看護師がスキルアップできる資格一覧25選!プラスの資格を取るメリット
「看護師でスキルアップできるのはどの資格?」「プラスの資格を取るメリットを知りたい」
看護師の仕事は幅広く、専門性を高めることが求められます。
しかし、日々の忙しさのなかでどのようにスキルを伸ばしていけばよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。新たな資格を取得することで、より高度な知識やスキルを身につけられ、患者さまへのケアの質も向上します。
この記事では、看護師の方がスキルアップできるおすすめの資格を25種類ご紹介します。どの資格が自身に合っているのかを知り、不安を解消してスキルアップに取り組んでいきましょう。
看護師がスキルアップできる資格一覧【とくにおすすめの資格】
まずは、看護師の方がスキルアップできる資格のなかで、とくにおすすめの資格を紹介します。
- 専門看護師
- 認定看護師
- 診療看護師
- 認定看護管理者
- 助産師
- 保健師
それぞれの資格が看護師の方のスキルアップにどのようにつながるのか、またその資格の特徴などを紹介します。
専門看護師
専門看護師は14の分野において高度な専門知識とスキルを持ち、患者さまのケアや医療チームの指導をおこなうため、看護師の方がスキルアップできる資格です。資格を取得するための条件は次のとおりです。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・看護師の免許を保有している者 ・通算5年以上の実務経験がある者(そのうち3年以上は専門分野での経験) ・専門看護師の教育課程が修了している者 |
受験費用 | 51,700円(税込、検定料) *別途、教育機関の入試検定料や授業料などが必要 |
合格率 | 公式発表なし |
参考:専門看護師|日本看護協会
専門看護師になるには、看護系大学院の修士課程で26単位、もしくは38単位を取得したうえで、認定審査への合格が必要です。
専門看護師の方の役割は「実践」「相談」「調整」「倫理調整」「教育」「研究」です。多職種が協力してケアできるように調整し、エビデンスにもとづいて教育することなどが求められるため、プラス資格のなかでもハードルが高いといえます。
認定看護師
看護師がプラスで認定看護師の資格を取得すると、19の看護分野で熟練した看護技術と知識を活用して、水準の高いケアを実践できるためスキルアップにつながります。資格を取得するための条件は、次のとおりです。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・看護師の免許を保有している者 ・通算5年以上の実務経験がある者(そのうち3年以上は専門分野での経験) ・A課程、もしくはB課程の認定看護師の教育課程が修了した者 *認定審査は2026年度から、更新審査・再認定審査は2025年度から変更 |
受験費用 | 51,700円(税込、検定料) *別途、教育機関の入試検定料や授業料などが必要 |
合格率 | 公式発表なし |
参考:認定看護師|日本看護協会
認定看護師になるには、認定看護師の養成機関に通い、認定看護師の認定審査に合格することが求められます。
認定看護師には「実践」「指導」「相談」の役割があり、たとえば、感染管理の認定看護師は、院内感染の対策をおこなうことで、患者さまやスタッフの安全を守れるでしょう。
診療看護師
診療看護師は、医師の指示のもとで一定の診療行為ができるため、看護師の方がスキルアップできる資格のひとつです。診療の一部を担当でき、患者さまに迅速に対応できるため、医療現場での重要性が増しています。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・看護師の免許がある者 ・通算5年以上の実務経験がある者 ・看護系大学の大学院NP養成コース修了者/修了予定者 ・海外のNPの免許取得者 |
受験費用 | 30,000円(税込) *別途、教育機関の入試検定料や授業料などが必要 |
合格率 | 公式発表なし |
参考:2024年度 第15回NP資格認定試験受験の手引き|一般社団法人日本NP教育大学院協議会
診療看護師になるには、NP養成コースの大学院を修了し、資格認定試験に合格することが必要です。
認定看護管理者
認定看護管理者は、病院の管理者としてのスキルがあり、組織を発展させる能力があると認められた資格です。そのため、自身の管理職としての専門性を高めるだけではなく、ほかの看護師の成長にも役立てられるといえます。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・看護師の免許を保有している者 ・通算5年以上の実務経験がある者(うち、通算3年以上は看護師長相当以上の経験があること) ・ファーストレベル、セカンドレベル、サードレベルを修了した者 |
