男性看護師が少ない理由5つ!将来性や活躍できる職場を詳しく紹介

公開日:2025/02/19 更新日:2025/02/19
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「男性看護師はなぜ少ないの?」「男性看護師の需要はないの?」

このように疑問を感じていませんか。

一昔前は、看護師=女性というイメージがありましたが、現在では男性看護師の方が様々な場所で活躍しています。

しかし、それでも看護業界は女性が多く、男性は少ないというのが現状です。

この記事では、男性看護師が少ない理由や活躍できる職場、将来性を高めるためのポイントを紹介します。男性看護師を目指している方、または興味がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

男性看護師が少ない理由5つ

日本における男性看護師の方の割合は、少ないのが現状です。厚生労働省の「令和4年衛生行政報告例」によると、看護師全体のうち男性看護師の割合は、わずか8.6%です。男性看護師が少数派であることがわかります。この背景には、次の理由があります。

  • 一般男性と比べて男性看護師の年収が低い
  • 精神的・身体的な負担が大きい
  • 女性看護師の割合が多く人間関係がつらい
  • 患者さまに女性看護師を希望されてしまう
  • 将来性を描きにくい

ここでは、主な理由を5つ紹介します。

一般男性と比べて男性看護師の年収が低い

一般男性の平均年収と比較して、男性看護師の方の年収は低い傾向です。

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は480万5,800円(※)です。一方で、国税局の「令和5年分民間給与実態統計調査」よると、一般男性の平均年収は569万円です。

男性看護師の平均年収は、超過労働給与(時間外手当や早出手当など)をのぞいたもので計算されているものの、一般男性と比較すると、やや低い水準にあるといえるでしょう。

※所定内給与額:きまって支給する給与のうち所定外労働給与(早出、残業、臨時の呼出、休日出勤等の実労働時間数)以外のもので計算

関連記事:男性看護師の年収は高い?年収アップのコツやおすすめの職場5選を解説

精神的・身体的な負担が大きい

看護師の方の仕事は、体力だけでなく精神的な負担も大きい仕事です。

夜勤や残業などから生活が不規則になりやすく、患者さまの死に立ち会う場面やクレーム対応に追われるケースなど精神的につらく感じることも少なくないからです。

さらに、男性看護師の方は、女性よりも体力があると思われ、体格の良い患者さまを担当したり、入浴介助やおむつ交換といった、いわゆる「力仕事」を頼まれたりするため、身体的な負担も大きくなります。

女性看護師の割合が多く人間関係がつらい

看護業界は、女性看護師の方の割合が91.4%を占めることから女性が多い職場です。

そのため、男性看護師の方は肩身が狭いと感じたり、人間関係に悩んだりする場合があります。女性特有の人間関係に馴染めない男性看護師の方もいるようです。

患者さまに女性看護師を希望されてしまう

一部の患者さまは、男性看護師の方のケアを拒否することがあります。

とくに、シャワー浴介助や陰部洗浄、おむつ交換といったデリケートなケアを拒否しやすい傾向です。なかには、異性からのケアすべてに抵抗を感じる患者さまもいます。

ケアをしようとする際に「女性看護師さんに変わってください」「男の人に身体を拭いてもらうのはちょっと…」といわれることもあり、男性看護師の方にとってつらい経験となるかもしれません。

将来性を描きにくい

男性看護師の方は、キャリアアップの道筋を描きにくいと感じる場合があります。

看護師長や管理職を目指すにしても「男性の管理職は数名まで」もしくは「男性の管理職の割合は10%未満まで」などとしている職場もあり、競争率が高くなりやすいからです。また、男性向けのキャリアパスが明らかになっていないため(女性の場合は妊娠や出産に関しても含んでいることがある)、昇進や昇給の機会が少ないと感じる男性看護師の方もいます。

男性看護師としてのやりがいとメリット

男性看護師の方が少ない現状にはさまざまな理由がありますが、男性看護師として働くことにはやりがいやメリットがあります。

  • 女性看護師や患者さまから頼りにされやすい
  • 収入や雇用が安定している
  • 男性看護師の結束が固い

それぞれをみていきましょう。

女性看護師や患者さまから頼りにされやすい

男性看護師の方のやりがいのひとつとして、女性看護師の方や患者さまから頼りにされることが挙げられます。

男性看護師の方は、力仕事や体力が必要な場面で頼りにされることが多い傾向です。患者さまの移乗や体位交換など、体力が必要な業務をスムーズにおこなうことで、周囲のスタッフから感謝されることがあります。

