転職が多い看護師の志望動機はどうすればいい?例文付きで解説
「転職回数が多い看護師は、どのような志望動機を書けばいい?」「転職回数が多いとマイナスイメージを持たれそう」と悩む方は多いのではないでしょうか。
転職回数が多いとマイナスイメージにつながりやすい反面、志望動機の内容や面接時のアピールによっては、好印象を持ってもらえる可能性もあります。
この記事では、転職が多い看護師の志望動機の例文や、面接のポイントをお伝えします。避けたほうが良い志望動機についてもお伝えするので、転職を成功させたい方はぜひ参考にしてください。
看護師の転職回数の割合は?
まずは、看護師の転職回数の割合を見てみましょう。
令和3年(2021年)日本看護協会の調査によると、看護職員に転職の経験を尋ねたところ、「転職経験あり」が50.5%、「転職経験なし」が49.5%となっており、半数以上が転職を経験していることが分かります。
転職経験者がこれまでに所属した勤務先数は、以下の通りです。
回数 | 割合 |
1~2か所 | 50.3% |
3~4か所 | 34.7% |
5~6か所 | 10.9% |
7か所以上 | 4.2% |
上記の結果から、転職経験のある看護職員のうち約半数は3~4か所以上の転職を経験していることが分かります。つまり、看護師の転職は珍しくないといえるでしょう。
転職が多い看護師の志望動機の例文
転職回数が多い場合、志望動機の書き方によっては好印象を持ってもらえる可能性があります。転職が多い看護師の志望動機の例文を、以下4つのケースに分けてご紹介します。
- 多様な経験をアピールする
- やむを得ない理由であったと伝える
- これまでの反省を次に活かす
- 未経験の分野に挑戦したい
例文はあくまでも参考として、それぞれ見ていきましょう。
多様な経験をアピールする例文
転職回数が多い場合でも、さまざまな診療科目を経験していれば「即戦力がある」と判断され、採用担当者に好印象を持ってもらいやすくなります。病院以外に、訪問看護ステーションや介護施設などで働いたのであれば、どのような経験をし、何を学んだのかを伝えましょう。
【例文】
これまで、脳外科や循環器などの急性期だけでなく療養型病院などでも勤務し、知識や技術を身につけてまいりました。さまざまな患者さまの看護に携わってきた経験を活かし、貴院のスタッフの一員として力になりたいと考えております。 |
やむを得ない理由であったと伝える例文
配偶者の転勤や出産・育児、自身の健康状態の変化など、やむを得ない理由で転職回数が多い場合、正直に伝えておきましょう。今後も転勤の可能性があったり、自身の健康に問題があったりする場合は、事前に知っておいてもらったほうがお互いに安心です。
【例文】
主人の転勤に伴い、以前の職場への通勤が難しくなってしまったため退職に至りました。今後も転勤の可能性はありますが、地域密着型の貴院で患者さまを支えるスタッフの一員として、これまでの知識や経験を活かして貢献したいと考えております。 |
これまでの反省を次に活かす例文
同じ理由で転職を繰り返していたり、短い期間で転職をしていたりする場合、採用担当者は「就職をしてもまた辞めてしまうのではないか」と捉えてしまうでしょう。そのため「これまでの反省を活かしてくれそう」と思ってもらえるようアピールすることが大切です。
【例文】
研修や勉強会に時間を確保することが困難になり、転職をした経験があります。しかし転職をしたことで、看護師として働き続けるためには実践だけでなく、知識を身に付けてステップアップしていくことも重要だと改めて考えられるようになりました。研修体制が整っている貴院でスキルアップしていきたいと考えております。 |
未経験の分野に挑戦したい例文
看護師としてこれまでとは違った分野で働きたい場合「即戦力として期待されないのでは」と不安に感じるかもしれません。しかし「未経験ではあってもチャレンジしたい」という熱意をアピールすれば、採用担当者は「向上心がある」と好印象を持つ可能性があります。
【例文】
これまで急性期の病棟で勤務した経験があります。急変時の対応や手術前後の看護ケアなど、さまざまな知識や経験を身につけてまいりました。貴社の訪問看護ステーションで、これまでの知識や経験を活かし、一人ひとりの利用者さまとじっくりと関わり、看護師としてサポートしていきたいと考えております。 |
転職が多い看護師が書いてはいけない志望動機
志望動機の内容によっては、採用担当者の印象が悪くなる可能性があります。
