看護師になりたい理由は何?志望動機の書き方、面接での伝え方も解説
看護師になりたいと考えている学生の方の中には、看護師になりたい理由を明確に言語化できずに悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
実際に、病院の就職面接の場では「なぜ看護師になりたいのか」について聞かれる場合もあり、具体的に言語化できていないと困ってしまうかもしれません。
今回は看護師になりたい理由として何がよく挙げられるのか、また志望動機の書き方や面接の場においてどのように伝えるべきなのかも解説します。
看護師になろうとしているものの、挫折しかけていたり、悩んでいたりする方もぜひ参考にしてみてください。
看護師になりたい理由は人によってさまざま!志望動機の例を4つ紹介
看護師になりたいと考える理由は人によってさまざまです。
まずは志望動機によく挙げられるものを紹介していきます。よく挙げられるのは下記の4つです。
- 看護師にお世話になった経験があるから
- 身近に尊敬できる看護師がいるから
- 誰かを助ける仕事がしたいから
- 知識を身に付けて家族を支えたいから
詳しく解説していきます。
看護師にお世話になった経験があるから
過去に自分や家族が病院に入院したり、長期的に通院した経験の中で、看護師にお世話になったという方もいるのではないでしょうか。
その時の経験から、お世話になった方々へ恩返しがしたいと考えたり、素敵な仕事と感じて看護師になりたいと考えたりした方もいます。
そのような経験談は志望する科目での経験であった場合、より説得力が増すでしょう。例えば「祖父が心臓病にかかってしまい、手術を受けることになった際に、丁寧に説明をしたり安心できる言葉かけをしてくれた看護師の方がいました。手術前に不安を抱える家族に寄り添えるような看護師になりたいと思っており、オペ室の看護師になりたいと思っています。」のように、実際に自分や家族が医療機関にかかった経験を、今の自分と繋げられるのも、この理由を面接の場で伝えるメリットになります。
身近に尊敬できる看護師がいるから
家族や親戚、知人など、身近に尊敬できる看護師がいるのも理由の1つとなるでしょう。
自分の家族が看護師として働いていて、やりがいや誇りを持って働いていたりする姿から影響を受けたという方もいるのではないでしょうか。
時には勤務形態や仕事の過酷さについても話をされるかもしれません。しかし、中には仕事の魅力や楽しさを話してくれたことで、話を聞いているうちに看護師になりたいと思う方もいます。
誰かを助ける仕事がしたいから
そもそも医療現場で勤務することに興味があり、誰かを助けられるような医療人材になりたいと考えていた、という方もいます。
また、メディアでの情報や悲しいニュース、活躍する医療従事者を特集するテレビ番組などを見て、自分も医療の力で人を救いたいと考えるようになり、看護師になりたいと考えたという方もいます。
知識を身に付けて家族を支えたいから
自分自身の家族や周囲の方が、体調を崩して入院したり、介護や継続的な医療支援が必要になったりした経験があるという方もいます。
その中で、自分自身に無力感を感じたり、もし医療的知識があれば何か助けになれたのではないか、と悔しい思いを抱えたという方も少なくありません。
自分自身が医療従事者となり医療や看護の知識を身につけることで、家族や周囲の大切な人を支えられる看護師になりたいというのも、看護師になりたい理由として挙げられます。
看護師になりたい理由を言語化する方法