受験費用 | 51,700円(税込) *別途、教育機関の入試検定料や授業料などが必要 |
合格率 | 公式発表なし |
認定看護管理者になる条件は、認定審査の書類審査と筆記試験に合格することです。
認定看護管理者は、看護現場における管理職やマネジメントのエキスパートといえ、病棟の運営管理やスタッフの人材育成において、リーダーシップを発揮します。
助産師
助産師は妊娠・出産にかかわる専門職です。妊婦さんの健康管理や分娩をサポート、新生児へのケアを通して、看護師の方は周産期医療のスキルを高められます。病棟の新生児集中治療室(NICU)や産婦人科だけではなく、助産院を開設して活躍できるでしょう。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・看護師の資格を保有している者(受験時には資格取得見込みで可) ・女性 ・助産師養成課程を修了した者 |
受験費用 | 5,400円(税込) *別途、教育機関の入試検定料や授業料などが必要 |
合格率 | 98.8%(令和6年) |
助産師になるには、4年制大学で看護師と助産師の養成課程を修了して同時に国家試験を受験する方法があります。もしくは、看護師になった後で1年以上養成機関に通って受験する方法です。
保健師
看護師がプラスで保健師の資格を取ることで、地域社会での健康増進活動に取り組むスキルを身につけ、さらなるスキルアップが可能です。保健師は保健指導や予防活動を通じて地域の人々の健康を守り、看護師としての専門性を広げられます。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・看護師の資格を保有している者(受験時には資格取得見込みで可) ・保健師養成課程を修了した者 |
受験費用 | 5,400円(税込) *別途、教育機関の入試検定料や授業料などが必要 |
合格率 | 95.7%(令和6年) |
保健師になるには、4年制大学を卒業して同時に看護師と保健師の国家試験を受験する方法、または看護師になったあとで保健師課程を修了し国家試験を受ける方法があります。
看護師がスキルアップできる資格一覧【医療現場で活用できる資格】
医療現場では、より高度な知識とスキルが求められることが多く、とくに緊急対応や専門的なケアが必要な状況では、資格が役立ちます。ここでは、医療現場で活用できる資格を紹介します。
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 循環器専門ナース
- 慢性腎臓病療養指導看護師
- 栄養サポートチーム(NST)専門療法士
- BLS・ACLSプロバイダー
- PALSプロバイダー
- 消化器内視鏡技師
- 終末期ケア専門士
- リンパ浮腫療法士
これらの資格を取得することで、看護師の方のスキルアップができ、現場での対応力の向上が期待できます。
3学会合同呼吸療法認定士
看護師が3学会合同呼吸療法認定士の資格を取得することで、呼吸器疾患に対する専門的な知識と技術を身につけスキルアップが可能です。具体的には、人工呼吸器の管理や呼吸ケアなどをおこなえます。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・看護師の資格を保有している者(看護師以外の資格でも取得できる) ・実務経験が2年以上ある者 ・学会や講習会に参加して12.5点以上を取得した者(半日の学会に1度参加すると取得できる) |
受験費用 | e-ラーニングのみ:20,000円(税込) e-ラーニング+会場:30,000円(税込) |
合格率 | 66.1%(令和5年) |
参考: 第29回3学会合同呼吸療法認定士 認定講習会及び認定試験|公益財団法人 医療機器センター
3学会合同呼吸療法認定士になるためには、2日間にわたる講習を受講して認定試験に合格することが条件のひとつです。
循環器専門ナース
看護師が循環器専門ナースの資格を取得することで、心臓や血管の疾患に関する専門的な知識を深め、キャリアの向上につなげられます。
循環器専門ナースは、心臓病患者さまのケアをおこない、病状管理やリハビリテーションをサポートする重要な役割を担います。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・看護師の資格を保有している者(看護師以外の資格でも取得できる) ・看護師と准看護師、合わせて満5 年以上の実務経験がある者(ただし、看護師として1 年以上の経験が必要) |
受験費用 | ・ジェックス会員(無料会員を除く) :170,000 円(税込) ・ジェックス会員以外 :180,000 円(税込) |
