の浅い看護師にとって、教育体制が整っていない職場では、スキルアップできないと感じるでしょう。
また、経験豊富な看護師でも、新しい職場に慣れるまでは不安を感じるものです。処置をおこなう際に、手順や準備する物品がこれまでの職場とは異なったり、患者さまを胸部レントゲン検査へ案内する際も、検査室の場所がわからず戸惑うことがあります。
ずっと派遣ではキャリアアップが期待できない
派遣看護師は、派遣先での昇進や昇給が少なく評価を受ける機会がないため、キャリアアップが難しい場合があります。
しかし、派遣会社によっては、キャリアアップ支援制度を設けているところもあります。たとえば、専門スキルを高めるための研修や、資格取得にかかる費用を補助する制度などです。
これらの制度を活用することで、認定看護師や専門看護師などの資格取得を目指したり、キャリアアップに役立つスキルを身につけたりすることが可能です。

常勤と比べると給料が低い
一般的に、派遣看護師は常勤の看護師と比べて給料が低い傾向にあります。
ほとんどは時給制であり、ボーナスや退職金がない場合が多いため、年収ベースでは常勤より低くなる場合があります。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の時給は1,933円(短時間労働者の1時間当たりの所定内給与額)です。派遣会社によって異なりますが、この時給額が基準になると考えられます。
関連記事:派遣看護師の給料はいくら?派遣の方が稼げる理由3つと向いている人を解説
社会保険に加入できない可能性がある
派遣看護師は、勤務条件によっては、社会保険に加入できない可能性があります。
社会保険に加入できないと、将来の年金や医療費の負担が大きくなる恐れがあります。また、国民健康保険に加入すると、社会保険に加入していたときより保険料の負担が増えるかもしれません。
インシデントやアクシデントによっては自分で責任を負う恐れがある
派遣看護師は、派遣先のスタッフではないため、インシデントやアクシデントが発生した場合、責任の所在が曖昧になることがあります。
そのため、派遣看護師として働く場合は、インシデントを起こした際の責任区分を事前に派遣会社に確認しておくことが重要です。
派遣看護師に関するよくあるトラブル事例と対処法
派遣看護師として働くうえで、知っておくべきトラブル事例と対処法を紹介します。実際に起こりやすいケースを把握しておくことで、いざというときに冷静に対応できます。
派遣先で即戦力として扱われギャップを感じた
「業務の流れを説明されないまま現場に入った」「使用する医療機器の説明がなかった」といった声は珍しくありません。派遣先によっては、常勤スタッフと同等の対応を求められることもあり、経験年数に関わらずプレッシャーを感じる場面も多くなりがちです。
そのため、契約前に派遣会社へ職場の教育体制を確認しておく必要があります。入職後にギャップを感じた場合は、早めに派遣会社の担当者へ相談して対処を検討しましょう。
契約内容と実際の業務が異なった
契約書に記載された業務内容と、実際に現場で求められる業務が異なるトラブルも多く報告されています。「外来のみの契約だったのに病棟業務を求められた」「夜勤なしの契約だったのにオンコール対応を求められた」といったケースが代表的です。
契約内容と異なる業務を求められても、その場では断りにくいと感じる派遣看護師も少なくありません。
契約前に業務内容や勤務条件を書面で確認し、契約書を手元に保管しておきましょう。実際の業務が異なる場合は派遣会社へ速やかに報告することが大切です。
派遣期間終了後に更新されなかった
契約更新を見込んでいたにもかかわらず、派遣期間終了とともに契約を打ち切られるケースがあります。突然の通知となる場合もあります。
収入が途絶えるリスクがあるため、次の派遣先を探せる状態を維持しておくことが派遣看護師として働くうえでの重要なポイントです。
具体的には、契約満了の1〜2ヶ月前に更新の可否を派遣会社へ確認しましょう。複数の派遣会社に登録しておくと、万が一の際にも次の派遣先を早期に見つけやすくなります。