また、患者さまからも「男性看護師は頼りになるね」といわれることがあるかもしれません。

男性ならではの落ち着きや力強さが、患者さまに安心感を与えることがあるようです。周囲の人々から頼りにされ、感謝されることは、男性看護師の方にとってやりがいにつながります。

収入や雇用が安定している

看護師は慢性的な人手不足であり、男性看護師の方も例外ではありません。厚生労働省の「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」によると、令和2年の看護職員(看護師・准看護師)の有効求人倍率は2.20倍でした。一方で、全職業は1.19倍でした。

そのため、男性看護師の方は就職に困ることはほとんどなく、売り手市場の状態といえます。

また、男性看護師の方の給与は、ほかの職種と比較すると安定しており、夜勤手当や残業手当などの各種手当も充実しています。

男性看護師の結束が固い

男性看護師の数は女性看護師に比べて少ないです。

ただし、その分、男性看護師の方の結束は固く、情報交換や悩み相談など同じ立場の人と話すことで共感できます。

男性看護師のコミュニティに参加することで、似た状況で働く仲間と交流し、孤独感を解消できることで、より充実した看護師生活を送れるでしょう。

男性看護師は「やめとけ」といわれるわけとデメリット

男性看護師の方には、やりがいやメリットがある一方で、次の理由から「やめとけ」といわれたり、デメリットと感じたりすることもあります。

  • 女性看護師が多く肩身が狭いと感じる
  • 相談できる上司や同僚が少ない
  • 良くも悪くも目立つ
  • 転職先の選択肢が狭まり後悔する

それぞれを詳しく見ていきましょう。

女性看護師が多く肩身が狭いと感じる

男性看護師の方のデメリットとして、職場環境におけるジェンダーギャップが挙げられます。看護師の方の職場は女性が圧倒的に多いため、男性看護師の方はさまざまな場面で不便さを感じることもあります。

たとえば、男性用の更衣室がなかったり、トイレが別の階にあったりなど設備が男性に十分に対応していない場合があるかもしれません。

また、男性看護師の方に対する偏見や固定観念が残っている職場もあり、働きづらさを感じることもあるでしょう。

相談できる上司や同僚が少ない

男性看護師の特有の悩みやキャリアアップについて、同じ男性看護師に相談したいと感じる方もいるでしょう。

しかし、職場に男性看護師の方が少ない場合、気軽に相談できる相手を見つけることは難しいです。また、上司が女性看護師の方である場合、男性看護師の方の悩みを理解してもらいにくいと感じるかもしれません。

このような状況は、男性看護師の方にとって孤独感や不安感につながる可能性があります。

良くも悪くも目立つ

男性看護師の方は、職場において良くも悪くも目立つ存在です。少数派であるがゆえに、注目を集めやすく、頼りにされる場面も多いでしょう。

しかし、その一方で、些細なミスも目立ちやすく、プレッシャーを感じやすいかもしれません。たとえば、男性看護師の方がちょっとしたミスをした際に、病棟内ですぐに周知されます。

また、患者さまやほかのスタッフから、力仕事といった性別役割を期待されると、男性看護師としての役割を意識せざるを得ないでしょう。

転職先の選択肢が狭まり後悔する

女性看護師の方と比べて、男性看護師の方は、転職先の選択肢が狭まりやすく、これが後悔につながる恐れがあります。

とくに、産科や婦人科といった女性の患者さまがメインの科では、男性看護師の方の募集はありません。

また、病院や施設の方針として、男性看護師の方の採用に積極的ではないところもあるようです。

ですが、多くの場合看護師の人手が不足しており、男性看護師の方が闇雲に採用されないということではありません。

男性看護師が将来性を描くためのポイント

男性看護師として活躍するためには、将来を見据えたキャリアプランが重要です。

  • 新たな資格の取得を目指す
  • 男性看護師が多い職場を選ぶ
  • 転職を検討する

ここでは、将来性を描くためのポイントを紹介します。

新たな資格の取得を目指す

男性看護師の方が将来性を描くための重要なポイントのひとつとして、新たな資格の取得が挙げられます。専門性を高めるために、次の資格の取得を検討してみてください。

  • 認定看護師
  • 専門看護師
  • 診療看護師
  • 認定看護管理者

新たな資格の取得は、キャリアアップにつながり、給与アップも見込めます。これらの資格を取得することで、特定の分野における専門知識やスキルを証明でき、より高度な医療現場で活躍できるでしょう。

