看護師長の役割と求められる資質は?身につけ方やめざす方法について解説

公開日:2024/02/28 更新日:2024/08/13
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「キャリアアップして看護管理者になりたいけど、どうしたらよいの?」

「どんな資質を持ったら、看護師長になれる?」と考えている方はいませんか。

看護師として経験を積んでいく中で、将来のキャリアや働き方について考えることが増えるでしょう。経験やスキルを活かして、管理者を目指すことも選択肢のひとつです。

この記事では、部署のリーダーである看護師長の役割や、求められる資質について解説します。また、看護師長になるための方法についても紹介しますので、管理者をめざしたい方はぜひ読んでください。

看護師長の役割

看護師長とは、自部署のトップであり、患者さまへ質の高い看護を提供する責任があります。そのために、看護師長はどのような役割を担うのでしょうか。

ここでは、所属部署での看護師長の役割について紹介します。

部署全体のマネジメント

看護師長は、現場の業務を円滑に進めるため、部署全体をマネジメントすることが役割です。

部署内のスタッフが担っている業務の進捗を確認し、問題が発生すれば調整やスケジュール変更をおこないます。また、スタッフのスキルに応じて適切な業務を割り振り、部署全体が協力して成果を上げられるように調整します。

そして、看護師長のマネジメント力によって看護の質を向上させ、病院施設の収益の確保に努めることも看護師長の役割です。

多職種や他部署との連携

看護師長は看護業務に集中する現場の看護師とは異なり、外部や他部門と円滑な連携を図ることも役割です。

例えば、所属する部署を代表して医師や経営者、他部署と協議し、交渉します。

多職種や他部署と連携をとることは、部署の運営や働きやすい職場づくりに欠かせません。

スタッフのキャリア支援

看護師長は、主任・教育担当者と協力しながら部署内の教育体制を整え、スタッフのキャリアを支援する役割があります。

スタッフ1人ひとりとコミュニケーションをとり、将来のキャリアプランを把握します。そして、スタッフが短所を克服し、長所を伸ばせるように支援します。

また、部署のスタッフが自発的に学べる環境づくりも看護師長の役割です。

看護師長に求められる資質は

看護師長は、自分の部署をマネジメントし、責任のある立場です。部署のリーダーとして業務を遂行するため、さまざまな資質が求められます。

ここでは、看護師長に求められる資質について紹介します。

リーダーシップ  

組織の目標を達成するには、部署のスタッフが一致団結して行動する必要があります。

部署のチーム力を高めるためには、看護師長がリーダーシップを発揮し、チーム全体のパフォーマンスを向上させなければいけません。そのため、看護師長はコミュニケーション能力や強い責任感をもち、リーダーシップをとることが求められます。

コミュニケーション能力

業務を円滑に進めるために、コミュニケーション能力は看護師長にとって不可欠です。

そこで、重要なのは自分だけの考えでなく、相手の考えも尊重したコミュニケーションをとることです。

看護師長は、スタッフ1人ひとりの意見や立場を尊重し、部署を良い方向に導く役割があります。そのため、相手の意見を尊重しながら、自らの意見をしっかり持つことが大切です。

目標設定の能力  

看護師長は組織の成果を達成することが求められます。

看護師長がもつべき目標設定の能力とは、短期的な成果に目を向けるのではなく、実現可能な目標を明確に示すことです。

そこで、大切なことは部署全体を客観的に捉え、目標を設定することです。組織全体を把握し、自らの部署がどのような役割を果たすべきかを理解しなければいけません。

部署の目標が明確になると、スタッフそれぞれの力を最大限に発揮しやすくなります。

多くの臨床経験  

看護師長は、医療の質を向上させ、安全で効果的なケアを患者さまに提供する責任があります。そのため、多くの臨床経験から得る知識やスキルが必要です。

臨床経験が豊富な看護師長は、スタッフを指導するときに的確なアドバイスを提供できます。また、患者さまが急変した状況でも冷静かつ迅速に対応できるでしょう。

スタッフを成長させる教育スキル    

看護師長に必要な人材育成能力は、スタッフのスキルの向上だけでなく、部署全体のパフォーマンス向上にも重要です。

スタッフの育成には、それぞれの能力や強み、改善点の理解が欠かせません。理解することによってスタッフに合った役割分担や必要な教育、指導ができるでしょう。

また、将来的に担ってほしい役割を見据えた教育や、次期リーダー候補の育成も視野に入れ、人材育成を考えることも大切な仕事です。

問題を解決するスキル

看護師長には、問題解決スキルが求められます。

部署を運営する上で、スタッフ教育や患者ケア、多職種との関わりなどに関するさまざまな問題が起きます。

看護師長は部署における問題を分析し、解決法を見つけて行動しなければいけません。看護の質を落とさないために、重要な役割です。   

看護師長に求められる資質を身につける方法

ここまで、看護師長の役割や求められる資質について紹介してきました。

実際に看護師長になるときには役割を理解し、管理者としての資質を身につける必要があります。

ここでは、看護師長に求められる資質を身につける方法を紹介します。

スタッフに役割を与える 

看護師長は、自分の責任でスタッフに仕事を任せることが仕事です。スタッフの自律につながります。

自身の性格的に任せられない・任せても自分で手を加えずにはいられない方は、まずはどこまで任せられるのかを、相手と擦り合わせるところから始めてみましょう。少し高い目標を設定してから任せることで、相手の能力を引き上げられます。

