看護師に必要な能力9つ!これからの看護師に求められるもの
「看護師に必要な能力って何だろう」「どうやってスキルを高めたら良いの?」
看護師の仕事は、多くの患者さまの命や健康にかかわる重要な役割を担っています。
そのため、どのような能力が必要で、どの能力がとくに大切なのか悩むこともあるでしょう。
この記事では、看護師に必要な9つの能力を具体的に解説し、それぞれの能力を伸ばすためのポイントも紹介します。安心して業務に取り組めるようになるための実践的なアドバイスとなっているため、ぜひ参考にしてください。
看護師に必要な9つの能力
まずは、看護師に必要な能力を紹介します。
- 看護スキルや知識の向上心
- コミュニケーション能力
- 患者さまのわずかな変化に気づける観察力
- 過酷な勤務を乗り越える体力
- ギャップに耐えられる精神力
- 優先順位を考えられる思考力
- 患者さまの命を預かる責任感
- 患者さまやご家族の状況を理解する共感力
- 周りの雰囲気を変えられる明るさ
それぞれの能力を詳しくみていきましょう。
看護スキルや知識の向上心
看護師が患者さまにより良いケアを提供するためには、スキルと知識の向上は欠かせません。
というのも、医療の現場では新しい治療法や薬などが導入され、これらの知識や情報を学び続けなければならないためです。たとえば、使い慣れない医療機器が必要な場合、間違った操作によって患者さま危険な状況にさらす恐れがあります。
定期的に学会や勉強会に参加して最新の知識を習得し「患者さまのために最善を尽くしたい」と自己研鑽することがスキル向上への原動力になるでしょう。
コミュニケーション能力
医療はチームでおこなわれるため、看護師にはコミュニケーション能力が必要です。
医師や同僚だけでなく、患者さまやご家族との信頼関係を築いたり、患者さまの表情や態度などから気持ちを汲み取ったりすることが大事です。
とくに、患者さまが言いにくいことを引き出す能力は、治療やケアなど意思決定をする場面で欠かせません。
患者さまのわずかな変化に気づける観察力
看護師にとって重要なのは、患者さまのわずかな変化に気づける観察力です。
患者さまには病気や障害があるため、体調の微妙な変化に気づき、それに対応することが看護師の役割です。
たとえば、患者さまの顔色や表情、食欲、皮膚の状態など、細やかな変化を見逃さないことが求められます。この観察力によって早い段階で異常を発見し、医師に報告することで、患者さまの状態の悪化を防げます。
このように、看護師の観察力は、患者さまの早期治療と回復を支える重要な要素です。
過酷な勤務を乗り越える体力
おもに病院や施設で従事する看護師には、夜勤や長時間の勤務など不規則な勤務が求められるため、この勤務を乗り越える体力は欠かせません。
体力がなければ、長時間の患者さまのケアや緊急入院の対応は難しいです。
とくに、緊急入院の場合は、患者さまの状態が思わしくなく、処置やケアが長時間に及ぶこともあります。緊張した状況に耐えるためには、体力と持久力が求められます。
ギャップに耐えられる精神力
看護師は、理想と現実のギャップに苦しむことがあるため、このような厳しい状況に耐えられる精神力が必要です。
実際の現場では、思うようにいかないことや厳しい状況に直面することが少なくありません。たとえば、患者さまの症状が改善せず助からないこともあり、看護師として無力感を覚えやすいです。
このようなときには、自分一人で抱え込まず同僚や上司、家族に相談して気持ちを整理することが大切です。
優先順位を考えられる思考力
看護師は、複数の業務を同時にこなさなければならない場面が多いため、緊急性の高い処置やケアを優先する一方で、後回しにできる業務を見極める力が必要です。たとえば、次のような場面があるでしょう。
- 清潔ケアの途中で検査室に呼ばれた
- ナースコール対応中に別の患者さまに声をかけられた
- リーダー業務中にリハビリテーション室と検査室から電話連絡がきた
こういった場面では、複数の患者さまが同時に対応を必要としています。どの患者さまに最初に対応すべきかを冷静に考える能力が看護師には求められます。
患者さまの命を預かる責任感
看護師のひとつのミスが患者さまの生命に影響するため、患者さまの命を預かるという責任が欠かせません。患者さまの治療方針を決定するのは医師ですが、点滴や投薬などをおこなうのは看護師です。
たとえば、内服薬の与薬量を間違えたり、アレルギーのある薬を投与したりするといった事例があります。
