新卒看護師の志望動機はどうすれば良い?例文付きで解説
「新卒の志望動機って何を書けば良いの?」「憧れの病院で働きたい!」
このように感じている看護学生の方は多いでしょう。
採用の合否を左右するといっても過言ではない履歴書の志望動機。
しかし、志望動機は多くの看護学生が苦手だと感じ、どう書けば良いのかわからず履歴書の作成が進まない方も少なくないはず。
この記事では、新卒看護師の志望動機の書き方を例文付きで解説します。志望動機の書き方がわからない看護学生の悩みを解決するきっかけになれると幸いです。
新卒看護師で採用されやすい志望動機とは
厚生労働省の調査によると、2020年の看護職員の有効求人倍率は2.2倍です。全産業の有効求人倍率が1.19倍であるため、看護業界は人手が不足している現状といえます。
ただし、すべての新卒看護師が希望通りの病院や施設に採用されるとは限りません。
新卒看護師で採用されやすい志望動機を作成するためには「あなたにしかない経験や考えをアピールすること」です。具体的には、以下の5つのポイントを押さえた志望動機を作成し、ほかの希望者と差別化を図りましょう。
- 就職先の特徴に合わせた内容を盛り込む
- 例文をそのまま使わない
- 誤字脱字を避ける
- 「なりたい看護師像」を明らかにする
- 独自の経験を含ませる
採用担当者に「採用したい!」「病院で活躍してもらいたい!」と思わせる志望動機にすることが大切です。例文をそのまま使ったり、一般的なことばかり書いたりすると採用担当者の印象に残りません。
さらに、採用担当者は多くの履歴書に目を通さなければならないため、誤字脱字やおかしな日本語の表記があると不採用になる恐れがあります。提出する前に十分に確認しましょう。
新卒看護師の志望動機で書くべきポイント
新卒の志望動機で書くべきポイントは以下の4つです。
- 自分の強み・弱み
- これまで努力したこと
- 看護師を志したきっかけ
- 将来どんな人材になりたいか
それぞれのポイントを押さえた志望動機を書き、採用担当者にアピールしましょう。
自分の強み・弱み
新卒看護師の志望動機で「自分の強み・弱み」を書くことは大切です。
というのも、採用担当者が病院や施設の求める人物像であるかを判断するためです。具体的には、採用担当者は病院の理念に合っているか、施設の方針に従った働き方ができるのかなどをみます。
とくに、「弱み」を書く際には弱みをどう克服するのか、働くなかでどのようにカバーしていくのかなども書いてください。ただ、弱みを答えるだけでは「入社後すぐに辞めてしまうかもしれない」と思われ、不採用につながるおそれがあります。
できるだけポジティブな表現にするほうが、採用担当者に良い印象を与えられるでしょう。
これまで努力したこと
「これまで努力したこと」を志望動機に盛り込むことは不可欠です。
目標に向かってコツコツと取り組めることやチャレンジ精神があることなどを伝え、採用担当者に好印象を持ってもらいましょう。
ただし、誰もができて当たり前のことや採用担当者がわからない分野のことを書くとうまく伝わらない恐れがあるため避けてください。
なぜその目標を設定しどのように取り組んできたのかを具体的に書けると、採用担当者があなたの入社後の姿をイメージでき、ほかの希望者に差をつけられます。
看護師を志したきっかけ
「看護師を志したきっかけ」を新卒看護師の志望動機に書くことは欠かせません。
その理由は、看護師の仕事は体力的にも精神的にもハードであり、安易な考えでは務まらないためです。また、看護師を志したきっかけは患者さまへのケアや働き方に影響します。
さらに、採用担当者はどれほどの熱意で看護師になりたいのかを読み取ろうとします。
ただし、看護学生のなかには「看護師を志したきっかけ」「看護師になりたい理由」がわからない方がいるかもしれません。実習中に印象の残ったことを整理したり、どのような看護師になりたいのか考えたり、看護観を考えたりしましょう。
それぞれの理由や出来事を深掘りできると、看護師を志したきっかけを見つけられるのではないでしょうか。
将来どんな人材になりたいか
新卒看護師の志望動機には「将来どんな人材になりたいか」を書くことは重要です。