前述でよく挙げられる看護師になりたい理由を紹介しました。しかし、看護師を志望する方でも、看護師になりたい理由がなかなか明確に言語化できず、悩んでいるという方もいるのではないでしょうか。
ここからは看護師になりたい理由を、言語化する方法を解説していきます。
これまでの経験やエピソードとなるものを振り返ってみる
まずは、自分自身のこれまでの経験やエピソードとなるものを振り返ってみましょう。
前述のように看護師にお世話になった経験や、身近に看護師がいること、医療の知識がほしいと感じた経験があるというのがよくある志望動機の例に挙げられます。
そのため、特に医療機関や周囲の家族など大切な方々の健康に関して、自分自身はどう思ったのか振り返ってみると良いでしょう。その過程では「助けたいと思った」「悔しさを感じた」というような、自分自身がどうしたかったか感情も合わせて思い返してみるようにしましょう。
看護実習や実習記録を振り返ってみる
自分の人生における経験やエピソードだけではなく、看護学生となってからの看護実習について振り返ってみるのも言語化するための一つの方法です。
看護実習を乗り越えるのは大変で、なかなか記録が終わらない、厳しく指導されて辛かったというような思い出もあるかもしれません。
しかし、その実習の中でも、患者さまとのかかわりで思い出に残っているものもあるのではないでしょうか。
なかなか思い出せないという方は、実習記録を振り返って読んでみると良いでしょう。
手元にある実習記録を読み返すのは、再学習のきっかけになる上、その当時の思いも合わせて思い出すことができます。
指導者の看護師の方はとても素敵な声かけをしていたから、そんな声かけができる看護師になりたい、患者さまへ手寧にケアする姿が印象的だった、指導者の看護師になりたいなど、、さまざまな看護師になりたい理由につながる場面を思い出すかもしれません。
看護師になりたい理由・志望動機の履歴書への書き方ポイント
明確化した看護師になりたい理由は、志望動機として履歴書にも書いていく必要があります。
ここでは履歴書への書き方のポイントを解説していきます。
合わせて詳しい志望動機の例文について知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
関連記事:【例文付き】なぜ看護師になりたいのか?主な理由と志望動機のポイント・書き方
始めに結論を書く
自分自身の看護師になりたい理由が明確になっていても、文章としてまとまっていなければ、結局何が言いたいのか伝わらないということになりかねません。
まず始めに結論を書くのは、文章で物事を伝えるのに大切な点です。
「まず私が看護師になりたい理由とは、」として記載し、その後に理由を記載していく方が読みやすいでしょう。
結論を明確に記載するためにはPREP法という記載方法がおすすめです。PREP法とは結論(Point)→理由(Reason)→例え(Exsample)→結論(Point)という流れで構成される記載方法で、結論から始めた後に結論で締めます。
志望動機を記載する際も、この流れを想定して記載すると良いでしょう。
自分自身のエピソードを記載する
全体として文章が長くなりすぎないように気をつけながらも、自分自身の経験やエピソードを交えて記載するようにします。
これまで看護師にお世話になった、人助けがしたいというような内容のみだと、他の人と重複してしまい印象に残りにくく、面接担当者からも説得力が少なく感じてしまうでしょう。そのためオリジナルで自分自身のエピソードを交えて記載するのが良いです。
自分自身のこれまでの経験やきっかけとなったエピソードは、誰かと重なるものではないでしょう。
看護師になりたい理由を面接でうまく伝えるには?