ダブルチェックをしてヒューマンエラーを防ごうとしているものの、責任感や緊張感がなければ重大な医療事故につながる可能性があります。
患者さまやご家族の状況を理解する共感力
看護師は、患者さまやご家族の立場に共感する能力が大切です。
患者さまには言いたくても言えないことがあり、それを察することで信頼関係が深まります。
実際に、患者さまが不安を感じているときに、その気持ちに寄り添い、安心感を与える対応が求められます。
たとえば、患者さまが「この先どうなるのか不安だ」とつぶやいたとき、医療的な説明だけではなく「心配な気持ちよくわかります。一緒に乗り越えていきましょう」と寄り添う言葉をかけることで、患者さまの不安な気持ちを少しでも軽くできるでしょう。
また、ご家族も患者さまの病気や治療に多くの不安を抱えています。その気持ちに寄り添い、話を聞く姿勢を示すことが大事です。
周りの雰囲気を変えられる明るさ
職場の雰囲気を良くする明るさは、とても重宝されます。
看護師が明るい態度で接することで患者さまの心も軽くなり、回復への意欲が高まることがあります。
たとえば、「おはようございます、今日も少しずつ頑張っていきましょうね」といった励ましの言葉や笑顔であいさつをすることが、患者さまの気持ちを前向きにするでしょう。
また、職場の同僚にも明るく接することで、職場の士気が向上して、より良いチームワークが生まれます。
看護師に必要な能力を高めるポイント
看護師として働くなかで、必要な能力を高めるにどうすれば良いのか悩むことはありませんか。スキルアップを目指したいけれど、どこから始めたら良いのか迷う方も多いでしょう。
- 看護師としての目標を明らかにする
- セミナーや研修会に参加する
- 仕事とプライベートで気持ちを切り替える
- 円滑なコミュニケーションを意識する
- 不安がある時は相談をする
ここで、看護師に必要な能力を具体的にどのように高めていくか、実践的なポイントを詳しく解説します。
看護師としての目標を明らかにする
看護師に必要な能力を高めるためには、看護師としての目標が明らかにすることが重要です。
目標を持つことで、日々の業務における成長の方向性を意識し、努力を積み重ねられるようになるためです。
目標は短期的なものと長期的なものにわけて設定することが効果的です。たとえば「3ヵ月以内に特定の技術を習得する」といった短期目標や「2年後に専門資格を取得する」といった長期目標があることで、具体的な道筋を描きながら成長を実感できます。
さらに、目標は細かく達成可能なものであることが大切です。達成した際には自分を褒めることで、さらに次の目標に向けてのモチベーションを高められます。
セミナーや研修会に参加する
看護師が専門的なスキルや知識を高めるためには、院内の研修だけでなく、外部の研修会やセミナーに積極的に参加することが重要です。
院外での学びを取り入れることで、新しい知識やスキルを学び、スキルアップにつながるためです。
とくに、最新の医療技術や看護に関する知識を習得するためには、外部での学びが欠かせません。看護協会が主催する研修会や専門的なセミナーに参加することで、自分のスキルを高められます。
また、外部の研修に参加することで、ほかの医療機関の方と交流でき、異なる視点や新しいアイデアを得られるでしょう。
仕事とプライベートで気持ちを切り替える
仕事とプライベートで気持ちを大切に切り替えることは、看護師として必要な能力を高めるうえで重要です。
プライベートでリフレッシュすることで、仕事に集中して向き合えるためです。趣味の時間を作ったり、友人や家族と過ごす時間を大切にしたりすることで、自然と気分転換ができます。
リラックスできるルーティンを持つことも効果的で、日々のストレスをうまくリセットできるでしょう。
このように、仕事とプライベートの切り替えを意識することによって、患者さまへのケアに全力で取り組め、看護師としての能力をさらに向上させられます。
円滑なコミュニケーションを意識する
患者さまやご家族、医療職同士でのスムーズなコミュニケーションは、看護師としての能力アップに欠かせません。
コミュニケーションを円滑にするために、相手の立場を考え、相手に応じた情報の提供を意識することが必要です。また、患者さまに治療内容を説明する際には、医療知識のない方でも理解できるよう、わかりやすくかみ砕いて伝えることが大切です。
