訪問看護師のパートの時給は?10のメリットときついといわれる理由

公開日:2024/09/28 更新日:2024/09/28
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「訪問看護師のパートの時給はいくら?」「訪問看護師のパートってきついの?」

このように訪問看護のパートについて気になっている方はいませんか。

訪問看護師として働く際には常勤、もしくは非常勤(パート)の勤務形態があります。仕事と家庭を両立する目的でパート勤務を選ぶ看護師の方もいます。

ただし、訪問看護の経験がない方の場合は、常勤とパートの違いがわからず、どちらの働き方を選べば良いのか迷ってしまいますよね。

この記事では、訪問看護師のパートの時給やメリット、きついといわれる理由などを紹介します。訪問看護師のパートとして働こうと考えているものの、一歩踏み出せずに悩んでいるあなたの手助けになれれば幸いです。

訪問看護師のパートの時給は平均1,641円

日本看護協会「2014年 訪問看護実態調査 報告書」によると、訪問看護師(アルバイト、パートタイマー、契約社員などを含む)の時給は平均1,641円です。

訪問看護師のパートで働く方の時給は、地域や事業所の規模によって異なりますが、都市部や看護師の人手不足の地域では、時給2,000円を超えるケースもあります。

これは、訪問看護師の専門的なスキルや知識が必要とされるため、高めに設定される傾向があるからです。

パート勤務の場合は、柔軟な勤務時間が魅力であり、家庭やプライベートとの両立がしやすいというメリットがあります。

訪問看護師のパートの時給を決める4つの要素

ここでは、訪問看護師のパート勤務で働く方の時給を決める要素について詳しく紹介します。

  • 施設の規模
  • 地域の給与水準
  • 業務内容
  • 資格の保有や能力を考慮した設定

それぞれのポイントを踏まえて、時給が高い職場への転職を目指しましょう。

施設の規模

訪問看護師のパートで働く方の時給は、施設の規模によって異なります。

一般的に、規模の大きな訪問看護ステーションは経営が安定しているため、看護師の時給が高く設定されたり福利厚生が手厚かったりする傾向があります。

さらに、大規模な施設は、より多くの利用者さまを担当するため、訪問件数も多く、その分が給与に反映されやすいです。スタッフの人数も多いため、シフトの柔軟性が高く効率的に働ける環境が整っている場合もあります。

一方で、規模の小さな施設では、経営資源が限られているため、時給が低めになりやすいです。

そのため、訪問看護ステーションの特性をよく理解し、自分に合った職場を選ぶことが長期的な仕事の満足度につながります。転職を考える看護師の方にとっては、施設の規模も重要な判断材料のひとつとなるでしょう。

地域の給与水準

訪問看護師でパートの勤務形態で働く方の時給は、地域ごとの給与水準に大きく左右されます。

都市部では人手不足や物価の高さなどから、時給が高く設定されており3,000円以上というケースもみられます。一方、地方や人口の少ない地域では、需要が低めであるため、時給が上がりにくいです。

また、地域の医療ニーズや人口動態も影響します。高齢化が進んでいる地域では訪問看護の需要が増えているため、時給が上がりやすい傾向があります。

実際に、日本看護協会の調査によると、訪問看護ステーションの求人倍率は3,26倍であり、病院や介護老人福祉施設など比べると高くなっています。

そのため、訪問看護ステーションで働く方の時給は、今後上がっていくかもしれません。

看護師として訪問看護ステーションに転職を考える際には、自分が働きたい地域の給与相場を事前に調べ、納得できる条件の職場を見つけることが大切です。

業務内容

訪問看護ステーションで働くパートの方の時給は、業務内容によって異なります。

たとえば、バイタルサインのチェックや日常生活のサポートといった基本的なケアの場合は、時給が上がりにくいかもしれません。

しかし、医療処置が必要な利用者さま、褥瘡ケアや呼吸器対応など専門的なスキルが求められる利用者さまを担当する場合は、時給が高めに設定されることもあります。

訪問看護ステーションへの転職を検討している方にとっては、自分がどのような業務に携わりたいのか、そしてその業務が時給にどのように影響するかを理解することが重要です。

資格の保有や能力を考慮した設定

パートの勤務形態で働く訪問看護師の方の時給は、持っている資格や能力によっても変わります。

また、認定看護師や専門看護師など特定の専門資格を持っている場合、それに応じた高度な知識やスキルが求められるため、さらに高い時給が期待できます。

訪問看護師のパートで働く10のメリット

次に、訪問看護師のパートで働くメリットを紹介します。

  • 短時間で働くことができる
  • オンコール対応をしなくても良い
  • 給与が高く設定されていることもある
  • 在宅医療の分野でスキルアップできる
  • キャリアをつなぐことができる
  • ダブルワークができる
  • 利用者さまを複数の看護師で担当するため負担が少ないこともある
  • 時間外勤務が少なめでワークライフバランを保ちやすい
  • 役職や委員会などのプレッシャーを感じにくい
  • 職場内のトラブルに巻き込まれにくい

