介護施設の看護師の給料は低い?転職して給料アップする方法3つを紹介

公開日:2024/05/02 更新日:2024/11/15
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「介護施設で働く看護師の給料は低いって本当?」「介護施設の看護師に転職して給料アップする方法を知りたい」

このように感じている看護師の方はいませんか?

介護施設と一言でいっても介護老人保健施設や介護老人福祉施設、介護医療医院などさまざまです。さらに、それぞれの介護施設によって利用者さまの介護度や疾患、提供するサービス内容は異なります。

そこで今回は、介護施設で働く看護師の給料の実態と、介護施設に転職して給料アップを狙う方法などを紹介します。この記事が、あなたの悩みを解決できるきっかけになれると幸いです。

介護施設別の看護師の給料

まずは、介護施設別の常勤看護師1人あたり給与費を紹介します。くわしくは以下の表をみてください。

施設別ひと月あたりの給料(令和4年)ひと月あたりの給料 (令和3年)
介護老人福祉施設45万5,491円43万6,875円
介護老人保健施設46万9,573円46万2,955円
介護医療院46万520円47万2,789円
訪問入浴介護42万318円38万6,881円
訪問看護46万3,927円45万2,951円
訪問リハビリテーション37万9,586円42万465円
通所介護37万5,327円37万2,883円
通所リハビリテーション41万7,917円42万7,175円
短期入所生活介護40万6,857円40万9,059円
特定施設入居者生活介護43万8,206円41万9,753円
定期巡回・随時対応型訪問介護看護39万4,460円42万8,700円
地域密着型通所介護35万4,454円34万700円
認知症対応型通所介護39万5,925円39万585円
小規模多機能型居宅介護39万28円39万4,189円
認知症対応型共同生活介護37万9,127円37万9,779円
地域密着型特定施設入居者生活介護39万3,558円40万5,800円
地域密着型介護老人福祉施設43万8,781円40万5,350円
看護小規模多機能型居宅介護41万6,353円43万7,003円
通所介護及び地域密着型通所介護37万1,228円36万6,218円

参照元:令和5年度介護事業経営実態調査結果|厚生労働省(1施設あたりの常勤換算の看護師の給料)

介護施設で働く看護師の平均の給与は41万1,665円です。

ただし、施設形態によって変わります。

看護師の給与が、最も高い施設は訪問看護であり、最も低い施設は地域密着型通所介護です。ひと月あたり46万3,927円と35万4,454円であり、その差は約10万円です。

訪問看護ではオンコール対応を求められるケースがあり、手当が追加で支給されます。

介護施設で働く看護師の給与は、介護老人保健施設や介護老人福祉施設などが高くなる傾向といえます。一方で、訪問リハビリテーションや通所介護などの給与は低いです。

さらに、介護施設の看護師の給与を令和3年と令和4年で比べると、19種類のうち10種類の介護施設の給与が上がっています。

そのため、夜勤やオンコール対応のある介護施設で働くと高い給与が期待できるでしょう。

介護施設で働く看護師の給料は高い?低い?

介護施設で働く看護師の方の給料は高い、もしくは低いのでしょうか。ここでは、その疑問を解決します。介護施設の看護師と「看護師全体(病院やクリニックなどを含む)」「介護士」とそれぞれを具体的な給料を算出したうえで比べました。

看護師全体と比較すると低い

まずは、介護施設で働く看護師と看護師全体の給料を比べました。

看護師全体の給料は、ひと月あたり42万3,475円です。

対して、介護施設で働く看護師の給料はひと月あたり41万1,665円。介護施設で働く看護師の給料は、看護師全体の給料と比べると11,810円低いです。

病院に比べて、介護施設は夜勤が義務づけられているところが少ないため、給料に影響していると考えられます。特別養護老人ホーム(特養)や有料老人ホームなどの24時間で対応している介護施設でも、夜間の看護師の配置は義務づけられていません。

ほかにも、介護施設では緊急入院の受け入れや、利用者さまの急変対応をすることもあまりないため、夜勤手当や時間外勤務手当がもらえないケースがあります。その分、介護施設の看護師の給料は低くなるといえるでしょう。

介護士と比較すると高い

次に、介護施設で働く看護師と介護士の給料を比べました。

  • 資格を持っていない介護職員:33万3,648円
  • 国家資格である介護福祉士:35万6,045円

介護施設で働く看護師の給料は、介護職員や介護福祉士の方と比べて高いです。なぜなら、看護師と介護士はできる業務の範囲が異なるためです。

ただし、准看護師と介護福祉士を比べると、介護福祉士のほうが給料は高くなることもあります。

介護施設で働く看護師の給料が今後上がる可能性は?