合格率 | 公式発表なし |
参考:2024 年度 循環器専門ナース研修 冬季コース 募集要項|公益社団法人臨床心臓病学教育研究会
ジェックスの8日間の研修を受けて、認定試験に合格すると、循環器専門ナースとして働けます。
慢性腎臓病療養指導看護師
看護師が慢性腎臓病療養指導看護師の資格を取得できると、腎臓病患者さまへの療養サポートに特化した知識とスキルを磨き、専門性を高められます。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・看護師の資格を保有している者 ・5年以上の実務経験がある者(慢性腎臓病の看護の実務経験が3年以上) ・日本腎不全看護学会の正会員歴が通算で3年以上ある者 など |
受験費用 | 30,000円(税込) |
合格率 | 公式発表なし |
参考:第 22 回慢性腎臓病療養指導看護師 (CKDLN)認定審査要項|一般社団法人日本腎不全看護学会
慢性腎臓病療養指導看護師になるには、受験資格の審査に通ったあと、筆記試験で規定をクリアしなければなりません。
栄養サポートチーム(NST)専門療法士
看護師の方が栄養サポートチーム(NST)専門療法士の資格を取得すると、栄養管理の専門知識を強化し、スキルアップにつなげられます。この資格を持つことで、患者さまの栄養状態を改善し、回復を支援できます。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・看護師の資格を保有後、医療・福祉施設に3年以上勤務している者(看護師以外の資格でも取得できる) ・JSPEN会員で1回(10単位)以上学会に参加した者 ・栄養サポートにかかわる業務の経験がある者(年数は問われない) など |
受験費用 | 10,000円(税込) |
合格率 | 公式発表なし |
栄養サポートチーム(NST)専門療法士になるには、書類審査をパスして認定試験に合格する必要があります。
BLS・ACLSプロバイダー
看護師がBLS(一次救命処置)やACLS(二次救命処置)のプロバイダー資格を取得すると、緊急時の対応能力を高め、スキルアップにつなげられます。患者さまが急変したときに迅速かつ適切な救命処置が可能となります。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・BLS:資格は問われない ・ACLS:看護師の資格(看護師以外の資格でも取得できる)、AHA BLSの資格を保有している者(ACLS受講する前に「自己評価」を完了し正答率70 %以上を達成) ・いずれも講習を受講した者 |
受験費用 | BLS:18,480円(税込) ACLS:38,980円(税込) |
合格率 | 公式発表なし |
参考:BLS|NPO法人 日本ACLS協会ガイド ACLS|NPO法人 日本ACLS協会ガイド
BLSは1日(6時間くらい)、ACLSは2日(16時間くらい)の講習を受けたその日に筆記試験と実技試験があり、それぞれ合格すると認定証がもらえます。
PALSプロバイダー
PALSプロバイダーの資格では、小児救命処置に特化したスキルを習得できるため、看護師の方がスキルアップできます。とくに、小児科の病棟で役割を発揮できるでしょう。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・看護師の資格している者(看護師以外の資格でも取得できる) ・AHA BLS、AHA PEARS、いずれかの資格を保有している者 ・受講する前に「自己評価」を完了し正答率70 %以上を達成した者 |
受験費用 | 42,980円(税込) |
合格率 | 公式発表なし |
PALSプロバイダーになるには、2日間(18時間くらい)にわたる講習を受講して、実技・筆記、いずれの試験にも合格することが前提です。
消化器内視鏡技師
看護師が消化器内視鏡技師の資格を取得することで、内視鏡にかかわる専門知識と技術を習得し、キャリアアップを図れます。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・看護師の資格を保有している者(看護師以外の資格でも取得できる) ・消化器内視鏡学会が認定する専門医が在籍する施設で、内視鏡の実務経験が満2年以上ある者(過去5年以内) ・技師会・技師会各支部が主催する学会に2回以上出席した者 など |
受験費用 | 受験料:10,000円(税込)、認定料:10,000円(税込) |
合格率 | 公式発表なし |
参考:医療関係のみなさま|一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
