看護師の日勤時間は?二交代制と三交代制の時間やスケジュールを紹介

「一般的な日勤の勤務時間を知りたい」「夜勤がきついから日勤だけで働きたい」
このように悩んでいる看護師もいるでしょう。看護師の日勤の勤務時間は、二交代制や三交代制といった勤務形態によって異なります。
この記事では、看護師の一般的な日勤時間や勤務形態別のスケジュールについて解説します。日勤のみで働く場合のメリット・デメリットも紹介しているため、日勤だけの職場への転職を検討している看護師はぜひ参考にしてください。
看護師の日勤時間は原則8:00~17:00
看護師の日勤時間は、原則として8:00~17:00です。
しかし、病院やクリニックによって勤務時間は異なる場合があります。たとえば、9:00~18:00が勤務時間の病院の外来や、10:00~19:00のクリニックもあるでしょう。
看護師の勤務時間は、労働基準法によって1日8時間、週40時間までと定められています。多くの医療機関では、休憩時間を1時間としているため、9時間くらい病院で過ごしても実働時間は8時間です。
また、看護師の勤務時間は、配属される部署によっても異なる場合があります。外来や手術室、内視鏡室などは、日勤のみの勤務となる場合が多く、一方で、病棟や救急外来などは、夜勤を含む交代制勤務となることが一般的です。
看護師の日勤時間【勤務形態別】
看護師の勤務形態には、大きくわけて次の3種類があります。
- 2交代制の日勤時間(例)8:00~17:00
- 3交代制の日勤時間(例)8:00~17:00
- 変則交代勤務の日勤時間(例)8:30~19:30
勤務形態によって日勤の時間帯やスケジュールが異なるため、それぞれ確認しましょう。
2交代制の日勤時間(例)8:00~17:00
2交代制は、日勤と夜勤の2つの交代制で勤務する形態です。
日勤は8:00~17:00、夜勤は16:00~9:00という勤務にわかれ、看護師が交代で患者さまをケアします。
2交代制は、夜勤の拘束時間が長いため、体力的に負担を感じる場合がありますが、夜勤明けの時間を有効活用しやすいでしょう。
3交代制の日勤時間(例)8:00~17:00
3交代制は、次のように日勤や準夜勤、深夜勤の交代制で勤務します。
- 日勤:8:00~17:00
- 準夜勤:16:00~1:00
- 深夜勤:0:30~9:00
これらの時間は、職場によって異なります。2交代制に比べて、3交代制は夜勤の拘束時間が短いため、体力的な負担は少ないでしょう。
変則交代勤務の日勤時間(例)8:30~19:30
近年、看護師の働き方改革が進められており、多様な勤務携帯が導入されています。そのなかでも、変則交代勤務は柔軟なスタッフの配置を可能にするため注目されています。
変則交代勤務は、2交代制と3交代制を組み合わせた勤務形態です。
例として、日勤は8:30~19:30、夜勤は19:00~9:00といった時間帯で勤務します。
変則交代勤務は、日勤の拘束時間が長いため、体力的に負担を感じる場合があるものの、夜勤の時間や回数が少なく、生活リズムを保ちやすいと感じる看護師もいます。
また、看護師の勤務時間には、早番や遅番といった勤務もあり、早番は7:00~16:00、遅番は11:00~20:00といった時間帯での勤務が一般的です。
早番は、比較的早い時間に退勤できるため、プライベートの時間を確保でき、遅番は午前中の時間を有効活用しやすいのが特徴です。
下記の記事では、看護師の勤務時間について、2交代制や3交代制の違いやそれぞれのシフト例とともに解説しているため、参考にしてみてください。
関連記事:看護師の勤務時間は?平均の勤務時間や2交代制・3交代制のシフト例
看護師の日勤時間帯のスケジュール
看護師の日勤時間帯のスケジュールは、勤務先や業務内容によって異なります。ここでは、基本的な看護師の日勤スケジュールを解説します。
時間 | 業務内容 |
8:00~ | 出勤・情報収集 |
8:30~ | 夜勤者からの引き継ぎ ・担当患者さまへのあいさつ ・配薬 |
9:30~ | 清潔ケアの実施 ・バイタルサインの測定 ・検査室やリハビリテーション室への搬送 ・看護記録の実施 |
11:00~ | 交代で休憩へ |
12:00~ | 配膳 ・食事介助と口腔ケア |
12:30~ | 配薬 ・下膳 |
13:00~ | 午前中と同様の業務 |
14:00~ | カンファレンス |
16:00~ | 夜勤者への引き継ぎ |
17:00 | 退勤 |
上記はあくまで一例です。実際には、緊急対応や患者さまの状態によってスケジュールが変動する場合があります。
看護師が日勤の時間でおこなう業務内容
看護師が日勤でおこなう業務内容は多岐にわたります。ここでは、おもな業務内容について解説します。
