看護師に必要な知識と技術10選!これからの看護師に求められるもの

公開日:2024/08/07 更新日:2024/08/07
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患者さまの気持ちに寄り添い、的確なアドバイスができる看護師はまさに理想の姿ですよね。しかし、そのようなスキルを身につけるためには、知識や技術が欠かせません。

看護師の方に必要な知識や技術とそれらを高めるポイントなどを解説します。職場によって知識と技術が異なるものの、基本的なことは変わりません。この記事で学んで実践に活かしてくださいね。

看護師に必要な知識と技術10選!

まずは、看護師に必要な知識と技術を紹介します。

  1. 解剖生理学の知識
  2. 看護技術に関する知識
  3. 薬剤の知識
  4. 想像力
  5. 観察力
  6. 精神力と体力
  7. コミュニケーション能力
  8. 知識や技術の習得に対する向上心
  9. ストレスをコントロールする能力
  10. ポジティブに考えられる力

それぞれを知って、看護師としてスキルアップしましょう。

1.解剖生理学の知識

解剖生理学は、看護師が習得すべき知識のひとつです。

解剖生理学は、どの診療科目においても患者さまの病状を理解するためには欠かせないからです。

たとえば、心臓血管外科や呼吸器内科、集中治療室など、あらゆる分野で解剖生理学の知識がなければ、患者さまの状態をアセスメントすることは難しいです。おこなわれている治療が理解できなければ、ケアを実施できません。

看護師の基礎となるため、解剖生理学の知識を押さえましょう。

2.看護技術に関する知識

看護師に必要な知識と技術のなかでも、看護技術に関する知識は大事です。

基本的な看護技術には、以下のものが含まれています。

  • バイタルサインの測定
  • 注射や点滴
  • 創部の処置
  • 患者さまの移動や体位変換

これらの技術は、患者さまの状態を正しく把握し、適切なケアを提供するために不可欠です。

また、看護師は新しい治療や医療機器に対応し、患者さまの健康をサポートする役割があるため、生涯にわたり学びスキルアップしなければなりません。

看護技術に関する知識を深めることで、より質の高いケアを提供できるでしょう。

3.薬剤の知識

患者さまに安全で効果的な注射や点滴をおこなうためには、薬剤の作用機序や副作用、禁忌事項などを理解していることが前提です。

さらに、看護師は薬剤の投与方法や適切な投与量なども知っておかなければ、患者さまの安全は守れません。

というのも、薬剤を投与するのは看護師の方であり、患者さまのケアをすることが多く異常を発見しやすいからです。

実際に、看護師の方が患者さまの清拭をおこなっているときに薬剤アレルギーを発見して、医師に報告するケースもあります。

患者さまの安全を守るために、医薬品の情報やガイドラインを定期的にチェックしてくださいね。

4.想像力

看護師はそれぞれの患者さまに適したケアを提供するために、想像力を駆使する必要があります。

なぜなら、訴えたいことをうまく伝えられない患者さまや、恥ずかしさや遠慮から伝えようとしない患者さまがいるからです。

そのため、患者さまの表情や仕草などから訴えたいことや問題点を察知したうえで、かかわることが大切です。想像力を活かして、患者さまの生活の質を向上させる工夫をしましょう。

