准看護師の資格は通信制でとれる?働きながら取得する4つのコツを紹介

公開日:2025/03/12 更新日:2025/03/12
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「働きながら准看護師の資格をとりたいけど、通信制でとれるの?」「できるだけお金をかけずに准看護師の資格をとりたい!」

仕事を続けながら准看護師の資格取得を考える方は、このような疑問をもっているのではないでしょうか。

この記事では、仕事を辞めずに准看護師の資格を得るコツとかかる費用、資格を取った後の就職先について紹介します。

できるだけ費用の負担を減らして准看護師を目指したい方は、ぜひ参考にしてください。

准看護師の資格を通信制で取得するのは難しい

准看護師の資格は、通信教育ではとれません。

准看護師の養成学校の授業には、病院や施設での現地実習が含まれるからです。

通信制で准看護師の資格は取れないものの、働きながら資格をとる方法もあります。学校の選び方や勉強の工夫次第で、仕事と資格の取得の両立は可能です。

また、すでに准看護師の資格を持っている方が看護師を目指す場合は、通信教育で学べることもあります。詳しくは、下記の記事をご覧ください。

関連記事:正看護師は通信制でもとれる!働きながら資格をとるコツ4つと費用を紹介

准看護師の資格は働きながら取得可能|受験資格を得る2つの方法

仕事を続けながら准看護師の資格をとる場合、働き方に合った養成学校を選ぶことが大切です。ここでは、准看護師の受験資格を得るために、2つの養成学校のカリキュラムを解説します。

1.半日制の養成学校に通う

半日制の学校では、週5日で平日の午後や夜間に授業を受けます。

午前中は時間を自由に使えるため、病院でアルバイトをしたり、今の仕事を続けたりすることが可能です。

ただし、学校に通う2年間のうち、2年目になると病院での看護実習が始まるため、働きながら通っている方は仕事を調整しなければなりません。

2.全日制の養成学校に通う

全日制では、授業が朝から夕方までおこなわれ、週3日通うのが一般的です。

ただし、学校によっては週5日以上のところもあります。学ぶ期間は半日制と同じく2年間で、2年目になると看護実習が始まります。

全日制の場合、授業のない日は仕事ができるため、全日制、もしくは半日制、自分の生活スタイルに合ったカリキュラムの学校を選びましょう。

働きながら准看護師の資格を取得する4つのコツ

仕事を続けながら准看護師の資格取得を目指すコツは、次のとおりです。

  • 自身のライフスタイルに合った学校を選ぶ
  • スケジュール管理を徹底する
  • 職場の理解を得られるように上司や同僚に相談する
  • 休息をしっかりとり体調を整える

ひとつずつ見ていきましょう。

自身のライフスタイルに合った学校を選ぶ

仕事や家庭の事情によって、通いやすい学校は変わります。

たとえば、小さな子どもがいる方は、半日制で夜間に学校へ通うのが難しいかもしれません。

そのため、学校の募集要項を十分に確認して、自分の生活リズムに合い、無理なく通い続けられる時間帯の学校を選びましょう。

スケジュール管理を徹底する

仕事や家事をしながら勉強するためには、計画的なスケジュール管理が欠かせません。

1日の予定をあらかじめ決めておくと、勉強時間を確保できます。カレンダーやスマートフォンのアプリを使って、仕事や勉強、リフレッシュなどの時間を決めておくことをおすすめします。

職場の理解を得られるように上司や同僚に相談する

仕事と学校を両立するためには、職場の協力も重要です。

あらかじめ上司や同僚に相談すると、仕事の調整をしてもらえる可能性があります。

とくに、実習が始まると平日の日中に実習をおこなわなければならず、試験前には相当数の試験科目の勉強が必要です。

職場の理解を得ておくと、仕事の調整がスムーズで、学業に専念しやすいでしょう。

休息をしっかりとり体調を整える

仕事と家庭、学業のすべてに取り組むためには、自身の体調管理が不可欠です。無理しすぎると体調を崩し、仕事も勉強もおろそかになる恐れがあります。

十分な睡眠とバランスのとれた食事を心がけ、健康的な生活を送りましょう。

准看護師資格を得るまでにかかる費用

准看護師資格を得るまでには、次の費用がかかるのが一般的です。

かかる費用の内訳費用
月の授業料2万5,000円~4万円
年間の授業料30万円~48万円
参考:Q&A(よくある質問)|一般社団法人 日本准看護師連絡協議会

このほかに、教材費や実習費用等がかかるため、年間で50万円、2年間では約100万円を準備しておく必要があります。お金を払うのが難しい方や学費の負担を減らしたい方は、次に紹介する助成制度を活用しましょう。

