看護師の配属希望理由の書き方とは?例文7選と履歴書での書き方も紹介
看護師は就職・転職する際に、病院から配属希望について聞かれることもあるでしょう。
また、履歴書にも配属希望を記載するという方もいるでしょう。
今回は看護師の配属希望や配属希望理由は履歴書に書いた方が良いのか、という点から、実際にどのように書くと良いのか例文も交えつつ、書き方や書き方のポイントを解説していきます。
就職や転職の際に悩んでいる看護師の方は、ぜひ参考にしてください。
看護師の転職で配属希望を履歴書に書いた方が良い理由
看護師の方は転職の際に履歴書記載や面接の場で、配属希望を書いたり、聞かれたりすることもあるのではないでしょうか。
面接の場では、希望の配属先について聞かれるケースは多いかもしれません。しかし、履歴書に配属希望を書くのは「迷惑かもしれない」「失礼にあたるかも」と書かない看護師も中にはいるでしょう。
とはいえ、面接の場で必ず配属先について聞かれるとも限らないため、思いがけない病棟への配属となった場合は、働き続けられるか心配になるかもしれません。
配属希望を履歴書に書いたり面接で伝えたからといって必ず希望が通るわけではないものの、なるべく履歴書に記載したり面接で伝えたりした方が良い理由もあります。
それぞれ履歴書に配属希望を書いた方が良い理由について解説していきます。
入職後のミスマッチを防げる
履歴書に自分の配属希望とその理由を書くと、希望の配属先を病院側も知ることができるため、双方のミスマッチを防ぎやすくなります。
入職後のミスマッチは、看護師の早期離職につながる場合も多く、看護師の方はもちろん就職先の病院も避けたいところでしょう。
明確な理由付けをした上で配属希望を伝えると、病院側も納得して配属希望通りに配属してもらえるかもしれません。
キャリアプランを立てやすい
看護師自身が希望の配属先に配属されると、自分が思い描いていたキャリアプランを歩みやすかったり、新人の場合もやりたかったことや興味のあったことを実践できるためキャリアプランを立てやすかったりするでしょう。
キャリアプランを明確に立てるのは、看護師が看護師としてのキャリアを歩んでいく中で非常に重要なことといえます。
また、自分自身がやりがいを持って働くためにも、希望の配属先に配属された方が理想の現場で働けているという点から成長を実感しやすいため、やりがいを感じやすくなる場合もあります。
経験を活かして働けるとやりがいを感じやすい
新卒の看護師ではなく転職をする看護師の中には、自分自身がこれまで働いてきた経験を活かして働きたいと考えている方が多いのではないかと思います。
まったくの未経験の分野よりも経験を活かして働けると、すぐに貢献できているという実感が湧き、やりがいにも繋がりやすいでしょう。
新たな分野で働くのではなく、自分自身の経験を活かしてさらにスキルアップしていきたい、さらに経験を積んでキャリアアップを検討しているという場合には、配属希望の中でその点を伝えると納得してもらいやすいです。
経験を活かして働けると看護師のやりがいにつながることから病院も離職を防げるため、双方にメリットがあります。
看護師の配属先の決まり方|配属希望通りにいかない場合も
看護師の配属先の決まり方は病院によって異なるものの、基本的には看護師たちの希望を尊重するか、病院の人員不足や配置の関係で病院側が采配を決めるかの2択です。
看護師の希望を聞いて配属先を決めている病院でも、希望が集中しすぎてしまう配属先があれば、その希望理由や適正などから検討し病院側が誰を配置するか判断します。
どのような理由で配属したかは、基本的に看護師に伝えられない場合が多いですが、もし配属先に新人育成をする余裕がありそうなら長期的なキャリア育成の観点から新人を配置する場合もあります。ただし即戦力が欲しいという状況であれば、経験者を配置する場合もあるでしょう。
どんな理由や背景があったとしても、配属希望は絶対通るわけではないことを看護師は理解しておく必要があります。
看護師の配属希望理由の書き方と例文7選
配属希望は必ず通るわけではないと前述しました。しかしなるべく希望通りの配属先に配属されたいと考える看護師も多いでしょう。
理想の配属先に配属されるには、配属を希望する理由を第三者が納得いくように書く必要があります。
