看護助手とはどんな仕事?資格の必要性や向いている人の5つの特徴

公開日:2024/09/06 更新日:2024/09/06
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「看護助手ってどんな仕事なの?」「看護助手で働くためには資格がいるの?」

このように看護助手に興味や関心がある方もいらっしゃるでしょう。

看護助手とは看護チームの一員として、看護師や医師の指示をもとに看護の補助業務をおこなう職種のことです。看護補助者と呼ばれることもあります。

この記事では、看護助手の仕事内容や資格の必要性、向いている人の特徴を紹介します。看護助手として働きたいと考えているものの、どのような職種か気になっているあなたの悩みを解消できれば幸いです。

看護助手とはどんな仕事?

まずは「看護助手とはどんな仕事?」という疑問を解決しましょう。具体的に、以下4つを解説します。

  • 看護助手の仕事内容
  • 看護助手の資格の必要性
  • 看護助手の勤務形態
  • 看護助手の給料事情

看護助手の方のおもな仕事は、看護師の方の補助として患者さまの世話をおこなったり、病院の環境整備をしたりすることです。それぞれを詳しくみていきましょう。

看護助手の仕事内容

看護助手の方の仕事内容は、看護師の方のサポートを主とした業務であり、患者さまの身の回りの世話や環境整備を担当します。具体的には、次のような業務です。

  • 食事や排泄の介助
  • ベッドメイキングやリネン交換
  • 車椅子やストレッチャーでの移動補助

注射や採血などの直接的な医療行為はおこなうことはできません。ですが、患者さまと接する機会が多いためコミュニケーション力が重要です。

また、看護師の方の業務をスムーズに進めるために物品の準備や片付け、記録物の整理なども担当します。

看護助手の方の仕事は、医療現場において欠かせない存在であり、患者さまの療養生活を支えています。

看護助手の資格の必要性

看護助手として働くために、特定の資格は必須ではありません。

ただし、資格を持つことで就職や業務において有利になる場合があります。

たとえば「介護職員初任者研修」や「介護福祉士実務者研修」などの資格を取得することで、業務範囲が広がり、職場での評価も高まります。

また、患者さまや医療スタッフからの信頼が増し、キャリアアップのチャンスが広がるかもしれません。

資格を持つことで看護助手としてのスキル向上や、より専門的な知識の習得が期待でき、日常業務をより効率的にこなせるようになるでしょう。

看護助手の勤務形態

看護助手の方の勤務形態は、日勤や夜勤、シフト制などさまざまです。

一般的に、早朝から夜間までの交代制勤務が多く、フルタイムの正社員として働く場合もあれば、パートタイムや契約社員として働くなど、柔軟な働き方を選べます。

ただし、勤務する病院やクリニック、施設などによって異なるため、希望する勤務形態がある方は事前に確認しておきましょう。

また、夜勤がある場合は、深夜の患者さまのケアや緊急時の対応が求められることもあり、体力や忍耐力が欠かせません。一方で、日勤のみの職場もあり、生活リズムを整えやすい環境もあります。

勤務時間や働き方は、個々のライフスタイルに合わせて選択できるため、自分に合った勤務形態を見つけることが重要です。

看護助手の給料事情

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、看護助手の方の年収は318万3,600円です。詳細は、次の表を参照してください。

職種月収賞与年収
看護助手22万2,500円51万3,600円318万3,600円

看護助手の方の給料は、地域や勤務先の施設によって異なるため、詳しい給料事情についてはそれぞれの施設に確認してください。

「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」「看護助手認定実務者試験」などの資格があったり、実務経験があったりすることで昇給できるかもしれません。

また、夜勤や残業がある場合は、その手当が加算され、月収が上がることもあります。

そのため、看護助手は資格取得や経験を積むことで、将来的に収入アップを目指せる職種です。

関連記事:看護助手の給料は400万円?手取り額や給料があがる2つの方法を紹介 

看護助手になるには?