介護施設で働く看護師の給料が今後上がる可能性は、現時点では難しいといえるでしょう。

2022年2月から9月に実施された「看護職員」「介護職員」「保育士」「幼稚園教諭」など対象とした賃上げは、介護施設の看護師は対象外でした。さらに、介護施設で働く看護師に対する賃上げの施策は現時点ではありません。

また、介護業界には「介護職員処遇改善加算」があります。介護施設で働く職員の処遇を改善した施設に対して介護報酬を支給することで、結果として職員の給料アップにつながる仕組みがあります。

介護施設で働く看護師も給料アップできるのでは?と感じる方もいるかもしれませんが、この処遇改善の対象は介護職員のみであり看護師は対象外です。そのため、この仕組みによって介護施設で働く看護師の給料は上がりません。

ただし、さまざまな視点により処遇改善の見直しが検討されているところです。そのため、将来的には介護施設で働く看護師の方の給料が上がる可能性はあるといえるでしょう。

介護施設で働く看護師のスケジュール

ここでは、介護施設で働く看護師の1日のスケジュールを紹介します。

時間業務内容ポイント
9:00出勤・全体ミーティング連絡事項や予定を確認
9:30利用者の健康チェック・利用者一人ひとりのバイタルサインの測定をおこなって体調をチェック ・コミュニケーションをとって夜間の睡眠を確認
10:00医療処置やケア・医師の指示のもとで医療処置の実施 ・利用者に必要な清潔ケア(入浴やシャワー)を実施
12:00食事介助・介護職員と連携して、食事介助や見守りを実施 ・歯磨きや口腔ケアの実施 ・内服薬の与薬
13:00休憩 
14:00利用者の健康チェック レクリエーション・バイタルサインの測定をおこなって体調をチェック ・介護職員と連携してレクリエーションを実施
15:00カンファレンス看護職員のほかに、介護職員やケアマネジャーと情報を共有しケアを検討
16:30申し送り夜勤のスタッフに引き継ぐ
17:30退勤 

排泄ケアや移乗介助などの日常生活の援助は適宜おこないます。また、ケアや処置をしたあとに看護記録を記載して、ほかの看護職員や介護職員に情報を共有することで、ケアの質を担保することに繋がります。

ただし、ここで紹介したスケジュールはあくまでも一例であるため、あくまでも参考としてください。

介護施設に転職して給料アップを狙う方法とは?

介護施設に転職して給料アップを狙う方法は以下の3つです。

  • 介護施設をいくつか比較する
  • 新たな資格を取得してから転職する
  • 手当が充実している介護施設を選ぶ

それぞれについて具体的にみていきましょう。

介護施設をいくつか比較する

介護施設に転職して給料アップを狙う方法のひとつに、介護施設をいくつか比べて検討することがあります。

介護施設が決まっておらず、転職を検討している看護師の方におすすめの方法です。

いきなりひとつの介護施設に絞るのではなく、いくつか候補をあげて比較すると、より良い条件のところで働ける可能性があります。

新たな資格を取得してから転職する

新たな資格を取得してから転職することも、介護施設に転職して給料アップを狙う方法といえます。

というのも、資格手当がもらえたり、資格を活かすことでほかの看護師にはできない業務を担えたりするためです。

具体的には、以下の資格を持っておくと介護施設で活かせます。

  • 認定看護師(在宅ケア、皮膚・排泄ケア、摂食嚥下障害看護などの認定看護分野)
  • ケアマネジャー
  • 認知症ケア専門士

ただし、資格を取得しても介護施設に求められていない場合には給料アップができない恐れがあります。介護施設の利用者さまの特徴や提供しているケアに合った資格であると、さらに重宝されるため給料アップが期待でしょう。

手当が充実している介護施設を選ぶ

手当が充実している介護施設を選ぶことも、転職して給料アップするためには欠かせません。

例えば、以下のような手当があるところを選んでください。

  • 夜勤手当
  • オンコール手当
  • 資格手当
  • 時間外勤務手当
  • 緊急訪問手当
  • 扶養手当
  • 住宅手当

このような手当てが豊富なところを選べると、介護施設に転職しても給料アップが望めるでしょう。

気になっている介護施設のホームページで手当を確認したり、採用面接の際に確認したりしてください。

まとめ

介護施設で働く看護師の平均の給料は41万1,665円です。

介護職員と比べると介護施設の看護師は高い給料をもらっていますが、病院やクリニックの看護師と比べると低い状況です。

ただし、介護施設によって看護師の給料は異なります。

介護施設で活かせる資格の取得や、手当てが充実しているところを選べると、転職して給料のアップが期待できるでしょう。

参考文献・サイト

令和5年度介護事業経営実態調査結果|厚生労働省

令和5年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

「介護職員処遇改善加算」のご案内|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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