消化器内視鏡技師になるには、書類審査と認定試験に合格する必要があります。
終末期ケア専門士
看護師が終末期ケア専門士の資格を取得することで、人生の最終段階にある患者さまに対するケアの専門知識を深め、スキルアップを実現できます。
この資格により、患者さまやご家族に寄り添いながら、質の高い終末期ケアを提供することが可能です。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・看護師の資格している者(看護師以外の資格でも取得できる) ・実務経験2年以上ある者 |
受験費用 | 11,000円(税込) |
合格率 | 65.6%(令和6年) |
終末期ケア専門士になる条件は、90問(択一、もしくは択多問題)の試験に合格することです。
リンパ浮腫療法士
看護師がリンパ浮腫療法士の資格を取得することで、リンパ浮腫の治療に関する専門的な知識と技術を身につけ、ケアの幅を広げることが可能です。この資格は、リンパ浮腫に対する治療やケアの質を高め、患者さまの生活の質を向上させることを目的としています。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・看護師の資格している者(看護師以外の資格でも取得できる) ・実務経験2年以上ある者 ・リンパ浮腫治療にかかわる研修を修了した者 など |
受験費用 | 16,500円(税込) |
合格率 | 公式発表なし |
リンパ浮腫療法士になるには、90分間でおこなわれる筆記試験 ・択一式(マークシート)が基準に達して合格することが必須条件です。
看護師がスキルアップできる資格一覧【施設で役立つ資格】
高齢化社会が進む中で、施設におけるケアの需要がますます高まっています。ここでは、施設でのケアに特化した資格を紹介します。
- ケアマネジャー
- 介護福祉士
- 福祉住環境コーディネーター
- 精神保健福祉士
- 認知症ケア専門士
- 認知症介助士
看護師の方が施設で役立つ資格を取得することで、利用者さまに対するケアの質を向上させられ、利用者さまが安心して生活を送れるようサポートできるでしょう。
ケアマネジャー
看護師の方がケアマネジャーの資格を取得することで、要介護・要支援認定を受けた方のケアマネジメントのスキルを身につき、キャリアアップに役立てられます。
ケアマネジャーは、介護支援のスペシャリストとして、個々のニーズに応じた適切なケアプランを作成し、利用者さまの生活を支援する役割を担います。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・看護師の資格している者(看護師以外の資格でも取得できる) ・保健医療福祉の分野で実務経験5年以上ある者 |
受験費用 | 9,700円(税込) |
合格率 | 21.0%(令和5年) |
ケアマネジャーになるには「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格したあと「介護支援実務研修」の87時間にわたる講義と実習を修了して、認定を受けなければなりません。
介護福祉士
看護師として働く方が介護福祉士の資格を取得することで、介護の現場における日常生活支援の専門的なスキルを深め、ケアの質を向上させることが可能です。
介護福祉士は、介護職唯一の国家資格であり、利用者さまの生活を支える重要な役割を担っています。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・養成施設ルートで履修した者(指定された養成施設等を卒業後に受験) ・福祉系高校ルートで履修した者(2009年度以降入学で、定められた科目・単位を取得し卒業して受験) ・実務経験ルートで履修した者(3年以上の実務経験および「実務者研修」を修了する受験) など |
受験費用 | 18,380円(税込) |
合格率 | 82.8%(令和6年) |
参考:介護福祉士国家試験|公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
介護福祉士になる条件は「養成施設ルート」「福祉系高校ルート」「実務経験ルート」の3つのルートを修了して、介護福祉士国家試験に合格することです。
福祉住環境コーディネーター
看護師が福祉住環境コーディネーターの資格を取得すれば、高齢者や障がいを持つ方が生活しやすい住環境にかかわる専門知識を得ることでスキルアップにつながります。
この資格を通じて、利用者さまが快適に過ごせるよう、バリアフリー化や福祉用具の導入を提案して住まいの改善を支援することが可能です。
項目 | ポイント |
受験資格 | 学歴や年齢の制限なく受験可能 |