5.観察力

看護師に必要な知識と技術のなかで、観察力は大切です。

観察力とは、患者さまの心身の状態を細かくチェックして、変化や異常を見逃さない能力を指します。

たとえば、バイタルサインの変動、皮膚の色や温度の変化、表情や仕草から痛みや不快感などを読み取らなければなりません。

観察力は病状の悪化を早期に発見し、迅速に対応するために不可欠です。日々の業務のなかで観察力を鍛え、患者さまの安全と健康を守るために活用してください。

6.精神力と体力

医療の現場は忙しく、高い緊張感が続くため強い精神力が求められます。

緊急の対応や患者さまの死など、ストレスフルな状況においても冷静に判断しなければ、ほかの患者さまの状況が悪化する恐れがあります。

一方で、患者さまの移動や体位変換、長時間の立ち仕事など、看護師の方の業務は身体的な負担が大きい仕事ばかりであるため、体力を維持する努力が必要です。

体力の維持には、バランスの取れた食事を摂り、定期的な運動をおこうことも大切です。

看護師の方が精神力と体力を兼ね備えることは、患者さまの入院生活を支えるためには欠かせません。

7.コミュニケーション能力

患者さまやそのご家族と信頼関係を築くためには、コミュニケーション能力が肝心です。

不安や悩みを理解し共感を示すことで、患者さまは安心して療養生活を送れるでしょう。

また、医療チーム内での円滑なコミュニケーションも大切です。医師やほかの看護師、薬剤師などといった医療スタッフとの情報共有や連携がスムーズにおこなわれることで、患者満足度の向上が期待できます。

さらに、看護師は患者さまの状態や治療方針について説明します。このため、専門用語をわかりやすく解説したり、患者さまの悩みを解決できる情報を提供したりするスキルも重要です。

コミュニケーション能力を高めることで、看護師は患者さまに寄り添い、信頼される存在として療養生活を支えられるでしょう。

8.知識や技術の習得に対する向上心

医療の現場は日々進歩しており、新しい治療法や技術、薬剤が次々と登場しています。

このため、看護師は最新の情報を学び続ける姿勢が求められます。研修やセミナーへの参加、専門書や学術論文を通じて、自身の知識をアップデートしなければなりません。

また、同僚や先輩の看護師からのフィードバックを受け入れ、自身のスキルを磨く姿勢も大切です。

向上心を持って知識や技術を習得することで、看護師としてのキャリアアップに活かせるでしょう。

9.ストレスをコントロールする能力

医療労働の「2020年看護職員の労働実態調査」によると、看護職員の79.2%が「仕事を辞めたい」と思っているとされています。

これには労働環境や人間関係のほかに、ストレスも一因となっています。医療の現場は緊張感が高いため、自己管理の一環としてストレスをコントロールする能力が必要です。具体的には、以下のことを取り入れてみてください。

  • 深呼吸
  • リラクゼーション法
  • マインドフルネス

このような方法を普段の生活のなかで取り入れることが有効です。

さらに、同僚や上司に悩みや不安を共有してサポートを受けることで、精神的な負担を軽減できます。

また、プライベートの時間を大切にし、趣味や運動などでリフレッシュすることでストレス発散できるでしょう。

ストレスをうまくコントロールして、心身の健康を保つことが、看護師として長く働くための鍵です。

10ポジティブに考えられる力

看護師に必要な知識と技術のなかで、ポジティブに考えられる力は重要な要素です。

医療の現場では、厳しい状況や困難なケースに直面することが多くあります。前向きな思考を持つことは、看護師の方の精神的な健康つながるだけではなく、患者さまや同僚にも良い影響を与えます。

このポジティブに考える力を養うためには、日常のなかで感謝の気持ちを忘れず、小さな成功を喜ぶことが効果的です。

また、自己肯定感を高めるために、自分の努力や成果を認める習慣をつけることも有効です。困難な状況でも、解決策や改善の可能性を見つける視点を持つことで、柔軟に対応できるでしょう。

