看護師が40代で転職するのは難しい?転職しやすい職場や注意点の解説

公開日:2024/06/12 更新日:2024/06/12
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40代は、プライベートで変化があったり、キャリアアップを考えたりする年代です。

転職は難しいのか、働きやすい職場はどこなのか、気になることでしょう。

この記事では、40代の看護師の転職は難しいのか、主な転職理由や強み・不利になるポイント、おすすめの働き方を解説します。

注意点も参考に、転職を検討する際に役立ててください。

40代看護師の転職は決して難しくない

看護師は人材不足の職業であるため、40代の転職は難しくありません。

厚生労働省によると、2022年度の看護職の有効求人倍率は2.2倍です。

倍率が1を上回れば求職者の数よりも人材を探している企業数が多いため、看護職は人材不足の職種といえます。

また、就業看護職員の年齢階級別構成割合の推移を見ると、以下のように40代が最も多く活躍していることがわかります。

就業看護職員の年代割合 (2020)
20代(25歳以上)11.3%
30代21.1%
40代27.0%
50代21.7%

参照元:厚生労働省|看護師等(看護職員)の確保を巡る状況

さらに、ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書によると、応募者のうち病院やクリニック、介護施設などに就職した割合は40代前半で48.9%、後半で45.5%にものぼります。

若い年代で最も高い30代後半の43.6%と比べても、40代の看護師は高い確率で転職できているといえます。

40代看護師の主な転職理由

40代看護師が転職する主な理由には「好条件の働き方に変えたい」「プライベートの時間と仕事の調整をしたい」などがあります。

よく聞かれる理由を解説します

スキルアップ・キャリアアップしたい

40代の看護師は知識や経験が豊富にあり、自分の可能性を広げるために転職を決意する方もいます。

看護師経験が長ければ、専門領域でのスキルアップや管理職へのキャリアアップを目指すこともあるでしょう。

別の職業から転職した場合は、前職で培ったコミュニケーションスキルやビジネスマナーを看護師に活かせます。

年収を上げたい

好条件の職場に転職することで、年収を上げたい40代看護師もいます。

特に、これまで培ってきた専門知識や技術を活かせる職場であれば、年収アップを目指しやすくなります。

労働環境を変えたい

40代の看護師は、体力面の負担から労働環境を変えるために、転職を検討する場合もあります。

看護師は、急変や入院などが多い病棟や人手不足の職場など、勤務先によっては夜勤や残業が多くなりやすい職業です。

そういったケースでは、就業先を変えることでワークライフバランスを取りやすくなるでしょう。

育児にかかる時間が変わった

40代の看護師は、育児にかかる時間が変わることで転職を検討する年代です。

20代前半に出産を終えた方は一段落し、働ける時間が増えるでしょう。

教育資金を貯めるために、このタイミングでフルタイムに復帰する方もいます。

一方、看護師は30代後半などに妊娠や出産する方も多く、育児を優先するために転職する方もいます。

40代の看護師の転職で強みになるポイント

40代の看護師はこれまでの実績や経験が評価されやすいうえ、ライフステージの変化が少ないことが、転職での強みになります。

それぞれ詳しく解説します。

過去の実績や経験

40代の看護師は、長年の実績や経験が即戦力として評価されやすくなります。

転職時には、同じ診療科目に長年勤務した経験や、さまざまな分野で培った知識・スキルをアピールするとよいでしょう。

新人教育ができる

社会人経験の長い40代看護師は対人スキルも高く、新人教育ができる人材として重宝されやすくなります。

前職での教育実績があれば具体的に伝えるとよいでしょう。

これまでの実績も踏まえて、高い指導力とチームへのサポート力をアピールすると、良い印象を残せるかもしれません。

ライフステージの変化が少ない

40代の看護師は、ほかの年代に比べライフステージの変化が少ないことが転職時の強みになります。

特に、子育てが一段落した場合の転職では、結婚や出産などで退職する可能性は低くなります。

そのため「すぐに辞めてしまうのでは?」といった懸念を払拭できるよう、長く働きたい意欲を伝えるとよいでしょう。

40代の看護師が転職で不利になる要因

40代の看護師が転職するときには、不利になる要因も把握しておかなければなりません。

解説を参考に、伝え方を工夫しましょう。

転職回数が多い

40代の看護師は豊富な実績や経験があるとはいえ、転職回数が多いと不利になる可能性があります。

1~3年未満で何回も転職している場合、採用担当者に「またすぐに辞めるのでは?」といったマイナスイメージを与えかねません。

転職回数が多い場合は、明確な理由を伝えられるように準備しておくと安心です。

ブランクが長い

40代の看護師でブランクが長い場合、転職に不利になることも考えられます。

ブランクが長いと「最新の医療知識・技術に対応できないのでは?」「看護技術も適切に行えるだろうか・・・」などと思われてしまう可能性があります。

ブランクが長く、再就職が不安な場合、まずはパートなどから始めるのも1つの方法です。

また、都道府県などが行なう復職支援研修を受講するのもおすすめです。

前職の退職理由

前職の退職理由によっては、転職が不利になる可能性もあります。

たとえば、転職理由が給料の低さであった場合、そのまま伝えてしまうと仕事に対する熱意が感じられず、あまりよい印象にはなりません。

「成果に応じた評価が得られない環境だったこと」「ここであれば転職後に貢献していけること」を伝えるとよいでしょう。

40代の看護師が転職しやすい職場

40代の看護師が転職しやすい職場を紹介します。

転職先の検討に役立ててください。

クリニック

ワークライフバランスの取りやすさが魅力のクリニックは、40代の看護師におすすめです。

夜勤がないクリニックも多く、土曜日の午後や日曜・祝日が固定で休みになる傾向にあります。

診療の補助や採血などの医療処置、受付などが主な業務内容となるため、難しい医療処置や技術は少ないです。ブランクが長い場合でも、転職する際の精神的な負担は少ないといえるでしょう。