男性看護師が多い職場を選ぶ

男性看護師の方が将来性を描くうえで、男性が多い職場を選ぶことは重要です。

男性特有の悩みやキャリアパスへの不安などを共有し、相談し合える仲間がいることは、精神的な支えになるからです。たとえば、訪問看護ステーションや急性期の病院などでは、男性看護師が多いといわれています。

また、男性看護師が多い職場では、ロールモデルとなる先輩がいたり、管理職を目指しやすい環境であったりするなど、キャリアプランをイメージしやすい環境である可能性があります。

男性看護師が多い職場を探す際には、求人情報の「男性看護師が活躍中」や「男性看護師歓迎」といったキーワードに注目することが大切です。病院のホームページや採用情報に掲載されている男性看護師の方の活躍事例やインタビューを確認したり、転職エージェントに相談して内部事情に詳しい情報を得たりすると良いでしょう。

転職を検討する

男性看護師の方が将来性を描くための重要な手段として、転職を検討することが挙げられます。

今の職場に不満がある場合は、より働きやすい環境やキャリアアップの機会が豊富な職場への転職を検討することも有効です。

次の章で男性看護師が活躍できる職場を詳しく紹介しているため、積極的に応募してみましょう。

男性看護師が活躍できる転職先

男性看護師が活躍できる転職先としては、次の職場が挙げられます。

  • 訪問看護ステーション
  • 急性期の病院
  • 起業する

それぞれの職場の特徴を見ていきましょう。

訪問看護ステーション

男性看護師の方が多く活躍できる職場として、訪問看護ステーションが挙げられます。

たとえば、利用者さまの移乗や体位交換などの力仕事では体力的な強みが活かせたり、利用者さまやご家族と信頼関係を築き、感謝の言葉をもらえたりします。

さらに、訪問看護ステーションによっては、夜勤がない場合や短時間勤務が可能な場合もあり、多様な働き方の実現がメリットです。

訪問看護ステーションへの転職を考えている男性看護師の方は「NsPaceCareer」を活用してみてください。訪問看護に特化した求人サイトであり、豊富な求人からあなたにあった職場を選べるでしょう。

急性期の病院

急性期の病院は、救急患者や手術患者など、重症患者の治療をおこなう病院であり、男性看護師の方が体力や判断力を活かして活躍できる場として知られています。

とくに、救命救急センターや集中治療室、手術室といった部署では、患者さまの急変に対応するために、迅速な判断力や体力が必要とされるため、男性看護師の存在が重宝されます。

急性期の病院は、高度な医療技術を学ぶ機会も多く、スキルアップを目指せる環境です。最新の医療機器や治療法に触れられるため、専門知識や技術を磨きたいという意欲のある男性看護師にとって、魅力的な職場といえるでしょう。

起業する

病院や施設を飛び出して、自ら事業をはじめる男性看護師の方もいます。

今までの看護師経験を活かして、男性看護師向けのキャリアコンサルタントをしたり、看護師ライターとして活躍したりと、様々なチャレンジをしているケースがあります。

起業は簡単なことではありませんが、スキルアップの一つとして見据えることは前向きであり、自分らしい働き方ができるかもしれません。

関連記事:男性看護師の転職事情とは?ポイントやおすすめの勤務先 

まとめ:男性看護師こそ訪問看護ステーションを選んで後悔ない働き方を実現しよう

男性看護師の方は少数派ですが、活躍の場は広がっています。

男性看護師の方は頼りになる存在であり、その活躍の場はさらに広がると予想されます。資格・スキルによってキャリアアップや収入アップが望める仕事です。

この記事で紹介した内容を参考に、ご自身のキャリアプランを考え、後悔のない働き方を見つけてください。

<参考サイト・文献>

令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況|厚生労働省

令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

令和5年分民間給与実態統計調査|国税局

毎月勤労統計調査で使用されている主な用語の説明|厚生労働省

看護師等(看護職員)の確保を巡る状況|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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