訪問看護への転職に不安を感じる理由や対処法は?転職成功のコツも解説
「訪問看護師に興味があるけど、転職するには不安が多い」と思っている看護師の方はいませんか?
これまで病院やクリニックで働いていた方は、経験のない訪問看護師への転職に不安を感じるでしょう。
この記事では、訪問看護師への転職を不安に思う理由や、対処法について解説します。転職を後悔しないために、成功のコツについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
訪問看護とは?
訪問看護とは、看護師が利用者さまのご自宅などに訪問し、その方の病気や障害に応じた看護を行います。
訪問看護師は、主治医の指示に基づいて、利用者さまの健康状態をアセスメントし、処置や薬の管理などを行います。また、ご家族や介護者への教育や支援も行います。利用者さまがご自宅で療養を続けながら、希望する生活を実現するために欠かせない仕事です。
訪問看護への転職に不安を感じる理由
訪問看護の経験がない人は、訪問看護への転職に不安を感じてしまうでしょう。転職に不安を感じてしまう大きな理由は、以下の4つです。
- 単独で訪問すること
- 利用者さまやご家族との関わり方
- オンコール対応
- 同僚との人間関係
それぞれについて解説します。
単独でご自宅を訪問すること
訪問看護では、他の医療スタッフや同僚がいない状況で、利用者さまと1対1で対応する必要があります。予期せぬ状況や緊急事態にも1人で対応しなければならず、緊張やプレッシャーを感じます。
病院やクリニックでは、単独で対応するということがほとんどないでしょう。そのため、訪問看護への転職の際に、「1人で利用者さまのご自宅に訪問すること」に不安を感じてしまうようです。
利用者さまやご家族との関わり方
訪問看護への転職に不安を感じる理由に「利用者さまやご家族との関わり方」があります。
訪問看護では、利用者さまやご家族と密接に関わりながら看護を提供します。病院やクリニックに比べ、利用者さまとご家族との関わりが深いです。そのため、「利用者さまとうまくコミュニケーションが取れるだろうか」「ご家族と信頼関係を築けるだろうか」という不安を持つようです。
オンコール対応
オンコール対応は、訪問看護への転職に不安を感じる理由の1つです。訪問看護でも、緊急事態が発生した際には対応しなければいけません。多くの訪問看護ステーションでは、24時間365日のオンコール対応をしています。
病院でも手術室や内視鏡室のような部署では、オンコール勤務を採用していますが、病棟勤務の看護師の方はオンコール勤務を経験したことがないでしょう。そのため、いつ連絡が入るか分からず、単独で対応するオンコールコール勤務に不安を持つようです。
同僚との人間関係
訪問看護への転職では「同僚との人間関係」にも不安を抱きます。新しい職場では、新しく人間関係を構築していかなければいけません。これまで人間関係に悩んでいた方は、新しい職場でも人間関係への不安を持ちやすいでしょう。
給与や働き方に関することは転職前にも確認できますが、人間関係は一緒に働くまで分かりにくいです。どんなスタッフが働いているか、職場の雰囲気はどうか入社するまで分からず、不安になってしまうこともあります。
訪問看護に転職する不安の対処法
ここまで、訪問看護への転職で不安になる理由について紹介しました。経験の分野、転職する事は、誰しもが不安を持つものです。
ここでは、現役の訪問看護師が転職する際に抱いていた不安への対処法について、紹介します。
利用者さまやご家族と信頼関係を築く
利用者さまは、疾患を抱えながら、ご自宅での生活を送っています。
プライベートエリアへ訪問看護師が介入することに対して、緊張や警戒をすることも多くあります。
そのため、転職後はコミュニケーション能力を磨き、丁寧かつ思いやりのある接し方を心がけましょう。利用者さまやご家族のニーズや希望を理解し、共感することで信頼関係を築けます。
また、信頼してもらうためには、常に誠実な姿勢を貫くことが不可欠です。利用者さまやご家族が安心して相談できる環境を提供し、意見や希望を尊重します。
利用者さまやご家族との信頼関係を築くことで、ニーズにあった看護の提供ができ、訪問看護師としてのやりがいにつながります。
転職前にステーションを見学する
転職前に訪問看護ステーションを見学することをおすすめします。訪問看護ステーションの見学では、実際の現場を体験し、職場の雰囲気や業務の流れを知ることができます。
現場を見ることで、転職後の環境や仕事内容に対するイメージを具体的に持つことができ、不安を軽減できるでしょう。また、スタッフや管理者と直接話す機会も得られるため、職場の人間関係やサポート体制についても確認できます。見学時に、疑問に思っていることを積極的に質問すると良いでしょう。
訪問看護の研修に参加する
オンコールへの対応や単独での訪問に不安を感じる人は、訪問看護の研修に参加することをおすすめします。訪問看護の基本的な知識やスキルを習得するだけでなく、実際の現場での対応方法を学べます。また、先輩看護師や講師からのフィードバックやアドバイスを受けることで、訪問看護師としての自信をつけられるでしょう。
さらに、研修では訪問看護師同士の交流や情報共有も行われるため、仕事に対する不安や悩みを共有できます。訪問看護の研修に参加することで、転職後の業務に対する不安や緊張を緩和できるでしょう。
同僚と積極的にコミュニケーションをとる