患者さまへのケアの方法や看護師としての適性について判断するためです。将来の人物像が明らかになっていると、仕事に前向きに取り組むことができ、みずから学ぶ姿勢を持って看護研究や研修に参加できるでしょう。
看護師の仕事をうまくイメージできなかったり、目の前のことで精一杯で将来のことを考えられなかったりする看護学生の方も多いはずです。将来の人物像が明らかになっていない看護学生の方は、以下のポイントで考えてみてください。
- 患者さまの目線に立ってどのようなケアを提供されたいのか
- 理想の働き方はなにか
- スペシャリストになりたいのか
(特定分野や知識 体系に精通している者である)
- ジェネラリスト(看護部長や看護師長など)になりたいのか
(特定の専門あるいは看護分野にかかわらず、どのような 21 人々に対しても経験と継続教育によって習得した多くの看護の知に基づき、その場に応じ た知識・技術・能力を発揮できる者である)
引用:改訂版 看護にかかわる主要な用語の解説 (nurse.or.jp)
これらのポイントで将来のことを考えると、将来の人物像のイメージがわきやすくなり、志望動機を書くうえで役に立つでしょう。
新卒看護師の志望動機の例文
ここでは、新卒看護師の志望動機の例文を4つ紹介します。
- 大規模病院向け
- クリニック向け
- 介護施設向け
- 保健所向け
それぞれの例文をみていきましょう。
大規模病院向けの例文
<例文> 貴院での勤務を志望する理由は、多くの症例に触れることで幅広い臨床経験を積みたいと考えているためです。さまざまな疾患や治療をおこなう機会があり、その中で自身のスキルや知識を向上できます。また、複数の医療スタッフと協力して患者さまのケアに取り組むことで、チームワークやコミュニケーション能力も向上させたいと考えています。インターンシップに参加した際に、多職種カンファレンスの見学をし、それぞれの視点から患者さまへの最善の医療を提供できるように取り組んでいる姿を見ました。私もその一員として貢献したいと強く感じています。貴院での勤務を通じて、より質の高い看護ケアを提供し、患者さまに貢献したいと考えています。 |
クリニック向けの例文
<例文> 貴院を志望する理由は、患者さまとの密な関係を築きながら、個別に応えられる医療を提供したいという強い意志があるためです。患者さまが定期的に来院しており、病院とは異なるアットホームな雰囲気が魅力的だと感じています。私はこのような環境で患者さまとの信頼関係を築き、患者さまのニーズや状況に適切に対応できる看護師として成長したいと考えています。患者さまとの連携が深いため、健康状態やライフスタイルに合わせたケアに尽力したいと思います。また、地域の中核として、地域住民の健康のサポートに貢献したいという使命感があります。さらに、医師や他のスタッフとの円滑なコミュニケーションを通じて、患者さまに最適な医療を提供するための協力関係を築きたいと考えているため貴院を志望いたしました。 |
介護施設向けの例文
<例文> 貴施設を志望する理由は、高齢者や身体障がい者との深いつながりを築きながら利用者さまの生活の質を向上させたいという強い使命感があるためです。介護施設では利用者さまとの日常生活を共有し、彼らのニーズや要望を理解し尊重することが重要と考えています。私は、そのような環境で利用者さまとの信頼関係を築き、彼らの生活を支える看護師として成長したいと考えています。利用者さまとのコミュニケーションを通じて尊厳を尊重し、安心して暮らせる環境を提供することが求められます。利用者さまとの長期的な関係を築きニーズに合わせた個別のケアプランを立て、その人らしい生活を支えることが大切だと考えています。また、貴施設は、利用者さまの身近な場所でありながら、医療や福祉の専門家が連携してサービスを提供する重要な場所です。医療スタッフやソーシャルワーカー、理学療法士などとの協力関係を築きながら、利用者さまの健康と幸福を維持し、向上させるためのチーム医療に貢献したいと考えています。 |
保健所向けの例文
