訪問看護は大変?乗り越えるコツや現役訪問看護師の声について紹介

公開日:2024/03/27 更新日:2024/06/17
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「訪問看護の仕事はどんなことが大変?」「訪問看護の経験がない私でもできる?」と疑問を抱く人も多いでしょう。

周囲に訪問看護師の知人がいないことから、内容が分からず訪問看護の仕事に漠然とした不安を持っている看護師もいるようです。

この記事では、訪問看護について詳しく知ってもらうために、大変な点や乗り越えるコツについて解説します。現役看護師のリアルな声も紹介していますので、訪問看護に興味を持っている方は、ぜひ参考にしてください。

訪問看護師はどのような仕事?

訪問看護は、利用者さまのご自宅を訪問し、看護サービスを提供する仕事です。利用者さまの健康状態を評価し、医師の指示に基づいて治療やケアを行います。

訪問看護には、バイタルサインの測定や服薬の管理、褥瘡の処置、リハビリテーションなど、さまざまな業務が含まれます。また、患者さまやご家族とのコミュニケーションも重要で、ニーズや状況を理解し、適切なサポートを提供することが求められます。

訪問看護は、利用者さまの自立支援や健康維持を支援する、重要な役割を果たしています。

訪問看護師の大変なところ8選

訪問看護師になりたいけど、どんなことが大変なのか気になりますよね。

訪問看護の仕事で大変だと思われることは、以下です。

  • オンコール
  • 体力的な負担
  • 移動の多さ
  • スケジュール管理
  • 1人で訪問しケアする
  • ご家族への対応
  • 病院で学ばない知識がある
  • 臨機応変な対応が求められる

それぞれについて紹介します。

オンコール

訪問看護師はオンコール対応をします。オンコール対応とは、当番制で専用の携帯を持ち歩き、緊急時に備えるために自宅待機することです。

オンコールの当番では、利用者さまからの連絡に対応しなければならず、自宅待機でも気持ちが休まらないと感じてしまいます。

体力的な負担

訪問看護師の仕事は、原則一人ですべての看護業務を行うため、体力的な負担を感じる方もいます。利用者さまのご自宅は、病院のように環境が整っていないからです。

例えば、利用者さまの入浴介助では、浴槽が深く手すりがない場合や、オムツ交換や処置などで体位保持が難しい場合には、介助に体力と工夫が必要となります。

病院では複数のスタッフで介助することでも、訪問看護では1人で対応をしなければいけません。

移動の多さ

訪問看護では、利用者さまのご自宅や施設へ自転車・車を使って移動します。移動では交通渋滞や天候が影響するため、時間管理や体力が必要です。

車の運転が得意でない人や、体力に自信がない人は疲労やストレスが生じるでしょう。

とくに、1日の訪問件数が多かったり、アクセスが悪いところだったりすると、大変だと感じてしまいます。

スケジュール管理

訪問看護では、複数の利用者さまへの訪問を毎週同じ日に行うため、スケジュール管理が重要です。

利用者さまのご自宅への交通事情や予期せぬトラブルなど、さまざまな事態を想定して計画を立てなければいけません。また、緊急訪問や訪問時間の変更などが生じるため、柔軟な対応が求められます。

時間の余裕を持つことや効果的なルートを考え、スムーズなスケジュール管理を行わなければいけません。

1人で訪問しケアする

訪問看護は病棟での勤務とは異なり、基本的に1人で利用者さまのケアをします。

訪問看護のケアには体調のチェックだけでなく、褥瘡の処置や人工呼吸器の管理、在宅酸素療法の管理などがあります。また、点滴などの医療行為やご家族への介護指導も1人で行います。

訪問看護の経験が浅く、看護のスキルや知識に自信がない人は精神的な負担を感じてしまうでしょう。

ご家族への対応

訪問看護師としては、病棟勤務の看護師以上に、利用者さまのご家族と関わることが多いです。

病棟では、処置中はご家族が部屋の外に出ることが一般的ですが、訪問看護では利用者さまのご自宅で行うため、ご家族が近くで見守っています。利用者さまのご家族からの視線があると、プレッシャーを感じてしまうでしょう。

また、利用者さまが適切な療養生活を送るためにご家族への助言や指導が必要な場合があります。利用者さまだけでなく、ご家族ともコミュニケーションを取り、関係を築かなければいけません。

病院勤務では学ばない知識がある

訪問看護では、病院では学ぶことが少ない知識も身につけなければいけません。

利用者さまのニーズを満たすためには、医療的ケアだけでなく、社会福祉サービスや訪問看護の制度なども必要です。他にも、医療保険と介護保険の違いや利用者さまに関わる関係機関などもあります。

また、訪問看護は小児から高齢者までを対象とするため、幅広い知識が必要とされます。例えば、小児科だけの経験を積んできた看護師の方は、高齢者との関わりに戸惑うこともあるでしょう。

臨機応変な対応が求められる

訪問看護は、看護を提供する場が利用者さまのご自宅になります。

したがって、病院のように設備や環境が整備されていません。

時には、ご自宅にあるものを使って、ケアに用いるものを手作りすることもあります。

また、利用者さまの自宅での環境に応じたケアや、経済面への配慮もしたうえで、臨機応変な対応を求められます。

訪問看護は最初がきつい

ここまで、訪問看護の大変なことを紹介してきました。

「訪問看護は大変なことばかりかもしれない」と思った人もいるでしょう。しかし、訪問看護がきついと思うことは最初だけで、ずっときついことはありません。

訪問看護師になったばかりの頃は、病院の看護との違いに惑い、不安になったり辛いと感じたりすることもあるでしょう。新人看護師だけでなく、看護経験が長いベテラン看護師でも、ご自宅での看護は全く異なる環境であり、新たなスキルや知識が必要だからです。