それぞれのメリットをみていきましょう。

短時間で働くことができる

訪問看護師のパートのメリットは短時間で働ける点であり、フルタイムで働くことが難しい方にとって魅力的です。

訪問看護師のパートの勤務では、1日に数件の訪問を担当する形で、シフトを自由に調整できる可能性があります。

たとえば、午前中だけ働いたり、週に数回のみ訪問したりなどの働き方ができるところもあります。

とくに、子育てや介護など、家庭の事情で長時間働けない看護師の方にとって、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が実現できるのが利点です。

オンコール対応をしなくても良い

オンコール対応を免除されるケースが多いことも、訪問看護師のパートで働くメリットです。

正社員の場合、夜間や休日に急な対応が求められることがあり、オンコール対応の負担が重くなりがちです。

ただし、パートで働く看護師の方はこの負担を避けられるため、プライベートの時間を確保できます。

多くの訪問看護ステーションでは、オンコール業務をフルタイムの看護師の方に任せ、パートの方は日中の訪問業務に集中できる仕組みを採用しているためです。

そのため、パート勤務であれば、緊急対応のストレスから解放され、決められたシフトの時間内で働くことができるでしょう。

給与が高く設定されていることもある

ほかの看護業務と比べて、訪問看護師のパート勤務は、時給が高めに設定されていることが多いのが特徴です。

病院やクリニックの看護師の方と比較しても、訪問看護では利用者さま一人ひとりにケアをおこなうため専門性やスキルが求められ、給与に反映されることが少なくありません。

たとえば、褥瘡の処置や医療機器の管理など医療的な処置を必要とする訪問が多い場合や重症度が高い利用者さまをケアする場合は、時給が高く設定される傾向があります。

また、訪問看護ステーションによっては、経験豊富な方や専門資格を持っている看護師に、資格手当として時給を上乗せする場合もあります。

こうした条件により、短時間のパート勤務でも高収入を得られる可能性があることが訪問看護師の魅力です。

在宅医療の分野でスキルアップできる

訪問看護師のパートで働くことは、在宅医療の分野でスキルアップできる機会になります。

訪問看護では、利用者さまの自宅という限られたリソースのなかでアセスメント力や対応力が求められるため、幅広いスキルが身につくためです。

たとえば、カテーテル管理や人工呼吸器の取り扱いなど医療的な知識やスキルを現場の状況に合わせておこなう機会が多いため、実践から専門性を高められます。

また、在宅医療では医師やリハビリスタッフ、ケアマネジャーといった職種との連携が不可欠です。これにより、ほかのスタッフとのコミュニケーションスキルやコーディネート力も磨かれます。