受験費用 | ・1級:12,100円(税込) ・2級:7,700円(税込) ・3級:5,500円(税込) |
合格率 | ・1級:14.5% ・2級:41.8% ・3級:40.8%(1級のみ令和5年。ほかは令和6年) |
参考:福祉住環境コーディネーター|福祉住環境コーディネーター検定試験
福祉住環境コーディネーターになるための受験資格はとくに設けられておらず、誰でも受験できます。2級・3級と分けられており、自宅での受験も可能です。
精神保健福祉士
看護師が精神保健福祉士の資格を取得すると、精神的な問題を抱える方の支援に特化した専門知識を身につけられ、キャリアの幅を広げられます。精神保健福祉士は、通称「精神科ソーシャルワーカー」として、精神的な困難を抱える方々の生活を支援する資格です。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・4年制の大学や専門学校で指定科目を履修した者 ・3年制の大学や短大で指定科目を履修して実務経験を1~2年積んだ者 ・2年制の短大や専門学校で養成コースを修了し実務経験を2年積んだ者など |
受験費用 | 24,140円(税込) |
合格率 | 70.4%(令和6年) |
精神保健福祉士になるためには、12のルートから精神保健福祉士の国家試験に合格しなければなりません。
認知症ケア専門士
看護師が認知症ケア専門士の資格を取得することで、認知症のある方への専門的なケアに関する知識とスキルを深め、スキルアップを図れます。認知症の症状に合わせた適切な対応によって、患者さまの生活をより良いものにするサポートできます。
項目 | ポイント |
受験資格 | 認知症ケアに関する施設・団体で,3年以上の認知症ケアの実務経験を有する者(2014年4月1日~2024年3月31日の間において) |
受験費用 | ・第1次試験:4分野で12,000円(税込) ・第2次試験:8,000円(税込) |
合格率 | 45.7%(令和6年) |
参考:認知症ケア専門士認定試験|一般社団法人 日本認知症ケア学会
認知症ケア専門士になるためには、第1次試験(4分野)と第2次試験、いずれにも合格しなければなりません。
認知症介助士
看護師の方が認知症介助士の資格を取得することで、認知症のある方の日常生活をより効果的に支援するための知識とスキルを身につけられます。
項目 | ポイント |
受験資格 | 学歴や年齢の制限なく受験可能 |
受験費用 | 3,300円(税込) |
合格率 | 公式発表なし |
認知症介助士の受験資格はとくに設けられておらず、年齢や職歴など問わず受験できます。
看護師がスキルアップできる資格一覧【ほかの分野で活用できる資格】
看護師としての経験を活かしながら、医療現場だけでなくほかの分野でも役立てられる資格を取得することで、新たなキャリアの道を切り開けます。ここでは、看護師のスキルをほかの分野に応用するためにおすすめの資格を紹介します。
- 産業カウンセラー
- 公認心理師
- JADP認定チャイルドカウンセラー
- 体外受精コーディネーター
これらの資格を取ることで、医療の枠を超えてさまざまな働き方を実現でき、活躍の場を広げられるでしょう。
産業カウンセラー
看護師の方が産業カウンセラーの資格を取得することで、職場環境の改善や従業員のメンタルサポートに積極的に関わることが可能となり、キャリアの幅を広げられます。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・産業カウンセリングの学識および技能を修得するための講座を修了した者 ・大学院研究科で心理学または心理学の隣接諸科学や人間科学、人間関係学のいずれかの名称を冠する課程を修了した者など |
受験費用 | 公式発表なし |
合格率 | ・学科試験:68.6% ・実技試験:62.5%(いずれも令和5年) |
参考:産業カウンセラー試験|一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
産業カウンセラーになるには、産業カウンセラー試験に合格しなければなりません。
公認心理師
看護師の方が公認心理師の資格を取得することで、心理的なサポートを必要とする患者さまへの対応力を高め、メンタルヘルス支援にかかわるキャリアアップの道を広げられます。医療機関や教育機関、福祉施設など幅広い職場での活躍が期待されます。
項目 | ポイント |
受験資格 | ・4年制大学もしくは専門学校で所定の科目を、さらに大学院で所定の科目を修了した者 ・4年制大学もしくは専門学校で所定の科目を、さらに2年以上の実務経験がある者 ・海外の大学・大学院で心理科目を修了した者 など |
受験費用 | 28,700円(税込) |
合格率 | 76.2%(令和6年) |