- バイタルサインのチェック
- 清潔ケア
- 検査や処置のサポート
- カンファレンス
- 申し送り
それぞれの業務内容を詳しく見ていきましょう。
バイタルサインのチェック
看護師が日勤の時間帯でおこなう業務のひとつは、バイタルサインのチェックです。患者さまの体温や血圧、脈拍、呼吸など測定します。
バイタルサインを測定する回数は、病院ごとの規定や患者さまの状態によって異なります。たとえば、手術後や重篤な疾患の患者さまの場合は、1日に何度も測定しなければなりません。一方で、患者さまの状態が安定している場合は1日1回、日勤帯で実施します。
バイタルサインの情報は、患者さまの容態の変化にいち早く気づくために必要です。
清潔ケア
清潔ケアも日勤の看護師がおこなう業務です。というのも、日勤は夜勤に比べて看護師の数が多く、患者さま一人ひとりに時間をかけてケアを実施しやすい時間帯であるからです。
清潔ケアは患者さまの感染症予防や快適な療養生活を送るために欠かせません。具体的には、次のケアが含まれます。
- 入浴介助
- シャワー浴介助
- 清拭
- 洗髪
患者さまは、病気やケガによって、自分で身体を清潔に保つことが困難な場合があります。そのため患者さまの羞恥心に配慮しながら、丁寧に清潔ケアをおこなうことが大切です。
検査や処置のサポート
緊急のとき以外は、ほとんどのケースで日勤の時間帯で検査や処置がおこなわれます。
その理由は、胸腔穿刺や除細動などの処置、造影CT検査といった検査は、患者さまの状態に影響することもあり、スタッフが多い日勤に実施した方が緊急時にスムーズに対応できるからです。
看護師は、医師の指示のもと、患者さまの検査や処置をサポートします。具体的には、検査や処置の準備、患者さまの体位の調整、バイタルサインのチェックなどです。
患者さまは、検査や処置に対して不安や恐怖を感じることがあるため、患者さまに寄り添い、安心感を与えられるように努めることも看護師の役割のひとつです。
カンファレンス
カンファレンスは、患者さまにとって最善の治療を提供するために、日勤の時間帯におこなわれます。
なぜなら、日勤の時間帯は、多職種のスタッフが集まりやすく、タイムリーな情報共有と意思決定がしやすいからです。
患者さまのバイタルサインや治療経過、リハビリの進捗状況、治療への思いなど多岐にわたる情報を共有します。
専門職がそれぞれの視点から患者さまの状態を把握し、より適切な治療計画を立てられます。結果として、患者さまへのより良いケアにつながるでしょう。
申し送り
申し送りは、夜勤の看護師が患者さまの情報を正確に把握し質の高いケアを提供するために、日勤の看護師にとって重要な業務です。
たとえば、日中に起こった患者さまの変化や中止すべき薬を伝えていない場合、患者さまの状態が悪化したり、インシデントを引き起こしたりするリスクもあります。
病院や施設によっては、申し送りによる時間超過を削減するために申し送りを廃止し、ワークシートやカンファレンスなどによって効率的に情報伝達する方法を取り入れているところもあります。
申し送りやそれぞれの情報伝達の方法により、日勤の看護師は、夜勤の看護師がスムーズに業務を引き継げるようにしていくことが大切です。
看護師で日勤のみの時間で働くことができる職場
看護師が日勤のみで働くことができる職場は、病院やクリニック以外にもいくつかあります。ここでは、おもな職場を解説します。
- 訪問看護ステーション
- 病院の外来
- クリニック
- 一般企業
- 健診センター
それぞれの特徴を押さえて、あなたが理想とする働き方ができる職場を選びましょう。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションでは、おもに日勤の時間帯で利用者さま宅を訪問しケアをおこないます。病院やクリニックに比べて、利用者さまとじっくり向き合えることが特徴です。
しかし、訪問看護ステーションの多くはオンコール体制をとっており、夜間や休日にも対応しなければならない場合もあります。厚生労働省「社会保障審議会介護給付費分科会(第220回)」によるオンコールの実態の調査結果は次のとおりです。
加算 | 加算を届けている事業所の割合 |
緊急時訪問看護加算(介護保険) | 87.8% |
24時間対応加算(医療保険) | 88.5% |
この調査結果から、約9割の事業所がオンコール体制を取っていることがわかり、オンコールへの対応は訪問看護師の必須業務といえます。
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病院の外来
病院の外来は、日勤のみで働きたい看護師にとって、生活リズムを安定させ、プライベートも充実させられる職場といえます。