看護師に必要な知識と技術を高めるポイント

ここでは、看護師に必要な知識と技術を高めるポイントを紹介します。

  • 向上心を持って取り組む
  • 看護師としての目標を明らかにする
  • 気持ちを切り替える訓練をする
  • 先輩の看護師に指導を依頼する

それぞれのポイントを押さえて、自身のスキルアップに活かしてくださいね。

向上心を持って取り組む

実際の業務において、向上心を持って新しい技術や手法を取り入れることが重要です。

たとえば、新しい医療機器の操作方法を習得したり、いままで経験していなかった看護技術を勉強して実践したりすることで、患者さまへのケアの質が向上します。

向上心を持って取り組むことで、看護師としての専門性が高まり、患者さまにより良いサービスを提供できます。

看護師としての目標を明らかにする

看護師に必要な知識と技術を高めるためには、目標を明らかにすることも大事です。

はっきりとした目標が設定できると、スキル向上のための計画を立てやすいです。

たとえば、特定の専門分野の資格取得や管理職を目指すなど、具体的な目標を設定することで、自身に足りない知識やスキルがはっきりします。

定期的な振り返りとフィードバックをおこなって、目標達成に向けた修正や改善を繰り返してください。

看護師としての目標を明らかにすることで、キャリアの方向性が定まり、専門性が高まるでしょう。

気持ちを切り替える訓練をする

医療の現場では、ストレスフルな状況が発生します。

こうした状況でも迅速に対応するためには、気持ちを切り替えなければなりません。

自分に合ったリフレッシュ法を見つけて日常生活に取り入れることで、心のバランスを保つことができるでしょう。

先輩の看護師に指導を依頼する

臨床での経験が豊富な先輩の看護師は、実践的なアドバイスや専門的な知識を提供してくれる貴重な存在です。

質問や悩みを打ち明けることで、現場での課題解決に役立つ指導を受けられるかもしれません。

指導を依頼する際は、具体的な目標や改善したいスキルを伝えたうえでフィードバックを受けることが重要です。

また、先輩看護師のアドバイスを実践に活かすと、自分の成長を実感しやすいです。

先輩の看護師とのコミュニケーションを通じて、自身のスキルアップを期待できます。

看護師に必要な知識や技術を高められないときの対処法

次に、看護師に必要な知識や技術を高められないときの対処法を詳しく解説します。

  • 外部の研修を受ける
  • 副業で別の職場の経験を積む
  • 異動を申し出る
  • パートや時短勤務など働き方を変える
  • 別の職場に転職する

それぞれの対処法を知って、看護師としての知識や技術を高めましょう。

外部の研修を受ける

看護師に必要な知識や技術を高められないと感じたとき、外部の研修を受けることは効果的です。

外部の研修やセミナーは、特定の分野のスキルや知識に焦点を当てており、実践的な内容であるため、現場ですぐに使える情報を得られます。

加えて、ほかの医療機関のスタッフや専門家が講師であるため、今までとは異なる視点や新しいアプローチ方法での学びが得られます。

研修後に学んだ内容をケアに活かしながら課題に取り組むことで、知識と技術の向上を実感できるでしょう。

副業で別の職場の経験を積む

副業として別の職場の経験を積むことは有効な手段です。

異なる医療機関や専門分野での経験を積むことで、幅広いスキルの習得につながり、専門性を深められるでしょう。

また、臨床経験が多く得られるため、自信を持って患者さまに対応できるようになります。さらに、異なるチームや医療スタッフと協力することで、コミュニケーション能力やチームワークのスキルも向上します。

別の職場を選ぶときは、自分の専門性に関連する領域や興味のある分野だと効果的です。

副業で得た経験や知識を本業に活かすことで、看護師としてキャリアアップできるでしょう。

就業規則で副業を禁止している職場もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

異動を申し出る

異動によって新しい部署や医療領域での経験を積むことで、異なるスキルや知識を身につけられます。

たとえば、急性期病棟から慢性期病棟へ異動することで、患者ケアの視点が広がり、新たな技術や知識を習得できます。

ただし、異動を申し出る際は、現在の業務での成果を示したうえで、新しい環境でどのように貢献できるかを明らかにすることが重要です。

というのも、上司に異動の希望を伝えるだけでは「わがままだ」「異動して何をしたいの?」などと異動に疑問を持たれるからです。

異動先の部署や領域で求められるスキルや知識を事前に調べ、適応するために準備していることをアピールできると、異動しやすくなるでしょう。

パートや時短勤務など働き方を変える

柔軟な働き方にすることで、スケジュールに余裕ができ自己研鑽やスキルアップにあてられます。

たとえば、子育てや介護のためスキルアップする時間がとれない方は、フルタイムからパートタイムへシフトすることで、業務負担を軽減しながら、外部の研修に参加することが可能です。

