【例文付】看護師の退職届の書き方!退職願との違いや注意点を解説
「初めて退職するから、退職届の書き方が分からない」「退職届と退職願の違いってなに?」など、悩みや疑問を持っている方は多いかもしれません。
看護師の方が退職するときに必要な退職届。
退職届は、退職するときに必ず必要な書類です。しかし、退職届を書く機会は少ないため、書き方や注意点などわからない看護師の方も多いでしょう。
そこでこの記事では、看護師の退職届の書き方や退職願との違い、注意点を解説します。基本的なマナーを守った退職届を書きたい方や規則に沿った退職届を提出してスッキリした気持ちで次の職場に向かいたい方はぜひ参考にしてください。
【例文付】看護師の退職届の書き方
退職届の書き方は、基本的にルールはありません。
しかし、一般的なルールを守り、フォーマットやテンプレートで書いた方が貰い手はわかりやすくなります。ここでは、6つの項目に沿って具体的な書き方を解説します。
①タイトル
タイトルは「退職届」と書きます。ここはシンプルに書きましょう。
②冒頭
冒頭は「私事」もしくは「私議」と書き始めます。
どちらで書いても問題ありません。
③退職理由
退職の理由を書いてください。
自己都合退職の場合は、「一身上の都合により」との書き方で十分です厚生労働省が公開した「看護職員就業状況等実態調査結果」によると看護師の方は、さまざまな理由で退職しています。
- 出産や育児、結婚などのライフイベント
- 他施設への興味
- 人間関係
- 超過勤務の多さ
ほかにも、病気やケガや親の介護、待遇の不満などの理由が考えられます。ただし、詳しく理由を書く必要はありません。
希望する退職日も「〇〇年〇月〇日をもちまして退職いたします」と書きます。縦書きの場合は、漢数字で日付を書きましょう。
④提出する年月日
退職届を提出する日付を漢数字で書きます。退職する日ではないため注意してください。
⑤所属・捺印
所属部署や役職は正式名称で書きます。自分の名前はフルネームで書き、捺印をしてください。
捺印は認印でしましょう。シャチハタは好ましくありません。
⑥あて先
組織の最高責任者の名前を書きます。
病院の場合は院長と書きます。訪問看護ステーションの場合は、管理者や所長など名称が異なるため、正式名称を確認して書いてください。
【例文付】看護師の退職願の書き方
①タイトル
タイトルは「退職願」と書いてください。
②冒頭
冒頭は「私事」と「私議」から書き始めましょう。どちらを選んでも問題ありません。
③退職理由
ここには、退職理由を書いてください。
自己都合退職の場合は「一身上の都合」とします。結婚や出産をはじめ、親の介護や転職など個人的な理由の場合は、この理由としたほうがいいでしょう。
④提出する年月日
提出する日付を漢数字で書きましょう。退職する日ではないので注意してください。
⑤所属・捺印
所属と役職は正式名称で書きましょう。自分の名前はフルネームで書きます。
認印で捺印してください。
⑥あて先
あて名は組織の最高責任者の名前を記入します。
「院長」「所長」などの役職の最後に敬称「殿」を書いてください。
看護師の退職届と退職願の違いとは|提出のタイミング
そもそも退職届と退職願いの違いは、提出のタイミングです。いずれも一度、提出すると原則として撤回できません。それぞれの書類が持つ意味を解説するため、ぜひ参考にしてください。
退職願|退職を交渉するとき
退職願を提出するときは「退職を交渉するとき」です。
直属の上司に提出して「〇月に退職したいと考えていますが、いかがでしょうか」と伺いを立てる書類です。
そのため、上司が必ず受け入れるとは限りません。「受理できません」と断られる場合もあります。
直属の上司に退職の相談をして、受け入れてもらえそうであれば退職願を提出せずに、退職届を提出するケースもあります。
退職届|雇用契約の解消を表明するとき
退職届を提出するときは「上司から退職の了承を得たあと、雇用契約の解消を表明するとき」です。
実際に退職する月の1~3カ月前の提出が望ましいです。就業規則によって規定があるため、病院の就業規則に従いましょう。
退職届は、退職を表明する書類であるため、提出後に撤回するのは難しいかもしれません。そのため、退職の希望についてよく考えたうえで提出しましょう。
退職届を提出した時点で退職日が決定します。上司の許可がない場合でも退職できます。
ただし、上司の許可なく退職すると円満退職できません。可能な限り許可を得て提出しましょう。
看護師の退職届・退職願の書き方の注意点
ここでは、看護師の退職届や退職願の書き方など下記3つの注意点を解説します。
- 縦書きと横書き
- 便箋は白無地
- 封筒は白の長形4号
下記3つのポイントに注意し、マナーを守った書類を作成しましょう。
縦書きと横書き
退職届や退職願は、縦書きと横書きどちらで書いても構いません。
ただし、縦書きが一般的です。横書きを指定された場合は指示に従いましょう。とくに、指示がない場合は縦書きにしておくのが賢明です。