准看護師養成所へ通学中に利用できる助成制度

助成制度を活用すると、毎月の授業料の負担を減らせます。次で紹介する助成制度を利用して、経済的な負担を軽減しましょう。

奨学金制度

准看護師の養成学校に通う間、奨学金制度を受けられます。奨学金を受けられる団体は、次のとおりです。

奨学金を受ける団体特徴
都道府県・自治体卒業後、指定病院で決められた期間就労することで返済が免除
病院附属学校一定期間その病院に勤務(条件のない場合もある)
日本学生支援機構卒業後働きながら返済が必要(月額3万円からの少額融資もできる)
参考:Q&A(よくある質問)|一般社団法人 日本准看護師連絡協議会

奨学金の額は、利用する団体によって異なります。複数の奨学金を受けられるケースもあるため、学校を選ぶ前に確認しましょう。

病院からの看護学生への支援

病院独自の支援制度を活用する場合は、准看護師の学校を卒業した後に、その病院や関連施設での一定期間の就労を条件とすることもあります。

どのくらいの支援を受けられるかは病院によって異なります。

准看護師の資格取得後に働きたい病院が決まっているときは、支援制度の有無を確認したり、支援制度がある病院を選んだりすることもひとつの方法です。

准看護師養成学校への入学試験の難易度

准看護師の養成学校への入学は「中学校卒業」の学力の習得が基本的な入学要件です。一般的に、養成学校の入学試験では次の教科が出題される傾向です。

  • 国語
  • 数学
  • 英語
  • 一般常識

これらの教科は中学で学ぶ内容となっているため、中学レベルの教科書を見返して学習すると合格する可能性が高まります。

また、学校によっては、面接や小論文が課されることもあるため、しっかり対策をして、自信をもって試験にのぞみましょう。

准看護師を取得したら活躍できる場所

准看護師は、次の就業先で活躍できます。

  • 訪問看護ステーション
  • 病院
  • クリニック
  • 介護施設

施設ごとの准看護師の役割について解説します。

訪問看護ステーション

訪問看護ステーションは、高齢化社会の進展にともない、需要が高まっている分野です。

准看護師は看護師の指示のもと、在宅療養中の利用者さまの自宅を訪問し、ケアや医療処置、日常生活の援助などをおこないます。

訪問看護ステーションで働くことに興味がある方は「NsPaceCareer」を活用してみてはいかがでしょうか。准看護師向けの求人も数多く取り揃えているため、まずは登録してみましょう。

病院

病院で働く准看護師は、入院患者さまのケアがおもな仕事です。病院の准看護師の仕事内容は次のとおりです。

  • 病棟での日常生活援助
  • 医療処置の補助
  • 患者さまの観察

准看護師の業務内容は看護師とほぼ同じですが、看護師の指示を受けて行動する点で異なります。

クリニック

クリニックでは、外来患者さまの対応や医師の診療補助をおこないます。准看護師の業務内容は、次のとおりです。

  • 患者さまの受付
  • 診察の補助
  • 処置の介助

クリニックは、地域住民にとって普段から通院しているかかりつけ医で健康管理を担うため、地域医療に貢献したい方に向いているでしょう。

介護施設

介護施設も高齢化社会の影響で需要が高い分野です。高齢者施設や障害者施設などで、准看護師は次の業務を担当します。

  • 入所者の健康管理
  • 日常生活の援助
  • 医療的ケアの提供
  • 健康状態の観察
  • 服薬管理
  • 簡単な医療処置

介護職員と協力して、利用者さまが健康で安心した生活を送れるようサポートします。

准看護師で働くメリット・デメリット

准看護師として働くことには、メリットとデメリットの両方があります。それぞれ詳しく見てみましょう。

准看護師のメリット

准看護師として働くメリットは、次のとおりです。

  • 就職や転職に困らない
  • 看護師と比べると短期間かつ低コストで資格を取得できる
  • ライフステージを問わず目指しやすい資格

厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」によると、看護職(看護師・准看護師)の有効求人倍率は2.20倍です。

職業計が1.19倍であり、看護職は人手不足であるため、准看護師は就職先に困るケースは少ないといえます。

また、看護師と比較して、准看護師は短期間で資格を得られるため、結婚や育児などの状況に合わせやすいでしょう。

准看護師のデメリット

准看護師で働くメリットがある一方で、次のデメリットがあげられます。

  • 看護師と比べて給与が低い
  • 業務内容がハードできつい
  • 管理職やリーダー職への昇進が難しい

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、准看護師の平均年収は407万1,100円です。一方で、看護師は508万1,700円であるため、約101万円の差があります。