また、時短勤務を選ぶことで、仕事と学習のバランスを取りやすくなり、新しい技術や知識の習得に専念できます。さらに、仕事に対するストレスが減少するため、技術の向上につなげられるでしょう。

働き方を変える際は、自分のキャリア目標に合わせた勤務形態を選び、仕事の質を維持しながら専門性を高める方法を検討してくださいね。

別の職場に転職する

看護師に必要な知識や技術を高められないと感じた場合、別の職場への転職は有効な手段です。

異なる医療機関や専門分野での経験を積むことで、新しい技術や知識を得られます。たとえば、急性期病院から療養型病院への転職は、別の患者層や治療法に触れる機会となり、これまでにはないスキルを身につけられます。

転職先を選ぶ際は、自分のキャリア目標や専門性に合った医療機関を選ぶことが重要です。

これからの看護師に求められるもの

ここでは、これからの看護師に求められるものを以下の4つ紹介します。

  • 在宅看護や地域看護の視点
  • 専門的な知識や技術
  • タフなメンタル
  • 変化に柔軟に対応できる能力

それぞれを詳しくみていきましょう。

在宅看護や地域看護の視点

これからの看護師に求められるものの一つが、在宅看護や地域看護の視点です。

現在、高齢化社会に対応するために、在宅医療が推進されています。在宅看護は、患者さまが自宅で安心して生活できるようサポートすることが重要です。

地域看護の視点では、地域社会の健康管理に貢献する能力が求められます。地域住民の健康促進や疾病予防、介護支援などを通じて、地域医療の質を向上させるためには、地域特有のニーズや資源をよく知っておかなければなりません。

在宅看護や地域看護の視点を持つことで、患者さまの生活の質を向上させるとともに、地域社会の健康を支える看護師として、専門性を高められるでしょう。

専門的な知識や技術

専門的な知識や技術を身につけるためには、新たな資格を取得したり、専門分野に特化した研修に参加したりすることが効果的です。

また、専門書や学術論文を通じて、最新の研究成果や治療法について学ぶことも重要です。

専門的な知識や技術を持つことで、患者さまのさまざまな状態に対応できるようになるでしょう。

タフなメンタル

看護師に必要な知識と技術を高めるためには、タフなメンタルが欠かせません。

医療現場は高いストレスとプレッシャーがともうため、強い精神力を持つことが重要です。

タフなメンタルを培うためには、ストレス管理やリラクゼーション法を実践しなければなりません。

また、職場でのサポートシステムやメンタルヘルスの研修を積極的に活用し、自己管理の方法を学ぶことも重要です。定期的に自身の感情やストレスの状態をチェックし、必要に応じて専門家のサポートを受けましょう。

変化に柔軟に対応できる能力

医療の現場では、患者さまの治療方針の変更や、新しい技術や手法が導入されるなどあらゆる場面で変化します。

変化に柔軟に対応するためには、情報収集と学習を常におこなうことが必要です。

最新の医療情報や技術、治療ガイドラインを把握し、必要なスキルや知識を習得することで、変化にスムーズに対応できるでしょう。

まとめ

看護師に必要な知識と技術は、解剖生理学の知識や看護技術に関する知識などさまざまです。

向上心を持って取り組んだり、看護師としての目標を明らかにしたりすることで、これらを身につけられます。

臨床の現場は日々変化しているため、先を見据えながらスキルアップしていくことで、患者さまにより良いケアを提供できるでしょう。

参考サイト・文献

生涯学習支援|日本看護協会 

2020年看護職員の労働実態調査|医療労働

在宅医療の現状について|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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