療養型病院

急性期を脱し、状態が安定した患者さまが多い療養型病院は、緊急対応が比較的少なく40代看護師が働きやすい職場です。

複雑な医療処置も少なく、精神的な負担も軽減できるでしょう。

健診センター

健診センターは日勤のみで残業がないため、体力面で転職を検討する40代の看護師におすすめです。

日曜や祝日休みであり、プライベートとの両立も無理なく図れるでしょう。

主に、問診や身体測定、採血、検査の補助などを担当するため、決まった業務を行なうことが得意な方にとって、選択肢の1つとなります。

病院の外来

病院の外来は夜勤がなく、残業や緊急対応も多くはない職場です。

医療処置は採血や点滴などが多く、外来患者さまの対応や生活指導、医師のサポート、受付業務などを行ないます。

体力面が不安な40代の看護師でも、これまでの知識や経験を活かして働けるでしょう。

介護施設

介護施設は、入居者さまとじっくり関わりたい40代の看護師におすすめの職場です。

また、子育てと両立したい、体力や健康面の問題から夜勤を控えたい場合にも働きやすいでしょう。

生活をサポートするのは主に介護士であるため、身体的な負担も病院より少なくなります。

業務内容は入居者さまの健康管理であり、基本的には複雑な医療処置もありません。

訪問看護ステーション

訪問看護ステーションは、ワークライフバランスを維持しながら、さまざまな年代の利用者さまとじっくり関わりたい40代の看護師におすすめの働き方です。オンコール待機はありますが病棟のように夜勤がなく、特に私生活を重視したい方にとっては魅力的な職場でしょう。なかには、土日が休みの訪問看護ステーションもあります。

訪問先での業務内容は、健康観察や医師の指示に基づいた医療処置、療養指導などです。また、ターミナルケアも多いです。

40代の看護師が転職する場合の注意点

40代の看護師が転職する場合には、注意しなければならないこともあります。

詳しく解説します。

未経験の分野は難しい

40代の看護師にとって、未経験の分野への転職は難しい傾向があります。

医療機関や施設は年齢が上がるほど経験豊富な人材を求めており、未経験では不利になるかもしれません。

同じ未経験なら、若い年代のほうが柔軟で馴染みやすいと判断される可能性もあります。

年齢制限を確認しておく

40代の看護師が転職するときは、年齢制限の有無を確認しましょう。

厚生労働省では、原則的に労働者の募集・採用で年齢制限を設けることはできないとされています。

ただし、例外として、長期勤続になるキャリア形成を図る観点から、若い年代を募集している場合などは年齢制限が許可されています。

参照元:厚生労働省|雇用促進税制の申請方法

マネジメントや教育を求められる場合がある

40代の看護師はスキルがあると判断され、マネジメントや教育を求められる場合があります。

現場の看護業務に専念したい場合には、あらかじめ業務内容のすり合わせが重要です。

40代の看護師が転職しやすい他業種とは

40代の看護師は、ほかの業種に転職することも可能です。

転職しやすい業種を紹介します。

事務職

事務職は、未経験でも働ける業種です。

残業も少なく、土日・祝日休みが多い傾向があります。

40代の看護師は、これまでの経験が活かしやすい医療機関や医療・ヘルスケア関連の企業などの事務職もおすすめです。

WordやExcelなどのOffice関連の知識やスキルがあると、活躍しやすいでしょう。

介護職

40代の看護師は、これまでの経験が同じ分野で活かせるという点で介護職への転職もおすすめです。

介護士のほか、ケアマネージャーなどを目指してもよいでしょう。

看護師資格があることで、利用者さまやご家族からの信頼も得やすくなります。

コールセンター

コールセンターは、40代看護師のコミュニケーションスキルや情報収集スキルが活かせる業種です。

医療施設や介護施設と連携しているサービスや、オンライン診療の電話相談窓口などであれば、医療知識を役立てることができます。

ライター

コラムや記事などの文章を作成するライターは、40代の看護師としての知識や経験が役立つ業種です。

書籍・新聞・雑誌・フリーペーパーなどの出版物や、Web上に掲載する記事、広告主の依頼を受けて作成する広告記事(PR記事)などの文章を執筆します。

40代の看護師は、医療や福祉関係の記事制作においてこれまでの知識や経験を役立てられるでしょう。

営業職

営業職は、40代看護師がこれまで患者さんとのコミュニケーションで培ってきたスキルが発揮できる業種です。

結果が報酬に反映されることも多く、モチベーションを上げながら働くことができるかもしれません。

まとめ

40代の看護師の転職は、難しいわけではありません。

スキルアップやキャリアアップ、労働環境など、転職を検討する理由はさまざまです。

転職時には、実績や経験、ライフステージの変化が少ないことなど、40代ならではの強みをアピールできるとよいでしょう。

40代は看護師として働き続けたり、他業種に転職したりと、働き方も柔軟に変えられます。

本記事を参考に、自分に合う働き方を検討してみてください。

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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