基本的に、外来勤務は日中の時間帯のみであるため、夜勤がなく、規則的な勤務時間で働けるからです。多くの病院外来では、9:00~18:00といった決まった時間帯での勤務となり、残業も少ない傾向にあるため、仕事とプライベートの両立が可能です。
仕事後の時間を家族や友人と過ごしたり、趣味や自己啓発に充てたりなど充実した毎日を送れるでしょう。
クリニック
日勤のみで働きたい看護師にとって、クリニックはワークライフバランスを重視した理想的な職場です。
なぜなら、クリニックの診療時間は一般的に日中の時間帯に設定されており、夜勤が発生することがほとんどないからです。
クリニックでの看護師の業務は、診療補助、患者さんのケア、事務作業などが中心となります。病院に比べて残業が少ない傾向にあるため、仕事後の時間を有効活用できます。
しかし、透析クリニックや美容クリニックなどでは、夜遅くまで開いているところもあるため、ホームページや求人情報をチェックすることが重要です。
一般企業
一般企業で働く看護師は、日勤のみの勤務で、ワークライフバランスを重視した生活を送れます。一般企業の勤務時間は、基本的に日中の時間帯に設定されているため、夜勤がなく、規則的な勤務時間で働けるからです。
一般企業の看護師の業務は次のとおりです。
- 社員の健康管理
- 健康相談
- 応急処置
ただし、一般企業の看護師は採用人数が少なく高倍率になりがちであるため、入念な準備を進めていくことが不可欠です。
関連記事:看護師が企業への転職を成功させるには?産業看護師以外の転職先や企業で働くメリットを解説
健診センター
健診センターでの看護業務は、日勤のみで規則正しい生活リズムを維持しながら、受診者の健康増進に貢献できる魅力的な職場です。
なぜなら、多くの健診センターでは、午前から午後にかけての勤務が中心であり、残業も少ない傾向にあるからです。さらに、一般企業の看護師と同じように土日祝日が休みの場合も多く、プライベートの時間を有効活用できます
看護師のおもな業務は、受診者の問診や身体測定、採血などをおこない、健診結果にもとづいて、生活習慣の改善や医療機関の受診を促すことです。
日勤のみで働きたい看護師は、健診センターで働くメリット・デメリットを理解したうえで、自分のライフスタイルやキャリアプランに合った職場を選ぶことが重要です。
看護師が日勤のみで働くメリット・デメリット
ここでは、看護師が日勤のみで働く場合のメリットとデメリットを紹介します。それぞれを知って、あなたの理想の働き方を実現しましょう。
看護師が日勤のみで働くメリット
看護師が日勤のみで働くメリットは、次のとおりです。
- 生活リズムを保ちやすい
- 夜勤による体力的な負担がない
- 家族や友人との時間を確保しやすい
日勤のみの勤務は、生活リズムが安定するため、体調が崩れにくいのが特徴です。睡眠不足や疲労を感じにくく、仕事とプライベートを両立しやすい傾向です。
また、家族や友人との時間を確保しやすいこともメリットといえるでしょう。
看護師が日勤のみで働くデメリット
看護師が日勤のみで働くメリットがある一方で、いくつかデメリットもあります。
- 夜勤手当がないため、収入が少なくなる
- 夜勤に比べて、スキルアップの機会が少ない
- 職場によっては、土日祝日に出勤する必要がある
日勤のみの勤務の場合、夜勤手当がないため、収入が少なくなる傾向があります。日本看護協会の「2023年病院看護実態調査」によると、夜勤手当の1回あたりの平均支給額は2交代制で1万1,368円、3交代制(深夜勤)で5,199円です。
2交代制の場合、1ヶ月あたりの夜勤回数は4.9回であるため、月に約5万5,000円、年間だと約66万円少なくなる計算です。
夜勤手当は、看護師の収入において大きな割合を占めるため、収入を重視する方は注意が必要です。
また、日勤のみの勤務は、夜勤に比べて、予定の検査や処置の回数が少なくなるため、スキルアップしにくい可能性があります。
さらに、職場によっては、土日祝日の出勤求められるため、ホームページや求人情報などで勤務時間を事前に確認しておきましょう。
まとめ:看護師の日勤の時間を知って自分に合った働き方を見つけよう
基本的に、看護師の日勤の時間は8:00~17:00です。
労働基準法によって1日8時間、週40時間までと決められていますが、勤務する時間は勤務形態や職場によって異なります。
日勤のみで働くことには、生活リズムを保ちやすい、体力的な負担が少ないといったメリットがある一方で、収入が減るといったデメリットもあるため、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。
<参考サイト・文献>

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