50代看護師の年収は?年収アップを目指す5つの方法とおすすめ求人

公開日:2024/09/28 更新日:2024/11/15
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「50代の看護師で年収アップしたい」「給与を考慮して転職を検討している」

このように考えている50代の看護師の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、年収アップを目指す50代看護師の方のために年収アップを目指す5つの方法や注意点などを解説します。

記事の後半ではおすすめの転職先も紹介しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

50代看護師の年収は576万2,700円

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、50代看護師の方の平均年収は576万2,700円とされています。

なお、これは所得税や社会保険料などを引く前の月収、1年間の賞与額(ボーナス)を合計したものです。50代前半と後半にわけてくわしくみていきましょう。

50代前半の看護師の平均年収は566万6,100円

先に紹介した資料によると、50代前半の看護師の平均年収は566万6,100円です。内訳は次のとおりです。

内訳金額
平均年収566万6,100円
平均月収38万8,200円
平均賞与100万7,700円

参考:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

なお、この金額は社会保険料や税金を引かれる前であり、手取り額は420万円〜480万円になると考えられます。

50代後半の看護師の年収は585万9,300円

50代後半の看護師の平均年収は585万9,300円です。

内訳平均金額
平均年収585万9,300円
平均月収39万4,900円
平均賞与112万500円

参考:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

手取り額は、430万円〜500万円ほどになると考えられます。平均年収では50代前半より、50代後半の方が多いことがわかっています。

50代看護師の年収を比較

50代看護師と、ほかの年代の平均年収はどれくらい異なるのでしょうか。以下は、それぞれの年代の平均年収です。

世代平均年収
20代看護師437万8,100円
30代看護師486万2,300円
40代看護師536万7,450円
50代看護師576万2,700円

参考:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

詳しい内訳や、50代看護師の方との比較をみていきましょう。

20代看護師の年収との比較            

20代看護師の平均年収は437万8,100円です。内訳と50代看護師の方との比較は以下をご覧ください。

内容平均金額
世代20代看護師50代看護師
年収437万8,100円576万2,700円
平均月収31万4,850円39万1,550円
平均賞与59万9,900円106万4,100円

参考:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

50代看護師の平均年収は、20代の方と比べると138万4,600円多いとされています。

20代は経験が浅く昇給も少ない段階です。管理職やキャリアアップしている方もいる50代と比べると収入は少ない傾向です。

20代看護師の方の年収は以下の記事でも解説していますので、そちらもぜひ参考にしてください。

関連記事:20代看護師の平均年収は?初任給の実態と年収を上げる方法を解説!

30代看護師の年収との比較

30代看護師の平均年収は486万2,300円です。

内容平均金額
世代30代看護師50代看護師
年収486万2,300円576万2,700円
平均月収33万7,150円39万1,550円
平均賞与81万6,500円106万4,100円

参考:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

30代になると管理職になる方や専門資格を取得してキャリアアップしている方もいると考えられます。平均年収は50代と比べると、90万400円の差です。

なお、30代看護師の給与は以下の記事で詳しく解説しているため、そちらを参考ください。

関連記事:30代看護師の平均年収は?年収に差が出る理由と年収を上げる方法を解説! 

40代看護師の年収との比較

40代看護師の年収は536万7,450円です。50代の方との比較は以下となっています。

内容平均金額
世代40代看護師50代看護師
年収536万7,450円576万2,700円
平均月収36万6,200円39万1,550円
平均賞与97万3,050円106万4,100円

参考:令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

50代と40代看護師の年収は39万5,250円の差があります。

40代看護師の平均年収は以下の記事でも解説していますので、詳細はぜひそちらを参考にしてください

関連記事:40代看護師でも年収アップできる?平均年収と年収を上げる4つの方法を解説! 

50代看護師が年収アップを目指す5つの方法

50代の看護師が年収アップを目指すためには、どのような方法があるのでしょうか。以下の5つをご紹介します。

  • 管理職にキャリアアップする
  • 豊富な経験やスキルを活かす  
  • 新たな資格を取得する
  • 余裕があれば夜勤回数を増やす
  • 高年収が望める職場へ転職する

それぞれみていきましょう。

管理職にキャリアアップする

年収アップする方法のひとつが「管理職へのキャリアアップ」です。

看護師長や看護部長などに昇進することで、基本給に加えて役職手当が支給されるため年収増加が見込めるでしょう。

昔の情報ではありますが、日本看護協会「2012年病院勤務の看護職の賃金に関する調査」によると、管理職の平均の手当額は3万2,296円です。

なお、病院ごとに管理職手当の額は異なります。例として設置主体ごとの管理職手当の平均額をみてみましょう。

設置主体平均の管理職手当額
9万9,000円
社会保険関係団体7万5,000円
学校法人6万5,000円
医療法人・個人6万3,043円
都道府県、市町村、地方独立行政法人、公立大学法人5万9,923円
公的医療機関5万4,500円
その他4万2,000円

