看護師のダブルライセンスでおすすめの資格15選!医療系のメリットや実例

公開日:2024/11/09 更新日:2024/11/19
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「看護師でほかの資格を取るメリットは何?」「看護師はどのような資格を取ると良いの?」

働き方改革という言葉が目立つようになり、看護師として働きながら、将来についていろいろと悩む方もいらっしゃるでしょう。そんな看護師の方が悩みを解消するひとつの方法が「ダブルライセンスの取得」です。

看護師の資格のほかに、新たな資格を取得することで、業務の幅が広がったりスキルアップできたりなど、さまざまなメリットがあります。

この記事では、看護師の方がダブルライセンスの取得を目指すときにおすすめの資格やダブルライセンスのメリット・デメリットを解説します。看護師の方と関連性の高い資格を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

看護師のダブルライセンスでおすすめの医療系の資格

まずは、看護師の方のダブルライセンスでおすすめの医療系の資格を紹介します。

  • 専門看護師
  • 認定看護師
  • 保健師
  • 助産師
  • 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
  • 臨床工学技士
  • 栄養士・管理栄養士
  • 公認心理師
  • 救命救急士

どのような資格が看護師の方の幅広い業務に対応でき、キャリアアップにつながるのか。それぞれを詳しくみていきましょう。

専門看護師

専門看護師とは、日本看護協会が日本看護系大学協議会(※)と運営している資格であり、高い専門性を持ち、現場でケアをおこなう看護師のことです。

実務経験を通算で5年以上積んだうえで看護系大学院の修士課程を修了して、認定審査をパスできると専門看護師になることができます。

専門看護師の資格を新たに取得することで、特定の分野で専門知識やスキルを活かして患者さまをケアしたり、ほかの看護師の相談にのったりなどできるようになります。専門看護師については、下記の記事でも詳しく解説しているので参考にしてください

※日本看護系大学協議会:日本の看護教育の質の向上を目的として、看護系の大学が連携・協力する団体のこと。

関連記事:専門看護師とは?専門分野14個の種類や認定看護師との違いを解説! 

認定看護師

認定看護師とは、特定の分野で熟練した知識とスキルを有していると認められた資格であり、水準の高い看護ケアを実践する看護師のことです。

認定看護師になるには、通算で5年以上の実務経験を積み、指定の教育機関での教育を修了したうえで認定審査に合格しなければなりません。

認定看護師になることで、皮膚トラブルのケアや化学療法中の患者さまのケアなど、特定の分野で患者さまに専門的にかかわることができます。認定看護師については、下記の記事でも詳しく解説しています。

関連記事:認定看護師の種類一覧とは?19分野の一覧と難易度を詳しく解説

保健師

保健師は、おもに保健所や市区町村など自治体に勤務し、地域社会での健康管理を担当する資格です。

働きながら1年間、保健師の養成学校に通って保健師国家試験を受験する方法もありますが、4年制の看護大学で看護師とのダブル受験が一般的です。

保健師の方は、乳幼児から高齢者までを対象とした保健サービスを提供しています。具体的には、高血圧や糖尿病など生活習慣を予防するための教室、喫煙者に対する保健指導などを実施しています。

保健師の資格を取得することで、病院以外にも自治体や企業、学校の保健室など働く場所の選択肢が広がることが特徴です。

助産師

助産師は、妊娠・出産・産後における母子の健康管理を専門とする資格です。保健師と同じように、助産師になるためには、1年間助産師の養成学校に通い助産師国家試験に合格する必要があります。

助産師の方の仕事は、分娩介助や妊産婦のケア、産前・産後の母親に対する心理的なサポートなどです。ほかにも、新生児の健康診査や育児相談など、妊娠から出産後までの幅広いケアを提供します。

助産師の資格を取得すると産婦人科領域のキャリアアップや、助産院を開業する道も拓けます。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は、リハビリテーションを通じて患者さまの機能回復を支援する資格です。それぞれ養成学校に3年間以上通い、国家試験に合格しなければなりません。

看護師の方がリハビリテーションの知識を持つことで、患者さまのリハビリ計画の作成や個別ケアにおいて、より具体的で効果的なサポートがおこなえます。

また、ほかのリハビリ職種との連携がスムーズになり、チーム医療の一員としての貢献度も高まるでしょう。

臨床工学技士

臨床工学技士は、人工呼吸器や人工透析装置などを操作したり、医療機器の点検や管理をおこなったりする資格です。臨床工学技士の養成学校で3年以上学び、国家試験に合格する必要があります。

