看護師長の平均年収は700万円!年収アップを目指す3つの方法を解説

公開日:2024/04/03 更新日:2024/11/15
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「看護師長ってどのくらいの年収が相場なの?」

「看護師長になってから年収アップはできないの?」

看護師としてキャリアアップを目指すなかで「看護師長の年収」は知っておきたいポイントのひとつです。

看護師長になると業務が忙しくなる印象があり、それに見合った給料を得られているのか知りたい看護師の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、看護師長の平均年収や年収アップを目指す方法を紹介します。これから看護師長を目指す看護師の方は、ぜひ最後までご覧ください。

看護師長の平均年収は600~700万円

日本看護協会の「2012年病院内勤務の看護職の賃金に関する調査」によると、看護師長の平均年収は約708万円でした。

病院は、年功序列で基本給も上がっていく傾向があるものの、たとえば大学病院では看護スタッフの平均年齢が低く、20~30代で看護師長になる方もいます。

設置団体それぞれで、賞与や管理職手当など差がありますが、公開されているデータでは詳細な特徴を比較することはできないため、平均年収はあくまで参考としてください。

看護師長の主な4つの役割

看護師長には主に以下の役割があります。

  • 部署の看護目標の設定
  • 看護師の育成
  • 看護師の管理
  • 他部門との連携や調整

ここでは、看護師長の役割についてくわしく解説します。

部署の看護目標の設定

看護師長の役割は「看護部の方針を理解したうえで、所属部署の看護目標を決めて浸透させること」です。

というのも、それぞれの病棟においてケアの質向上や看護スタッフのスキルアップ向上を目的とするためです。具体的には「気配りのゆきとどいた療養環境の提供」「患者さま、ご家族が安心して治療に取り組めるよう、専門的ケアの向上」などの目標を立て、病棟全体で取り組みます。

病院によっては、看護師長をはじめ病棟看護スタッフ全体で、目標を立てる場合もあります。

目標達成に向けて、副看護師長や看護主任などほかの管理職とともにすべての看護師に働きかけることが重要です。

看護師の育成

看護スタッフ個人に合わせた的確な指導や援助をおこなうことは、看護師長の重要な役割です。

なぜなら、患者さまの満足度の向上を目指したり、インシデント・アクシデントの発生を減らしたりするためには、看護スタッフの育成が欠かせないためです。

たとえば、看護スタッフ一人ひとりの知識や技術のレベルを把握し、個々のキャリアアップを後押しするような指導や助言をします。また、看護スタッフの能力や可能性を見出して、成長を促すことが看護師長には求められます。

看護師長からよい指摘をもらえれば「自分のことを見てくれている」「看護師長さんが評価してくれるから、もっと頑張ろう」などと、看護スタッフのモチベーションを上げることができ、さらに看護スタッフから信頼される看護師長になれるでしょう。

看護師の管理

部署の風通しをよくするためには、看護スタッフのメンタルサポートや相談しやすい環境づくりが欠かせません。

また、看護スタッフの看護実践における能力を理解した勤務体制の整備も、スタッフが働きやすい環境づくりにするために必要です。

看護スタッフの能力はばらつきがあるため、バランスのとれた配置設定で看護の質を保ちつつ、患者さまやご家族の安全を守らなければならないためです。具体的には、以下のような能力を考慮し勤務体制を整えます。

  • 経験年数(病院、部署)はどのくらいか
  • リーダー業務はできるか
  • 時間管理ができるか
  • 独り立ちしているか
  • コミュニケーション能力が身についているか
  • 困ったときに報告・連絡・相談ができるか

勤務体制を整えるポイントは「不公平感が生まれない体制」をつくることです。看護の現場ではよく「◯◯さんの担当は軽い患者さまばかりだから、ずるい」「私ばかり処置や看護ケアで忙しい」など不満が聞かるためです。

看護スタッフが前向きに業務に取り組めるよう、リーダーシップを発揮しつつ看護スタッフの気持ちに寄り添うことも看護師長の努めといえます。

他部門との連携や調整

看護師長の役割は、他部門と連携したり調整したりすることです。

医師や他部門とのトラブルが発生した場合、看護師長が部署の代表として早期解決を図ります。いわば他部門と看護師との「橋渡し」役といえるでしょう。

また、部署の状況や看護スタッフの思いなどを経営陣に伝えるなどで、看護スタッフがやりがいを感じ働きやすい環境を整えることも大切です。

このように看護師長には他部門との調整が必要であり、高いコミュニケーション能力や判断力、問題解決能力などが求められるといえるでしょう。

ダメな看護師長の特徴

すべての看護師長の方が、これまでに紹介した役割を果たせているとは限りません。ここでは「ダメな看護師長」といわれてしまう看護師長の特徴をあげます。

  • 看護スタッフの意見を聞かない
  • 感情のコントロールができない
  • 部署内の状況を把握していない
  • 他部門との連携がとれない

ダメな看護師長とされてしまう特徴には「コミュニケーション不足」が共通しているといえます。

看護スタッフの意見を聞かずに、自分本位の行動ばかりする看護師長は看護スタッフから信頼されにくいです。看護ケアはチームでおこなうものであるため、看護スタッフの話をよく聞き、業務をスムーズに進める環境にすることが大切です。