看護師の配属希望理由の書き方と例文をそれぞれ解説していきます。
これまでの経験を活かしてさらにスキルアップしたい
これまでの看護師としての臨床経験や身につけてきたスキルを活かしながら、スキルアップをしていきたいという例文です。
ただこの文章だけだと、第一希望の配属先ではなくてもスキルアップはできるだろうと思われてしまい、希望通りの配属先にならないというケースもあります。
そのためなぜその配属先が良いかという理由付けをこの例文だけでなく補足で記載する必要があるでしょう。
患者さまとのコミュニケーションを大事にしていきたい
患者さまとのコミュニケーションが重要になってくる精神科はもちろん、慢性期病棟や外来などへ希望を出す場合にも使える例文です。
これまでオペ室やICUなどであまり患者さまと直接コミュニケーションをとっていく機会が少なかったという場合は、その点も理由として付け加えると「今後はもっとコミュニケーションスキルも学んでいきたい」という意向が伝わりやすくなります。
一方でこれまでと同様にコミュニケーションを大事にしていきたいという思いがあるなら、なぜ変わらない思いを持ち続けているのか、実体験も踏まえながら記載するのもおすすめです。
幅広い疾患の患者さまと関わっていきたい
オペ室希望や外来、救急など、幅広い疾患の方が訪れる現場への配属希望の例文です。
消化器内科や整形外科など特定の疾患の方に偏っている配属先ではなく、幅広い疾患の患者さまと関わって医療について包括的に学んでいきたいという方や、いろんな症例をみて患者さまとの関わり方を学びたいという方におすすめです。
医療技術や知識を磨いていきたい
救急やICU、PICUのような、専門的な医療技術や医療の知識が必要となる現場への希望を出す場合の例文です。
最先端な医療技術を導入しているのは、三次救急となる救急医療の現場や、ICUやPICUのような集中治療室の傾向にあります。
先端医療に関わって医療技術や知識を磨きたいと考えている方にはおすすめの配属理由です。
地域医療に貢献していきたい
外来に付属の訪問看護や、地域医療連携室など、地域医療に関連のある現場への配属希望を出す場合の例文です。
地域連携は現在はもちろん今後も医療において必要不可欠であるため、地域医療の一端を担っていきたいというのは採用においても有効的な文言であるといえるでしょう。
ただし地域医療に関わる現場は、訪問看護や地域医療連携室など複数あるため、なぜ第一希望の配属先が良いのか別の理由を付け加えると、さらに希望が通りやすいかもしれません。
人の命に携わる現場で心身ともに合わせた包括的なケアを学びたい
産婦人科や救急などの命が生まれる場や命の危機に晒される患者さまが多い現場での配属希望を出す場合の例文です。
人の命に近く関わっていく現場で、心身ともにケアを実践していきたい・学んでいきたいという看護師の方は、学びながら患者さまや現場へ貢献していきたい、スキルアップをしていきたいという旨を合わせて伝えられると良いでしょう。
また、なぜ人の命に携わる現場で働きたいと感じたのかも伝えられると有効的です。
例えば産科希望であれば、出産の経験を通して多くの医療従事者に助けられたため、自分もそんな存在になりたいといったエピソードや、救急希望の場合は、家族が心疾患で救急に運ばれた時、迅速に対応してもらえたのはもちろん、不安だった自分に寄り添ってくれた看護師さんにとても嬉しく感じたため、といった実体験のエピソードを交えると説得力があり良いでしょう。
家庭と仕事の両立をしていきたい
慢性期病棟のような比較的残業が少ない配属先への配属希望を出す際の例文です。
ただしそれならこっちの科でも良いだろう、と第一希望の科へ行けない可能性もあるため、この例文は他の理由に加えて、さらに長く働き続けるための根拠付けとして伝えるくらいがちょうど良い場合もあります。
もし両立できそうな残業の少ない配属先ならどこでも良いという場合は、この例文のみでも良いかもしれません。他にも第一希望の配属先が良い理由が他にもあるなら、その理由も合わせて述べた方が希望は通りやすいでしょう。
看護師の配属希望理由を履歴書に書く際のポイント
ここまで例文を7選紹介してきました。次にその例文を踏まえて看護師の配属希望理由を履歴書に書く際のポイントを解説します。
主なポイントは下記の5つです。
- 簡潔に要点から記載する
