看護師がホワイト病院に転職する方法!特徴9つとブラック病院を見分けるコツ

「今の病院、時間外労働が多くて体力的にも精神的にもきつい」「転職したいけど、どんな病院を選べば良いかわからない」
看護師でこのように悩んでいる方はいませんか。
病院や施設によって、労働環境は大きく異なり、働きやすい「ホワイト病院」がある一方で、心身ともに疲弊してしまうブラック病院も存在します。
ホワイト病院で働けると、スムーズにスキルアップできたり、キャリアアップの道が拓けたりします。
この記事では、ホワイト病院の特徴とブラック病院を見分けるためのコツを解説します。この記事を読めば、あなたが転職先を選ぶ際に役立つ情報が手に入り、理想の職場を見つけられるでしょう。
看護師が働きやすいホワイト病院の9つの特徴
看護師が働きやすいホワイト病院には、次の9つの特徴があります。
- 退職者が少ない
- 教育体制とサポート体制が充実している
- 人間関係が良好である
- 有給休暇が取りやすい
- 看護師の経験年数に偏りがない
- 時間外勤務が短い
- 福利厚生が豊富である
- 勤務時間内で研修や勉強会が開催されている
- 病院内が整理整頓されている
それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。
退職者が少ない
退職者が少ない病院は、看護師にとって働きやすい環境である可能性が高いです。
退職者の少なさは、多くの看護師の方が「この病院で長く働きたい」と感じているからです。
定着率が高さは、人間関係や労働条件などの職場環境が良いことをあらわしています。具体的には、スタッフ間のコミュニケーションが円滑で協力体制が整っていたり、仕事とプライベートのバランスが取りやすかったりなどが挙げられます。
また、ホワイト病院であれば、子育てと仕事を両立しやすい環境が整っているため、産休や育休から戻ってくる方も多いようです。
教育体制とサポート体制が充実している
ホワイト病院では、新人看護師や中途採用の看護師が仕事をスムーズに覚え、職場に慣れるように、次のような手厚い教育体制とサポート体制が整っている傾向があります。
- プリセプター制度
- メンター制度
- スキルアップ研修制度
- 資格取得の支援制度
これらの制度があることで、常に新しい知識やスキルを習得できます。一方で、自己成長ばかりを求めたり、人手不足でしっかり指導できなかったりする職場は不安を強く感じるだけではなく医療事故につながるリスクがあるため要注意です。
人間関係が良好である
人間関係が良好な病院は、看護師同士が協力し合っており、チームワークを重視する雰囲気があるため、働きやすいでしょう。お互いに助け合える環境は、仕事のストレスを軽減し、働きがいを高められます。
厚生労働省の「看護職員就業状況等実態調査結果」によると、現在の職場で看護職員を続けたい理由は「通勤が便利」(51.9%)に次いで「人間関係が良い」(39.2%)と続きます。
また「給料は低くても人間関係が良いところで働きたい」と考える方もいるくらい、看護師にとって人間関係は重要です。
有給休暇が取りやすい
有給休暇が取りやすい病院は、看護師のワークライフバランスを尊重しているホワイト病院である可能性が高いと考えられます。
医療の現場は、患者さまの急変の対応や救急患者への対応など、突発的な業務が多く、自由に有給休暇を取りにくい環境です。
ただし、業務分担がうまくでき看護師が協力し合える環境であると、有給休暇が取りやすく、連続して休みやすい場合もあります。
有給休暇を取得することで、仕事とプライベートを両立させることで、心身ともにリフレッシュし、より質の高いケアを提供できるでしょう。
看護師の経験年数に偏りがない
経験の浅い看護師からベテラン看護師まで幅広く在籍する病院は、ホワイト病院であると言えます。多様な経験年数の看護師の方が在籍するメリットは、
次のとおりです。
- 経験豊富なベテランから指導を受けられる
- さまざまなキャリアを持つ看護師からサポートを受けられる
- 意見交換が活発となり風通しの良い職場環境が生まれる
経験年数にバラつきがあれば、自身が経験年数を重ねても活躍しやすいでしょう。あらゆるキャリアパスがある看護師がいることで、将来のキャリアプランを描きやすくなります。
時間外勤務が短い
時間外勤務が短いことは、心身の健康維持につながり、仕事後の時間を趣味や家族との時間にできるため、ホワイト病院のひとつの指標です。
また、時間外勤務が短いことは、次のような背景があり看護師の業務効率が高いことを示しています。
- 効率的な業務体制
- 十分な人員配置
- 残業に対する意識の高さ
これらの要素があることで、看護師の方の負担が軽減され、ワークライフバランスが実現できる環境と言えるでしょう。