看護助手になるには、応募先の求人条件を満たし、採用試験に合格しなければなりません。具体的には、病院や外来、クリニック、介護施設などで働けます。

特別な資格がなくても働ける職種であるものの、看護助手に関連する資格や経験、スキルがあると選考に通りやすいです。

また、病院や施設によっては未経験者でも採用しているところがあるため、医療や福祉に興味はある方にとって看護助手は目指しやすいと言えるでしょう。

看護助手に向いている人5つの特徴

次に、看護助手に向いている人の特徴を紹介します。

  • コミュニケーション能力が高い人
  • 医療・看護分野に興味がある人
  • 使命感を持って仕事ができる人
  • 体力に自信がある人
  • 機転を利かせて行動できる人

看護助手は、少子高齢化にある日本において注目されている仕事のひとつです。それぞれの特徴を踏まえて、自身が向いているのか考えてみましょう。

コミュニケーション能力が高い人

看護助手に向いているのは、コミュニケーション能力が高い人です。

看護助手の方は患者さまやそのご家族、医療スタッフとあらゆる場面でコミュニケーションが求められる職種であるからです。

患者さまの不安を和らげたり、看護師の指示を正しく理解し実行したりするためには、相手の話をしっかりと聞き、理解することが必要です。また、高齢者や病気で体調が優れない患者さまには、安心感を与えられるような声掛けも欠かせません。

さらに、患者さまの体調や感情の変化に気づき、適切に対応するためには、観察力と共にコミュニケーション力が不可欠です。この能力が高い人は、看護助手として患者さまやスタッフから信頼され、チームの中で重要な役割を果たせるでしょう。

医療・看護分野に興味がある人

医療・看護分野に強い関心を持っていることが、看護助手の方には大事です。

看護助手の方は直接的な医療行為はおこないませんが、患者さまのケアや看護師のサポートを通じて、医療現場の一員として働くからです。

たとえば、清拭をおこなう場面で患者さまの体調に配慮した声掛けをしたり、清拭の効果が高まる拭き方をしたりできると、患者さまから喜ばれ信頼感が増すでしょう。

そのため、医療や看護に対する理解や興味があると、日々の業務にやりがいや充実感を得やすくなります。

また、医療知識を学び続ける意欲がある人は、仕事を通じて自身のスキルを向上させやすいため、職場でも重宝されるでしょう。

使命感を持って仕事ができる人

看護助手として働くためには、使命感を持って仕事に取り組むことが重要です。

看護助手の方は患者さまの生活を支える大切な役割を担っており、その業務には身体的にも精神的にも負担がかかることが多いからです。

ただし、使命感があることで患者さまのために最善を尽くそうという強い意志を持ち続けられ、困難な状況でも乗り越える力となります。

看護助手としての仕事に誇りを持ち、長く働き続けられるでしょう。

体力に自信がある人

看護助手の方の仕事は、患者さまの移動や介助、病室の清掃など、身体的にハードな業務が多いため体力に自信がある方に向いています。

たとえば、患者さまをベッドから車椅子へ移動させるときには力を使うだけでなく、正しい体の使い方が求められます。

また、長時間立ち仕事を続けることも多く、疲労が溜まりやすい労働環境です。

体力があることで業務を無理なく遂行し、患者さまに対して常に親切で丁寧な対応を続けられます。

さらに、体力に余裕がある人は夜勤やシフト勤務にも柔軟に対応でき、職場での信頼を得やすいでしょう。

機転を利かせて行動できる人

看護助手の方の仕事では、状況に応じて機転を利かせて行動できる人が求められます。

医療現場は予測できない事態が起こるため、すぐに適切な判断をしてテキパキと対応する能力が重要であるからです。

たとえば、患者さまの体調に急変が見られた場合や看護師の方から急な指示があった際には、冷静に状況を把握しサポートをしなければなりません。

また、常にほかのスタッフと連携を取り、チームとしてのスムーズに働けるようにするためにも、周囲の状況を敏感に察知して適切に行動する力が必要です。

このような機転を利かせた対応ができる人は、医療チームにとって欠かせない存在となり、看護助手としての役割を十分に果たせます。

看護助手にはきついかもしれない人

看護助手に向いている人がいる一方で、きついかもしれない人もいます。

  • 責任の重さに耐えられない人
  • 自発的に動くことが苦手な人

当てはまるものがあっても、看護助手の適正がないとは限らないため参考程度に確認してみてください。

責任の重さに耐えられない人

看護助手の方の仕事は、患者さまのケアや看護師のサポートを通じて、医療現場の一員を担うことです。

しかし、その責任の重さに耐えられない人にとって、この仕事は厳しいかもしれません。

患者さまの命や健康にかかわる場面ばかりであり、ミスが許されない状況が続くからです。

たとえば、患者さまの体調変化を見逃さずに報告したり、適切なタイミングで看護師に助けを求めたりしなければなりません。

これらの業務にはプレッシャーがともない、責任感が強くないと精神的に負担が大きくなるでしょう。責任の重さに耐えられない場合はストレスが溜まりやすく、結果的に仕事を続けることが難しくなる恐れがあります。