- 長く働いていきたいという意思も伝わるようにする
- 実体験を交える
- ポジティブな内容の記載をする
- 応募先の特色を踏まえて書く
それぞれ解説していきます。
簡潔に要点から記載する
履歴書を書く時、伝えたいことがありすぎてついつい文章が長くなってしまい、結果として何が言いたいのかわからない文章となってしまう方もいるでしょう。
文章量が少なすぎるのもよくないものの、とはいえ長く書きすぎて要点が伝わらなければ、せっかく書いた配属理由や志望理由も伝わらなくなってしまいます。
まずは簡潔に要点から記載するようにすると良いでしょう。要点を書いた後に理由付けをしていく方が記載する側はもちろん、読み手側も読みやすくなります。
長く働いていきたいという意思も伝わるようにする
ただ働いてみたい、経験してみたいという部分だけが伝わってしまうと、すぐに転職してしまうのではないか、すぐに異動したいと言い出すのではないかと受け取られてしまうこともあります。
配属希望の中に、新しいスキルを学びたい、経験してみたいという新たな挑戦をするような内容を書いている方は、学び終えたと感じたらすぐに転職したり異動希望を出したりしそうと考えられるケースもあります。そのため新しいスキルを学んだ後にどうしていくか、という具体的な例をあげてみるなど、長く働いていきたいという意思も合わせて伝わるような文章にしていく必要があるでしょう。
実体験を交える
前述の例文の中でも触れましたが、配属希望の理由として実体験のエピソードがあると、意思の強さが伝わり説得力が増すためおすすめです。
できれば自分自身の体験が良いものの、もしエピソードがなければ自分の家族の話や友人の話など自分以外の身近な存在のエピソードを交えても良いでしょう。
抽象的なものよりは実体験など独自性がある方が、さらに説得力が増すため、もし書けるものがあるなら記載するようにしましょう。
ポジティブな内容の記載をする
配属希望を記載する中ではポジティブな内容を記載するようにしましょう。
〇〇が大変だからA病棟は避けたい、というような他の病棟を避けるような記載ではなく、キャリアアップのため、地域医療に貢献するため、といった希望の配属先で働くためにポジティブな理由があることを伝える方が良い印象を与えられます。
否定的な内容やネガティブな内容は記載せずに、ポジティブな内容でまとめるように意識しましょう。
応募先の特色を踏まえて書く
応募先の特色を踏まえて書くと、配属希望はもちろん採用にも至りやすいです。
例えば地域連携を大事にしている病院では、「自分自身もその点を魅力と感じており多職種連携の一員として活躍できるように地域連携室で働きたい」というように配属希望の理由付けにもできます。
また三次救急のある病院では、重篤な患者さまが多く運ばれてくるため「クリティカルケアを専門的に学んでいくためにも救急やICUで学んでいきたい」という病院の特色を踏まえた配属希望を伝えられるでしょう。
看護師の転職で配属希望が通らなかったら?
転職の際に配属希望を出しても、思った通りの配属先とならないこともあるでしょう。
前述のように配属先は必ず希望が通るものではありません。
例えば、自分は急性期の看護がしたかったのに慢性期の病棟の配属となってしまった、という方がいたとします。
しかし、今は慢性期ならではの特性や看護など、今の現場だから学べることを学んでいこう、というような姿勢を持つことが大事です。
希望通りのやりたいことが今はできなくても、看護師としてのキャリアを歩む中で異動や転職など、いつかはできるようになるかもしれません。
今は配属先でできる限りの看護実践をして学べる限り学んでいこうと切り替えるのが大切です。
看護師の履歴書には誰もが納得できる配属希望理由を記載しよう!
ここまで、看護師の配属希望の理由は履歴書に書いた方が良いのか、その理由や、実際に配属希望理由を記載する際の例文、記載するポイントなどを紹介しました。
看護師にとって、配属先は今後のキャリアを歩む中で重要なものとなってきます。
希望が必ず通るわけではありませんが、少しでも自分の実践したい看護ができるように、誰もが納得できる配属希望の理由を記載するようにしましょう。
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