ここでは、転職が多い看護師が書いてはいけない志望動機をご紹介します。
年収や待遇を意識しすぎている
転職の志望動機には、給料や待遇などについて記載しないほうが良いでしょう。
年収や待遇など、条件の良さに惹かれて志望したことを伝えても好印象にはつながりません。むしろ「他に良い条件の職場があれば、また転職するのでは?」と思われてしまう可能性があります。
また、業務内容や職場の理念・方針には関心がないようにも捉えられてしまい、マイナスのイメージを与える可能性があります。
年収や待遇面には触れず、転職によってどのようにスキルアップしたいか、どのようなところに興味を持ったのかなどを伝えるようにしましょう。
勤労意欲が低い印象を与える
「これまでの職場で委員会活動や勉強会が多く、負担に感じた」「スタッフが少なく残業が多かった」といった理由を伝えると、働く意欲が低い印象を与えてしまいます。以前の職場に不満や愚痴があったとしても、マイナスな発言は控える必要があります。
例えば、残業が少ない職場へ転職する場合「家事や育児と仕事の両立が可能だと感じた」「スキルアップのためにプライベートの時間を確保しやすい」など、ポジティブな言葉に置き換えましょう。
人間関係が苦手な印象を与える
職場の人間関係が原因で転職を繰り返している方は、少なくないのではないでしょうか。
「これまでの職場は、人間関係が良くなかった」など、ストレートに伝えると「コミュニケーション能力が低いのでは」「就職しても、人間関係で嫌なことがあるとすぐに辞めてしまうのでは」などと思われる可能性があります。
「貴院のHPを拝見し、チームワークの良さが伝わってきた」「他職種と協力して働きたい」など、前向きな言葉で伝えましょう。
転職が多い看護師の面接のポイント
面接では、履歴書だけでは伝えきれない表情や声のトーンなどから、採用担当者に好印象を持ってもらいやすくなります。
転職が多い看護師が面接をする際、以下3つのポイントを押さえておきましょう。
- 経験の豊富さを伝える
- 自分の強みにフォーカスする
- 次は長く働きたい意向を伝える
それぞれ解説します。
経験の豊富さを伝える
転職回数が多い看護師は、面接において「経験の豊富さ」を伝えることが大切です。
転職回数が多いからといって、必ずしもマイナスの印象につながるとは限りません。これまでの職場で、さまざまな患者さまや状況に対応してきたと捉えられるでしょう。
看護師としての成長や学びを深めるために転職を繰り返しているのであれば「能動的な意欲がある」と、好印象にもつながります。
転職によって学んだことはしっかり伝え、転職回数を強みにすると良いでしょう。
自分の強みにフォーカスする
面接では、採用担当者に自分の強みを的確に伝えましょう。
例えば、転職を繰り返して特定の診療科目のスキルを伸ばしてきたのであれば、専門性をアピールできます。診療科目だけでなく「急性期病棟で臨機応変に対応できる能力」「慢性期病棟で患者さまとじっくり関わる力」なども強みになります。
特定の診療科目や専門性が見つからなければ、チームワークやコミュニケーション能力なども、医療現場には必要とされる能力です。
自分の強みにフォーカスして具体的に伝えることで、採用担当者にプラスのイメージを持ってもらいやすくなるでしょう。
次は長く働きたい意向を伝える
面接では、スキルだけでなく「採用後も長く働いてくれるか」も重視されます。そのため、就職後は長く働きたい意志を伝えることが重要です。
例えば、志望先の理念や方針に共感し、その一員として働きたいことを伝えるのも有効です。自分はその職場でどのように成長し、どういったポジションにつきたいか、長期的な目標を伝えるのも良いでしょう。
事前にホームページなどで志望先の理念や方針、キャリアアップの機会など情報収集しておくと、ニーズに沿った志望動機が伝えやすくなります。
まとめ
今回は、転職が多い看護師の志望動機の例文や、避けたほうが良い志望動機、面接のポイントをお伝えしました。
看護師の転職は、決して珍しいことではありません。転職回数が多ければ、これまでにさまざまな経験を積んだとも捉えられます。
とはいえ、伝え方によってはマイナスのイメージを持たれやすくなるため、注意が必要です。今回ご紹介した例文を参考に、好印象につながるような志望動機を作成し、転職を成功させましょう。
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