看護師の方が臨床工学技士の資格を取得することで、医療機器に詳しくなり業務の幅が広がります。とくに、集中治療室や手術室など、高度な医療機器を使用する現場では、機器のトラブルに迅速に対応できるため、患者さまの安全確保に大きく貢献できます。

これにより、看護師としての業務はもちろんのこと、プラスアルファの役割を獲得できるでしょう。

栄養士・管理栄養士

栄養士・管理栄養士は、栄養面から患者さまの健康を支援する職務です。

栄養士になるには、厚生労働大臣が指定した養成学校を卒業し、都道府県知事に申請して免許を受けられます。管理栄養士になるためには、栄養士の免許を取得したあとで国家試験に合格しなければなりません。

栄養士・管理栄養士の資格を取得すると、患者さまの食事管理に携われます。たとえば、患者さんの病状や希望に沿った栄養指導ができたり、栄養状態を把握して適切な食事計画を提案したりして、患者さまの回復を早める効果が期待できます。

また、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防の指導をおこなうことも可能であり、患者さまの生活の質を向上させられるでしょう。

公認心理師

公認心理師は、患者さまやその家族の心理的支援をおこなう専門資格です。4年制大学を卒業して、国家試験に合格することが公認心理師として働くための条件です。

看護師の方が心理的な支援の専門知識を持つことで、患者さまが抱える不安やストレスを軽減し、治療の効果を高められる可能性があります。

また、スタッフ間でのコミュニケーション向上にも役立つため、職場環境の改善にもつながるでしょう。

救命救急士

救命救急士は、救急車内や事故の現場などで救護行為をおこない、生命の危機にある人に対しては特定医療行為を含む救急救命処置をおこなう資格のことです。

救命救急士の資格を取得すると、院内での急変の場面において自信を持って対応できる可能性があります。また、災害時の医療活動にも積極的に参加できるでしょう。

看護師のダブルライセンスでおすすめの医療系以外の資格

次に、看護師のダブルライセンスでおすすめの医療系以外の資格を詳しく紹介します。

  • ケアマネジャー
  • 精神保健福祉士
  • 介護福祉士

3つの資格が看護師の方の業務にどのように役立つのか、それぞれみていきましょう。

ケアマネジャー

ケアマネジャーは、介護サービスの計画や調整などを担う仕事です。

介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、実務研修を受けて都道府県ごとの介護支援専門員の名簿に登録すると資格を取得できます。

ケアマネジャーは、利用者さまの介護相談の窓口として、あらゆる業務をおこないます。とくに、在宅ケアや介護施設でのケアプラン作成や介護サービスの調整などにおいて、看護師の方の視点があることで、より質の高いケアを提供できます。

また、ケアマネジャーの資格を取得すると、医療と介護の橋渡し役として、利用者さまとそのご家族にとって重要なサポート役を担えるでしょう。

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神障害を持つ方の社会復帰を支援する仕事です。

資格取得にはさまざまルートがあり、4年生大学の精神保健福祉コースで学んだり、指定の施設で4年の実務経験を積んだりすることで精神保健福祉士試験を受けられます。

通常、精神保健福祉士の方は、精神科・心療内科の病院や社会復帰施設などで働いていますが、近年では次の分野での需要が高まっています。

  • 教育
  • 司法
  • 産業・労働

メンタルヘルスの課題が取り上げられるようになり、精神保健福祉士の方が活躍できる場が広がっています。

看護師の方が精神保健福祉士の知識を持つことで、患者さまにより深い理解を持って対応できます。とくに、精神科病院や訪問看護ステーションなどで、患者さまの心理的な問題に専門的なケアを提供できるでしょう。