准看護師は看護師と資格が違うものの、同じような業務をおこなうことが多いため、業務負担を感じやすいでしょう。

また、キャリアアップを目指すには看護師資格の取得が求められるため、管理職やリーダー職に昇進する機会が限られているのもデメリットのひとつです。

これらの准看護師のデメリットを踏まえたうえで、自分のライフスタイルやキャリアの目標に合った働き方を考えることが大切です。資格を取得して働き始めたあとも、スキルアップを意識して、目標に進んでいきましょう。

准看護師と看護師の違い

准看護師と看護師の異なる点は、ケアを提供するためには、医師や看護師の指示を受けなければならないことです。おもな違いは、次のとおりです。

項目准看護師看護師
定義医師や看護師などの指示を受けて療養上の世話または診療の補助をおこなう療養上の世話または診療の補助をおこなう
看護業務医師や看護師の指示があれば可能自分の判断で可能
資格の管轄都道府県知事厚生労働大臣
養成学校の入学要件中学校卒業高校卒業
参考:准看護師に関するよくあるご質問|公益社団法人日本看護協会

准看護師と看護師、両者の仕事内容に大きな違いはありませんが、管理職の業務やリーダー業務などは看護師がおこなうべきだと日本看護協会は明言しています。

准看護師として働くうちに「管理業務にかかわりたい」と思うときが、看護師を目指すタイミングといえるでしょう。

関連記事:准看護師とは?准看護師と看護師の違いやできない4つのことを解説!

准看護師から看護師は働きながら目指せる

准看護師として働きながら看護師を目指すことは十分に可能です。

多くの医療機関や教育機関が、働きながら学べるプログラムを提供しているためです。

働く准看護師のために設けているプログラムは、おもに定時制と通信制があります。それぞれの特徴は、次のとおりです。

項目定時制通信制
受験資格を得られるまでの期間3年2年
入学条件准看護師の資格保有(中学卒業の場合、実務経験3年以上必要)准看護師の実務経験7年以上
特徴・昼間定時制と夜間定時制
・1、2年次は異なる授業時間帯
・学校によって平日に授業がない ・3年次は実習がメイン
・実習は病院での見学実習が中心
・登校して受ける授業や事例検討
・登校日数は授業や試験などによって規定
・放送大学併用のカリキュラム
参考:准看護師のための進学特設サイト|日本看護協会

最終学歴や実務経験の年数によって、定時制、もしくは通信制に入学できるプログラムが異なります。

最短3年で看護師の受験資格は得られますが、生活スタイルと合わないと体調を崩したり、疲れがとりにくかったりすると、仕事にも学業にも集中できなくなります。

自分の体調管理ができる学校を選び、仕事と学業を両立させましょう。

准看護師で働きながら受けられる看護師への転向支援

多くの医療機関や都道府県などが、准看護師から看護師への転向を支援しています。おもに受けられる支援は、次のとおりです。

支援団体支援額特徴
日本看護協会年間36万円~48万円・対象は看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者
・無利息の貸与型
・金利なし
・限定条件なし
・ほかの奨学金との併用が可能 ・貸与終了年の翌年10月から返還(最長4年以内)
都道府県都道府県ごとに異なる・資格を取得したあと指定医療機関で看護師として就職
・返済免除制度あり
勤務先の病院病院で異なる・国家試験合格後に勤務先の病院で働く条件付き(奨学金の返済が免除されるケースもある)
・返済途中の退職は、残金を一括で返済しなければいけない
参考: 看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者に対する奨学金|公益社団法人日本看護協会 助成金等|公益社団法人日本看護協会

これらの制度を活用することで、看護師になるための費用の負担を軽減できます。学校に通っているときに働けない不安も少なくなるでしょう。

支援を考えている場合は、住んでいる地域や勤務先が提供している制度を確認してみてください。

准看護師資格は通信以外でも働きながら取得可能!支援制度を活用しましょう

准看護師資格は、通信教育以外でも働きながら取得できます。

半日制や全日制の養成学校に通いながら、仕事を続けることが可能です。また、奨学金制度や病院からの支援など、経済的なサポートも充実しています。

自分のライフスタイルに合った学校や支援制度を活用し、無理なく資格取得を目指しましょう。

<参考サイト・文献>

社会人が働きながら准看護師になるためには|一般社団法人 日本准看護師連絡協議会

看護師等(看護職員)の確保を巡る状況|厚生労働省

令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省 

看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者に対する奨学金|公益社団法人日本看護協会

助成金等|公益社団法人日本看護協会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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