参考:2012 年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査|日本看護協会

管理職手当が最も高いのは、国が運営している病院(独立行政法人国立病院機構、国立大学付属の大学病院など)です。

管理職手当の平均額は9万9,000円で、年間で計算すると118万8,000円となります。

このように管理職にキャリアアップすることで年収アップする可能性があります。昇進のチャンスがある方は、後述する注意点に配慮しながら積極的に挑戦すると良いでしょう。

豊富な経験やスキルを活かす

年収アップを目指すためには、これまでの経験やスキルをアピールすることが重要です。

たとえば「さまざまな診療科の経験を活かしたアセスメント」「臨床現場でのリーダーシップ」など、看護師としてのスキルや経験を活かして働くことで昇進や給与の増加が期待できます。

なお、病院によっては、看護師の能力をクリニカルラダーで評価しているところもあるでしょう。客観的にスキルを評価して、足りない部分を補うための努力も大切です。

新たな資格を取得する

年収アップのために新たな資格を取得するのも良いでしょう。給与に関連する資格として考えられるのは「認定看護師」「専門看護師」です。

「日本看護協会」によると認定看護師や専門看護師の資格手当の金額や支給されるタイミングは以下となっています。

【専門看護師の資格手当の支給方法(複数回答)】

支給のタイミング割合平均額
毎月支払われる89.5%1万1,279円
賞与時に支払われる1.6%1万4,000円
資格取得時に一時金として0.4%51万7,000円
その他9.7%

参考:2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査|日本看護協会

【認定看護師資格手当の支給方法(複数回答)】

支給のタイミング割合平均額
毎月支払われる92.2%8,530円
賞与時に支払われる1.0%5万4,059円
資格取得時に一時金として0.3%23万8,125円
その他7.4%

参考:2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査|日本看護協会

専門看護師の89.5%は資格手当が「毎月支払われる」としており、平均支給額は1万1,279円です。一方で、認定看護師の平均支給額は月8,530円とされています。

なお、資格取得すれば必ずしも資格手当が支給されるわけではありません。どのような資格が手当の対象となるかは事前に確認しておきましょう

余裕があれば夜勤回数を増やす

夜勤回数を増やすのも、年収アップのための方法のひとつです。日本看護協会の調査によると夜勤手当の平均額は以下とされています。

夜勤形態夜勤手当
二交代制1万1,368円
三交代制(準夜勤)4,234円
三交代制(深夜)5,199円

参考:2023年病院看護実態調査|日本看護協会

資格取得やキャリアアップによる収入増加は時間がかかるケースがあります。

一方で、夜勤は健康面や体力面に問題がなければ、比較的に取り組みやすい収入アップの方法だといえるでしょう。

高年収が望める職場へ転職する

50代の看護師の方が年収アップを目指すには、スキルと経験を活かした転職が有効です。

とくに専門性の高い分野や、管理職ポジションへの転職は高年収を得られる可能性があります。

日本看護協会の調査によると、看護師の給与は「病床数が多い病院」が多い傾向で、設置主体によっても平均給与は異なります。

また、介護施設や訪問看護ステーションといったニーズの高い分野において、経験豊富な看護師の方に対して高い給与を提示されるケースもあるでしょう。

転職を成功させるためのポイントは、以下の記事で解説しています。「職場を変えたい」と考えている方はそちらもぜひご覧ください。

関連記事:看護師が転職を成功させるための10のポイントとは?年代別でも解説

50代看護師が年収アップを目指す際の注意点

50代看護師が年収アップを目指すときの注意点を3つご紹介します。

  • 体力や健康状態を管理する
  • 再雇用制度があるか確認する
  • ワークライフバランスを見直す

それぞれ、みていきましょう。

体力や健康状態を管理する

看護師は、少なからず身体的にも精神的にも負担がかかる仕事です。長期的に働き年収アップするためにも体力や健康面へも配慮しましょう。

「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」によると、50代看護師の退職理由上位に「自分の健康(主に身体的理由)」がかかわっているとしています。