時間外勤務の短さは、ホワイト病院の重要な指標であり、看護師が心身ともに健康的に働き、充実した生活を送るうえで欠かせません。
福利厚生が豊富である
福利厚生が豊富なことは、看護師の方が働きやすい環境であるかどうかの重要な判断基準となります。
病院が福利厚生に力を入れていることは、看護師の方を大切にしていることのあらわれと言えるからです。具体的には、次のような福利厚生が充実していることがあげられます。
- 住宅手当や通勤手当などの手当
- 託児所や保養施設など施設
- キャリアアップの支援
これからホワイト病院であるか推測できます。福利厚生が充実している病院を選ぶことで、安心して働き続けられるでしょう。
勤務時間内で研修や勉強会が開催されている
勤務時間内での研修や勉強会の開催は、病院が看護師のスキルアップを支援し、負担を軽減しようとする姿勢のあらわれであるため、ホワイト病院であることの指標と言えます。
新しい知識やスキルを学ぶ機会があることで、より質の高いケアを提供できるようになり、それが患者さまへの貢献につながります。
また、勤務時間内に研修や勉強会がおこなわれることは、看護師の方の負担を軽減し、ワークライフバランスを向上させるため重要です。
一方で、勤務時間外に研修や勉強会がおこなわれたり、休日に学会への参加を求められたりする場合は注意が必要です。時間外の研修がすべてNGというわけではなく、時間外勤務手当や出張手当などが支給されるかを確認しましょう。
病院内が整理整頓されている
整理整頓されている病院は、安全な環境で働けるため、ホワイト病院の特徴です。具体的には、次のようなメリットをもたらします。
- 業務効率の向上
- 感染症のリスクを軽減
- 患者さまへの快適な空間の提供
その一方で、整理整頓ができておらず不衛生な環境である職場は、時間をかけられないくらい忙しく、ブラック病院の可能性があります。
看護師がホワイト病院とブラック病院を見分けるコツ
転職を検討する際に、ホワイト病院とブラック病院を見分けるためのコツをご紹介します。
- 求人情報が常に出ていないか
- 求人情報の内容が充実しているか
- 看護基準と病床するが合っているか
- 年間休日が111.6日以上か
- 夜勤体制と夜勤回数は適切か
- キャリアアップ制度が整備されているか
- 病院見学やインターンシップを実施しているか
それぞれのコツを見分けて、自分にとって働きやすい環境を見つけましょう。
求人情報が常に出ていないか
常に求人を出している病院は、慢性的な人手不足の恐れがあります。
常に人手不足という状況は、労働条件や人間関係に問題があり看護師の方が定着できない、もしくは新しい看護師の方が入ってこない可能性があるからです。
ただし、常に求人を出している病院にも、新しい病院や事業拡大中の病院など、例外もあります。求人があまり出てこない場合は看護師の方の定着率が高く、人気の求人であるため狙い目と言えるでしょう。
求人情報の内容が充実しているか
求人情報の内容を詳しく書いている病院は、情報公開に積極的で、透明性が高いと考えられます。たとえば、次のように求職者が知りたい情報がしっかりと記載されているか確認しましょう。
- 給与
- 勤務時間
- 福利厚生
あいまいな情報や「要相談」の項目が多い場合、求人情報とは異なる条件で働かなければならないリスクがあるため注意してください。
看護基準と病床するが合っているか
看護基準と病床数が合っているかチェックすることも、ホワイト病院に転職するために不可欠です。
看護師1人あたりの受け持ち患者数が多いと、看護師の方の負担が大きくなりがちです。たとえば、看護基準が10:1の場合と比べて、7:1の場合は業務負担が少ないかもしれません。
ただし、患者さまの病気や障害、ケガの程度などによって業務負担は変わってくるため、病院が対象とする患者さまの病気や状況を把握することが大事です。
年間休日が111.6日以上か
年間休日が111.6日以上あるかどうかは、ホワイト病院に転職するための重要な判断基準のひとつです。
日本看護協会「2023年病院看護実態調査 報告書」によると、就業規則で決められた年間の休日数は「120~130日未満」が44.1%で、次いで「110~120日未満」が31.7%でした。
平均は116.6日であったため、この年間休日数をもとに求人情報をチェックしてください。
ワークライフバランスを重視して働きたいと考えている方は、訪問看護ステーションで働いてみませんか。訪問看護の分野は、年間休日数が多く、時間外勤務が少ない傾向であるため、理想の働き方を実現できるでしょう。
「NsPaceCareer」は、訪問看護業界に特化した求人サイトであり、あなたの希望に合った求人を見つけられます。