スタッフに役割を与え自律を促すことで、スタッフだけでなく、自分の教育スキルを高めることにつながるでしょう。

自分の限界を認める    

自分ができないことをスタッフに伝えることも必要です。自分の限界を認め、協力を求めることで、新たな信頼関係も生まれます。

自分を客観的に見つめ、成長に向けた反省と改善を積極的におこなってください。自分の成長だけでなく、部署でのチームワークやコミュニケーションにも良い影響を与えます。

スタッフの意見を聞く

スタッフの意見を聞き、提案を取り入れることが大切です。

管理職にはリーダーシップが求められますが、一方的に自分の考えを押し通してはいけません。

そのためには、スタッフの意見や考えを受け入れ、理解しようとする姿勢をもちましょう。

「理解しようとしてくれている」「意見を聞いてもらえる」とスタッフに思ってもらうことで、部署全体のモチベーションや意欲が向上します。

部署の問題を把握する  

看護師長が部署の問題を把握することは重要です。問題を把握するためには、スタッフとのオープンな対話やコミュニケーションが欠かせません。問題を後回しにせず、解決に向け積極的に行動しましょう。

問題をいち早く見つけ、的確に対応することは、部署全体の効率性やスタッフのモチベーションを上げられます。そして、患者ケアの質の向上につながるでしょう。

管理者向けの研修に参加する

看護師長になるためには、経験だけでなく、管理者向けの研修やコミュニケーション、リーダーシップに関する研修を受けることが大切です。研修で学ぶことで、円滑な部署の運営をおこなう知識やスキルを身につけられます。

管理者向けの研修では、予算管理やスケジュール調整などの組織運営に必要な知識を学べます。また、コミュニケーションに関する研修では、スタッフと良好な信頼関係を築くスキルが身につくでしょう。

さらに、リーダーシップの理論や実践について学ぶことで、問題解決力や冷静な判断力も向上し、さまざまな状況に適応できるようになります。

経験だけでは身につけられない知識やスキルを、研修を受けることで学べます。看護師長に必要な資質を身につけられる研修は多数あるため、研修を活用して習得していきましょう。      

看護師長に求められる資質を身につけ師長になる方法

これから看護師としての経験を積み、看護師長になりたいという人もいるでしょう。

ここでは、看護師長をめざす方法について紹介します。

看護師としての経験を積む    

看護師長になるためには、まずは豊富な看護師としての経験が欠かせません。臨床現場での経験は、患者さまとの直接的な関わりを通じて、臨床スキルやコミュニケーション能力を身につける重要な過程です。

また、経験をとおして身につけた洞察力や危機管理のスキルは、看護師長としての職務において不可欠です。信頼されるリーダーとしての地位を築くためにも、多くの経験を積んでいきましょう。

リーダーシップを経験する    

看護師長になるためには、リーダーシップの実践経験が不可欠です。実践を通して、自らがチームを導き、部署を効果的に運営するスキルを身につけましょう。

リーダーシップの経験により、決断力や調整能力が向上し、チームメンバーとの連携やコミュニケーションが円滑におこなえるようになります。また、困難な状況に直面することで、問題解決力や危機管理スキルも身につくでしょう。

部署に貢献できるリーダーシップを評価されることで、管理者に任命されやすいです。

主任へ昇進する  

看護主任とは、看護師の1段階上の役職となります。病院によっては副看護師長と呼ばれることもあります。

看護師長に昇進するには、まず看護主任のポジションをめざします。看護主任となり、実績が認められると、看護師長のポジションに推薦されやすくなるからです。

職場によっては昇進試験が行われることがあるため、事前にしっかりと勉強し合格することも必要です。             

まとめ

看護師長は、部署の運営がスムーズにいくように管理をします。スタッフの教育やリスク管理、他部署との交渉などが業務です。

そのため、看護師長になる人は豊富な臨床経験やコミュニケーション能力、リーダーシップ、問題を解決する能力などの資質が求められます。

看護師長として求められる資質は、管理者研修への参加やスタッフとの関わり、部署の問題に向き合う中で身につくでしょう。また、自分の限界を認め、自分を客観的に見つめ直すことも必要です。

看護師経験を積む中で、自分のキャリアプランについて悩む人も多いでしょう。看護管理者をめざすことは、ひとつの選択肢です。看護師長をめざしたい方は、管理能力の高い看護師になるよう、ぜひこの記事でお伝えしたことを実践してみてください。

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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