訪問看護師のパート勤務は、短時間であっても在宅医療の現場でスキルアップが可能な点が魅力といえるでしょう。

キャリアをつなぐことができる

訪問看護のパート勤務は、キャリアの継続やブランクを埋める手段として有効です。

とくに、育児や介護などのライフイベントにおいて、フルタイム勤務が難しい看護師の方は、短時間のパート勤務でスキルを維持できます。

病院勤務と同じように、訪問看護の現場では医療行為やケアが求められ、実践を通じて看護師としての専門性を保ちつつ成長できる環境が整っているからです。

さらに、幅広い年齢層の利用者さまに対応するため、新たな知見を得る機会があり次のステップにつなげられるでしょう。

ダブルワークができる

訪問看護のパート勤務は、ダブルワークを可能にする働き方です。

訪問看護ステーションは時間調整が柔軟であり、ほかの仕事や家庭の事情に合わせて勤務時間を調整しやすいからです。

たとえば、別の医療機関や介護施設での勤務、またはアルバイトなど複数の仕事を掛け持ちできる場合もあります。

また、訪問看護のパート勤務では、訪問先は事前の決められており、時間が明確に区切られているため、時間管理がしやすいのもメリットです。

ダブルワークが可能なことで収入の増加だけでなく、さまざまな経験を積むチャンスも広がります。

利用者さまを複数の看護師で担当するため負担が少ないこともある

訪問看護のパート勤務では、利用者さまを複数の看護師で担当することが多く、一人ひとりの負担が軽減できます。

このようなチーム体制により、看護師が一度に対応する利用者さまの数や必要なケアの負担が減少することでストレスを軽減できることがメリットです。

また、複数の看護師が関わることで、色んな視点から利用者さまをケアでき、質の高いサービスを提供できます。

時間外勤務が少なめでワークライフバランを保ちやすい

訪問看護のパート勤務では時間外勤務が少ないため、ワークライフバランスを保ちやすいことがメリットです。

基本的に、訪問看護の仕事はあらかじめ決められたスケジュールでおこなうため、勤務時間外に働くケースが少なくなります。

また、訪問看護は訪問先でのケアが中心となるため、病院勤務のように突然の患者対応や残業が発生しにくいです。

そのため、仕事とプライベートの時間をわけたい看護師の方にとっては、働きやすい職場といえます。

役職や委員会などのプレッシャーを感じにくい

訪問看護のパート勤務では、役職や委員会などのプレッシャーをあまり感じないということがメリットです。

たとえば「休日に委員会の報告書を作成しなければならない」「日勤の後、残ってから委員会の話し合いがある」などといった声があります。

訪問看護ステーションの多くは、パートの看護師の業務は利用者さまのケアが中心であるため、病院にある管理業務や委員会活動にかかわるストレスはほとんどありません。

職場内のトラブルに巻き込まれにくい

職場内のトラブルに巻き込まれにくいことも、訪問看護のパート勤務のメリットです。

訪問看護では、おもにひとりでケアをおこなうため、病院やクリニックのように複雑な人間関係に直面する機会が少なくなります。

常に同じ同僚とかかわわることが少なくなるため、職場内の対立やトラブルに巻き込まれるリスクが低くなります。

職場内の煩わしさから解放されることで、よりストレスフリーな職場環境で働けるでしょう。

訪問看護のパートはきついと言われる理由

訪問看護のパートで働くメリットがある一方で、次のような理由から「きつい」といわれることもあります。

  • 収入が減る
  • 勤務する条件によっては社会保険への加入が認められない
  • 職場によってはキャリアアップが望みにくい
  • 急に休みにくい場合もある

それぞれの理由を知って、訪問看護ステーションへの転職で後悔しないようにしてましょう。

収入が減る

訪問看護のパート勤務は、時給が高めに設定されることが多い一方で、フルタイムの勤務と比べて、勤務時間が短いため収入が減少する可能性があります。

加えて、時給は高めでも業務を負担に感じたり移動の時間が長かったりなどストレスがかかると、収入が低いと感じるケースがあるかもしれません。

このような収入の不安定さは、家庭の支出が多い場合や長期的な収入を見込んでいる方にとってはデメリットとなるでしょう。

訪問看護ステーションに転職を考えている方は、パート勤務の収入面のリスクを理解し、生活スタイルや経済状況と照らし合わせて検討することが重要です。

勤務する条件によっては社会保険への加入が認められない

訪問看護のパート勤務には、勤務条件によっては社会保険への加入が認められないデメリットがあります。

一定の労働時間や勤務日数を満たさないと、社会保険の適用対象外となり健康保険や年金保険といった保障が受けられないため、生活や健康に影響が出るかもしれません。

そのため、勤務条件を確認し、自分が社会保険の適用を受けられるかどうかを事前に確認することが大事です。

職場によってはキャリアアップが望みにくい

訪問看護のパート勤務は、職場によってはキャリアアップが難しい場合があります。

たとえば、小規模な訪問看護ステーションでは、管理職や専門職のポジションが限られているため、パート勤務の看護師の方がキャリアアップを目指す機会が少なくなります。

また、大規模な施設でも、パートとしての勤務がメインで業務内容が制限されている状況であれば、正社員のような昇進やスキルアップの機会が与えられないかもしれません。

さらに、パート勤務は専門的なプロジェクトや管理業務にかかわる機会が少ないことも、キャリアアップを難しくする要因です。

そのため、キャリアアップついてホームページで確認したり面接で採用担当者に聞いたりして、自身の目標に合った職場を選ぶことが重要です。

急に休みにくい場合もある

訪問看護のパート勤務では、急に休みにくい場合があることが難点のひとつです。

訪問看護ステーションでは、スケジュールが事前に決められており、急な休暇や欠勤が業務に影響を及ぼすことがあります。さらに、病院や施設と比べて、訪問看護ステーションは少人数で運営しているケースもあり代役を立てにくいです。