まず、利用者さまのご自宅に入ることだけでも緊張します。靴を並べる場所、訪問バックを置く場所、座る場所など何気ない動作でも気になるのです。

また、病院ではご家族とのコミュニケーションに慣れていても、利用者さまのご自宅では慎重になります。訪問看護では利用者さまとの関わりが長くなるため、利用者さまやご家族が不快を感じないように注意します。

他に、初めてオンコール当番になったときには、気持ちがゆっくりできずに何度も携帯の着信を確認したり、遅刻しないようにと訪問先に早く到着してしまったりということがあるでしょう。

しかし、訪問看護はきつい、緊張するといった思いをすることは慣れるまでです。経験を重ねるうちにさまざまな状況に慣れてくるため、だんだんプレッシャーを感じることが少なくなります。そして、訪問看護の面白さややりがいを強く感じてくるでしょう。

訪問看護師のきつい時期を乗り越えるコツ

訪問看護師をきついと思う時期は必ずあります。しかし、きつい時期を乗り越えることで、「訪問看護師になってほんとに良かった」と思うことができるでしょう。

ここでは訪問看護の経験者が教える、きつい時期を乗り越えるコツについて紹介します。

「少しずつ慣れてくる」と思う

訪問看護師1年目は、知識や看護スキルの不足に悩む人が多いでしょう。研修や同行訪問を通じて一定の理解を得ていても、実際に1人で訪問すると「何もわからない!」と感じることがよくあります。

ベテランの訪問看護師も、1年目は同じことに悩みます。しかし、必ず少しずつ慣れてくるため心配いりません。「慣れるまで頑張ろう」と思い、きつい時期を乗り越えていきましょう。

周りに相談する

きついと思うことがあれば職場の同期や先輩に、悩みを相談してみてください。多くの訪問看護経験者は自分と同じようなことで悩んだ経験があります。

また、働き方や働く環境などで困ったことがあれば、上司に相談してください。状況によっては、上司が解決してくれます。

休日に気持ちを切り替える

疲れたときはしっかり休むことが重要です。また、趣味に没頭することでストレスを発散できます。

訪問看護は利用者さまの生活に入って看護するため、仕事と休みの切り替えがうまくいかないことも少なくありません。しかし、休日は仕事のことを忘れ、休息するようにしましょう。きちんと気持ちを切り替えて休日を過ごすことで、仕事へのつらさを軽減させ、効率よく仕事に取り組めます。

スキルアップする

訪問看護がきついと感じる理由のひとつに、知識やスキル不足があります。訪問看護師になったばかりの頃は、多くのことがわからず、できる仕事も限られているかもしれません。その結果、自信を失うこともあります。

自信を持って看護するためには、知識とスキルを身につけるしかありません。はじめはうまくできないことは当然です。研修を受け、資格を取得し経験を積むことで、少しずつ成長でき、自信ややる気が生まれます。

現役の訪問看護師の声

訪問看護の大変なことや乗り越え方について紹介してきました。実際に働いている訪問看護師のリアルな声も気になるところでしょう。

ここでは、訪問看護の経験年数5年目・現役訪問看護師の声について紹介します。

訪問看護のお仕事の大変さとやりがい

病院勤務の経験しかない看護師は、訪問看護をはじめたばかりの頃は挫折を考えることもあるでしょう。

訪問看護への制度の理解が難しく、医療するための環境が整っていない中で、1人で訪問し看護することに心細さを抱きます。

しかし、利用者さまとじっくり向き合って関係を築き、それぞれに合った看護をするところに、訪問看護の面白さがあります。

ケアの方法が1人ひとり異なり、マニュアルがないことにはじめは戸惑います。しかし、だからこそ自分がしたい看護ができます。

「病気や障害を持っていても、住み慣れた場所で暮らしたい」という思いを実現させたいという気持ちがあれば、看護経験や訪問看護の経験が浅くても「訪問看護の道に進んでよかった」と思えるでしょう。

現役の訪問看護師が語る~転職を考えている方へのアドバイス

病院で働いていると「もっと患者さまに寄り添った看護がしたい」と思うことはありませんか?

治療がうまくいっても、入院によって介護依存度が悪くなり家に帰れない患者さまを目の当たりにしたことのある看護師も多いでしょう。

病院では治療を優先としたケアをすることは当たり前です。しかし、訪問看護では、医療的なケアだけでなく、利用者さまの「生きがい」をつくるお手伝いもできます。

例えば、アロマを使った足浴をしたり、マニキュアを塗っておしゃれを楽しんでもらったり、カラオケを一緒にしたりなどです。実際に入院中はうつ気味だった患者さまさんに、自宅で本人が好きなことができる環境を作ることで、生きることに楽しみを持ってもらえました。

病院の看護も、訪問の看護も、どっちも必要な看護です。しかし、訪問看護にしかできない看護があります。経験のない分野への不安はあるかと思いますが、きっと「訪問看護師になってよかった」と感じられます。訪問看護へ興味がある方は、ぜひ一歩を踏み出してみてください。

まとめ

訪問看護の大変なところを紹介しました。

訪問看護の制度が分からない、オンコールに対応できるか不安など、大変に思うことはたくさんあります。

しかし、経験を積み、知識を得ていくとだんだんと大変と思うことがなくなってきます。次第に、訪問看護のやりがいや面白さを強く感じてくるでしょう。 この記事を読んで「訪問看護を私もやってみたい」と思っていただけると幸いです。

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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