また「病院看護管理者のマネジメントラダー」で紹介されている6つのスキルがあると看護管理者として、看護スタッフから信頼されるでしょう。

  • 組織管理能力
  • 質管理能力
  • 人材育成能力
  • 危機管理能力
  • 政策立案能力
  • 創造する能力

参考元:日本看護協会|病院看護管理者のマネジメントラダー

人材や組織の管理能力、新たなものを生み出す能力など幅広いスキルが看護管理者には求められています。

日本看護協会が主催している認定看護管理者研修を受けると、これらの能力を身につけられ、さらに職場に還元できると信頼される看護師長になれるでしょう。気になる方は、ぜひ参考にしてください。

看護師長が年収アップを目指すためには

「看護師長になってからも給料アップを目指したい」と思う看護師の方も多いでしょう。ここでは、看護師長がさらに年収アップを目指す方法を紹介します。

資格の取得を目指す

看護師長の方は、資格をとることで給料アップが見込めます。

というのも、資格を取得すると資格手当が見込めたり、専門的な仕事ができ病院から評価され年収がアップしたりするためです。

たとえば、専門看護師や認定看護師などは自分が興味のある分野に特化できるため、看護師の仕事を続けるうえでも有用です。また、管理者研修を受講することで管理職としてのスキルアップを目指すことも可能です。

病院長や看護部長から看護師長としての取り組みが評価されると、年収アップが期待できます。

看護部長を目指す

看護師長の方が年収アップする方法のひとつは、看護部長を目指すことです。

ですが、看護部長は基本的に病院に1名のみであるため、誰でもなれるわけではありません。スキルを磨くことでキャリアの道が開けるため研修の受講を検討しましょう。

たとえば、認定看護管理者教育課程の「セカンドレベル」および「サードレベル」などです。

ただし、受講の資格要件に「看護師長相当以上の看護管理の経験が通算3年以上あること」とあります。そのため、最低3年間は看護師長としての実績を積んだ後に、研修の受講を検討すると良いでしょう。

転職を検討する

看護師長の方は、転職することで年収アップにつながる可能性があります。年収アップが見込める転職先のひとつは、訪問看護ステーションです。

近年、在宅医療の推進により訪問看護の需要が高まっており、かつ人手不足であることから給与水準も高い傾向にあるためです。

2021年に厚生労働省が発表した「介護サービス施設・事業所調査(令和3年及び平成23年)」によると、訪問看護サービスの利用者数は58万7,658人で、10年前より2.5倍増えています。利用者数の増加にともない、訪問看護ステーションの看護スタッフは2025年までに13万人必要といわれています。

ただし、訪問看護ステーションに従事する看護師数は、2022年時点で約7万人と目標値にはほど遠い状況です。

また、看護師長をはじめとした管理職の経験があれば、訪問看護ステーションの管理者を担え、さらには自身で訪問看護ステーションを立ち上げられるでしょう。

訪問看護ステーションを立ち上げることができれば、経営者にもなり、年収アップすることができる可能性があります。

ですが、訪問看護のノウハウを学ぶ必要があるため、転職希望の訪問看護ステーションの特徴や労働条件、教育体制などを比べて転職してください。

また、訪問看護未経験で最初から管理者になるのは、経験や知識の部分でも不安が残り採用はされにくいかもしれません。

看護師長で年収アップをするために訪問看護ステーションで管理職に転職しよう

看護師長の平均年収は約708万円と、かなりの高額となっています。なぜなら、看護師長は現場の責任者であり、重要な役割を担っているためです。

ただし、「看護師長で年収アップは期待できない」と感じている看護師の方がいるかもしれません。その際には、近年需要が高まっている訪問看護ステーションへ転職するのも一手です。

訪問看護分野への転職を検討される際は「NsPaceCareer」の活用を検討してみてください。

訪問看護分野に特化しており、希望に沿った求人紹介はもちろんのこと、転職するまでに適切なサポートを受けられるため、スムーズに転職活動を進められます。

訪問看護ステーションに転職して、今までの経験を活かし年収アップを目指しましょう。

参考サイト・文献

日本看護協会 2012 年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査

厚生労働省 図表1-2-24 看護師の平均賃金(役職者除く)(月収換算)

訪問看護の現状とこれから2024年版|公益財団法人日本訪問看護財団

結果の概要|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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