看護師になりたい理由は、面接の場でもよくされる質問の一つです。
ここでは、看護師になりたい理由を面接でうまく伝えるコツを紹介していきます。
主に挙げられるのは下記の3つです。
- 話しすぎないように簡潔に伝える
- 早口で話さない
- 具体的にやりたい仕事内容も合わせて話してみる
それぞれ解説していきます。
話しすぎないように簡潔に伝える
前述のように、結論から入りながら理由を伝えていくのが良いものの、ついつい話しすぎてしまうというケースも考えられます。
本当に伝えたいこと以外も話しすぎてしまうと、要点がわからず、面接官に伝えたい部分が適切に伝わらない形で終わってしまいます。
せっかく看護師になりたい理由を明確にして、履歴書にも記載できたとしても面接の場で伝わらないのは勿体ないです。
要点となる部分を箇条書きしておくなど、事前に要点を明確にしておきましょう。
また、複数の理由を話すのではなく、1つの理由を深く話す方が言いたい内容が伝わりやすくおすすめです。
早口で話さない
面接の場では、緊張して早口で話してしまうという方もいるのではないでしょうか。
面接の場でいつもより早く話してしまうという方は、練習の時点でゆっくり話すようにしてみると良いでしょう。
練習のペースを思い出すことで、早口で話すのは防げるかもしれません。
また、早口で話すと、前の段落のように関係ない内容も多く話しすぎてしまうこともあります。
あくまでも、1つの内容を丁寧にゆっくり話すように心がけて練習しましょう。
具体的にやりたい仕事内容も合わせて話してみる
自分自身の看護師になりたい理由に合わせて、看護師になったら具体的にどんな仕事がやりたいかも伝えてみるのも具体性が増して良いでしょう。
面接担当者に対しても、既に仕事をしてからのイメージが持てている方、仕事への熱量がある方と好印象を与えるかもしれません。
例えば、子供の頃、病院に入院した際に不安で眠れなかったため、小児科で働いて夜勤をした際には不安を感じている子供たちに寄り添いたい、など志望動機と合わせて話してみると良いです。
ただ現実的には困難な仕事であったり、仕事の内容に具体性がなかったり、なりたい理由と関連性がなかったりすると反対に悪印象を与える可能性もあります。そのため看護学生の場合は教員に相談してみるなどして、慎重に考える必要があるでしょう。
看護師になりたい理由のNG例
看護師になりたい理由の中でも、あまり良い印象を受けられないNG例もあります。
最後に看護師になりたい理由のNG例を解説していきます。
ここで紹介する理由は、考えていたとしても心のうちに留めておくのが良いでしょう。
国家資格を取得して安定した職につきたい
「看護師は国家資格で安定した職」というのは家族や周囲からも言われた経験があるという方もいるでしょう。
確かに看護師は国家資格であり、資格があればブランクがあったり、経験が少なかったりしても、募集している求人はあるため仕事を選びやすいのは特徴の一つです。
しかし、最初から資格の安定性を求めるというのは、実際に思っていたとしてもあまり伝えるべきではないでしょう。
また、求人が見つけやすい点から経済的に安定している点もメリットかもしれません。しかし、最初から経済的な面を目当てにしていることが伝わってしまうと、高収入だけを目的としているのではないか、患者さまのことを思って看護ができるのかと悪い印象を与えてしまう可能性もあります。
実際に思っていたとしても、1番のなりたい理由として挙げない方が良いでしょう。
具体性のない内容や虚偽の内容を伝える
ここで記載したような例は、あくまでも自分なりのエピソードがあった上で伝えていくべきものです。
ただ「看護師にお世話になった経験があるから」「身近に尊敬できる看護師がいるから」のような内容を伝えると他の看護師との差がなく、面接の場で印象にも残りにくいです。
また、もしその内容が虚偽であったとしたら、深掘りされた時にうまく答えられなかったり、辻褄が合わなくなったりして、面接担当者に違和感や不信感を与えるでしょう。
無理にエピソードを作るのではなく、これまでの経験を分析するということが大切です。
そのため、根拠のないものや曖昧なものを伝えるのは避けるようにしましょう。
看護師になりたい理由は面接でも重要視される!きっかけを思い出してみよう
ここまで看護師になりたい理由としてよく挙げられる4つの理由に加えて、履歴書における志望動機の書き方や面接の場において、どのように伝えるべきなのかも解説しました。
履歴書や面接についても触れたように、看護師になりたい理由は就職の場でも非常に重要です。看護師になりたい理由は個々の背景によってそれぞれ異なっており、その一人一人違うエピソードや背景を面接の担当者は知りたいと思っています。
また、今後看護師になるために努力し続けたり、看護師になってからも継続して勤務していくために、「看護師になりたい理由」を明確にすることは大切です。
自分自身が初めて看護師になりたいと思ったきっかけの瞬間を、ぜひ思い返してみてはいかがでしょうか。
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