自発的に動くことが苦手な人

看護助手として働くには自発的に動くことが求められる場面が多くあり、自発性が苦手な人には向かないかもしれません。

医療現場では指示を待つだけでなく、自分から進んで仕事を見つけて行動する能力が重要であるからです。

具体的には、患者さまの状態が変化した際に迅速に対応したり、必要な物品を先回りして準備したりすることが求められます。

自発的に行動できると看護師や医療スタッフの負担を軽減できスムーズなチームワークを実現できます。

反対に、指示を待つだけでは業務が進まず、結果として効率が低下する恐れがあるため、自発的に行動できなければ看護助手として働くのは難しいでしょう。

看護助手がやりがいを感じる体験談

ここでは、看護助手としてやりがいを感じる体験談を紹介します。

  • 患者さまからねぎらいの言葉をかけられたとき
  • チームスタッフから感謝の言葉をもらったとき

看護助手の方の体験談を知ることで、実際に現場で働くイメージがわきやすいでしょう。

患者さまからねぎらいの言葉をかけられたとき

看護助手がやりがいを感じる瞬間は、患者さまから「ありがとう」「いつも助かるよ」といったねぎらいの言葉をかけられたときです。

患者さまから感謝の言葉をいただくと、自分の仕事がしっかりと評価されていると実感できるからです。

患者さまからの言葉ひとつで仕事へのモチベーションが高まるでしょう。

チームスタッフから感謝の言葉をもらったとき

看護助手の方がやりがいを感じる瞬間は、チームスタッフから感謝の言葉を受け取ったときです。

医療現場では、看護助手のサポートがほかのスタッフの仕事をスムーズにし、全体の効率を高めることがあります。

たとえば、忙しい時期に必要な物品を迅速に用意したり、検査やリハビリテーションにスムーズ搬送したりするとチームの仕事が円滑に進みます。

これに対する感謝の言葉があると自分の努力が評価され、職場での貢献ややりがいを実感できます。

看護助手としての役割が、チーム全体の成功に貢献していることを確認できるため、達成感を得られます。

看護助手に関するQ&A

看護助手の方に関する疑問を紹介します。

Q1:看護助手と看護師の違いは何ですか?

看護助手の方は、看護師の指示のもとで患者さまの移動や日常生活のサポート、医療器具の準備などをおこないます。

資格や経験は問われず、患者さまの病状に直接影響するような業務はおこなえません。

一方で、看護師は国家資格の「看護師免許」が必要であり、自分の判断で療養上の世話をしたり、医師の指示のもとで医療行為を実施したりします。

これらの違いを理解し、自分に適した職業を選ぶ際の参考にしてください。

Q2:ナースエイドと看護助手の違いは何ですか?

ナースエイドと看護助手の違いは呼び方です。

看護助手は、ナースエイドのほかに「看護補助者」「看護アシスタント」「ケアワーカー」など、さまざまな名称があります。

いずれも役割や業務内容は同じであり、患者さまの身の回りの世話や日常生活の介助、医療機器のチェックをします。

まとめ

看護助手の方は、看護チームの一員として患者さまのケアや環境整備を担う職種です。

特定の資格は必要ありませんが、資格を持つことで業務範囲が広がり評価も高まります。勤務形態は日勤や夜勤など様々で、体力やコミュニケーション能力が求められます。給料は地域や施設によって異なり、資格や経験によって昇給の可能性があります。

看護助手は、患者ケアの重要な役割を果たし、やりがいを感じながら働ける職業です。医療・介護の分野で一度働いてみたい方は、ぜひ看護助手への転職を検討してみてくださいね。

参考サイト・文献

令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省   

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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