介護福祉士

介護福祉士は、介護業界で唯一の国家資格であり、身体的・精神的なサポートを通して高齢者や障害者の生活を支援する専門職です。

介護福祉士の資格を取得するルートはさまざまです。指定養成施設や研修を受けたり、実務経験を積み研修を修了したりして介護福祉士国家試験を受験します。

看護師の方がこの資格を取得することで、看護と介護の両面から患者さまをサポートできまるため、高齢者のケアにおいて特に役立つ資格といえます。

看護師のダブルライセンスのメリット

ここでは、看護師の方がダブルライセンスを取得するメリットを解説します。

  • 給与がアップする
  • 知識・スキルアップできる
  • 転職に有利になる
  • 臨床の場での業務の範囲が広がる

それぞれのメリットをみていきましょう。

給与がアップする

ダブルライセンスを持つことで、専門性が高まり業務の範囲が広がります。資格手当がつくことや役職に就くチャンスが増えるため、給与アップも期待できます。

ただし、病院や施設によっては、給料アップできない恐れがあります。

そのため、ダブルライセンスを取得して給料アップを目指す看護師の方は、就業規則をチェックしたり人事課に確認したりしてください。

知識・スキルアップできる

看護師の方が、複数の資格を取得することで知識とスキルが向上し、医療現場での自信につながります。

複数の分野を知っておくことで、患者さま全体のケアが可能となり、医療チームに貢献できます。

知識が深まることで、ほかのスタッフからの信頼も得やすくなり、チーム医療においてリーダーシップを発揮する機会も増えるでしょう。

転職に有利になる

看護師の方がさまざまな資格を持つことで、転職活動での選択肢が広がります。

専門性の高い資格を持つことで、医療機関や施設からのニーズが高まり応募できる求人数が増えるため、自分に合った職場を選びやすくなります。

臨床の場での業務の範囲が広がる

看護師の方がダブルライセンスを取得することで、臨床現場で担当できる業務が増えるため、より多くの患者さまに対応できます。特定の分野での専門性を持つことで、ほかの医療スタッフのサポート役としても活躍できます。

業務の幅が広がることで、患者さまニーズに柔軟に対応でき、看護師としてのやりがいや達成感を得られるでしょう。

看護師のダブルライセンスの実例

次に、看護師のダブルライセンスの実例を紹介します。

看護師プラス臨床工学技士の事例

看護師として、集中治療室で働いていたときに、医療機器を扱う機会が多く「もっと専門的に学びたい」と考え臨床工学技士の資格を取得。医療機器の管理を担当しつつ、患者さまのケアをおこなうため、医療チーム内での役割が広がっています。また、院内で人工呼吸器や透析装置など生命維持装置の操作や管理にかかわる研修会を開催して、スタッフの知識・スキルアップに努めています。

看護師プラス管理栄養士の事例

看護師として外科病棟で働いたあと、美容クリニックに転職。美容関係の仕事をするなかで「栄養学を学ぶことの必要性」を感じたことがきっかけで管理栄養士の資格を取得。現在では、患者さまに対して栄養サポートも含めて、美容のアドバイスをおこなっています。

看護師のダブルライセンスに関するQ&A

ここでは、看護師のダブルライセンスに関するQ&Aに回答します。

Q1:看護師と助産師のダブルライセンスを取るメリットは?

看護師の方が助産師の資格を持つことで、母子のケアに特化したサポートが可能です。

母子の健康管理にかかわることで、医療の現場でのやりがいも大きく、看護師の経験を活かしながら専門的なケアが提供できます。

総合病院の産婦人科以外にも、クリニックの産婦人科や助産院など、専門性が高い医療施設での転職にも有利です。

Q2:保健師と看護師のダブル受験はできますか?

保健師と看護師のダブル受験は可能です。4年制の看護系の大学に通い必要な単位を取得すると、2月頃におこなわれる国家試験に受験できます。

しかし、保健師として働くためには、看護師の資格を持っていることが必須条件であるため、効率的に受験勉強を進めなければなりません。

看護師の資格にくわえて保健師の視点を持つことで、予防医療や公衆衛生の分野で貢献でき、より広範な医療活動に活かせるでしょう。

まとめ

看護師の方がダブルライセンスを取得することで、キャリアの選択肢が増え、専門性が高まります。資格の組み合わせ次第で、より幅広い分野で活躍できる可能性があります。

医療現場での役割が広がり、患者さまにより質の高いケアを提供することが可能です。

これにより、自身のキャリアにも満足感を得ることができ、看護師としてのやりがいを一層深められるでしょう。

<参考サイト・文献>

専門看護師|日本看護協会 

認定看護師|日本看護協会

保健師|厚生労働省

助産師|厚生労働省

理学療法士|厚生労働省 

臨床工学技士|厚生労働省 

栄養士|厚生労働省 

公認心理師法の施行について|厚生労働省

ケアマネジャー|厚生労働省 

資格取得方法|厚生労働省 

介護福祉士|全国社会福祉協議会 

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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