外来看護師に向いている人の特徴5選!役割ときついとされる理由を解説
「外来で働きたいけど、私に向いているのかな?」「外来看護師はきついって聞くことがあるけど本当?」
外来看護師への就職や転職を考えるうえで、このように悩まれる方もいるのではないでしょうか。
一般的に、外来看護師の方は週休2日制の勤務であり、夜勤がないことからワークライフバランスがとりやすいとされる一方で、きついと言われることもあります。
この記事では、外来看護師に向いている人に焦点を当て、具体的な仕事内容やきついと言われる理由などについて解説します。外来看護師として働きたいと考えている方は、最後までぜひご覧ください。
外来看護師とは
外来看護師とは、クリニックや病院に訪れる外来患者さまを担当する看護師のことです。ここでは、下記の項目でくわしく解説します。
- 外来看護師の役割
- 外来看護師の業務内容
- 外来看護師の一日の流れ
それぞれを知って、外来看護師に転職する際に役立ててくださいね。
外来看護師の役割
外来看護師は、患者さまが医師の診察や治療、検査などをスムーズに受けられるようにサポートすることが主な役割です。
患者さまは、手術後の経過観察やリハビリテーション、慢性的な病気のケアなどさまざまな理由で来院します。外来看護師の方は、これらの患者さま一人ひとりに、限られた時間で対応しなければなりません。
また、外来看護師の方は、患者さまへの対応次第で病院やクリニックのイメージも悪くする可能性もあるため、素早くかつ丁寧に対応することも重要です。
外来看護師の業務内容
外来看護師の具体的な業務内容は、以下が挙げられます。
- 診察の準備
- 受付対応・事務作業
- 医療器具の補充や消毒
- 患者さまの症状の事前確認
- 医師の診察や治療の補助
- 片付けや翌日の診察の準備
- 採血や予防接種などの処置
業務内容は、病院やクリニックの規模、外来の特徴によって異なります。
そのため、希望する外来にどのような業務があるのか、どのような専門分野であるのかを知っておくことが大事です。
外来看護師の一日の流れ
外来看護師は業務の幅が広く、効率よく仕事をおこなう必要があります。ここでは、どのような流れで仕事をおこなっているのかを紹介します。
外来看護師の一日の流れ
時間 | 業務内容 |
8:00 | ・出勤 ・申し送り ・予約状況確認 ・午前の診療準備 |
8:30〜13:00 | ・午前の診察 ・医師の診察や処置の介助 ・バイタルサインチェックや採血、注射などの処置 ・患者さまや家族への対応 |
13:00〜14:00 | 交代で昼休憩 |
14:00〜17:00 | ・午後の診察 ・医師の診察や処置の介助 ・バイタルサインチェックや採血、注射などの処置 |
17:00〜17:30 | ・片付け ・医療器具の補充や消毒 ・翌日の準備 |
17:30 | 退勤 |
突発的な仕事が入ってくることや残業が必要になることは少ない傾向です。
外来看護師に向いている人の5つの特徴
つぎに、外来看護師に向いている人の特徴について解説します。
- コミュニケーション能力が高い人
- テキパキと臨機応変に対応できる人
- 診察の介助がスムーズにできる人
- ワークライフバランスを重視したい人
- 患者さまと一定の距離感を保ちたい人
それぞれの特徴をくわしくみていきましょう。
コミュニケーション能力が高い人
外来看護師の方には1日の仕事でさまざまな方と接するため、対象に合わせたコミュニケーションが必要とされます。
そのため、コミュニケーション能力が高い人は外来看護師に向いています。実際に、外来看護師は下記のようにコミュニケーションが必要になる業務が多いです。
- 患者さまに症状を聞く
- 医師に患者さまの情報を伝える
- そのほかの医療スタッフと連携する
患者さまと適切にコミュニケーションを取ることが、正確な情報の把握につながります。
また、外来看護師の方は医師に症状を伝え、患者さまからのクレームに対応することもあります。
あらゆる場面でしっかりとコミュニケーションを取れる方は、外来看護師に向いているでしょう。
テキパキと臨機応変に対応できる人
外来看護師には、臨機応変に対応できる方が求められます。
外来には、体調が悪い方や介護度が重い方などさまざまな患者さまが来院するためです。
とくに、予約されていない患者さまの来院が集中する午前や午後の診療を開始したときには、患者さまに症状を聞きながらほかの仕事もおこなわなければなりません。