夜勤体制と夜勤回数は適切か
夜勤体制と夜勤回数を確認して、働きやすさを判断しましょう。夜勤体制の調査結果は、次の表を参照してください。
夜勤体制 | 割合(%) |
2交代制(1回あたり16時間未満) | 18.2 |
2交代制(1回あたり16時間以上) | 75.5 |
3交代制(変則含む) | 28.8 |
その他 | 1.1 |
1か月あたりの夜勤回数は、3交代制の場合は平均7.5回、2交代制の場合は平均4.9回となっています。この数値を目安に、自分の働き方に合っているか考えましょう。
キャリアアップ制度が整備されているか
キャリアアップ制度が整備されている病院は、看護師の成長を支援しているため、ホワイト病院の可能性があります。
キャリアアップ制度が充実している病院であると、着実に昇給できたり役職に就けたりするため、働くモチベーションも維持しやすいからです。
長く活躍したい方は、研修制度や資格取得のサポートのほかに、上司や先輩からのサポート体制など、どのようなサポートを受けられるかしっかりと確認しましょう。
病院見学やインターンシップを実施しているか
病院見学やインターンシップを実施しているところは、ホワイト病院と言えるでしょう。
求職者はスタッフの表情や職場の雰囲気、患者さまへのケアなどを確認できる一方で、病院にとっては、内部を公開することで、職場環境に問題があれば求職者に敬遠されるリスクがあるからです。
それでも病院見学やインターンシップを実施するということは、自院の職場環境に自信があることのあらわれです。しかし、これらを実施していない病院が必ずしもブラック病院とは限りません。
積極的に参加して、情報収集を十分におこない、後悔のない転職先を選びましょう。
看護師がホワイト病院に転職する方法
ホワイト病院に転職するためには、次のステップを踏むと良いでしょう。
- 希望の条件や避けたい条件をリストアップする
- 転職先を複数考える
- 病院見学やインターンシップに参加して雰囲気を確認する
- 求人サイトや転職先サイトを活用する
それぞれのステップを詳しく解説します。
希望の条件や避けたい条件をリストアップする
まず、あなたが転職先に求める条件を、次のようにリストアップすることから始めましょう。
希望条件 | ポイント |
給与 | 希望する給与額や夜勤手当、残業手当などの待遇は十分か |
勤務時間 | 日勤のみ・夜勤あり・時短勤務など自分のライフスタイルに合う勤務時間か |
休日 | 年間休日数や有給取得率など、休日に関する希望と合うか |
教育体制 | スキルアップの支援体制や研修制度など、教育体制が充実しているか |
雰囲気 | 人間関係やチームワークなど、職場の雰囲気は合うか |
希望条件と妥協できない条件を明らかにすることで、転職活動の軸が決まり、求人情報を比較検討する際に役立ちます。これらの情報を整理しておくことで、後悔のない転職先選びができるでしょう。
転職先を複数考える
希望条件と避けたい条件をリストアップしたら、複数の転職先の候補を考えましょう。
転職先を比較検討することで、より自分に合った職場を見つけられるからです。
気になる病院がある場合は、病院のホームページから募集要項や病院の理念などを確認してください。
病院見学やインターンシップに参加して雰囲気を確認する
気になる病院があれば、病院見学やインターンシップに参加して、職場の雰囲気を体感してみましょう。求人情報だけではわからない職場の雰囲気を肌で感じられます。
求人サイトや転職先サイトを活用する
求人サイトや転職エージェントは、効率的に転職活動を進めるための強い味方です。
これらのサービスを積極的に活用することで、多くの求人情報に触れられ、自分に合った職場を見つけるチャンスが広がります。
転職活動は、時間と労力を要するものです。しかし、自分に合った職場を見つけられると、充実した看護師生活を送られるため、うまく活用しましょう。
看護師が働きやすいホワイト病院の特徴を押さえてより良い職場に転職しよう
看護師の方がホワイト病院に転職するには、教育体制の充実度や年間休日の多さなど、働きやすい職場の特徴を理解することが重要です。
転職先に求める条件を明らかにできれば、ブラック病院を避けられます。ホワイト病院の基準は人それぞれなので、志望する職場の情報収集をしっかりおこない、長期活躍できるかどうかを考えましょう。
より良い職場への転職は、あなたのキャリアを豊かにするだけでなく、心身の健康にもつながります。ぜひ、この記事を参考に、積極的に行動してみてください。
<参考サイト・文献>

「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。