看護師がよく使う持ち物とは?必須アイテムやあると便利な物まで
看護師の仕事には、さまざまな持ち物が必要です。医療系アイテムや文具、その他の小物まで、毎日の業務をスムーズに行うためには正しいアイテム選びが重要となります。
この記事では、看護師が日常的に使う持ち物を紹介し、選び方のポイントまでをわかりやすく解説します。
看護師の主な持ち物:医療系アイテム
看護師の方が日常的に使用する医療系アイテムは、患者さまのバイタルサインの測定や日常生活の介助、医療処置に欠かせないものです。
医療系アイテムは職場に用意してあるものも多いですが、自分専用のものを持ち歩いている看護師の方もいます。
- 聴診器
- ナースウォッチ
- 駆血帯
- パルスオキシメーター
- 体温計
勤務する診療科や職場により日常的に使用する物品は異なりますが、今回は一般的に使われていることの多い上記のアイテムを紹介します。
聴診器
聴診器は、患者さまの呼吸音や心音、腸音などを聞くために使用します。医療現場では毎日のように使用するため、軽量で使いやすい高品質な聴診器が人気です。病棟では基本的に一人ひとりが自分専用の聴診器を使用していることが一般的でしょう。
カラフルなもの、軽量でコンパクトなものなどさまざまな種類があるので、お気に入りの聴診器を見つけて使っている看護師も多くいます。
ナースウォッチ
ナースウォッチは、クリップでポケットや白衣に留めることができる時計のことです。時間を確認するだけでなく、脈拍や呼吸数の確認、点滴の滴下速度の調整にも使用します。
職場によっては腕時計が使用可能となっているところもありますが、患者さまの介助の際に患者さまの肌を傷つけたり、汚染したりする可能性があるため推奨していない職場もあります。
駆血帯
駆血帯は採血や点滴の際に腕を縛って血管を浮き上がらせるための道具です。バンドタイプやチューブタイプが利用されています。
駆血帯は、基本的に採血や点滴を行う病院やクリニックに複数常備されているアイテムですが、自分専用の使いやすいものを個人で用意している看護師もいます。
パルスオキシメーター
パルスオキシメーターは、患者さまの血中酸素飽和度を簡易的に測定できる小型の医療機器です。バイタルサインの測定時や、症状のある患者さまの呼吸や循環動態の観察に用いられます。
パルスオキシメーターは最近ではさまざまなメーカーから販売されており、手軽に手に入るようになったため、個人持ちをしている看護師も増えています。
体温計
体温計は、看護師の日常業務に欠かせないアイテムのひとつです。迅速で正確な体温測定が可能な電子体温計が、医療現場では主流となっています。
看護師の業務中には病院やクリニックに設置された体温計を使用するシーンが多いでしょう。バイタルサイン測定の際にはチームに1個、または1人1個持ち歩いていることもよくあります。
看護師の主な持ち物:文具
看護師の仕事には、医療機器や医療雑貨だけでなくさまざまな文具も用いられます。看護師が日常的に持ち歩いていることの多い次の文具について紹介します。
- はさみ
- スケール
- 印鑑
- 油性ペン
- テープカッター
- バインダー
- メモ帳
- ペンケース
はさみ
はさみは包帯やテープのカットなど、さまざまなシーンで使用される必須アイテムです。
看護師がはさみを使うシーンは以下のとおりです。
- 包帯やガーゼのカット
- テープの裁断
- ドレッシング剤のサイズ調整
- 緊急時の衣服切断 など
はさみは患者さまの近くで使用することが多いので、刃先ガードが付いている医療用のものを選ぶとよいでしょう。
スケール
スケールは創傷のサイズ測定や記録などに使用します。汚れたときにすぐに消毒できる衛生的な素材のものを選ぶとよいでしょう。
ポケットに入り、いつでも取り出せるカード型のものや、看護師が業務中に確認したい情報(各種検査数値や、アセスメントツールなど)が記載されている便利なものなども市販されています。
印鑑
印鑑は書類へのサインやお薬のチェック、救急カートなどの物品の点検の際に押印します。近年では、電子カルテを利用する病院やクリニックが増えてきましたが、紙カルテの運用をしている職場では、とくに頻繁に使用します。
使用頻度が高いことから、インクの入れ替えをすれば長く使用できる使いやすい印鑑が人気です。持ち歩く際にキャップを紛失する危険性があるため、キャップレスでスライド式の印鑑がおすすめです。
油性ペン
油性ペンは皮膚や包帯へのマーキングや、ビニールテープへのメモ、検体容器への記名など、業務中のさまざまなシーンで使用します。キャップを紛失すると、白衣が汚れてしまいます。ノック式の油性ペンを選ぶとキャップをなくすリスクがなくなり便利です。
テープカッター
医療現場で使用している医療用テープは、はさみでもカットすることができますが、繰り返しテープを切っていると刃の部分に粘着剤が付着し、ベタベタしてきます。テープカッターがあると、はさみを使わずに手軽にテープをカットできます。カバー付きのテープカッターを使用すれば、テープの側面にホコリやゴミが付着することもありません。
テープは点滴のルートを固定したり、包帯を固定したりと日常的によく使用します。快適に使えるよう、テープと一緒にテープカッターを持ち歩いている看護師は多くいます。
クリップボード
その日の勤務のワークシートや予定表を持ち歩く際には、クリップボードを使用します。クリップボードを持っていると立ちながら安定して記録ができるため、患者さまの観察やバイタルサインの測定時に重宝します。
業務中に使用するクリップボードはA4サイズのものが基本ですが、ポケットやカバーが付いているものなどさまざまなタイプが市販されています。クリップボードから書類を落とすと個人情報の流出リスクがあるため、クリップの強度が強いものを選ぶとよいでしょう。