看護師が派遣で働くまでの流れ
看護師が派遣で働くまでの流れは、次のとおりです。
- ホームページから派遣会社に登録する
- 希望の条件や勤務先などを相談する
- 派遣先を見学する
- 業務を開始する
複数の派遣会社に登録することがおすすめです。より多くの求人情報を比較検討できるため、あなたの希望や条件に合った求人を見つけやすくなります。ます。
看護師が派遣で働くメリット
看護師が派遣という働き方を選ぶと、自分のライフスタイルに合った働き方ができたり、残業なく仕事を終えられたりするメリットがあります。ここでは、派遣看護師として働くメリットを4つにまとめました。
- ライフスタイルに合わせた働き方ができる
- 基本的には定時で業務を終えることができる
- 人間関係のトラブルに巻き込まれにくい
- 委員会活動や研修などへの参加が求められない
それぞれを詳しく見ていきましょう。
ライフスタイルに合わせた働き方ができる
派遣看護師は、働く時間や日数などを選べるため、比較的自由度が高い働き方と言えます。
たとえば、短時間勤務や1週間のうち数日間のみの勤務も可能であるため、子育てや介護などで忙しい看護師の方におすすめです。
また、派遣看護師は、働く場所も選べます。都市部や地方、病院や介護施設など、さまざまな選択肢があるため、自分の希望に合った場所で働けるでしょう。
基本的には定時で業務を終えることができる
基本的に、派遣看護師は、定時で業務を終えることが前提となっているため、残業が少ない傾向にあります。
たとえば、派遣契約時に勤務時間が明確に定められているため、残業が発生する場合は、事前に派遣会社と派遣先の合意が必要です。また、派遣看護師は、休日や休暇も比較的取りやすく、自分の時間を確保しやすいでしょう。
このように、派遣看護師は、定時で業務を終えやすく、プライベートの時間を大切にしたい方にとって魅力的な働き方です。
人間関係のトラブルに巻き込まれにくい
派遣看護師は、職場での人間関係に悩むことが少なく、負担を感じにくい傾向があります。
派遣看護師は期間限定で働くことが多く、派遣先のスタッフとの間に適度な距離感を保てるからです。
たとえば、派遣期間が終了すれば別の職場に移るため、面倒な人間関係に深入りする必要がありません。また、万が一トラブルに巻き込まれた場合でも、派遣会社が間に入って仲介してくれるので、安心して働くことができます。
このように、派遣看護師は、人付き合いが苦手な方や、淡々と業務に集中したい方におすすめです。
委員会活動や研修などへの参加が求められない
派遣看護師は、派遣先の医療機関や介護施設のスタッフではないため、委員会活動や研修などへの参加を求められない場合が多いようです。
そのため、自分の業務に集中しやすく、残業が発生しにくいです。実際に「残業なしで働けるから、日勤後の時間も充実している」「ほかのスタッフに気兼ねなく退勤できるからスムーズに子どもの迎えに行ける」といった声が聞かれます。
また、派遣看護師は、基本的に指示された業務をおこなうことが中心となるため、管理業務や委員会活動などを任されることが少ない傾向にあります。
そのため、責任の重い仕事にプレッシャーを感じる方にとって派遣看護師は理想の働き方といえるでしょう。
関連記事:派遣看護師に向いている人を4つの雇用形態別に徹底解説!
派遣看護師に向いている人・向いていない人の特徴
派遣という働き方は、すべての看護師に適しているわけではありません。自分が向いているかどうかを事前に把握しておくことで、転職後のミスマッチを防ぎ、満足度の高い働き方を実現できます。
向いている人の特徴
派遣看護師に向いているのは、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を求める看護師です。
育児や介護などで勤務日数・時間を調整したい方、さまざまな職場でスキルや経験を積みたい方に適しています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
関連記事:派遣看護師に向いている人を4つの雇用形態別に徹底解説!
