看護師の転職回数の平均は?転職を繰り返す看護師の理由や悩みの解決策
看護師の経歴が長くなればなるほど、転職した経験や、悩みがある方も多いでしょう。自分自身が転職経験者ではなくても、周囲に転職した方から話を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そして中には転職を何度も繰り返しており「自分は転職回数が多い方なのではないか」と気になっている方がいらっしゃるかもしれません。
本記事では、以下の内容に関してご紹介していきます。
- 看護師の転職回数の平均はどのくらいなのか
- 転職を繰り返す看護師に考えられる転職の理由
- それぞれの悩みの解決策
- 転職回数が多い看護師の市場価値
- 転職回数が多くても転職を成功させる方法
- 今後転職を繰り返さないためにできること
これから転職をご検討されていらっしゃる方や、現在転職活動をされている方も参考になるかと思われますので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
看護師は転職を繰り返す人が多い?転職回数の平均は?
看護師の方の中には、さまざまな理由で転職をしたことがある方がいらっしゃるでしょう。
中には、何度も転職を繰り返している看護師の方もいらっしゃいますが、そもそも転職回数の平均はどの程度なのか気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
日本看護協会の「看護職員実態調査2021年」の資料によると、これまで所属した勤務先の数は下記の通りとなっています。
所属した勤務先の数 | 数 | 割合 |
1〜2箇所 | 1,301件 | 50.3% |
3〜4箇所 | 897件 | 34.7% |
5〜6箇所 | 281件 | 10.9% |
7箇所以上 | 109件 | 4.2% |
合計 | 2,588件 | 100% |
調査対象者は少ないものの、平均職場数は3.0箇所です。看護師全体として複数回の転職を経験している方が少なくないことが見えてきます。
看護師が転職を繰り返す主な理由
看護師の方の中には、何度も転職回数を重ねる方も少なくありません。
看護師が転職を繰り返すにはさまざまな理由がありますが、主な理由と考えられるものは下記の通りです。
- 過酷な労働条件と職場環境
- キャリアアップや専門性の向上
- 家庭や居住地の変更などライフステージの変化
それぞれ理由について解説していきます。
過酷な労働条件と職場環境
過酷な労働条件と職場環境は、転職を繰り返す大きな理由のひとつです。長時間の労働や過重労働(マルチタスク)、夜勤などが原因で、多くの看護師が心身の疲労やストレスを感じており、転職の理由となっている方も多いと考えられるでしょう。
ただし、看護師の仕事は多少なりともシフトの都合で長時間労働(二交代勤務の場合)や、マルチタスクは発生してしまうため、「その負担は過剰であるかどうか」が見極めの判断になります。
キャリアアップや専門性の向上
専門性を高めたいと考え、キャリアアップのために転職を検討する看護師の方もいらっしゃるでしょう。また、キャリアアップや専門性の向上を目指す看護師の方は、学びを深めるために、より良い条件の職場を求めて転職する傾向にあります。
家庭や居住地の変更などライフステージの変化
家庭の事情や、夫の転勤などによる居住地の変更も、転職の理由になります。
家族の健康や子育て、配偶者の転勤など、女性の割合が多い看護師だからこそライフステージの変化や、周囲の環境の変化に伴って、やむなく転職せざるを得ないケースも少なくありません。
転職回数が多い看護師の市場価値とは?
転職回数が多いことは、一般的な転職市場ではマイナスと捉えられることもあります。看護師の現場でも短期間に繰り返し転職している場合などは、マイナスに受け取られてしまうことも少なくありません。
ただし、看護師の転職市場では、転職回数よりもそれぞれの転職理由を重視する傾向にあります。
そのため市場価値としては下がるとは言い切れないでしょう。
転職理由に、正当性があること(妊娠や出産、家族の転勤など)でネガティブな反応を回避できます。採用担当者に納得してもらえるような理由を伝えられると良いでしょう。
転職回数が多い看護師が転職を成功させる戦略4選
転職回数が多い看護師の方が転職を成功させるための戦略4選を解説します。
主な戦略は下記の4つです。
- 履歴書と職務経歴書の記載を工夫する
- 面接では思考の柔軟性をアピールする
- これまでの職場で貢献したことや成果を伝える
- 自分の専門性や特化していきたいことを伝える
それぞれ詳しくみていきましょう。
履歴書と職務経歴書の記載を工夫する
履歴書や職務経歴書の段階で、採用担当者に熱意や魅力が伝わるように示すことが重要です。
そもそも1次審査である書類選考を通らなければ、面接の機会も得られないため転職は成功しません。
転職回数が多くなっている、という理由で書類選考が通らないケースもあります。書類の時点で、ネガティブな印象をカバーできるように対策を練る必要があるでしょう。
具体的には、以下のポイントを押さえて作成すると良いでしょう。