メモ帳
看護師の業務中には、申し送り事項や観察したこと、気づいたことなどをメモする場面がよくあります。そのため、コンパクトなメモ帳は必需品です。
メモ帳を活用するのは以下のような場面です。
- 申し送り事項の記録
- バイタルサインや症状の一時的な記録
- 医師からの指示内容を書き留める
- 患者さまからの要望や質問の記録
- 業務中の気づきややるべきことのメモ
とくに新人看護師にとってはメモ帳が大きな助けになることでしょう。新人看護師だけでなく、経験豊富な看護師も、複数の業務を同時に並行して進める際の記憶の補助として活用しています。
ペンケース
看護師は常に多くのアイテムを持ち歩いているため、ポケットに入るコンパクトなペンケースがあると便利です。必要な文具をまとめて収納し、すぐに取り出せるペンケースは、業務の効率化にも役立ちます。
また、防水性の素材のペンケースを選ぶと、消毒液や水などで濡れても安心です。かさばらないよう、必要最低限のサイズのペンケースに、使用頻度の高いアイテムを厳選して収納するとよいでしょう。
看護師の主な持ち物:その他のもの
看護師は、医療系アイテムや文具以外にもさまざまなものを使用しています。たとえば以下のようなものが挙げられます。
- ペンライト
- タイマー
- ポーチ
- ナースシューズ
それぞれ紹介していきます。
ペンライト
ペンライトは、瞳孔や口腔内の観察などに使用します。夜勤のときにはコンパクトな懐中電灯がわりに、手元を照らすためにも使えるためひとつ持っておくと非常に便利です。ライト本体に瞳孔サイズのゲージやスケールが付いているものあり、これらを使用すると観察の際に役立ちます。クリップ付きのものを選べば、ポケットに挟んで携帯できるためおすすめです。
ペンライトは勤務する診療科目によって使用頻度が異なります。神経内科や救急外来などでは日常的に使われますが、診療科によっては出番が少ないこともあるでしょう。
タイマー
点滴の終了時間に患者さまへ訪室できるようにしたり、薬の副作用が出ないかどうかを時間を決めて観察したりと、看護師は時間を計測しながら動く機会が多くあります。これらのシーンでは、タイマーを持ち歩いていると便利です。
また、看護師の仕事では複数の業務を同時に対応しなければならないことが多々あります。タイマーを利用することで、効率よく時間の管理を行うことができます。
看護師用に市販されているタイマーのなかには、電卓とタイマーの機能がどちらも使えるコンパクトなものや、点滴の滴下速度を計算する機能が備わっている便利なものもあります。
ポーチ
看護師は多くの道具を持ち歩くため、すぐにポケットが膨らんでしまいます。ポケットが重くなると肩こりの原因になったり、ふとした拍子にアイテムを床にばら撒いてしまったりする危険性も高まるでしょう。このようなリスクを防ぐために、ポーチを使用する看護師も増えてきています。
看護師が道具を持ち歩くためのポーチは、肩からかけるタイプ、腰に巻くウエストポーチタイプが一般的です。アルコール消毒液をポンプタイプのまま持ち運べるホルダー付きも人気です。医療機関によっては、使用できるポーチが指定されていることもあります。
ナースシューズ
ナースシューズは持ち歩くアイテムではありませんが、看護師にとって必需品です。長時間の立ち仕事でも体への負担を軽減する、快適に歩けるシューズを選びましょう。
足の疲れを防ぐために、クッション性の高いものや、弾力性のある中敷きが使われているものも市販されています。自分の足や好みに合ったものを選ぶことで、立ち仕事の疲れが軽減することもあります。
看護師の持ち物選びのポイント
ここからは、看護師の持ち物選びのポイントについて紹介します。以下の4つのポイントを意識するとよいでしょう。
- 機能性
- 携帯性
- 耐久性
- 清潔感
それぞれ解説します。
機能性
看護師の仕事は非常に忙しく、その業務内容も多岐にわたります。道具の使い勝手により効率が悪くならないよう、持ち歩くアイテムは目的に合わせ、機能性を重視しましょう。
また、患者さまの近くで道具を使用する機会も多いため、必ず安全に使えるものかどうかをチェックする必要があります。
携帯性
1日中歩き回りながら患者さまの処置やケアにあたる看護師は、持ち歩くものの携帯性も大切です。とくに日常的に持ち歩くアイテムは、コンパクトさや持ち歩きやすさを重視することで、長時間の勤務の負担が減らせます。
身軽に動けるよう、必要以上に物品を持ち歩きすぎないことも大切です。
耐久性
毎日使用するアイテムは、耐久性にもこだわりましょう。
とくに毎日履いて歩き回るナースシューズ、たくさんのアイテムを入れて動き回るポーチなどは、自分に合った使いやすいものを選ぶだけでなく、長く使用できる耐久性のあるものを選ぶことが大切です。耐久性のある道具を使うことで、長期的な視点で経済的にも業務効率の面でも役立ちます。
清潔感
看護師の持ち物は「清潔に使用し続けられるかどうか」も重要です。病院には、抵抗力の弱い患者さまや、感染症のある患者さまも多く訪れます。看護師が持ち物を介して感染症を広めてしまうリスクを避けるためには、清潔感は非常に重要です。
市販の看護師用のグッズは、抗菌素材が使われているものが多くあります。丸洗いや消毒に耐えられる素材であれば、長く清潔に使用することができるでしょう。
まとめ
この記事では、看護師が日常的に使用している持ち物について紹介しました。看護師の持ち物は、毎日の業務で使用する必要不可欠なものから、あると業務がスムーズになる便利グッズまで、その使用頻度や目的はさまざまです。所属する職場の仕事内容や自分の働き方に合わせて、徐々にカスタマイズしていきましょう。
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