向いていない人の特徴
長期的なキャリアアップや雇用の安定を重視する方には、派遣よりも正規雇用が向いている可能性があります。
昇給や昇進の機会が少なく、契約終了のリスクもあるため、特定の職場で継続的に経験を積みたい方や、将来的に管理職を目指したい方は正規雇用を検討する方が良いでしょう。
派遣看護師で後悔しないためのチェックポイント
派遣看護師として後悔しないためには、契約前の情報収集が重要です。4つのポイントを確認しておきましょう。
医療専門の派遣会社を選ぶ
医療専門の派遣会社を選ぶことが、安心して働くために大切です。
医療業界に特化した派遣会社は、職場の実態や求められるスキルレベルを把握しており、希望条件に合った派遣先を紹介してくれる可能性が高くなります。
たとえば、「夜勤なしの訪問看護ステーション」「週3日勤務可能なクリニック」など、細かい条件にも対応してもらいやすいのが特徴です。一般的な派遣会社では、医療現場特有の事情への理解が不足しているケースもあるため、会社選びは慎重におこないましょう。
事前に業務範囲を確認する
契約前に業務範囲を書面で確認しておくことで、入職後のトラブルを防げます。
担当する診療科や業務内容、夜勤やオンコールの有無などを明らかにしないまま契約すると、実際の業務とのギャップが生じやすくなります。不明点は派遣会社の担当者を通じて事前に解消しておきましょう。
教育体制を把握する
派遣先の教育体制を事前に確認することも重要です。
派遣看護師は即戦力として扱われることが多く、十分な引き継ぎや研修が受けられないケースもあります。「オリエンテーションの有無」「わからないことを相談できる環境があるか」を派遣会社経由で確認しておくと、入職後の不安を軽減できます。
社会保険や福利厚生を調べておく
社会保険や福利厚生の内容は、派遣会社によって大きく異なります。
一般的に、週20時間以上かつ2ヶ月超の雇用見込みがある場合は社会保険への加入が義務づけられています。一方で、短時間勤務や短期契約では加入できない場合もあるため、契約前に加入条件を確認しておきましょう。
また、交通費支給や有給休暇、資格取得支援などの福利厚生も確認しておくと、待遇をより正確に把握できます。
看護師が派遣で働く際の注意点に関するよくある質問
看護師が派遣という働き方を選ぶときの注意点について、よくある質問とその回答をご紹します。
Q1:ずっと派遣看護師として働くことはできますか?
同じ派遣先で長期間働き続けることは難しいでしょう。
というのも、労働者派遣法によって、同じ職場で働ける期間は最長3年と決まっているからです。
ただし、紹介予定派遣という制度を活用すると、一定期間、派遣看護師として勤務したあと、派遣先と本人の双方が合意のうえで直接雇用に切り替えられます。
Q2:派遣看護師がしんどいと言われるのはなぜですか?
しんどいと言われる理由はおもに3つあります。
まず、即戦力として期待されるため入職直後から十分な教育を受けられず、慣れない環境でもスムーズに業務をこなすことが求められがちです。また、契約期間ごとに職場が変わるため、人間関係や業務フローを始めから覚え直す必要があります。
さらに、常勤スタッフとの距離感を感じやすく、孤立しやすい環境になるケースもあります。職場の雰囲気や教育体制を確認して派遣先を選ぶことで、こうした負担を軽減できるでしょう。
Q3:派遣看護師は急に辞められますか?
原則として、契約期間中の退職は認められません。
労働契約法上、やむを得ない事情がない限りは、契約期間中の途中退職はトラブルの原因になるため注意が必要です。ただし、体調不良やハラスメントなど正当な理由がある場合は、派遣会社に相談することで契約終了の手続きを進められるケースがあります。
1人で判断せず、派遣会社の担当者に状況を正直に伝えることが重要です。
派遣看護師としての注意点を踏まえて理想の働き方を実現しよう
派遣看護師として働く際には、法律による制限や給与の違い、トラブルのリスクなど、さまざまな注意点があります。これらを理解して、派遣という働き方が自分の希望やキャリアプランに合っているか慎重に検討しましょう。
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日勤のみで働ける事業所もあり、ワークライフバランスを重視しながら看護師のキャリアを継続できます。ぜひ一度求人を探してみてください。
<参考サイト・文献>
労働者派遣事業を行うことができない業務は・・・|厚生労働省
NsPace Careerナビ 編集部 「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。