50代看護師が退職した理由回答した割合(複数回答可)
親族の健康・介護12.7%
自分の健康(主に身体的理由)10.4%
結婚10.4%
子育て9.0%
転居7.6%
看護職の他の職場への興味7.0%
配偶者の転勤6.7%
勤務時間が長い・ 超過勤務が多い5.5%
妊娠・出産5.4%
夜勤の負担が大きい4.3%

参考:看護師等(看護職員)の確保を巡る状況|厚生労働省

長時間の残業や夜勤が続くことによる身体への負担は避けられません。

資格取得やキャリアアップにより年収アップを目指すうえで、体力的に不安がある場合は勤務形態をはじめとした働き方の見直しが大切です。

再雇用制度があるか確認する

年収アップを目的に転職するときは、再雇用制度が充実しているかどうかも重要なポイントです。

それまでの役職は失いますが、契約社員や嘱託社員など新たな雇用形態で契約できます。

また、転職の際に勤務時間や勤務日数などの労働条件の変更も可能です。年収アップを目指して転職したものの、定年後に給与が大幅に下がったり、再雇用が難しかったりする場合は、長期的な収入計画に支障が出る可能性があります。

再雇用後も同等の待遇が維持されるかどうか、また勤務時間や業務内容に変更があるかなどは事前に確認しておきましょう。

ワークライフバランスを見直す

キャリアアップをするためには、年収だけでなくワークライフバランスの見直しも大切です。

高年収を得るために負担が大きな職場を選んでしまうと、プライベートの時間が犠牲になり、結果的に心身の健康を損なうことがあるためです。

自分にとって理想的な働き方を見つけるためには、仕事と家庭のバランスを取れる環境かどうかの見極めが欠かせません。

転職で年収アップを目指すときは、こうした状況でも柔軟な働き方ができるかの確認は必要でしょう。

50代看護師が年収アップするためのおすすめの求人

最後に50代看護師が年収アップするために、おすすめの求人を3つご紹介します。

  • クリニック
  • 介護施設
  • 訪問看護ステーション

それぞれ、みていきましょう。

クリニック

年収アップのためにクリニックへの転職を検討するのもよいでしょう。

一般的に、病院で働く看護師の方の年収と比べると、クリニックで働く看護師の方の収入は低い傾向です。

ただし、一部の診療科目に特化したクリニックでは、経験豊富な看護師の方が求められ、年収が高めに設定されるケースがあります。

また、クリニックのなかでも、専門的なスキルを活かせるポジションや管理職の求人は、年収アップのチャンスがあります。

介護施設

看護師の経験を活かして収入アップが望める転職先に、介護施設があげられます。

介護施設における看護師の主な役割は「利用者さまの健康管理」「日常生活の支援」などです。病院やクリニックなどの医療機関に比べると、医療行為は少ない傾向があります。

職場によっては、給与アップが望めるケースがあります。以下は厚生労働省によるそれぞれの介護施設の平均年収です。

施設の種類平均月収
介護老人保健施設46万2,955円
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)43万6,875円
グループホーム37万9,779円

出典:令和4年度介護事業経営実態調査結果|厚生労働省

給与が高いのは介護老人保健施設で、平均月収は46万2,955円です。介護施設によっては50代看護師の方も夜勤をするケースがあり、勤務状況によって給与アップが期待できます。

訪問看護ステーション

給与アップを目指して訪問看護ステーションで働くのも良いでしょう。

日本看護協会「2021年看護職員実態調査」によると、訪問看護師の方の月収は36万7,775円です。同調査では病院における看護師の平均月収は、38万6,046円とされており、訪問看護師の給与は少ない傾向です。

しかし、管理職としての雇用やこれまでの経験を考慮した採用など条件によっては収入が高くなるケースもあります。

また、訪問看護ステーションは訪問件数によって柔軟に出勤時間を調整できるケースがあります。勤務先によっては、ワークライフバランスを調整した働き方もできるでしょう。

まとめ

50代看護師の方が、年収アップを目指す方法や注意点などを解説しました。

50代看護師の方が年収アップを目指すためには、管理職へのキャリアアップや新しい資格取得、転職などが現実的です。

ただし、健康管理やワークライフバランスには注意しましょう。

なお「NsPaceCareer」では、訪問看護師への転職をサポートしています。訪問看護ステーションへの転職を検討している方は、以下から詳細をご覧ください

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参考サイト・文献

2012年病院勤務の看護職の賃金に関する調査|日本看護協会 

看護師の基本給与額(病床規模別)|日本看護協会

令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査|日本看護協会

看護師等(看護職員)の確保を巡る状況|厚生労働省

令和4年度介護事業経営実態調査結果|厚生労働省

2021年看護職員実態調査|日本看護協会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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