<例文> 保健所での看護師を志望する理由は、地域全体の健康と福祉に貢献したいという思いがあるためです。保健所では、地域住民の健康課題の解決や疾病の予防、感染症の管理など、幅広い公衆衛生活動に参加できます。私は地域の人々の健康を守るために、地域保健のプロフェッショナルとして活動したいと考えています。健康課題に対する早期介入や予防プログラムの実施、健康教育の推進など、保健所は地域の健康促進の拠点として重要な役割を果たしています。さらに、保健所は災害時には、被災者の健康状態の監視や救護活動、感染症の予防など、緊急時の医療ニーズに迅速に対応する必要があります。私は保健所での看護師として、地域の安全と健康を守るために必要な知識やスキルを習得し、積極的に貢献したいと考えています。保健所での看護師としての活動は、地域社会に貢献し健康格差の是正につながると信じています。地域の健康課題に対処し、地域の人々の健康を支えることで、より良い社会を築く一助となることを目指しています。 |
新卒看護師が内定を勝ち取るポイント
ここでは、新卒看護師が内定を勝ち取る3つのポイントを紹介します。
- 応募先の病院を研究する
- 自己分析をしっかりおこなう
- 中長期的なキャリアのイメージを持つ
希望する職場で内定を勝ち取るためには上記3つのポイントを押さえることが重要です。それぞれを把握して、魅力的な病院で働きましょう。
応募先の病院を研究する
新卒看護師が内定を勝ち取るためには、応募先の病院を研究することは欠かせません。
なぜなら、応募先の病院の特徴や機能を把握していなければ、共感できる点や価値観が合う点を志望動機に盛り込めず、説得力のある志望動機が書けないためです。
応募先の病院を研究することで「就職後のミスマッチのリスクが低そう」「しっかり調べてくれているから志望度が高そう」と採用担当者に好印象を与えられます。
具体的な研究方法は、病院や施設のホームページや求人情報のほかに、SNSや口コミサイトの活用です。インターンシップや病院見学をしている場合は、積極的に参加して研究だけではなく、職場やスタッフの雰囲気を感じると就職の希望を高められるため効果的です。
ただし、SNSや口コミサイトは信ぴょう性が乏しい情報もあるため、あくまでも参考程度にしてください。
病院を研究したうえで、スキルや経験を活かして貢献できるという自信を示すと魅力的な志望動機が書けるでしょう。
自己分析をしっかりおこなう
新卒看護師が内定を勝ち取るためには、自己分析もしっかりおこないましょう。
というのも、自己分析が不十分であれば「なぜ働きたいのか」を明らかにできず、自分の強みや弱み、スキルや経験を把握できずアピールできる志望動が書けないためです。
たとえば、以下の手順で自己分析をすると看護師としてのキャリアを考えるきっかけとなり、志望動機に反映できるでしょう。
- 過去の自分を振り返る(看護学生の実習やこれまでの人生体験)
- 強みや弱み、価値観を洗い出す
- 将来の自分を考える(キャリアプランやプライベートなど)
- 整理して自分を理解する
この4ステップで自己分析をおこなうと、自己理解を深められます。自分を知ることで、自分に合った就活ができ、職場選びに役立てられます。さらには、病院を選んだ理由や将来の看護師像、おこないたい看護ケアが明らかになるため、採用担当者の目に留まる志望動機となるでしょう。
中長期的なキャリアのイメージを持つ
新卒看護師の志望動機で、中長期的なキャリアのイメージを持った志望動機を書くことが大切です。
採用担当者が、あなたを採用したあとに「どのように病院に貢献できるのか」をイメージしやすいためです。
ただし、看護学生の方にとっては中長期的なキャリアのイメージを持つことは難しいでしょう。そのため、自己分析をしっかりおこなったうえで、将来像を考えてください。中長期的なキャリアのイメージを具体的に持てると、内定を勝ち取れるでしょう。
まとめ
新卒看護師が採用されやすい志望動機は「あなたにしかない経験や考えをアピールすること」です。
自己分析をおこない、自分の強みや弱みを知ったり、将来像を明らかにしたりすることが大切です。病院や施設に合った志望動機を書けると、ミスマッチを予防し、採用担当者が採用後の姿を想像しやすいため内定を勝ち取れるはずです。
今回紹介したポイントを踏まえて、自分の魅力をしっかり伝え、希望の病院や施設に就職しましょう。
参考文献・サイト
「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。