縦書きする場合と横書きする場合ではルールが異なります。具体的なルールは下記を参照してください。
縦書き | 横書き | |
タイトルのあと | すぐに本題 | 提出日や氏名、部署名を書き本題 |
文章の始め方 | 一番下に「私事」または「私議」 | 右詰めで「私事」または「私議」 |
文章の終わり方 | 特に不要 | 右詰めで「以上」 |
数字の書き方 | 漢数字 | 算用数字 |
縦書きの場合は、見本のように「退職届」のタイトルのあとはすぐに本題に入ります。
しかし、横書きはタイトルのあとに、氏名や所属部署名、提出日などの情報を書く決まりがあります。マナーを守った書類を作成し、退職をスムーズに進めましょう。
便箋は白無地
退職届や退職願の作成は、便箋の白無地を使いましょう。
罫線なしの便箋、またはコピー用紙などの白紙の用紙を使用するのが一般的です。裏が透けたり、文字が透けたりしないようにある程度、厚みがあるものを選んでください。
再生紙は退職届や退職願には向きません。
市販の退職届用の用紙を使用すると、書き方や注意事項などの解説が添付されている場合もあるため、初めて書く方でも安心できるでしょう。
封筒は白の長形4号
退職届や退職願を入れる封筒は、白の長形4号を選びましょう。
封筒には白色のほかに茶色のものがあります。茶色の封筒は、白色の封筒よりもコストが低く、社内用として重要度が高くないものを入れることが多いです。白色の封筒はコストが高く、清潔な印象を与えます。
退職届や退職願の大きさに合わせた封筒が適切です。さらに、基本的には手渡しするため、郵便番号が書かれていない封筒を選びましょう。
退職届や退職願は機密性が高い書類であるため、中身が透けない素材を選んでください。
看護師が退職届を出す方法
次に、看護師の方が退職届を出す方法を下記3つです。
- 直属の上司に手渡すのがベスト
- 郵送する時は封筒を二重に
- 退職の意向を伝えるタイミングは3カ月前
それぞれのポイントを具体的に解説します。
直属の上司に手渡すのがベスト
退職届は、直属の上司に手渡しするのがベストです。
職場が病院の場合は看護師長、訪問看護ステーションの場合は施設長に渡します。小規模なクリニックの場合は、直接院長に渡す場合もあるため、決まりを事前に確認しましょう。
退職届のあて先は、組織の最高責任者を書きます。しかし。提出先は直属の上司となるので注意してください。
退職届に書いた提出日に上司に渡せない場合もあります。そのときは、日付を書き換える必要があります。退職届は重要な書類です。あらためて作成しなおしてください。
郵送するときは封筒を二重に
退職届を郵送するときは、封筒を二重にしましょう。
なぜなら、受け取った方に丁寧である印象を与えるためです。このとき添え状を用意すると、より丁寧になります。
ただし、退職届を郵送するのは、体調が優れない場合や入院している場合などの手渡しができない場合のみにしましょう。退職届を郵送する前に、郵送する旨を病院に伝えるのを忘れないでください。
退職の意向を伝えるタイミングは1~3カ月前
退職の意向を伝えるタイミングは1~3カ月前にしましょう。
というのも、看護師の方が退職するときに、代わりの看護師を確保したり、シフトを調整しなおしたりする必要があるためです。
ほかにも、業務の引き継ぎがあるため、なるべく早めに退職の意向を伝えましょう。円満退職を目指す方は、可能な限り職場に迷惑がかからないように配慮してください。
看護師の退職届は撤回できるの?
一度提出した退職届を撤回するのは難しいでしょう。
退職届の提出は、労働者からの退職の明確な意思表示です。提出した退職届を、組織の最高責任者が受理して承諾したときに退職が成立します。
いったん承諾した退職届を撤回するためには、病院の同意が必要です。
承諾される前であれば、退職届の撤回が可能かもしれませんが、一度承諾されると撤回は難しいといえます。
看護師の退職届と辞表の違いは?
退職するときに提出するのが退職届です。
辞表は、会社の役員や公務員が使う書類です。内容は退職届と変わりません。正式に、退職の意思を伝えるときに使います。一般の看護師は、辞表を使う機会はないと考えられます。
退職届と間違って辞表を出さないように注意しましょう。
看護師の退職届は書き方のマナーを守り、円満な退職を目指そう
看護師の退職届は、退職の手続きが進み、正式に退職日が決まったあとに提出する書類です。
退職届の書き方や提出する相手、提出する方法にはいくつかマナーがあります。就業規則を十分に確認し提出しましょう。
退職届を書いたことがない看護師の方も多いかもしれません。しかし、マナーを守れなければ円満退職は難しいです。
この記事で紹介したことを実践し、円満退職を目指しましょう。
参考サイト・文献
「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。