例①過去の経歴に一貫性があり、今後も成長してきたいという意欲がある
例②転職回数は多いが、1か所当たりの勤続年数が長く、粘り強く働くことができる
転職によって、何を得たのか、どんな経験をしてきたのかを中心に振り返ってみましょう。
面接では思考の柔軟性をアピールする
何度も転職を繰り返している看護師の方は、「思考が柔軟ではなく、新しい職場のことを受け入れられずに転々としているのでは?」と捉えられることもあります。
そのように受け取られている点を理解した上で、「自分自身は柔軟な思考を持っており、転職しても周囲の意見をよく聞いて、互いの意見を尊重しながら合わせていきたいと考えている」という意思を伝えていくことが大切です。合わせてこれまではどのようであったか、今後の改善点と合わせて伝えられると説得力が増すでしょう。
これまでの職場で貢献したことや成果を伝える
転職を繰り返している看護師の方は、同じ職場へ長期的に貢献したり、成果を挙げたりできない、または成果を挙げたことがないのではないかと考えられることもあります。
これまで働いてきた中で貢献したことや成果などを、具体的なエピソードを踏まえながら伝えていけると、採用担当者も理解しやすいでしょう。これまでのエピソードと合わせて、転職先では何ができるか、どんな成果を挙げられそうかなど具体性のある話ができると、さらに好印象を与えられます。
自分の専門性や特化していきたいことを伝える
「これまでの職務経歴の中で、関心のあった領域で働くことを目標として学び続けてきた」という看護師の方もいらっしゃるのではないでしょうか。たとえば「いつか訪問看護師になりたいので、総合病院で幅広く学んできた」というケースもあります。どこでも良いという訳ではなく、明確な理由やエピソードなどの背景があった上であれば、その状況も理解してもらえる場合があるでしょう。
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看護師の転職回数が多くなることを防ぐためには?転職を繰り返す原因を解決する方法を解説!
先述したように、看護師の転職回数が多くなると、看護師の転職市場における市場価値が下がってしまうケースもあります。
転職回数が多くなってしまうことを防ぐために、転職を繰り返す原因となる悩みについて解決する方法を解説します。
労働条件の改善について相談と交渉を行う
看護師の転職理由として、過酷な労働環境が理由にあると先述しました。労働環境や労働条件は、相談することで働き方や給与などの条件を交渉できる可能性があります。
そのため、今の職場において労働条件に不満があるのであれば、まずは相談してみましょう。
・労働条件について改善は可能か
・給与や待遇について歩み寄れる点はあるか相談してみることで、柔軟に対応してもらえる場合もあるでしょう。
ただし、職場によっては改善が難しい場合や、相談することで働きづらくなる可能性もあるため、一度話しやすい先輩や周囲の人に話してみると良いかもしれません。
職場の人間関係を円滑に築くためコミュニケーションスキルを磨く
看護師の方の中には、周囲との人間関係に不満を抱いたり、働きづらさを感じたりする方もいらっしゃいます。
職場の人間関係を円滑に築くためにも、コミュニケーションスキルを磨くことは重要です。苦手な人とのコミュニケーションを考え直してみたり、コミュニケーションの取り方について直属の上司などに相談してみましょう。
また、どうしてもうまくいかないようであれば、部署異動をすることで人間関係は新しくなるため、異動について相談してみることもおすすめです。
職場内でのキャリアアップについて相談してみる
転職理由に、キャリアアップのためや専門性の向上についても言及しました。ですが、転職を決める前に一度、職場内や看護部に相談してみましょう。現在の働き方を少し変えることで、資格取得や学びの時間を得ることは不可能ではありません。また、職場としても看護師が辞めてしまうより「どうしたら働き続けられるか」と、看護師が就業を継続できるように支援したい、と考えている場合もあります。
転職の前に、まずは相談することで柔軟に対応してもらえる可能性もあるため、職場内でのキャリアアップについて話してみましょう。
看護師の転職回数が増えると市場価値が下がりやすい!なるべく転職回数を増やさないようにしよう
本記事では、看護師の方の転職平均回数や、転職回数が多いことでの看護師の市場価値について解説しました。あわせて、転職回数が多くても転職を成功させる戦略や、そもそも転職回数が多くなることを防ぐ方法についても掲載しています。
有効求人倍率の高い看護師の方でも、転職回数が増えると一般的には市場価値が下がりやすくなります。そのため、できることであれば現在の職場で改善・解決できないか相談し、なるべく転職回数を増やさないようにする方が良いでしょう。
ただし、現在の職場で改善が難しいことであれば、転職を検討し、次の職場では長期的に働くという意思を伝えていくようにすることがおすすめです。
転職をする際は、よく自分自身でも考えて、今後のキャリアや働き方を見据えながら検討していきましょう。
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