そのため、テキパキと臨機応変に対応できる人は外来看護師に向いていると言えます。
診察の介助がスムーズにできる人
医療の知識があり、臨機応変に対応できる方は、診察の介助をスムーズにおこなえるため外来看護師に向いているでしょう。
診察の介助がスムーズにできるようになるには、医師の動きを学び、医師との信頼関係を築くことが必要であるため、普段からコミュニケーションをとることが大切です。
ワークライフバランスを重視したい人
外来看護師は以下のような勤務形態になりやすいため、ワークバランスを重視したい人に向いています。
- 休日が固定されやすい
- 当直や夜勤のない施設が多い
- 診察時間が決まっているため、残業が少ない
基本的には、休日が固定されやすかったり、夜勤がなかったりするため、プライベートの計画が立てやすいです。
さらに、一般病棟で働く場合に比べて、患者さまを介護することによる身体の負担が少なく、緊急入院への対応が少ないこともワークライフバランスを充実させる要因と言えます。
患者さまと一定の距離感を保ちたい人
外来看護師は、1人の患者さまにかかわる時間が一般病棟と比べると短いため、一定の距離感を保って接することができます。
患者さまに対して、深入りせずに一定の距離感を持って仕事したいという方には向いていると言えるでしょう。
ただし、住み慣れた地域で長く暮らす患者さまを、かかりつけの外来としてコミュニケーションをとることも多くあるため、一度の受診時間は短いとはいえ、一定の距離感を保つことが難しくなるケースもあります。
患者さまへの対応に困った場合は、外来全体への影響も考えられるので、先輩看護師や医師に相談するとよいでしょう。
外来看護師と病棟看護師の違い
ここでは、外来看護師と病棟看護師の違いについて紹介します。病院やクリニックによって違いがあるため、目安としてお考えください。
外来看護師 | 病棟看護師 | |
業務形態 | 日勤 | 2交代制または3交代制 |
休みの形態 | 週休2日制 | 4週8休制 |
残業の多さ | 少ない | 多い |
患者さまの介護 | 少ない | 多い |
年収 | 夜勤がない分が低い | 夜勤がある分が高い |
病棟看護師は、夜勤があり、その夜勤手当額が3交代制の準夜勤では平均4,234円/回、深夜勤では5,199円/回、2交代制では平均11,368円/回です。夜勤手当の差が、病棟看護師と外来看護師の給料の差になることもあります。
病棟看護師は休みの予定が月毎に変わり、次の月のシフトがわからないことも多く、プライベートの予定を立てづらい傾向です。
そのため、病棟看護師に比べ、外来看護師は年収が下がる一方で、プライベートの予定が予想しやすいといえます。
外来看護師がきついとされる理由
つぎに外来看護師がきついと言われる理由を下記4つの項目で解説します。
- 診療時間内に多くの患者さまに対応しなければならない
- 待ち時間や医師の対応などのクレームを受けることがある
- 人手が足りない他部署の応援に回されることがある
- 点滴や採血などのスキルが身につきにくい
外来看護師への転職を考える際の参考としてくださいね。
診療時間内に多くの患者さまに対応しなければならない
外来看護師は、診療時間内に多くの患者さまに対して臨機応変な対応が必要です。
患者さま一人ひとりにしっかり対応する一方で、診察時間内にスムーズに診察や処置を進め、患者さまに説明することも求められます。
たとえば、午前中の診療で対応が遅くなると、時間内に診察が終わらず、午後の診療を再開する直前に診察が終わることがあります。
もちろん、診察が終わらないのは外来看護師1人の責任ではありません。
ただし、外来看護師は多くの患者さまに対して、臨機応変かつ効率よく対応することが必要になるので「きつい」と感じる方もいるでしょう。
待ち時間や医師の対応などのクレームを受けることがある
外来看護師は、以下のようなクレーム対応が必要になるので、きついと思われる方もいます。
- 待ち時間が長くイライラした患者さまへの対応
- 医師に対するクレームへの対応
外来の診察において、待ち時間が長いことでイライラした患者さまの対応やクレームへの対応も必要になるでしょう。
また、医師への不満を看護師にクレームとして伝える方もいるため、その対応も必要です。
クレーム対応には、患者さまに理解してもらうために十分な知識が必要であり、言葉選びも慎重にしなければならないため、ストレスがかかり「きつい」と思う方もいるでしょう。