参考:公認心理師試験|一般財団法人 公認心理士試験研修センター
公認心理師になるには、国家試験に合格する必要があります。
JADP認定チャイルドカウンセラー
看護師がJADP認定チャイルドカウンセラーを取得することで、子どものメンタルヘルスの専門的な知識と技術を得て、より幅広いケアをおこなえるようになります。また、小児科や保育施設などで活動することで、キャリアを拡充し、子どもの発達支援における専門性を高められます。
項目 | ポイント |
受験資格 | 協会指定の教育訓練で全カリキュラムを修了した者 |
受験費用 | 5,600円(税込) |
合格率 | 公式発表なし |
参考:JADP認定チャイルドカウンセラー|一般財団法人 日本能力開発推進協会
JADP認定チャイルドカウンセラーになるには、協会が指定する講座を受講して、試験に合格することが必要です。テキストを見ながら在宅で受験できるため、資格を取得する難易度は高くはないといえます。
体外受精コーディネーター
看護師の方が体外受精コーディネーターを取得することで、体外受精や顕微授精などの不妊治療を受ける方に情報提供や意思決定支援をおこなう役割をもつ資格のことです。不妊治療クリニックや病院での活躍の場が広がり、看護師としてのキャリアの幅をさらに広げられます。
項目 | ポイント |
受験資格 | 養成講座を3回以上受講 |
受験費用 | 15,000円(税込) |
合格率 | 公式発表なし |
参考:不妊カウンセラー・体外受精コ-ディネ-タ-養成講座について|特定非営利活動法人 日本不妊カウンセリング学会
体外受精コーディネーターになるには、養成講座を受講して、筆記試験と面接試験に合格する必要があります。
看護師がプラスの資格を取るメリット
看護師の方がプラスの資格を取得することのメリットは、看護師としてのキャリアの向上だけでなく、患者さまへのケアの質も高めることです。
- 専門領域でスキルアップできる
- キャリアアップできる
- 給与や待遇アップに期待できる
- 院内での役割が広がる
- 働く先や働き方の選択肢が広がる
- 転職するときのアピールになる
資格取得により、自信を持って業務に取り組め、さまざまな場面でリーダーシップを発揮できるようになります。ここでは、資格を取ることで得られる具体的なメリットについて詳しく説明します。
専門領域でスキルアップできる
資格を取得することで専門領域での知識とスキルを深められることがメリットです。
ほかの看護師に指導する機会が増えるだけではなく、医師やほかの医療スタッフとの連携がスムーズになり、チーム医療の一員としてより貢献できます。
また、高度なケアを提供することで、患者さまからの信頼を得られます。たとえば、専門看護師や認定看護師の資格を持つことで、特定分野においての専門性が評価され、患者さまにより安心感を提供できるでしょう。
キャリアアップできる
新たな資格を持つことで、管理職や専門職としてのキャリアアップが期待できます。
看護管理者や診療看護師などの資格を取得することで、病院内での昇進のチャンスが増え、リーダーシップを発揮する場面が多くなります。
とくに、看護師長や看護部長をはじめとする、人員の限られたポジションを狙う場合には、必要な資格を条件としていることもあるため、早いうちからチェックしておきましょう。
給与や待遇アップに期待できる
資格を持つことで「資格手当」がつくことで給与や待遇のアップが期待されます。
とくに、専門性の高い資格を持つことで、職場からの評価が高まり、給与が増加する可能性があります。たとえば、専門看護師や認定看護師の資格手当は次の表のとおりです。
プラスの資格 | 資格手当(毎月支払われる場合の平均額) |
専門看護師 | 1万1,279円 |
認定看護師 | 8,530円 |
参考:「2022 年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査」報告書|日本看護協会
また、資格を活かした役割が増えることで、待遇面での優遇が期待でき、仕事に対するモチベーションも向上するでしょう。
ただし、職場によって資格手当の有無や金額、該当する資格は異なるため、給料アップを期待している方は、就業規則を確認したり上司に相談したりしましょう。
院内での役割が広がる
看護師がプラスの資格を取得することで、院内での役割が広がることがメリットです。
チームのなかで専門的な立場から意見できるため、医療チームの一員としてより重要な役割を担うことが可能です。たとえば、栄養サポートチーム専門療法士や循環器専門ナースの資格を持つことで、医療チームに所属して患者さまのケアに専門的な視点から関与できます。
働く先や働き方の選択肢が広がる
プラスの資格を持つことで、働く先や働き方の選択肢が広がることも看護師の方にとってメリットです。