同僚と積極的にコミュニケーションをとることも、不安を軽減する方法のひとつです。同僚とのコミュニケーションを通じて、利用者さまへの対応方法や経験に基づく知識などをお互いに学び合えます。
また、不安や悩みを気軽に相談できる仲間がいることで、安心感を得られるでしょう。
そうしたコミュニケーションを図ることで、チームワークや連帯感が生まれ、職場の雰囲気がより良くなることもあります。自分の不安や悩みを、相談できる仲間を作っていきましょう。
訪問看護師に向いている人
自分が訪問看護師に向いているのか、転職を考えた際に気になる方は少なくありません。
ここでは、訪問看護師に向いている人の特徴について紹介します。
利用者さまやご家族と良好な関係を築ける人
訪問看護師に向いている人は、先述した通り、利用者さまやご家族と良好な関係を築ける人です。訪問看護では、適切なケアだけでなく、利用者さまやご家族との関わりが重要です。そのため、コミュニケーションスキルや共感力が必要とされます。
利用者さまやご家族と良好な関係を築けると、自分自身も仕事がしやすくなります。「利用者さまが望む療養生活をサポートしたい」という気持ちで関わることによって、信頼してもらえるようになり、自然と良好な関係を築けるでしょう。
臨機応変に対応できる人
臨機応変に対応できる人は、訪問看護師に向いているといえます。利用者さまの状態の急変や、訪問中に予期せぬ問題が発生することがあります。そのため、緊急事態やトラブル時に迅速に対処することが求められます。
ただし、訪問看護に転職したばかりの頃は対応に困ることも多いです。経験を積むことで、どんな状況でも対応できるようになります。また、利用者さまとご家族をサポートするために、同僚や管理者、多職種がチームで支え合っているため、「1人での対応は不安」と思ったときにはすぐに相談をしましょう。
多職種と連携できる人
訪問看護師に向いている人は、多職種と連携できる人です。訪問看護では、主治医や薬剤師、リハビリスタッフ、ケアマネジャー、行政など、利用者さまを支える多職種との連携が欠かせません。多職種で連携することで、利用者さまに最適なケアを議論し、提供できるからです。
利用者さまの身近な存在であり、医療従事者としての視点を持つ訪問看護師は、多職種チームの中で橋渡し役になれます。
時間管理ができる人
利用者さまのご自宅へ訪問する際には、決められた訪問時間を守ることが大切です。予定時刻を過ぎても訪問看護師が訪問に来ないと、利用者さまやご家族は不安になります。
そのため、時間管理をしっかりとできることが訪問看護師には求められます。訪問時には、交通渋滞や予期せぬ問題が発生することもあるため、余裕を持ったスケジュール管理が必要となります。
やむを得ず遅刻する場合は、予め、利用者さまに連絡をして、訪問時間が遅れることを共有しておくと良いでしょう。
ワークライフバランスを保ちたい人
ワークライフバランスを保ちたい人にも訪問看護は向いています。訪問看護は、勤務時間やシフトに柔軟性があるため、仕事とプライベートを両立しやすいです。
夜勤が無いため、安定したスケジュールで予定を調整しやすく、趣味やご家族との時間を確保している方が多いようです。ワークライフバランスを重視する人は、訪問看護師がおすすめです。
訪問看護への転職を成功させるコツ
訪問看護への転職を後悔しないためにはどうしたら良いのでしょうか。
ここでは、訪問看護の転職を成功させるコツについて紹介します。
訪問看護への転職理由や目的を整理する
訪問看護への転職理由や目的を整理してみましょう。まず、なぜ訪問看護に転職したいのか、どのような目標や志向を持っているのかを明確にします。
転職理由や目的を整理することで、転職先や職場環境を選択する際にも方向性が見えやすくなります。自身のキャリアプランを具体化する上でも役立ちます。
訪問看護ステーションの特徴を理解する
訪問看護への転職を成功させるための重要なコツの一つは、訪問看護ステーションの特徴を理解することです。訪問看護ステーションには、それぞれ特色があります。緩和ケアや小児の利用者さまが多い、精神科に特化しているなど、さまざまです。自分の転職理由や目的に合ったステーションを選びましょう。
以下のような点を確認すると自分にあったステーションを選びやすいです。
- 利用者さまの疾患
- オンコール体制
- 訪問件数
- スタッフの人数
- 看護方式
- 教育体制
- 休日
- 移動手段 など
訪問看護ステーションを見学する
先述した通り、訪問看護に転職する際には、ステーションを見学することをおすすめします。見学をすることで、実際の現場や職場の雰囲気、業務の流れを知ることができます。また、スタッフや管理者と直接話す機会も得られ、職場の人間関係やサポート体制を確認できます。
さらに、訪問看護の仕事内容や利用者さまとの関わり方を、自分の目で見て理解することができます。訪問看護に経験がない方や、転職に不安がある方はとくに、見学をして訪問看護への理解を深めましょう。
まとめ
訪問看護に転職したいと思っていても、訪問看護の仕事や転職先のステーションに対して不安を抱くこともあるでしょう。
転職に対する不安は、自ら行動することで少しずつ解消できる可能性があります。ステーションを見学してみる、研修に参加するなど、記事で紹介している対処法を試してみてください。
経験のない分野に転職する際に、不安はつきものです。不安を少しずつ解消して、訪問看護への道に足を踏み入れてください。きっと、新しい看護の道が開けるでしょう。
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