人手が足りない他部署の応援に回されることがある
大学病院や総合病院などの規模が大きい外来では、人手が足りない他部署の応援に回されることもあります。
ただし、応援に回されると、患者さまの病状や業務内容が変わる場合もあるため、スムーズに業務ができないケースも少なくありません。
たとえば、配属されている診療科の外来から、別の診療科の外来に回されるだけではなく、外来から内科病棟や外科病棟へ回される場合もあり、柔軟に対応することが難しいケースもあるでしょう。
さらに、人手が足りない部署では、患者さまの待ち時間も長くなる傾向にあります。
自分が所属していない部署で働くだけでも不慣れであるにも関わらず、さらにクレームも重なると精神的なストレスを感じやすいです。
点滴や採血などのスキルが身につきにくい
外来看護師は、点滴や採血などの処置をする機会が少ないため、こういった処置のスキルアップを望んでいる方にはデメリットといえるでしょう。
ただし、緊急外来や専門外来では、処置をおこなう場合もあるため、外来の特徴を事前に調べてみてくださいね。
外来看護師に関するよくある質問
最後に、外来看護師に関してよくある質問についてお答えしていきます。
- Q1:外来看護師になるにはどんなスキルが必要ですか?
- Q2:外来看護師の大変なことは何ですか?
- Q3:新卒で外来看護師として働けますか?
- Q4:外来看護師はどのような勉強をしたらいいですか?
それぞれの回答を知って、外来看護師への疑問や悩みを解決しましょう。
Q1: 外来看護師になるにはどんなスキルが必要ですか?
外来看護師に必要なスキルは以下になります。
- 幅広い医療知識
- 臨機応変な対応
- 患者さまやほかの医療関係者とのコミュニケーション能力
上記のように書くと難しく思うかもしれません。
ただし、広い医療知識や臨機応変な対応については、経験でカバーできたり、外来看護師として働きつつスキルを身につけたりすることもできます。
教育体制が充実しているところを選ぶと適切な指導を受けられるため、それらのスキルを身につけやすいでしょう。
Q2: 外来看護師の大変なことは何ですか?
外来看護師の大変なことは、以下になります。
- 患者さまのクレーム対応が必要になる
- 休憩時間以外は休む暇がない場合もある
- 勤務時間内(診察時間内)に雑務などの仕事を終わらせる必要がある
- 患者さまとかかわる時間が少ないため、コミュニケーションがとりづらい
- 人手が足りない時に他の部署へ回される場合がある
患者さまのクレーム対応はストレスになるため、精神的に大変な思いをすることもあります。さらに、業務内容も幅広いため、毎日忙しく大変だと思う方もいるでしょう。
Q3:新卒で外来看護師として働けますか?
新卒で外来看護師の求人を出しているクリニックや病院もあるため、働くことは可能です。
ただし、求人のなかには「実務経験必須」「実務経験者歓迎」などの条件を提示している外来も少なくありません。
また、幅広い医療知識が必要になることや、1日に多くの患者さまの対応が必要になるため新卒での外来看護師はハードルが高いでしょう。
病棟看護師で実務経験をある程度積んでから、外来看護師へ転職することも考慮しておくといいでしょう。
Q4:外来看護師はどのような勉強をしたらいいですか?
外来看護師も病棟看護師も勉強が必要なことに変わりはありません。その勉強内容は、働く部署や医療分野によっても異なります。
ホームページを確認してどのような分野に特化しているの、どのような背景の患者さまが来院しているのかを把握すると、勉強の方向性が分かるでしょう。
まとめ
ここまで外来看護師が向いている人はどんな方なのかに焦点を当てて、解説をおこなってきました。
外来看護師は夜勤がないことや休みが固定されることから、ワークライフバランスを大切にしながら働きたい方に適していると言えるでしょう。
ただし「患者さまからのクレーム対応」や「多くの患者さまを1日で効率よく対応する必要がある」など大変な面もあることには理解が必要です。
外来看護師の業務は、病院やクリニックによっても変わるため、自分が働きたい分野や病院がある場合は、業務時間や業務内容を調べてから就職、転職することをおすすめします。
参考文献・サイト
「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。