また、急に休むと「スタッフの負担になるのではないか」と感じて、休みを申し出にくくなります。

急な休暇や欠勤に対する職場の対応について事前に確認し、柔軟な勤務環境を持つ職場を選ぶことが重要です。

訪問看護のパートに向いている人の特徴

ここでは、訪問看護のパート勤務に向いている人の特徴を詳しく解説します。

  • 育児と仕事を両立させたい人
  • プライベートな時間を確保したい人
  • ブランクがあり少しずつ慣らして働きたい人
  • 体力的に夜勤や時間外勤務がきついと感じるようになった人
  • 訪問看護の分野でスキルアップしたい人

それぞれをみていきましょう。

育児と仕事を両立させたい人

訪問看護師のパートは、育児と仕事を両立させたい方にとって適した選択肢といえます。

育児に専念する時間を確保しつつ、必要な時間だけ働くことができるため、フルタイム勤務に比べて負担が軽減されることが多いためです。

育児中の方がパート勤務を選ぶことで、家庭と仕事をうまく両立させることができ、ライフスタイルに合った働き方が実現できます。

プライベートな時間を確保したい人

訪問看護のパート勤務では、自身のライフスタイルに合わせてシフトを調整できるため、仕事と私生活のバランスが取りやすい点が特徴です。

勤務時間を自分で選べることが多く、たとえば趣味や家族との時間を確保しながら働けます。これにより、ストレスの少ない生活が実現できます。

自分のペースで働きながら、充実したプライベートライフを維持することが可能です。

ブランクがあり少しずつ慣らして働きたい人

訪問看護のパート勤務は、ブランクがあり少しずつ慣らして働きたい方に適しています。

とくに、現場に戻りたいもののフルタイムの勤務に不安を感じる方にとって、理想的な働き方です。

訪問看護のパート勤務は、勤務時間や日数を柔軟に設定できるため、無理なく少しずつ現場に慣れていくことができます。

そのため、スキルや知識を取り戻しながら無理なく働き続けられるでしょう。

体力的に夜勤や時間外勤務がきついと感じるようになった人

体力的に夜勤や時間外勤務が厳しくなった方にとって、訪問看護のパート勤務はおすすめの働き方です。

訪問看護では、おもに日中の時間帯に勤務するため、夜勤や不規則な勤務時間が少なく、体力への負担を軽減できるからです。

生活リズムを安定させることができるため、体調を管理しやすく、長期的に健康を保ちながら働き続けられます。

ただし、オンコール体制がある訪問看護ステーションに転職を希望する場合は、その体制によっては生活が不規則になるリスクがあります。

そのため「月に何回オンコール対応しなければならないのか」「拘束時間はどのくらいか」などを確認しておきましょう。

訪問看護の分野でスキルアップしたい人

訪問看護の分野でスキルアップを目指す方にとって、パート勤務は理想的な働き方です。

訪問看護では急性期から慢性期、終末期までさまざま疾患や状態の利用者さまとかかわることで、スキルの幅が広がります。

さらに、利用者さまや家族との信頼関係を築くため、効果的なコミュニケーション技術や問題解決能力が求められます。

このように、訪問看護のパート勤務は、実践的なスキルの習得と専門性の向上を図れるため、スキルアップを目指す看護師の方には適した職場といえるでしょう。

訪問看護のパートの求人の一例

ここでは、実際にNsPaceCareerのサイト内に掲載されている求人情報を紹介します。

A求人情報

時給 3,200 円~
勤務時間 08:00~20:00の範囲内で勤務日、勤務時間はご希望に応じます
休日 週4~5日 時間に関して相談可能
アクセス 茅場町駅徒歩7分
福利厚生

・正社員登用制度
・社会保険完備(就業時間に応じて加入)
・交通費支給(上限3万円/月)
・社員紹介制度
・健康診断、インフルエンザ予防接種
・永年勤続表彰制度
・各種研修制度(新任研修、ステーション研修など)
・貸与品(自転車、ヘルメット、ユニフォーム、スマートフォン、バイタルセット)※勤務時間による

 

B求人情報

時給 1,800 円~2,500 円
勤務時間 8:45〜17:45
休日 1日:3時間から相談 週1日~OK
アクセス 錦糸町駅(JR・地下鉄) 徒歩5分・住吉駅(地下鉄) 徒歩6分
福利厚生 ・社会保険完備
・ユニフォーム貸与
・通勤手当(全額、2万円/月まで)
・研修費補助あり ・産休育休制度

まとめ

訪問看護師のパート勤務には、短時間で働けることやオンコール対応を許されることなどメリットがあります。また、在宅医療の分野でのスキルアップが期待でき、家庭とプライベートと両立しやすい点も魅力です。

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参考サイト・文献

2014年 訪問看護実態調査 報告書|日本看護協会  

2020年度「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析」結果|日本看護協会 

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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