保健師や産業カウンセラーなどに資格は一般企業や役場、ケアマネジャーの資格は訪問看護ステーションや介護施設というように、さまざまな働き方を実現できるでしょう。
転職するときのアピールになる
プラスの資格を持つことで、転職時のアピールポイントになります。
たとえば、認定看護師や専門看護師の資格を持つことで、特定分野における経験とスキルが認められ、採用担当者に対して強力なアピールとなります。ほかの応募者と差別化を図れるでしょう。
これにより、希望する職場への転職が有利になり、キャリアの選択肢が広がることが期待できます。
看護師がプラスの資格を取るデメリット
資格取得には多くのメリットがありますが、同時に次のようなデメリットも存在します。
- 費用の負担が大きくなる
- 仕事と資格の取得を両立できなくなる
ここでは、看護師の方が資格取得を検討する際に知っておくべきデメリットについて詳しく説明します。デメリットを理解することで、自分に合った資格取得の方法を見つけやすくなるでしょう。
費用の負担が大きくなる
看護師の方が、プラスで資格を取得するときには次のような費用がかります。
- 受験料
- 研修や講座の受講料
- 交通費
資格によっては、数百万円以上の費用が必要な場合もあり、経済的な負担が大きくなる恐れがあります。
そのため、資格取得のための計画的な資金準備が重要です。また、職場からの補助が受けられる場合もあるため人事課や上司に確認して積極的に活用しましょう。
仕事と資格の取得を両立できなくなる
看護師の方がプラス資格を取得するデメリットは、仕事との両立が難しくなることです。
とくに、フルタイムで働きながら資格を取得しようとする場合、時間的な余裕がなくなり、身体的・精神的な負担が増すかもしれません。
そのため、無理のない計画を立て、周囲の協力を得ながら取り組むことが大切です。仕事とのバランスを取ることが難しい場合は、パートタイム勤務や学習期間中の休職を検討することもひとつの方法です。
看護師がスキルアップできる資格一覧に関するQ&A
ここで、看護師の方がプラスの資格を取得してスキルアップすることに関する疑問を解消しましょう。
Q1:通信でも取得できる資格はありますか?
いくつかの資格は通信講座でも取得できます。
たとえば、ケアマネジャーや認知症介助士などの資格は、通信講座を利用して学べます。通信講座を利用することで、仕事を続けながら自分のペースで学ぶことができ、時間の制約が少ない点が魅力です。
Q2:資格取得するときの費用負担を軽減する方法はありますか?
資格取得の費用負担を軽減する方法として、職場の奨学金制度や助成金の利用があります。
また、自治体が提供する補助金制度を利用することも検討できます。さらに、資格によっては教育訓練給付金の対象となるものもあり、受講費用の一部が支給される場合があります。
これらの制度をうまく活用することで、経済的な負担を軽減しながら資格取得に取り組めます。
まとめ:看護師はプラスの資格をアピールして転職を成功させよう
看護師の方がスキルアップを目指して資格を取得することで、キャリアアップや給与アップ、働く先の選択肢が広がります。
資格を持つことで自信を持って仕事に取り組め、患者さまに対してより質の高いケアの提供が可能になります。
また、転職時には資格が強みとなり、自分のキャリアをより魅力的にアピールできるため、自分に合った働き方を見つけ、転職を成功させましょう。
<参考サイト・文献>
2024年度第15回NP資格認定試験受験の手引き|一般社団法人日本NP教育大学院協議会
第110回保健師国家試験、第107回助産師国家試験及び第113回看護師国家試験の合格発表|厚生労働省
第29回3学会合同呼吸療法認定士 認定講習会及び認定試験|公益財団法人 医療機器センター
第29回3学会合同呼吸療法認定士 認定講習会及び認定試験|公益財団法人 医療機器センター
2024 年度 循環器専門ナース研修 冬季コース 募集要項|公益社団法人臨床心臓病学教育研究会
第 22 回慢性腎臓病療養指導看護師 (CKDLN)認定審査要項|一般社団法人日本腎不全看護学会
第26回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について|厚生労働省
福祉住環境コーディネーター|福祉住環境コーディネーター検定試験
精神保健福祉士国家試験|公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
第26回精神保健福祉士国家試験合格結果を公表します|厚生労働省
産業カウンセラー試験|一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。