このように、相手に合わせたコミュニケーションを意識することで、看護師として認識を高められ、それが結果として自分の能力アップにつながります。
不安がある時は相談をする
不安がある時に先輩や上司に相談をすることは、看護師としてのスキルアップに直結します。
自信がないまま看護を行うことは、インシデントやアクシデントのもととなり、患者さまやご家族に不安を与える可能性があります。
多重課題や命にかかわる業務を行う上で、少しでも不安や迷いがある時は、周囲に相談をすることで、ダブルチェックを行え、安全なケアの提供が可能になります。
また、相談しながら経験を積むことで、自信が高まり、先輩や上司からのフィードバックを得られて、次のスキルアップに活かせます。
これからの看護師に求められるもの
医療の現場は常に変化し、看護師に求められる役割も多様化しています。これから看護師の方には、次のような幅広い視点が求められます。
- 在宅看護の視点
- 予防医療の視点
- 専門的な知識とスキル
- 変化に対応できる能力
- 多職種とのコミュニケーション能力
ここでは、未来の看護師に必要な視点や能力について詳しく紹介し、それらをどのように実践していくべきかを解説します。
在宅看護の視点
これからの看護には、在宅看護の視点が大切です。
在宅医療の推進により、住み慣れた自宅での生活を希望する患者さまが増えており、今後もその割合は増加すると考えられるためです。日本財団の調査によると、58.8%の人が人生の最期を自宅で迎えたいと回答しました。
訪問看護師として、患者さまの生活環境を整え、適切なケアを提供するための知識と技術を身につけることが大事です。
具体的には、患者さまとご家族の望む生活や目標を確認しながら、医師の指示のもと看護ケアの実施や、多職種連携によるサポートを行います。
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予防医療の視点
今後の看護において、予防医療の観点はより求められます。
看護師が予防医療の視点を持つことで、患者さまの健康を維持し、病気を未然に防ぐためのサポートが可能になります。たとえば、生活習慣病の予防のために、食事指導や運動のアドバイスをおこなうことが看護師の役割として重要です。
また、地域の健康イベントや啓発活動に参加し、住民への健康教育をおこなうことも地域の健康を支える役割を果たすことにつながります。
専門的な知識とスキル
看護師には、患者さまへ質の高いケアを実施するために、特定の分野に関する深い知識とスキルが求められます。
救急看護や緩和ケア、感染管理などの分野で専門知識を深めることで、より質の高い看護を提供することが可能です。
専門資格を取得することで、専門的な知識をほかのスタッフに共有してチーム全体のレベルアップに貢献できます。
関連記事:看護師に必要な知識と技術10選!これからの看護師に求められるもの
変化に対応できる能力
これからの看護師には、変化に対応できる能力が求められます。
医療現場は常に変化しており、新しい治療や薬の導入に柔軟に対応しなければならないためです。たとえば、新たな医療技術が導入されたり、紙カルテから電子カルテに変わったりしています。
これらに柔軟に対応するためには、学ぶ姿勢を常に持つことが大切です。自己研鑽を怠らず、変化を前向きに捉えることで、どのような環境でも適応できるでしょう。
多職種とのコミュニケーション能力
在宅看護の需要が増えるなかで、看護師には多職種との連携を図ることが求められています。
たとえば、在宅医療では医師や薬剤師、理学療法士、社会福祉士などさまざまな職種の方と協力する必要があります。それぞれの専門性を尊重しながら、患者さまにとって最善のケアを提供するための情報共有が重要です。
そのため、多職種との円滑なコミュニケーションを図ることで、連携を深めることが大切です。
まとめ:看護師に必要な能力を理解して高めることで患者ケアに活かそう
看護師に求められる能力はスキルや知識の向上、患者さまとのコミュニケーションなど多岐にわたります。
今後、さらに在宅看護の視点が必要であり、変化に対応できる柔軟さを備えた看護師が求められています。また、予防医療の視点を持ち、専門的な知識を深めることも重要です。
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<参考サイト・文献>
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